1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2023-12-12 09:47

#607 T-to-C movement:英語の疑問文で語順は「入れ替わる」か? from Radiotalk

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Carnie, Andrew (2021) Syntax: A Generative Introduction. 4th Edition. Malden, MA: Wiley Blackwell.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
00:12
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。安全交通のほかり側です。
ラジオトーク宛にお便りいただいております。お便りというかギフトですね。いただいております。
さなだゆきさんとすこやすみさんからギフトいただきました。ありがとうございます。
毎年この年末の時期になると、
ラジオトークというアプリでは、アワードみたいなのがあって、そのアワードの投票のギフトというのがございまして、そちらも送っていただいております。
どうもありがとうございます。
それと、ポッドキャストアワードもこの辺りの時期から投票みたいなのが始まるんですよね。
もしお時間がある方は、リスナーズチョイスっていうのにこの番組を投票していただけたらと思います。
詳細は番組の概要欄にURLを貼っておきますので、そちら確認見ていただけたらと思います。
自分の番組を自選でエントリーはしておりますので、リスナーの方はリスナーズチョイスの方で投票していただけたらと思います。
さて今回のエピソードは、英語の疑問文についてお話ししていこうと思います。
英語の疑問文っていうのは、ご存知の通り、語順が変わりますよね。
例えば、you can do itだったら、can you do itになると。
このyouとcan、代名詞と助動詞の位置が入れ替わっているように見えます。
日本語にはそういった疑問文の統治の規則みたいなのはないですよね。
できますか?みたいにかがついたりとか、できるの?っていうふうにのがついたりとか、
終助詞と言われるような助詞が文末にくっついて疑問というのを表しております。
英語は語順をひっくり返して疑問文を作る。日本語は終助詞を文末にくっつけて疑問文を作る。
全く別個のプロセス、疑問文の作り方だっていう気がするんですが、
実は同じプロセスなんだっていうね、そういった考え方がございます。
今回は生成文法と言われる言語学の分野のお話となっております。
03:00
さて、英語の例に戻りますと、you can do it が can you do it になると。
主語と助動詞の位置が入れ替わっていると、そういったお話をしましたが、
生成文法では入れ替わっているというふうには考えないんですね。
確かに見た目の上では入れ替わっているんですが、そうではなくて、
平書文から疑問文が派生されている、作られているという考え方は一緒なんですけど、
you と can が入れ替わっているではなくて、主語の you は動いていないと考えるんですね。
その代わりというか、 can の方が主語の前の位置に移動しているというふうに考えます。
主語はそのままの位置に留まって、 can だけが移動していると。
まあこの you みたいな主語も実は移動してきた結果なんですよね。
もともと別の位置にあった you っていうのがいろいろあって、
you can do it の you という位置に収まっているんですけど、その話は一旦置いといて、
you can do it という語順から can だけが主語の前の位置に移動しております。
その助動詞 can の移動している先っていうのがどこかというと、
補分標識の位置に移動していると考えるんですね。
補分標識、complementizer と英語では言うものなんですが、
ざっと説の that とか、あとは可動化の whether とか、
I wonder if の if とか、
この that, whether, if みたいなものが complementizer と言われるものです。
確かにこういったものは主語の前の位置に現れてますよね。
で、そこに助動詞が移動するっていうのが、
英語の疑問文の作り方ということなんですね。
で、これも考え方の一つなんですけど、
英語のその疑問標識っていうのは存在はしてるんですね。
日本語のできますかーのかーとか、できるのーのーのーみたいに、
疑問を表す complementizer っていうのはあるんですが、
音としては存在していないと考えます。
で、そうなると、せっかく疑問を表す complementizer が文頭の位置に現れたとしても、
音としては存在しないので、
見た目というか聞いた上では、平常文と疑問文というのは区別されません。
06:00
で、その音として存在しない complementizer、補文標識の位置に、
助動詞が移動することで、それが疑問文であることを明確にしていると言うんですね。
まあ結構ね、生成文法はこういうふうに、
あるんだけどないみたいな話が結構出てきて、
まあゼロですよね。
ないんじゃなくてゼロが存在しているっていうような考え方が結構あります。
まあそういうふうにゼロを認めると、
理屈としては結構統一的な説明はしやすい面はあるんですけど、
ある意味でキリがなくなっちゃうようなとこはあるんじゃないかなっていうね気はしますね。
いずれにせよ、英語の疑問文で助動詞が移動している先っていうのは、
thatとかwhetherとかifとか、こういった補文標識が、
現れる位置であるということなんですね。
で日本語の場合は、
できますかのかとか、できるのののとか、このかとかのっていうのが、
そのまま補文標識の位置に現れているということで、
ですので具体的な形があるから、まあ移動はしなくていいということなんですね。
ただ英語の疑問文っていうのはご存知の通り、
canみたいな助動詞がある場合は助動詞が文頭に出てくるわけですけど、
助動詞がない場合はdoとかdoesとかdidとか、
こういったものが文頭に出てきますよね。
これはどのように考えるかというと、
英語では助動詞っていうのは、
コンプリメンタイザーの位置に移動できるんですけど、
本動詞っていうのは移動できないような言語と考えられます。
言語によっては本動詞がそのまま文頭に出て、
つまりコンプリメンタイザーの位置に本動詞が移動して、
疑問文を作るっていうものもあるんですよね。
なので英語風に考えると、
you made itみたいな、あなたはそれを作りましたみたいなものが、
made you itみたいな言い方になるということです。
英語の場合は本動詞はコンプリメンタイザーの位置に移動できないので、
そういう時にdoの助けを借りるという風に考えます。
ですので、did you make itみたいな言い方になるということなんですね。
こういうdoの助けを借りることを、
実際do supportみたいな言い方をするんですよね。
それも英語の大きな特徴の一つではないかなと思います。
本日の話をまとめると、英語の疑問文っていうのは、
09:02
主語と助動詞が入れ替わって疑問文が作られていると考えられるんですが、
生成文法では主語の位置は動かずに、助動詞が補文標識の位置に移動していると、
そういう風に考えるというお話でございました。
今回イエスの疑問文の話でしたけど、
これがね、疑問詞・疑問文だとまた面白い話があるんですが、
また機会があったらお話ししようと思います。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローもよろしくお願いします。
お相手はしがじゅうごでした。
またねー。
09:47

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