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こんにちは、志賀十五です。
今回はお便りに回答するっていうことでやっていこうと思います。
こちらKJさんからいただきましたギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
志賀さんこんにちは。
マルタ語は辛うじて覚えてました。朝配信の時間は運転中だったり、仕事の準備でバタバタしていることが多いです。
だからこうして収録でゆっくり復習できるのは嬉しいです。
これはちょっと前に配信したトークで、朝ライブ配信して、国連官名国のウィキペディアを英語で読んでいるみたいな話をして、
そこで各地で話されている言語の話をしていますと、知らない言語が多いですねっていうことで、マルタ語をはじめ色んな言語の紹介をしたっていう時の話ですね。
続けます。
最近の収録ではゲルマン語の語順が面白かったです。
私の場合、なんで英語だけ語順が固定されたんだろうと、今の言語そのものより歴史に興味が移りがちですが、
遅ればせながら1週間、1週間違う、1周年半おめでとうございます。
1周年2周年じゃなくて半年で区切るところに少しにやりとしました。
次の収録楽しみにしています。ということでKJさんどうもありがとうございます。
この1周年半は思い出したからちょっと言ってみただけだったんですよね。
もう忘れてたらそのまま流していたと思います。
ゲルマン語の語順は面白いですよね。英語は当てはまらないんですけど、
例えばドイツ語なんかでは一見SVO語順に見えるんですけど、
そのVの前の1っていうのは主語以外も来ることができると。
端的に言えば動詞が2番目にさえくれば、
文頭は主語だろうと目的語だろうと、あるいは間接目的語でも副詞でも何でもありということになっているんですね。
で、KJさんの疑問は最もだと思います。
なぜ英語ではそういった語順がね捨たれてしまったのかと。
確かに現代英語ではSVO語順しか許されてないんですよね。
というわけで今回はこういう英語の歴史についてね深掘りしていこうと思います。
今回もかなり魅力的な話になっているのではないかと思います。
歴史を遡れば確かに英語はもう少し語順の自由が利いていた言語だったんですね。
例えば古英語と言われる時代、これは時代で言うと、
1066年にノルマンコンクエストっていうのがあったんですけど、
それ以前の英語のことを古英語って言うんですね。
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で、そういった時代の英語ではもうちょっと語順が自由で、
従属説、例えばwenとかifとかね、こういうものを使った説の中の語順はSOV語順だったと言われています。
というかそういう記録があります。
こういう従属説あるいは副文で語順がSOVになるっていうのは、
ドイツ語では現代でも生き残っているんですよね。
まあ余談ですけど、研究者の中には、
ドイツ語の基本語順は本当はSOVで、
で、最後のこの動詞が移動してるんだっていう風に分析する人も多くいます。
まあこのドイツ語の語順の話は関連トークを聞いていただくとして、
古英語では割と自由だった英語の語順っていうのは、
現代英語では副文とかね、従属説であろうとどこであろうとSVOにね、
まあがっちり決められてしまっているということです。
で、これは何でかっていうと主に2つ理由があって、
名詞側の事情と動詞側の事情があります。
まず名詞側から見てみますけど、
現代英語では名詞の格変化っていうのは失われてしまってますよね。
代名詞には多少残ってますけど、
つまり格変化っていうのは主語の時か目的語の時か、
まあこういった時に動詞の形が変わるっていうことですよね。
主語だったらI、目的語だったらmeとか、
主語だったらhe、she、目的語だったらhim、herとね、
まあこういうのを我々中学英語で覚えたわけですけど、
これはもう化石的に残っていると言っておくって、
もともと名詞全体にあった変化なんですね。
一般名詞のdogみたいなものでも主語の形と目的語の形、
あるいは関節目的語の形まであったんですけど、
現代英語ではもうdog一変等で言ってますよね。
ラテン語なんかは格変化がもうしっかりしてる言語で、
まあよく出るのはね、少女っていう単語がpuerraって言うんですよね。
主語の時はpuerra、目的語になる時はpuerram、
関節目的語、英語でtoを使うような時はpuerraeとなるんですよね。
英語の場合はもうこういうの全部なくなっちゃって、girl一変等で言ってますよね。
関節目的語の時は名詞の形が変わるというよりは、
前置詞を使ってto a girlみたいな言い方になる。
こういうふうに主語や目的語で名詞の形が変わらないんだったら、
語順を固定せざるを得ないっていうことになるんですね。
動詞の前に出てくるのが主語、動詞の後に出てくるのが目的語っていうふうに固定することで、
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主語や目的語を表していると。
名詞の変化形がなくなったことを それでカバーしているっていうことですね。
これが1つ名詞側の事情です。
もう1つは動詞側の事情で、動詞側も変化形がどんどん少なくなっちゃったんですね。
昔は主語によっていちいち動詞の形が変わっていたんですけど、
現代英語では三人称単数現在のsっていうのしか残ってないんですよね。
これが過去形になっちゃうと全部一緒になってしまいます。
またこれもラテン語と比べますけど、
愛するっていう動詞はアモーって言うんですね。
これの過去形が一人称単数だったらアマーバム、
二人称単数だったらアマーバース、三人称単数だったらアマーバット、
それぞれ複数もあるんですね。
英語だったらこういう変化全部なくなっちゃって、
lovedでedがつく形しかないということになっています。
こうなるとさっきと事情は一緒で、
動詞で何が主語かを表していないので、
語順で主語を固定せざるを得なくなったということなんですね。
もし動詞の方で主語を表しているんだったら、
主語名詞はわりとどの位置に表れても問題はないんですけど、
動詞が主語の認証と一致しなくなってしまったので、
語順でそれをカバーしているということなんですね。
一言で言ってしまえば、今までの話は文法の簡略化ということができるかもしれません。
こういうふうな厳格なSVO語順で主語が義務的であるような言語のことを、
標準ヨーロッパ語ということがあります。
これはベンジャミン・ウォーフという著名な言語学者が提唱したもので、
英語だとSAEと略されたりするようなものです。
こういう文法が簡略化して語順が固定されたような言語、
SAEに含まれるものとして、
英語、ドイツ語も含まれているんですけど、
オランダ語みたいなゲルマン系の言語や、
あとはフランス語やロマンシュ語と言われるロマンス系の言語も含まれています。
これは大西洋的というかね、
西ヨーロッパ的な、ある意味地域的な言語的な特徴と言われているんですよね。
なぜこのような地域で文法の簡略化が起こったかというと、
一つは言語接触の結果だという説があります。
これはなかなか面白い仮説だと思いますね。
言語接触の結果、文法が簡略化してしまって、
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その結果、語順がSVOに固定されてしまったと。
そういった説明があるんですね。
というわけで今回は、
英語の語順が何で固定されてしまったかということをお話ししてみました。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
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お相手はシガ15でした。ではまた。