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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ブーマーウェルズです。
今世紀中に世界の言語の9割が失われてしまうという予測があります。
これはかなり悲劇的なことですよね。
世界の言語の数っていうのは、いろんな意味で数えるのが難しいんですが、
一つは言語と方言の差っていうのがきっちり引かれるものでもないし、
実際には方言差なんですけど、国歌が違うから言語っていう言い方をしているという場合もありますので、
そういった成人的要因も関わっていますので、正確な言語の数、総数っていうのは算出するのは難しいんですが、
だいたい6千とか7千とか8千というふうに言われております。
そのうちの9割が今世紀中に失われるということは、600とか700とかね、
そのくらいの言語しか生き残れないということです。
これはかなり悲観的な見方なので、もう少し楽観的な、楽観的って言ってもあれですけど、
今世紀中に世界の言語の半分、5割が失われるというふうに見積もったとしても、
だから3千ぐらいの言語が100年のうちに死んでしまうということですが、
それは平均すると2週間に1つの言語が失われるということになります。
これはかなり衝撃的なフェースということができると思います。
しかし言語の数が減るということは、果たしてそんな悪いことなのかという意見もあるでしょう。
世界中の人々が単一の言語を話した方が意思疎通が簡単に行えてよろしいのではないかと、
そういうふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際エスペラントっていうのはそういった側面もあると思います。
世界中でいざこざが起こっている、戦争や紛争が起こっているのは、
言葉によるコミュニケーションがうまくいってないからだと。
世界の人々が一つの言語を話せば、それは世界平和につながるのではないかと、
そう思われるかもしれませんが、それはそうとも言えないと思います。
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というのも、同じ言語を話していたとしてもいざこざというのは起こってますし、
単一の言語を話すということが即世界平和とか相互理解というものにつながるかというと、
それはかなり厳しいと思いますね。
それと、この単一の言語を話せばいいじゃないと思っている人は、
大抵自分の言語がそれに選ばれると思っているんですよね。
例えば日本語母語話者であったら、世界中の人が日本語を話せばいいのにと、
別にそうやって空想するのは自由ですけど、
無意識のうちに自分の言語が共通語、世界共通語になるっていうふうに考えているものなんですよね。
これってよくありますよね。地球最後の日にどうのこうのとかいうふうに考えたときに、
なぜか自分は生き残っている体で話すわけでございますが、
そのあたりは少し冷静に考えてみる必要があるかと思います。
さて、今回参考にしている書籍は中古新書の消滅する言語という新書でございます。
デイビット・クリスタルという先生が書いている本で、
まあ結構ね一般向けの言語学の本とかも出されてるんですよね。
日本語で読めるものも本書を含めてね、それなりにあるかもしれません。
この消滅する言語の中で、
言語の消滅というのはなぜ防ぐ必要があるのか、食い止めなければならないかということがね、
主に5つの理由が挙げられております。
1. 多様性が必要だから
2. 言語は民族的独自性を表現するから
3. 言語は歴史の宝庫だから
4. 言語は人間知識全体の中で大きな役割を果たすから
そして5. 言語はそれ自体興味深いから
デイビット・クリスタルはね、この5つの理由を挙げております。
詳しくはね、ぜひこの新章本体の方をね、読んでいただけたらと思うんですが、
言語の多様性っていうのはよく生物の多様性と並行してね、考えられます。
生物の多様性っていうのは守られるべきだっていうのはね、結構常識となっているというか、
改めてここで述べるまでもないみたいになっているんですけど、言語の多様性についてはね、そこまで、
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そこまでというか、生物の多様性ほどは関心がないんですよね。
言語の多様性が失われるということが、即人類の滅亡とはね、
結びつかないというか、生命の危機っていうのに直接的には関わってこないような気がするので、
ないがしろにされているっていうところはあると思います。
言語が一つ減るということは、世界のものの見方が一つ減るっていうことなんですよね。
地球上に一つの言語しかないとしたら、ある物事を表す手段っていうのは、ある意味一つしかないわけですけど、
別の言語から見れば、また別の世界の見方というのがあるわけなので、
そういったものが失われるっていうのは、人間の可能性の幅を狭めているということですよね。
人間の世界の見方、感じ方、考え方、思考の回路、そういったものが言語によってなされているとすれば、
それが失われるというのは、当然人類にとって大きな損失になります。
それに言語っていうのは、その共同体の文化とかね、あるいは社会と当然直結しているわけなので、
様々な文化を維持する、守るというためにも、言語の多様性っていうのはね、
当然守られるべきものでございます。
今回紹介しているこの消滅する言語は、後書きがね、面白いから、ぜひね、後書きも含めてね、読んでいただけたらと思います。
後書きは後書きでもその役者後書きなんですけど、このデイビッド・クリスタルの考え方が非常に西洋的だっていうようなことがね、
役者後書きに書いていて、結構ね、それに対する痛烈な批判になっていて面白いので、ぜひ通してね、読んでいただけたらと思います。
日本語という言語は比較的安泰の言語だと思います。
話者数が1億を超えていると考えるとね、これはとても話者の多いね、大言語ということができますが、ただ方言まで含めて考えると、
日本でも言語の多様性という問題とはね、無縁ではないと思います。
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そういった方言も含めてですね、自分の母語に対して誇りを持つというかね、意識するっていうことが大事だっていうふうにね、書かれておりました。
というわけで今回は、消滅危機言語についてのお話でございました。
ぜひね、参考文献を読んでいただけたらと思います。後書きも含めてね。
それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。番組フォローも忘れずよろしくお願いします。お相手はしがじゅうごでした。
またねー。