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はい、シェアする落語の四家です。というご挨拶を毎回しているわけですが、それはわたくし四家がシェアする落語という落語会を主催しているからでございまして、
先日、昨日か、もう一昨日になっちゃうのかな、10月20日、日曜日、深川東京モダン館にて第37回の『シェアする落語 橘家文吾』を開催させていただきました。たくさんのご来場を誠にありがとうございました。
で、今回もですね、すごくいい会になったんじゃないかなというふうに思っております。橘家文吾さん、前回7月のですね、三遊亭ぽん太さんに続いて、ちょちょら組のメンバーということで出演をお願いしまして、
立川かしめさん、柳亭信楽さんというですね、方々も出演していただいているので、これで『シェアする落語』は、ちょちょら組コンプリートでございます。
で、最後を飾っていただいたのが文吾さんなんですが、まず落語の方の話から先にするとですね、一席目が磯のあわび、二席目がなんと『夢金』で、トークが後で話しますが結構長かったので、
これの後は軽めのネタでパッと締める感じかなと思ったらですね、『井戸の茶碗』ということで、がっつり古典三席でございました。で、普段はお客さんのことを考えながらネタを考えるんだけども、今回は自分のやりたいネタでいきますという宣言をされてたんですね。
シェアする落語にご出演される方がですね、ネタ選びって結構難しいと思うんですよ。というのはシェアする落語という落語会を好きで来ていただけるという、そういう素敵なですね、大変ありがたいお客さん、落語会についているお客さんがいて、
もう片っぽでその落語家さんのファンの方もいらっしゃるんですね。で、この比率がなぜか毎回半々ぐらいなんですよ。なので、どこに合わせてそのネタを考えたらいいかっていうのは結構難しい課題で、文吾さんの場合、自分がやりたいネタというのを優先させたというふうにおっしゃってました。
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で、一席目の『磯の鮑』柳亭小痴楽師匠(たどるとたぶん三遊亭兼好師匠)とはですね、ちょっと型が違うんですけど、やっぱりね文吾さんがやっぱり自分のその落語家としての武器にこうしっかり合わせてきた感じの作り方なんですよね。
まくらもすごく面白くて、パンパンと噺に入っていっての『磯の鮑』は僕は聴いたのは2回目だと思いますけども、与太郎のね、あの狂気が、明るい狂気が顔の表情、特に眉とかに出てくるあたりは聴いてる人はたまなかったんじゃないでしょうかね。
どんどんドカンドカン受けておりました。で、1回出囃子を入れて2席目がですね、びっくりですね。まあご本人は気が付いてなかったって言ってましたけども、ご当地ネタで『夢金』でございます。深川がね、出てくる話です。
一気に深川東京モダン館2Fを雪景色にしてしまうというですね、非常に力の入った、あのでも聴きやすい世界に入っていきやすいですね、力強い語り口が良かったんじゃないですかね。
やっぱり声がね通る、非常にこの声に力があるっていうか、もちろん大きいんですよ。声が大きいんですけどそれだけじゃなくてなんか声にすごく力があって、言葉が通りやすい声なので、これがね空間をバーンと制圧していくっていうのは非常に気持ちいいですね。
でトークの後の三席目は軽くやるのかなと思ったら井戸の茶碗。またこれもね、あの清兵衛さんの困り方が非常にチャーミングだし、2人のね侍も何というかこの過剰になりすぎない範囲で軽やかなラグっぽい軽やかさを失わない範囲でそれぞれに
武士らしく突っぱらかっているし、武士の無駄なその誇りの高さみたいなところがうまく出ているし、それがねやっぱりこの特にこの話は文吾さんの場合そのセリフがね、セリフの間の間の間をパーンと詰めて場面転換をスパンスパンスパンとやっていく
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あの辺はすごいかっこいいなというふうに思いましたね。でこの三席ね、いずれも文吾さんの高座はみんなそうなのかなという気もしますけども、今楽しめます。今絶対楽しかったと思う。今回来てくれたお客さんは落語を楽しめたと思うんですけど、ここからね変化していくのをまた楽しむこともできるかなと思うんですよね。
ここがね、やっぱり若手を応援する喜びの一つだと思うんですけど、10年後20年後に文吾さんが、その頃文吾って名前かどうかわからないけども、やるね夢金がね、多分違ってるね。深みを増してると思うね。
今うまい酒が熟成してまた深みを増してうまくなるっていうそういうのをね、楽しめるんですよ。そういうその将来への可能性というのを楽しみに今の若い酒のうまさを味わう。これが二ツ目をね、良い二ツ目を聴くっていうことの喜びだというふうに僕は思ってます。
そういう喜びをくれる落語家だなというふうにですね。僕は橘家文吾さんのことを思っているわけですね。おかげさまで大好評アンケートも見ましたけども、まあみんな揃って良かったという感じになっています。
で、トークの方なんです。トークはシェアタイムというタイトルがついてまして、仲入りあと3席目の前に30分で収めるはずが、今回もやっぱり50分ぐらいになっちゃいました。すいません。
これでもね、弟弟子の文太さんのネタを出さないとか、ちょちょら組の話全くしないとか、色々とね頑張ったんですよ。それでもね話が面白くて止められなくて50分ぐらいになっちゃうんです。
やっぱりねその入門の話、あと日大芸術学部落語研究会っていう名門中の名門ですから、名門の出ですからね。その名門の時代の話みたいなの面白くてね。
やっぱりその落語家になるってみんなそうだと思うんですけど、門を叩くっていう入門する、弟子に志願するっていう時に、そこまでの決心ってねきっかけがやっぱりちゃんとあるんですよね。
そのきっかけがあれだったっていう話ですね。僕からはあえて伏せますけども、なるほどなぁそういう世代かっていうところと、文蔵師匠のことが当時文左衛門かな、本当大好きで弟子入りというですね。
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この辺の流れやっぱり非常にねやっぱり聴いててよかったし、受けてましたし。で今回はねサプライズゲストでたまたまご予約いただいて、これはぜひと思ってお願いをしたんですね。
文吾さんはタイタンの学校っていう、タイタンって大田光代社長ね。爆笑問題大田さんの奥さんですね。爆笑問題をはじめいろんなお笑い芸人が所属しているタイタンっていう事務所の主催する学校、タイタンの学校の落語っていう高座の講師をやられてるんです。
その講師をやって、生徒さんだった人がお客さんで来てくれたんです。これ実は僕のすごく古い知り合いなんですけど、本当に予約入れていただいた時にすっごい嬉しかったんですよ。
で、タイタンの学校で文吾さんの高座がすげーよかったっていう話をちょっとネット上でしていたので、おお!と思って、じゃあちょっとその辺の話皆さんの前でしてもらえませんかっていうことでしてもらったんですね。
やっぱこれはね、なんか奇跡的に良かったし、なんでそういうところで文吾さんが頑張って先生役を勝手に出るのかっていうところに、また一つ橘家文吾っていう落語家の姿が見えてくるわけですよ。
で、文吾さんっていう人は汗かいてるところがあんまり見えないし、見せてないんだと思うし、真面目にやってるところをあんまり見せない。それは美学としてやってるのかナチュラルにやってるのかわからないですけど、でもやっぱり話をしてみて、話を振れば振るほど真面目さ、ひたむきさ、落語への愛情っていうのが感じられるんですよね。
で、それをトークで完全にむき出しにしちゃうとネタバレになっちゃうんでね、ほどよく今回出せたんじゃないかなと思って、そこは良かったんですけどやっぱ長すぎたね。どうしたらいいんだろうというようなところではありますけども、そうしてですね、色々うまくいって良かったなっていうふうに思いますし、
まあ落語会なんでね、落語が良ければ本当に良いなっていうところなんですけども、トークも非常に今回も好評だったんで、まあ良かったなというふうに思っております。今後の文吾さんにもぜひご期待いただきたいなというふうに思うわけでございます。
次回のシェアする落語第38回、立川寸志さんにご出演いただきます。私と誕生日が1ヶ月ぐらいしか違わない寸志さん。
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僕なんかがとてもできない落語家になるっていう大冒険をね、40代中頃で目指したっていうね、すごい人です。
同世代で応援していて尊敬している方でございます。
落語がうまい!面白い!ということでですね、ぜひ来ていただきたい。来年のことを言って、鬼と一緒に笑いましょう。
7月18日、今回土曜日でございます。深川東京モダン館。トークがね、どうせ長くなるんでも長くなることを前提としたプログラムに変えていこうというふうに思っております。
話戻りますけど、文吾さん。面白い落語家さんがいて、その面白さってどこから来るのかなっていうのがトークでちょっと引き出せたのかなっていうふうに思っています。
もう一回ね『シェアする落語』にご出演いただく機会を作りたいなっていうふうに思って、この人やっぱりいいね。今は楽しいけど、40、50、60と年を重ねていくと絶対もっともっとね、いい味わいになっていくはずなので、
なんとか長生きしたいもんだなというふうに思えるところがありました。ちょちょら組はみんなそうだけどね。
ご来場のみなさん、本当に誠にありがとうございました。まとめサイトがあるんで、来てる方も来てない方も見ていただけると、どんな会だったのかが写真とともに伝わるんじゃないかと思います。
ということで、シェアする落語の四家でした。ではまた。