1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #652 言語は変わる、語順も変..
2024-05-18 10:07

#652 言語は変わる、語順も変わる from Radiotalk

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

言語は別の言語の影響を受けて変化します。日本語は中国の影響を受けており、語順も変化することがあります。

言語の影響
始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。なにわのモーツァルトです。
言語っていうのは、また別の言語の影響を受けて変化するということがあります。
特に地理的に近い言語の場合は、そうですね、特によくあるパターンは、政治的に力の強い言語が、そうでない言語に影響を与えるというようなことがあります。
もちろんこれ言語だけではないですよね。文化的にもそうでしょうし、いろんな側面でそうだと思うんですが、日本語の場合がそうですよね。
日本語は中国のそれぞれの王朝からいろんな面で影響を受けていて、言語もそうですよね。
音の面もそうですし、文字の面でもそうですよね。
そして語彙の面でも非常に中国の影響を受けております。
現代日本語には漢語と言われるものがありますけど、漢語なしではね、とてもじゃないけど、会話っていうのはできないと思いますね。
それだけ非常に強い影響を日本語に与えているわけなんですが、
近隣の言語の影響で語順が変わるということもあるんですね。
これはね、日本語には起こらなかったんですよ。
さっき言ったように漢語とかね、あとは音とか文字の側面で非常に強い影響を受けてますが、語順に関しては日本語はそんなに影響を受けていないようです。
だからこそというか、漢文の時間で我々が習ったように、「べてん」とかね、「いちにてん」とか、そういったものを使って無理やり日本語風の語順に直していたわけなんですよね。
朝鮮半島は中国と地続きなんでね、日本語よりもより強い影響を受けてそうですけど、
朝鮮語も中国語の影響は語順という意味では受けておりません。
まあ語順っていうのは、私がご飯を食べるっていうのが中国風になったとしたら、私が食べるご飯をってなるっていうことですよね。
それだけ大きい変化が起きるなんてなかなか想像しづらいような気もします。
では、そういった語順の変化っていうのがね、どういうところで起きているかというと、例えば太平洋の言語で起こっているんですね。
オーストロネシア語族の語順の変化
太平洋で話されている言語、特に島々の言語はオーストロネシア語族と言われる一つの言語のグループにまとめることができます。
ハワイ語とかニュージーランドのマオリ語とかね、あとはミクロネシアの島々の言語なんかはオーストロネシア語族の言語です。
さらに東南アジアのフィリピンの諸言語、あるいはインドネシアやマレーシアの諸言語もオーストロネシア語族の言語です。
こういった言語は、大抵VOの語順なんですね。つまり、動詞が出てきてから目的語が出るというVOの言語です。
主語っていうのがどこに現れるかっていうのは結構まちまちなんですけど、主語が文頭に現れてSVOという英語みたいな語順になる言語もあれば、
タガログ語をはじめとするフィリピンの言語みたいに動詞で文が始まるような言語もあります。
いずれにせよVO語順なんですね。 大抵VO語順なんですが、
パプアニューギニアで話されているオーストロネシア語族の言語はOVになっているものもあるんですね。
日本語みたいにSOVの語順になっているものもあります。 パプアニューギニアで話されているパプア諸語と言われるものは
オーストロネシア語族の言語ではありません。 オーストロネシア語族の言語を話す人々が海にバーッと広がったわけなんですけど、
それより前からパプアニューギニアと言われるあの島には人が住んでいました。 その言語の多様性っていうのがね半端じゃないんですよね。
700とか800ぐらいの言語があの一つの島の中で話されております。 そういった言語の影響を受けて、
もともとVOみたいなね語順だったオーストロネシア語族の言語が パプアニューギニアの言語との接触で
SOV語順になってしまったということなんですね。 そういった言語ではSOVになった結果、
高知詞を使うようにもなったんですね。 これがね、語順の相関っていうものが面白いところがあって、
オーストロネシア語族のVOみたいな語順だと 全知詞を使う傾向にあるんですね。まあ英語もそうですよね。
VOという語順だと全知詞をよく使います。 一方日本語みたいなSOV、OVの言語だと高知詞をこう使う傾向があるんですけど、
日本語で言うとこのにとかでとかねそういったものですが、 語順がSOVになった言語では
やっぱり高知詞を使うようになったということなんですね。 まあこれ厳密に言うとどっちが先かちょっとわかんないですけどね。
SOVになった結果高知詞を持つようになったのか、同時だったかもしれないし、 先に高知詞を使うようになったかもしれないし、
まあそれは厳密に言うとちょっとわからないところではありますが、 いずれにせよ言語接触によって語順が変わるということがあるんですね。
インドヨーロッパ語族の語順の変化
語順が変わるということはインドヨーロッパ語族の言語でもあります。
インドヨーロッパ語族の言語だと、 まあ英語とかね、あるいはフランス語とか、
こういった言語を見ているとSVOっていうのが メジャーな語順っていう感じがするんですが、もっと東の方に行って
インドイランとかね、この辺のインドヨーロッパ語族の言語になると 日本語と同じSOV語順になっているんですね。
インドヨーロッパ語族の言語は東の方に行けばSOVに変わったのかと、 まあそういうことなんですけど、
これは一概にもそうは言えなくて、 というのもインドヨーロッパ語族の祖語、インドヨーロッパ祖語、
まあ共通の祖先の言語ですね。 その祖語の語順はSOVだったと考えられるんですね。
なのでむしろ英語をはじめとするSVOの言語は、 あとからそっちになったというふうに考えることもできます。
実際古いインドヨーロッパ語族の言語、ラテン語とか、 あるいはヒッタイト語とかね、そういった言語はSOVだったんですね。
ヨーロッパの言語っていうとなんとなくね、SVOみたいな感じがするんですが、 そこまで遡るとSOVだったと考えられてるんですね。
言語のこういう語順が変わるっていうのは、 さっきのね、
オーストラネシア語族の言語がパプアニューギニアの言語との接触でね、 変わるっていう、そういう言語接触の結果ということもあり得ますけど、
まあそれ以外の要因で語順が変わるということもあり得ます。 日本語の場合はさっきも言ったように、
中国からいろんな影響を受けてますけど、語順に関して言えば影響は受けていないし、 その文字資料で遡れる限りは、
SOVからおそらく変わってないんじゃないかと思いますね。 それ以前の段階になるとちょっとわかんないですが、
日本語はね、割と脈々と語順を変えることなく受け継がれているといった感じでございます。
というわけで今回のエピソードは、 言語の語順っていうのはね、変わることがあるというお話でございました。
その音が変化したりとかね、語彙が新しく増えたりとか、そういったものも変化ですけど、
語順みたいな結構大きいものもね、変化し得るということです。 それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローも忘れず宜しくお願いします。 お便りもお待ちしております。
お相手はシガ15でした。
10:07

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