00:11
始まりました、志賀十五の壺。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
小野のこまちです。
前回のエピソードで、英語の疑問文についてお話しいたしました。
英語の疑問文では、主語と助動詞が入れ替わるみたいなね、現象がございます。
You can do it が Can you do it になると。
ただ、これは主語と助動詞が入れ替わっているのではなくて、主語の位置はそのままで、助動詞が主語の前の位置に移動していると。
そういった現象だという話をしたんですよね。
で、その助動詞の移動している先っていうのがちゃんと決まっていて、これが補文標識と同じ位置に現れていると。
補文標識というのは、英語だと that とか weather とかこういったものです。
この that とか weather っていうのは、確かに英語だと主語の前に現れるものです。
その位置に助動詞が移動しているんですね。
実際、that とか weather みたいな補文標識がある場合は、助動詞の移動という現象は起こりません。
いわゆる間接疑問文というものですけど、例えば I don't know whether you can do it とかいった場合、
お前がそれをできるかどうかはわからないといった場合、
I don't know weather この weather があるので you can do it とそのままの語順で出るんですよね。
ただ普通の疑問文だと繰り返しですけど can you do it みたいに、
この can というのが補文標識の位置に移動します。
前回お話しできなかった疑問詞疑問文について今回はお話ししていきます。
疑問詞疑問文というのはその名の通り、疑問詞を含むような疑問文で、
What can you do みたいなものですね。
お前は何ができるか、こういったものです。
この疑問詞疑問文において、英語の疑問詞っていうのは can よりもさらに前に、
一番最初の文頭に現れますよね。
これもやっぱり移動と考えるんですね。
普通の閉助文だと you can do it の it みたいに、
目的語は当然動詞の後に出てくるんですけど、
これが疑問詞疑問文だと、
What みたいなものだと目的語の後の位置から文頭に移動すると考えます。
03:07
考えますが、ではこの What っていう疑問詞は一体どこに移動しているのかっていうのが問題になるんですよね。
というのも can you do it みたいなイエスの疑問文だと、さっきお話ししたように、
保文標識の位置に can が移動しているということは確かにできます。
その同じ保文標識の位置に疑問詞が移動しているとは考えられないんですね。
平成文法という考えでは、一つの位置に一つの要素しか来られないっていうふうに考えます。
なのでさっき言ったように weather があるときは助動詞の移動は起こらないと言いましたけど、
移動しちゃうとその保文標識の位置に weather という要素と can という助動詞と2つの要素が入っちゃうので移動が起こらないと。
では what can you do の what っていうのは一体どこに移動してるんでしょう。
結論から申し上げますと、英語の疑問詞疑問文の疑問詞は cp の指定部に移動します。
なんのこっちゃっていうことですよね。
cp っていうのは、たぶん保文句みたいな言い方をすると思うんですけど、
complementar phrase でそれを略して cp と言われることが多いです。
平成文法ではこの p という phrase という考え方が非常に重要です。
例えば、名詞句だったら noun フレーズで np、動詞句だったら verb フレーズで vp、
あるいは前置詞句だったら prepositional フレーズで pp とかいう言い方をするんですね。
cp というのは complementar phrase です。
平成文法では x bar 理論という考えがあって、
この句というものは、どんな句であっても同じ構造を持っているというふうに考えるんですね。
cp だろうが vp だろうが np だろうが pp だろうが、全部同じ構造を持っていると。
例えば vp から考えると動詞句ですけど、reader book みたいなものです。本を読む。
この read という動詞に対して a book というのがかなり近い関係にあるというか、
read という動詞が a book という目的語を取っているというふうに考えるんですね。
06:03
この動詞句の動詞本体のほう、read のほうを主用部、a book 目的語のほうをほぶと言います。
このほぶっていうのが、ほ文表式とかとちょっと名前が似ててややこしいんですけど、
この reader book 主用部ほぶという関係がどんな句にもあると考えるんですね。
例えば np 名詞句だと book of linguistics これだと言語学の本。
主用部が book で、ほぶのほうが of linguistics。
同様に pp 全知識だと from japan みたいなものですね。from っていうのが主要部の全知識で、
japan っていうのがほぶの名詞ということになります。
cp も同じ主要部とほぶの関係があると考えて、
ざっと説みたいなものだと that you can do it みたいになって、主要部はあくまで that なんですね。
その主要部の that が、ほ文表式が文みたいな you can do it をほぶとしてとっていると考えます。
このように主要部とほぶという関係はあらゆる句にあると考えるんですが、
それに加えてもう一つ指定部という関係もあると、Xバー理論では考えます。
動詞からまた考えると、reader book っていうのが動詞句ですけど、
その主語が現れるのが指定部だと考えるんですね。
例えば I read a book この I っていうのが指定部に現れていると考えます。
本当はもうちょっとね、この主語の話は複雑なんですけど、
簡略化すると、動詞句の指定部は主語の位置です。
名詞句 NP の指定部には何が入るかというと、これは漢詩が現れるとこです。
a book of linguistics みたいなのが指定部に現れております。
このように英語の構造として、指定部、主要部、ほぶという順番で現れるんですね。
Xバー理論では、この指定部、主要部、ほぶという構造が、
どんな句においても成り立つと考えますので、
当然 CP においても指定部というのは想定されます。
その指定部というところに、疑問詞・疑問文の疑問詞が移動していると考えるんですね。
09:03
ですので、what can you do と言った場合、
what っていうのが CP の指定部に移動していって、
助動詞の can っていうのが CP の主要部に移動していると考えるんですね。
普通の Z 説みたいな、そういった CP では、
使われていない指定部という位置に、疑問詞の what みたいなものが移動してくると考えるんですね。
移動するからには、その移動先に必ず部屋が想定されるというのが、
生成文法の考え方となっております。
なかなか面白いですよね。
というわけで、今回はここまでということで、
なかなか音声だけでは難しい話だとは思うんですけど、
すべての句というのは同じ構造を持っているみたいな、
それが X バー理論であるというような話でございました。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れずよろしくお願いします。
お相手はシガ15でした。
またねー!