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始まりました、志賀十五の壺。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?
フレディーマーキュリーです。
今回は言語の機能、役割、働き、こういったものについて考えていこうと思います。
言わずもがなっていう感じだと思うんですけど、
言語の役割っていうのは、当然、他者とのコミュニケーションですよね。
これが皆さん真っ先に思い浮かぶことではないかと思います。
ただ、言語には様々な側面があって、
このコミュニケーションのための言語っていうのは、
その言語の一側面にしか過ぎないっていうね、そういった考え方もあるんですね。
今回参考にしている書籍が、
世界思想者というとこから出ている言語人類学を学ぶ人のために、
宮岡おさひと先生が返事やになっています。
その第一章です。
この第一章も宮岡先生が書いていらっしゃいます。
ぜひこの第一章だけでも、皆さん読んでいただきたいと思います。
非常に面白いし、資産に富んでいるので、
ぜひね、図書館等で探してみてもいいんじゃないかと思います。
で、この宮岡先生の考えに基づいて、今からお話ししていくんですけど、
言語には3つの側面があるっていうふうに、ここでは言われてるんですね。
一つは、半中華の言語。
二つ目は、伝達の言語。
そして三つ目が、直接機能性の言語。
さっき言ってた、コミュニケーションのための言語っていうのは2番目で、
この2番目の言語の機能っていうのは、
一番目の言語、半中華の言語っていうのが大前提であるっていうか、
それありきの言語なんですね。
で、その半中華の言語っていうのは、
なかなかね、気づきづらいものではないかなと思います。
半中華ってどういうことかっていうと、
この点についてはね、過去にエピソードを撮ってるので、
そちらも関連エピソードとして上げとくので、
概要欄にぜひ聞いていただきたいんですけど、
一言で言えば、世界を切り分ける、分節するということです。
我々はこの世界で生きてるわけですけど、
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その人間が相手にしている世界っていうのは、生身の世界ではなくて、
必ず言語を通した世界でしかありえないんですね。
そのことってもうどうしようもないんですよね。
どうしようもないっていうか、ある意味で言語の呪縛だし、
しかもそのことには普通は気づけないことなんですよね。
だからこそ半中華の言語っていうのはわかりづらいことだし、
そのためにもしかしたら言語学っていうのはあるのかもしれないし、
外国語を学習するときにそういったことがわかったりします。
言語が世界を切り分けているっていうのは、
まあこれはね、言語っていうのは物の名前ではないっていうことと表裏一体だと思うんですよね。
例えば日本語では水とお湯っていうのは区別しますけど、
言語によってはその2つを区別しません。
もしかしたら区別しない言語の方が多いかもしれません。
これは当然日本語を母語話者あるいは日本人にとって、
お湯っていうのが身近で生活に密着しているものだからこそ、
水とお湯を分ける意味があるわけですよね。
あるいは有名な話では、
エスキモーの言葉には雪を表す言葉がいっぱいあって、
逆に雪っていうその包括的な単語っていうのはないんですよね。
その代わり、降っている雪とか積もっている雪とか、
あるいは吹雪とか、それぞれ全然違う単語で表します。
で、当然これは彼らにとって雪っていうのが生活に密着したものであるからということですね。
もっと強烈なっていうかな、衝撃的な例を挙げると、
太陽と月を同じ単語で表す言語っていうのもあります。
太陽と月なんて我々にとってはもう全然別物だし、
違う名前がついてて当然だっていう気がするんですけど、
あれを同じものと同一意識しているような言語もあるんですね。
まあそういうふうに世界を切り取っているということです。
こういう世界の切り分け方っていうのは、
こういう単語だけに見られるものではなくて、
もっと文の単位でも見られるんですね。
日本語で石が落ちるって言ったとき、
これを外国語にね、翻訳しなさいと言われたときに、
石っていうのがあって、おそらくこれは名詞で、
落ちるっていうのは動詞で、それに当てはまるように単語を翻訳すればいいと。
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もしかしたら主語を表すものが何かついたりとか、
漢詩がついたりとか、動詞は何か三人称単数にしなきゃいけないとか、
もっと複雑な変化をするかもしれないとか、
そういったことが予想されるかもしれませんが、
北米のネイティブアメリカンの言語のヌートカ語っていう言語では、
これが全然違って、
石っていうのがまず動詞で表されるんですね。
つまり石るみたいな言い方になって、
でそれに下へっていうような設備字がつくらしいです。
だから無理やり日本語にすると、
下方石るみたいな言い方で石が落ちるという言い方になるそうなんですね。
こういうふうに単語のレベルでも文法のレベルでも、
世界の切り分け方っていうのは言語によって非常に様々です。
これがつまり世界を切り分けるっていうことが、
言語の第一の機能であって、
それがあって伝達の言語、
言語の2番目の機能っていうのがあるんですね。
一般にはやっぱりこっちの方が注目されてるっていうか、
気づきやすいものだと思います。
ある意味で実用的だし、
人間ってコミュニケーションしなきゃいけないので、
そういうふうに考えると、
言語は統一された方がいいとかね、
みんな同じ言語で、
例えば英語なりエスペラントで話せた方がいいとか、
そういう思想に陥ってしまうかもしれません。
しかしこれは言語の2番目の機能にしか着目してないから、
そういうことになっちゃうのであって、
言語の1番目の機能の反中化っていうことを考えると、
ある意味言語の持っているというか、
人間の持っている世界の切り分け方の可能性みたいなものですよね。
人間の認知能力の多様性みたいなものを、
まるっきり無視してしまっているということになります。
というわけで、言語の第一の機能は反中化、
2番目の機能は伝達。
伝達の方は皆さんイメージしやすいと思います。
3番目の機能が直接機能の言語ということで、
これが言語の機能だっていうのはね、
より気づきにくいものじゃないかなと思います。
これはどういったものかというと、
呪文とか、あるいは呪いとか、言霊とか、
そういったものが言語の機能であるっていう風に考えられてるんですね。
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あるいは催眠術とか、あなたはだんだん眠くなるとかね、
なんかそういうのが古典的な感じでね、思い浮かぶと思うんですけど、
あれも直接機能の言語なんですね。
こういったものも言語の機能であるっていう風に考えられるんですね。
一応今挙げた3つ、反中化、伝達、直接機能性と、
この3つが言語の機能なんですけど、
他にも人々をまとめ上げるみたいなね、
若者言葉とかもそうかもしれませんし、
あるいはもっと大きな単位で、
国家としての言語、国語とかね、
そういったものを定めることで、
国民の民族意識を強めるっていうような役割も言語は持っています。
こういう風に考えるとですね、
言語っていうのはただ単にコミュニケーションのツール、
道具であるだけではなくて、
実に様々な機能があるっていうことがわかるかと思います。
というわけで今回のお話はここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
それではまた次回お会いしましょう。
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お相手はしがじゅうごでした。
またねー。