なので樽丸とは何ぞやっていうのは何ですか?
僕も師匠の晴丸さんという方からずっと教えてもらってきたのは、
もともと吉野の方から木を出していたんですけど、
その時は原木でずっと川を伝って、
いかだを組んで流して出していたっていう歴史があって、
樽丸っていうのは樽の需要がすごく急激に伸びた時に、
江戸時代ですかね。
その時に原木で出すよりも、
こちらで樽の部材として加工して出した方がすごく運送コストが低いし、
量ができるということで、
こちらで山の中でサッカーダルーの部材作りを始めた。
そしてサッカーダルーの部材を丸めて、竹のタガで丸めて、
その中に詰めて運ぶんですけど、
その丸めたもの自体を樽丸っていう。
なるほど、まとめた状態のことだと樽丸っていうのは。
さっきエレン見たからわかりました。
樽を作るように木を張ってないけど、
外側で樽型に隠して、その中に一本一本板を入れていく状態ですよね。
それでめちゃめちゃわかりやすいのは薪ね。
薪みたいな状態に樽の材料を詰めて、
それを一つの単位としたってことで、
薪でも1束2束って束で数えますけど、
それを樽の場合は1樽丸になるんですか?
そうですね、多分僕もその状態を知らないので、
あれですけど1樽丸、2樽丸とか言ってたかもしれないですね。
そうですね、それを元々は山で木を切って、
山で加工して下ろしたんです。
山で加工して、しかも干して。
干して乾かして。
山で干して下ろすと。
そこがめっちゃ合理的だなと思ったんですけど、
薪がまとかも本来山の中にあって、
木を切って、墨にして、墨がまか墨にして、
町場に下ろす。
やっぱり水分抜いて軽くしてから下ろすっていうのが
人力時代のめちゃ知恵だなと思って。
そうですね、墨焼きとよく似てると思いますね。
それを樽でもやって、樽の材料でそれを。
その需要がめちゃめちゃすごかった。
めちゃめちゃすごかったって聞いてますね。
それは樽は何用の樽が多いか?
ほぼ逆樽っていうふうに聞いてます。
なので、よく春橋さんが言うのは
江戸時代100万人人口がいた時代に
年間120万樽がこちらから江戸に向けて
樽回線という船で行ったっていうふうに聞いてますね。
なのですごく量が多くて、そのうちに量を換算すると
100万人いて江戸の人は1日に3合ほど日本酒を飲んだんじゃないか
っていうふうに計算できるみたいですね。
めちゃ酒飲みっすね。
すごいね。
ここからだとどこまで持っていって船なんですか?
ここが吉野川、木の川の上流原流部になりまして
なので吉野川から和歌山の方に入ると木の川になるんです。
その木の川から海に出てちょっと上に
北に上がると淀川がありまして
そこから淀川を通じて神戸やら大阪やらに運んだって聞いてますね。
すごいですね。
海運ではないけど
水運の技術は川で運ぶっていうのをやってて
それが吉野林業の話を聞いた中で
一番その需要が高まったから
吉野はめちゃめちゃ樽を丸造る派遣団
しかもその時に通直というよりは
節があまりない状態だからこそ良かったみたいな。
そうですね。やっぱり水分、水を入れるものなんで
節があると穴が一気に節穴になってしまうので
そこから水が漏れてしまうということで
まずは節がない木が重要ですね。
それは何年生ぐらいのものを使うことが多いんですかね?
言われてるのは80年生から100年生の木がいいっていう風に言われてますね。
そのサイズというか目のつまり具合も多分そうですし
カーブの具合とかそういうこともあってということですよね。
おっしゃる通りそうやと思います。
やっぱり細い木だとカーブがきつくなりますもんね。
そうすると年輪で水分とかアルコールが止まるので
年輪を切らないようにいくとやっぱりある程度のカーブというか
大きさの円周がないとタルとして役に立たなかったんじゃないかなと思います。
トータルで。
何の木でもいいということではなかったと思います。
運ぶ輸送の容器としては。
そこが吉野林業そのものを経営したみたいなのが結構面白くて
僕らのイメージだと本当に建築用材としての最高級品というイメージが強かったので
タル丸が吉野の林業、吉野の森というのをすごく押し上げていったというのが面白いなと知らなかったんです。
でも今となっては逆に言うとタル丸の技術とかタル丸を作っている人はめっちゃ減っているということですよね。
そうですね。やっぱり林業の形態上なかなか計算してそれに合わせてということじゃなくて
多分タル丸っていうのもたまたま条件がすごく良くてこの吉野の地方が。
それこそ雨が多くて木があんまり育ちにくい環境だからこそ年輪が密になってきて細かい年輪で水が止まるみたいなところと
やはり水運が田舎から大都市方面に流れてたっていうところ坂倉があるところに流れてたっていうのもありますし
そういったところでやっぱりちょうどその時にここにそういう木があってそういう需要があってっていうのが揃ってできて
その産業自体がまた今度変わっていくとまた次の産業に合わせてその価値を合わせていったっていうところはあって
状態はちょっと僕もわかんないんですけどいっぱいその都度その都度需要が求めることをやってたんやとは思いますね
需要に合わせて出し木を出してたというか
それがめちゃくちゃいい話ですよ自分たちはこうだからこういう木だからじゃなくて
ちゃんと市場を見て今はこれがいけそうだっていうことをちゃんと見てやってらっしゃったっていうのはこの産地の産業をつくって
1回目の野口さんの話で密食して細い木が最初は売れたから密食して保守稼いでみたいな話もそうだったけど
そこから変遷があるのは吉野林業めちゃくちゃ面白いですね
そうですねあんまりちゃんと理解できてない
それで今それこそ吉野林業の中でもいろんな大型木の利用を含めてある中で
西さん結構多分未利用なものの利用っていうのに対して次手を入れてるような感じなのかなと思ったんですけど
はいそうですね初めに紹介したように宿もやってますんで結構外部他の県からお客さんが来てくれたり
それこそ海外の人が泊まりに来てくれたりするのでその時にやっぱりタルマル自体を紹介するのもするんですけど
やっぱり何かこう手に取って持って帰ってもらってそれで山田野口のことを山のことを思い出してもらえたらなっていうところでそういうことも最近やり始めましたね
そうですよねなんかプロダクトというか小さいプロダクトを作ってらっしゃると
そうですよね
それがめちゃくちゃ出来上がりましたね
めちゃくちゃすごい綺麗でしたね
ありがとうございます
みょんさんはそういうところにあんまりタッチはしてないんですか今は
宿はメインで私がさせてもらってるんですけどお客さん来た時にタルマル工場を案内余裕があるときはさせてもらって
入り口というか吉野林業こんな感じだよっていうのを見てもらったり匂いを嗅いでもらったりということはしてますが
コロナになってから坂田るがタルマル自体があんまり需要がなくなったというか一回収まっちゃって
鏡開きが出たから
文化とものづくりのひも積みが超面白い
そうですよね
じゃあ自分で出口作るところまでしようと思ってやり始めたことに関しては私がとやかく言うところを言わないほうがやる気になるしね
そこは分けて私は紹介だけはしますけどプレイヤーは彼なので
口を出さないほうがお互いいいかなという感じですね
うまくやる秘訣
逆に大墨社さんでは結構協力隊の支援とかもされてるんですよね
はい
そこの地域づくりの中で大墨社さんがみんなの役割みたいなどういうポジションになるんですか
大墨社今収録させてもらってこの場所の建物をまずここの大屋さんが使ってくれないかってお声をかけていただいたときに
空き家ってかなりいなかった空き家はあるけど貸してくれる空き家がない問題ってここもあると思うんですけど
せっかく申し入れいただいているのに断りたくはないが
しかし私宿やってて自分の家もあってここまで宿メンテナンスできるのかなって思ったときに
個人ではなくて団体としてだったらできそうだなみんなで共有していくっていう形だったらできそうだな断りたくないしっていうのが
箱物ありきじゃないですけど
まずそれがあったので協力隊の仲間というかOBの子たちにも地元の方にも春橋さんそれこそとかにも声かけて
みんなで団体を作ろうとしたのが初めでそのときに協力隊のOBの一緒にやってる子も村外に住んでたんですその頃には
ただ村に住んでないからといって村のことをしないっていうのもなんか違うなと思っていて
これだけ村でプレイヤーが少なくなっていてアクションを起こす人がいないってことが大変なんだったら
村に住んでても住んでなくてもアクションしていく人たちの受け皿になる場所にしたいなってそのときに話して始めたのがきっかけで
協力隊の委託事業自体は村から委託としていただいている中での仕事なんですが協力隊って本当にプレイヤーなので
なんかいい形でサポートできないかなと思ってやってます
この辺だとどういうミッションっていうかどういうことを盛り上げようって感じなんですか
それは私が
村として協力隊に課せるミッションというかあれだよね出してるミッション
何個かあってフリーミッションが立ってて自分で企画を持っててやるっていう形もあるしあとは継承といって
普段の付き合いもやっぱりそういう感じであったんじゃないかなって思いますね
田んぼがないっていうことでチームを作って団結して仕事をするっていう
よその人が入ってくるとかに対してもそれなりには関与性があるというか循環があるみたいな
そうだったと思いますやっぱり田んぼがない分やっぱり労働力としての人が欲しいので
それこそ田んぼがあるところだとやはり自分の農地が他の人が入ってくることによって脅かされるかもしれないっていう考えが生まれるかもしれないんですけど
やはりそこがないので他の仕事に来た人に対してもやはりそういう需要はあったんじゃないかなと思いますよね
そうさっき樽丸候補さん言ったときも大体林業の制御は夏農家やってる人が冬やってたのに対して夏農業ないから夏も手をかける
だから吉野林業はできたっていう話がすごい面白かったですよね手かけられる時間がそこに存在したから成り立ったっていう
そうそうそうそれが田んぼがないっていうことの事実だけじゃなくていろんなことにつながって地域性とか山の仕事に対する考え方のスタンスの違いとかって
本当に何百年の話だと思うんですけどそれがひも付いてるんだなっていうのがめっちゃ面白くて
そのいう話を聞けたので川崎村僕らもちゃんと来るの初めてなんですけどそういう見え方ができて
多分そういう地域はいっぱいあるんだろうなと思ってそれこそ日野原はどうなんだっけみたいな話だと思いましたけど
結構大事な話というか樽を作ってる中で西井さんが結構顔の見える関係で作りたいんですよねみたいな話をきのうしていただいていて
その辺ちょっと聞きたいなと思うんですけど
西井 そうですねやっぱり昔かつての桶職人さんとか樽職人さんって結構その地域に必ず一人はいてとかっていうところで多分やってたんですよ
西井 そういう産業がもうだいぶ減っていってそうするとガクンと桶職人さんの数が減っていく中でやはり桶とか樽って湿気とか痛みとか
西井 そういうところが繊細な部分があるしあって手入れが必要なんですよねそうなってくると必ずメンテナンスしながら使う道具であって
西井 やっぱりかつてはその地域の人が補っていたメンテナンスをしてたところなんでしょうけどやはり遠方とかこれこそ今でいうとインターネットで遠くのところにまで販売すると
必ずメンテは行き届かなくなりますしやはりそこでメンテすることにすごくコストがかかってしまう現状があって
ちょっとそれは僕はできないなと思って純粋にやっぱりだから何かあった時にちょっと声かけてもらったり直しに行けたりする関係性の中でまずはやっていきたいなっていう思いがあって
そういうことにしていますしそういうことしかできないからそうなっていますっていう感じですかね
西井 タル、サカダル、ミスワルもそうだと思いますけど接着剤を使わずに乾燥したタル丸を組み合わせてそれを水分、湿気を水分含ませることで膨張させて
西井 締めていくっていうかね
西井 その仕組み自体が知っている人にとって当たり前なんだけど知らない人からしたらへえそうなんだっていう
西井 そうね普通に見たら絶対接着剤一家なんかで止まってるって思うよね
西井 だからしばらく使わなかったらやっぱり流れちゃって次お酒入れたらビューってなっちゃう
西井 多分そうなるとやっぱりこれこうなったんですけどっていう連絡があったりする
西井 そういうところから始めていくにはやっぱり顔が見える関係かなっていうのは思ってて
西井 知識ないと絶対分かんないですよね京都で一緒に展示会に出た時があったじゃないですかホテルカンロさん
西井 お風呂がタルだったんですよ水を終わった後に貼っといてくださいって言われて最初一瞬何のことなのかよく分かんなくなった
西井 でもそれはやっぱり水分がなくなった時に乾燥してそれが流出してしまう状況を防ぐために常に水を貼っておかないといけないっていうのが
西井 途中で気づいてタルってそういうふうにやっぱりしとかないと使えなくなるんだみたいな
西井 そう一段階手がかかる道具っていう感じがありますけどまたそこが愛着が湧いて良かったりもすると思ってますし
西井 そうですよね道具社会がどんどんメンテナンスフリーになっちゃうから
西井 例えば良いものほど手がかからない高いのに壊れるっていうのが一致しない世界だから難しいんだけど
西井 本来はそういう手のかかるものだからこそ手をかけるっていう
西井 バトンの向き渡しがうまくいかないとそこはギャップになっちゃうから難しいけど
西井 クラッシュと紐付いてた木の知識みたいなものがいろんな形で分断されていったことによってなくなってしまってるからわからなくなってる
西井 剃るっていうこと自体もそもそも知らないとかっていう状態に下手するとだって
西井 建築の学生とかが実際の木見たことないわけじゃないけど絶対に曲がらないものが発注したら来るみたいな
西井 ふうに思ってたりすることもあるって話はやっぱりあるんで
西井 思いますやっぱり頭で分かってるのと体感して感じてるのってちょっと違うところで感じてるような気がする
西井 違う部分で理解してる部分は頭で分かってるけどっていうのは結構あるんじゃないかなって今の時代思いますね
岡田 分かるけど何とかなるんじゃないかって思っちゃうっていう感じが
西井 情報だけが入ってるね
岡田 ねじれたり剃ったりするのは分かるんだけどでも言うてできるんじゃないですかって
岡田 具合よく分かってないですよね
西井 でも実際見たらこれはひどいよこんなに動くんだみたいな気がとかっていうのは結構あるんじゃないかなと
岡田 逆に吉野杉だと割と生木で削るじゃないですか乾燥させるけどそんな動かないってこと?
西井 やっぱり乾かしたらすごく縮みますね
西井 それを利用してるのが樽なんですけどこの部分で難しい繊細な感性はいるなって思いますね
西井 数値化はある程度はできるんですけどやっぱり木によっても違いますし
西井 その木の持ってるもの油加減とか硬さとかね当てあったら全然動かんなとかそういうのもありますし
西井 すごく複雑な要素があってそれは頭ではわかなか難しいけど触ってみたらこれこうかなとかこんな感じかなっていう
西井 数がいりますけど経験値はそっちの方がやっぱり触ってみたら得られるんじゃないかなと思います
岡田 その辺りは美穂さんも一緒に生活する中で共に分かってくるものってあるんですか
岡田 暮らしの中でそういうものを使うからこそそういう木の付き合い方とか自然との関わりみたいなのって
美穂 そうですね この村に来るまで木というものに対して全く関心があまりなかったんですけど
一番最初に手に触れたものというかこっちで暮らしの中で使うものがほぼ吉野杉じゃないですか
これが普通だと思ってきたんですよ年齢の細かくて
これが普通だと思ってまな板なりオケのオケなりいろんなものを使ってて
ちょっと知識っていうか木のことに関心を持ってから外に出た時に
あ、違うのねみたいな
岡田 今週はサラブレットだったよね
一番優秀な
美穂 そうなのねみたいなのは感じてからはよりなんかちょっとありがとうございますみたいな感じで
使うようにお筆とかね音がつくけどお筆にしろみそだるにしろ使うようにはなりましたかね
岡田 確かに中にいると分かんないことめちゃくちゃ多いですよね
外の比較が自分の中でできるようにしかも体感知としてできるようになってこないと
それが言葉にもできないし何が違うのかが本当に実際に見た時の感覚が結局分かんないんですよねきっと
多分離れって宿さんも一緒だと思うんですけど
今日こそ地元の人からしたらここで宿やるのって言われそうな本当に参観部なんですね
でもそれは多分来てこんなロケーションないじゃんっていうことで始めてるんですか
美穂 はい
宿はもともとやりたくて協力隊に入ったのはあるんですけど
物件見ていく中でそれこそ春梅さんに紹介してもらったところで今やってて
景色すごいし川の音が雨のように聞こえるし何より本当に自由
火を焚くのも自由なんですかねのんびり雑草を積んでお風呂に入れるのも
本当に自由にさせてもらえる空間ってすごいいいなと思って
みんな都会の人たちもみんな楽しめばいいのになみたいな感じでやらせてもらいましたね
確かに言われましたおばちゃんやお父さんにこんなとこ人来るのかねって
特にこの中奥谷っていうこの谷は鳥も通わぬせと中奥って言われてて
みんな来ないって元から言われている場所だったのもあって心配はとてもされました
でもそういう環境を含めてきっと届けられるなっていう感覚があったんですかね
最初は自分が満足するからいいとこだと思うからぐらいで
それこそマーケティングとか全く分からず自分がちょっと気に入ってるから
みんなに押すわけじゃないけど来ないかなみたいな感じで始めてみたら
川が近いから家族連れの方が大阪から来られたりとか
外国の方もやっぱり日本旅行何回も来られた方で
もう京都とか東京は飽きたよみたいなもっと日本の伝統知りたいみたいな方とかが来られたりとか
確かにめっちゃいいですね
需要というか求めている方はいるのかもしれないなと思いつつ