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2025-02-17 32:34

仏像彫刻の世界を聴く!数学的美しさと歴史【仏師 前編】#148

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仏師の方をゲストに招き、仏像彫刻の世界についてお話を伺いました。仏像の中にも研究・科学を感じました!


★ゲスト

坂上俊陽さん

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仏像彫刻チャンネル

https://www.youtube.com/@busshi


★おたより

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【サイエンマニアについて】

あらゆる分野のゲストを招き、サイエンスの話題を中心にディープでマニアな話を届けるポッドキャスト。

研究に夢中な大学院生や趣味を突き詰めている方まで、好きな事を好きなだけ語りたい人が集まる番組です。

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【プロフィール】

研究者レン from サイエントーク

化学と生命科学が専門のおしゃべり好き研究者。サイエンスをエンタメっぽく発信するために様々な形で活動中。ポッドキャスト「サイエントーク」ではOLエマと共に番組を制作中。

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HP: https://scien-talk.com/

サマリー

このエピソードでは、仏師坂上俊晴氏が仏像彫刻の奥深い世界について語り、制作過程や素材、仏像の美しさにおける数学的な比率の影響を紹介します。特に、日本の伝統工芸や仏像の歴史に対する理解が深まります。仏像彫刻は数学的美しさと歴史を兼ね備えた、洗練された芸術品であると述べられます。職人たちが競い合いながら作り上げた仏像は、信仰の対象としての美しさを求める過程で、より洗練された形となることが紹介されています。このエピソードでは、仏像彫刻の種類やその役割について詳しく解説されており、仏教の教えが日本文化に与える影響や神道との融合の進行についても探求されます。

仏師の紹介と製作プロセス
スピーカー 2
時間のスケールが、僕が普段考えないスケールですね。100年もたせようみたいな。そうですね。そういうものづくりって。100年でも少ないですよ。
こんにちは、レンです。サイエンマニアはあらゆる分野のゲストと、ディープでマニアの話を届けるポッドキャストです。今回のゲストは、仏師の坂上俊晴さんです。よろしくお願いします。
はい、最初に僕が仏師って言ったんですけど、僕もあんまり意味がわかってないので、ちょっと自己紹介と、その仏師とは何なのかみたいなお話聞いてもいいですか?
スピーカー 1
はい、ありがとうございます。石川県金沢市で仏師という仕事をしている坂上俊晴です。
今言っていただいたように、仏師という職業は仏像を主に専門で掘る職人さんのことです。僕の場合は主に木を専門で仏像を掘り上げる仕事です。
なるほど、じゃあ仏師っていう方にもいろんな素材から作っている方がいるって感じなんですかね?
そうですね、石の場合は石、仏師かな?ちょっと言い方変わる場合もあると思うんですけど、
寒室で漆とかで作る人もいますけど、木の方がやっぱり日本は多いんじゃないですかね。
拝む対象を木で作るのは多いです。
スピーカー 2
多分聞いている人はそもそも、なぜ仏師の方をお呼びできたのかというか、どういうことだみたいな思ってるかもしれないですけど、
きっかけはインスタグラムで、僕が元々ポッドキャストのアカウントでずっと発信とかしてたんですけど、そこに多分コメントくださったのが最初ですかね?
スピーカー 1
そうですね、僕も結構発信してる内容とか好きなので、ちょいちょいよく聞いてて、面白いなっていうので、ちょっとたまらずコメントしてしまったってところですね。
スピーカー 2
ありがとうございます。
僕自身もそのコメントをいただいて、ありがとうございますって言った後に、ちょっとアカウント拝見させていただいて、本当に仏様を木から掘るみたいな映像をすごい投稿されてて、
僕初めて見たので、こうやって作ってるんだと思って。
スピーカー 1
そうなんです。
スピーカー 2
それがすごい面白いなっていうのと、なんかマニアックな話も聞けそうだし、と思ってちょっと今回オファーさせていただきました。
スピーカー 1
ありがとうございます。
スピーカー 2
まずこのお仕事する相手っていうのは、仏様を掘ってほしいっていうお寺とか、そういうところから依頼が来て制作するみたいな感じなんですか?
スピーカー 1
そうですね。結構いろいろお仕事の取り方って人それぞれでして、僕は結構、実は仲介する会社が入ってたりとかするんですよ、仏師さんって。
仏壇屋さんが間に入ったりとか、それで間に仲介する業者が入って、仏師に依頼が入って、っていう感じで仏像が納品されるので、
だからあんまり仏師っていうのが世に出るような職業ではなかったんですよ。
僕独立した時は、なんかインターネットもそんな盛んじゃなくて、まだ本とかが売れるような時代だったんですけど、
その段階でちょっとインターネットを使って一人で仲介とかもやるなしで、ちょっと仕事を取ってみようっていう話で、自分で仕事を取ってるっていうのが状況です。
で、ちょっと年が上の人たちは仕事を取ってくる会社がいたりもしますね。
僕の場合は何も関係なしにお寺さんからも注文きますし、個人の仏壇に仏像を入れたいっていう方も来ますし、インスタとかyoutubeとか見て海外からも注文来たりもします。
スピーカー 2
海外からも来るんですね、注文。
スピーカー 1
そうですね。海外も僕もそれすらも仲介入れないので、海外の場合はやっぱり自分で大使館に連絡してとか、
あとこの国はこの木材そのまま送れるかっていうのとか、あと税関も自分で通したりとかもしなきゃいけないので、大変ですね。
ほとんどこの国は無理だろっていう国もあったりするので、そういうのも全部やってます一人で。
弟子入りと修行の道
スピーカー 2
ちなみに日本にどのぐらいいらっしゃるんですか?
スピーカー 1
多分京都が多いんじゃないですかね。京都お寺さんいっぱいあるので。
分かんないです。都道府県に指で数えられるぐらいじゃないですか。
京都にいっぱい、いっぱいって言っても本当に1000はいないだろうなっていう、分かんないです。
スピーカー 2
あんまり、そっか。基本結構皆さん個人で工房みたいなのを持たれて活動されてるんですかね。
スピーカー 1
そうですね。武士っていう方は大体みんな個人で工房を持ってますね。
スピーカー 2
分からないことだけですけど、そもそも芸術って言っていいのか分からないですけど、
もともと彫刻みたいなものを作るみたいなのが関心はあったっていう感じなんですか。
どういう経緯で武士さんになられるのかなっていうのも気になるんですけど。
スピーカー 1
僕も普通に小さい頃からものづくりとかは好きで、ずっとそれに熱中してぼっとするタイプだったんですけど、
やっぱり周りが大企業の子供たちみたいなところで育ったので、
とりあえず勉強しとけみたいな感じの空気がずっと流れて、
高校も行って、とりあえずいい大学入れみたいな空気が流れてる中、
ちょっとなんか僕はちょっとよく分かんないですけど、ちょっとこれはまずいんじゃないかなって思い始めて。
スピーカー 2
まずいんじゃない、ちょっと人生考えてみようみたいな感じですか。
スピーカー 1
僕はそこんなに勉強できるタイプでもないのに、そんな無理したところでみたいな、
もう僕の限界はこれ以上ないぞみたいな目に見えてるだろうっていうのを感じ始めまして、
なんかちょっと僕のもうちょっと活かせる分野はないかなっていうのを色々探して、
東京とか行くとやっぱりそういうなんか色々見る機会ってあるんですよ、美術館もあるし、
池袋とかあの物産店とか百貨店行ったらそういうのも見れますし、
で色んな伝統工芸も見たりとか、現代アーティストさんの作品とかも見たりとか、
して伝統工芸も全国の伝統工芸店とかもやってるので、
美術館とか話聞いて体験とかもやらせてもらって、
大体全部楽しいしうまくできそうだなっていうのがありまして、
大体みんなこの世界は厳しいぞって言うんですけどね。
スピーカー 2
じゃあ一通り色んなものづくりみたいなものをやってみたって感じなんですね。
スピーカー 1
一応見てものづくりをして、で一番難しそうなのがいいなっていうのが、
スピーカー 2
すごいな。
スピーカー 1
ちょっと僕飽き性なんで、
スピーカー 2
難しいよ。
スピーカー 1
それがやっぱり南彫刻つって富山県の伝統工芸でして、
そこでまず弟子入りをしに行くんですよ。
そこ彫刻の町なんで、彫刻家が300人くらいいまして、
今はそんなにいるかわかんないですけど、
そこの職人さんたちを組合に行って、
なんかちょっと紹介してもらったりとか、
あと仕事場を見に行ったりとかして、
スピーカー 2
直接もう自分で行くって感じなんですね。
スピーカー 1
そうなんですよ。紹介してもらったりとかして見学して、
その中でやっぱり人として尊敬できる人に弟子入りしたいっていうのがありまして、
スピーカー 2
確かに。
スピーカー 1
住み込みなんですよ。そこって5年間。
スピーカー 2
5年住み込み。
スピーカー 1
技術運営よりも人として尊敬できる人じゃないと続かないので、
スピーカー 2
確かにな。でも厳しい人多そうだなって勝手なイメージがありますけど。
スピーカー 1
だいたい辞めますよ。毎年毎年。
本当に5年続く人って本当に少ないので、
僕は本当に人として尊敬できる師匠が仏師だったっていうのがあって、
それまでは仏像とか興味なかったっていうところですね。
そこで師匠のとこ行って、話聞いてこの人に決めようって1回行って、
その時は返事もらえなかったのでもう1回行って2回目でお願いして、
じゃあやってみなさいっていうことで5年間弟子入りしました。
スピーカー 2
すごいな。そこでしっかり5年間修行して。
スピーカー 1
そうですね。5年間、僕体すごい強かったんで、
5年間毎日5時起きして1日も休まなかったです。
スピーカー 2
すごいな。
スピーカー 1
今はもうこんな風邪簡単に引いちゃう体になってますけど。
スピーカー 2
でもひたすら仏像を掘るみたいな生活ですか?
スピーカー 1
始めの1年目は仕事にならないので飲み研ぎとか雑用とか。
スピーカー 2
雑用みたいなのして。
スピーカー 1
オークリックは雪が降るので雪かきとか。
あと薪割りとか薪ストーブの薪を割ったりとか。
1年目は僕らの時代は雑用をやらされる方はたくさんいました。
雑用してる間に師匠の技術を盗むっていう昔ながらのスタイルだったので。
仕事してるだけじゃダメなんです。
ちょっと師匠の背中を見ながら動き方を真似したりとか。
そこから技術を盗んでいくっていうような時代。
まだそういう時代でしたね。
今は何か手取り足取り教えてくれるみたいですけど。
スピーカー 2
そこから独立されて今何年くらいやられてるんですか?
仏像の美しさと数学
スピーカー 1
15年?
スピーカー 2
15年くらい。
スピーカー 1
手指入り期間5年なんで20年くらい経ってるかもしれないです。
スピーカー 2
確かに仏像ってやっぱりものすごい複雑だし。
バランスとか絶対難しいですよね。
ちょっとでもずれるとっていう。
スピーカー 1
そうですね。バランスもあるんですけど。
なんですかね。
結構仏像って完成で作る仏像と数学的に作る仏像っていうのがありまして。
結構比率が決まってたりするんですよ。
主流があったりして。
平安時代はこういう主流の仏像が多いとか。
鎌倉時代はこんな主流が多いとかってあって。
仏師さんたちは鎌倉時代に栄えた比率。
仏像立った状態で紙の生え際までを10等分になるように線を引いていくんですよ。
生え際10分割って言うんですけど。
その10等分のうちの1目盛りの幅が手の大きさとか。
ここに胸が来るとか足が来るとかっていうような。
決まってるんだ。
平安時代とかは顔が大きくなったりとか。
やっぱりバランス違うのは平均身長とか伸びてるからなのかなって僕は思います。
スピーカー 2
時代時代に。
時代の流行りとかもあるんですかね。
スピーカー 1
顔も平安時代は目ちょっと開き気味なんですけど。
鎌倉時代は伏し目がちの目とか。
その時代の主流で美しいと言われてる顔もあったと思うので。
多分それに合わせて比率を作ってたんじゃないかなっていうのはあります。
スピーカー 2
確かに西洋の彫刻とかでも黄金比みたいな比率で作るとやっぱり美しく見えるみたいな。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
ありますけど仏像もそういうのあるんですね。
スピーカー 1
そういうのもありますし。
あとその今言ったように日本だと白銀比っていうのもあるし。
白銀比使ってるものもありますね。
結構大工さんとか昔は五十の塔とか保留寺ですかね。
五十の塔とかだったら一番上の屋根と一番下の屋根の長さが一体1.414。
一体ルート2ですよね。
一体ルート2の長さになってたりとか。
あれでうまいことバランスとってたりとか。
アシュラ像もあの像を縦で囲ったら横が1で縦が1.1414ですかねルート2の。
そういうような比率使ってこれが最も美しいっていうので結構使われてることもありますね。
仏像にも建築物とかは結構京都行けばそれを使ってるところが結構あるんじゃないですか。
スピーカー 2
なんかすごい理系の人間からすると不思議だなって思うのがすごくあって。
やっぱり結構大昔の建物から建物とかの比率とかって一定のものが残ってきてるみたいなのがあると思うんですよね。
それはそれまでにものすごい試行錯誤してそこに落ち着いたのか何かしらの指標があったのかとか数学的に何か意味あるのかなとか何なんですかねっていつも思うんですけど。
スピーカー 1
多分相当研究してると思います。
漆とかってあるじゃないですか。知ってます?
はい、わかります。
仏像彫刻の歴史
スピーカー 1
木の重液なんですよ、あれ。塗料なんですけど。
でもあれって結局全ての木を引っ掛かないと重液が塗料になるかってわからないじゃないですか。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
それをこのあんまり生えてない漆でピンポイントで見つけるなんてもうほぼ不可能なんで。
昔の職人さんはもう何でもやったんだろうなっていうのはあって多分昔映像時代とかも見てるとなんか遊び心あるんで。
なんか多分そういう感じでいろいろ研究するのが楽しかったんじゃないですか。
スピーカー 2
なんかそういう中でなんか洗練されたものが後の時代に残ってっていう感じなんですかね。
スピーカー 1
そうですね。
あと鎌倉とか物資もそうなんですけど、あの時代は国家プロジェクトなので競い合いなんですよ。
あと漆塗りとか何々塗りとかも結局班ごとに塗り方が違うので、それぞれ班で競い合ってたんですよ、城下町同士で。
うちの塗りが一番だっていう。だからどこよりも素晴らしいものを作ろうっていう精神がやっぱりあの時代にはあったなっていうのが。
スピーカー 2
なんかすごいな。ちょっと資本主義的というか競争が煽ってる感じがあるんですね。
スピーカー 1
そうですね。もう国家プロジェクトなんでもう絶対負けねえみたいな感じのは。
もう国家がパトロンみたいなもんなんで、いくらでも時間とお金かけていいぞっていう感じなんで。
スピーカー 2
ちょっと仏像はいつぐらいから作られているのかどうかわからないですけど、何でもこう洗練されていくみたいなのは一緒かなと思ってて。
僕は化学の人間なので、化学の物質とかそういう研究をしてるんですけど、そういうのも結構歴史の流れで洗練されたのがシンプルにシンプルになって、一番なんか人間にくっつきやすい形はこれだみたいなのとか。
そういうのがあるなあ。何でもそうだなあと思ったんですけど、なんか仏像みたいなものって誰が見ても美しいって思うと思うんですよね。
デザインと制作のプロセス
スピーカー 2
日本人だからかもしれないですけど、いろんなお寺行ってもやっぱり綺麗だなあって思うのって、そういう洗練された形だから僕らに最適化されているというか。
スピーカー 1
基本的に拝む対象なので、変に目が行っちゃいけないっていうのがありまして、例えば指とかも力が入ってるなって思わせちゃいけなくて。
指に力が入っているように見えると、金剛力士像とかまた天母は別なんですけど、真ん中にくるような阿弥陀様とか観音様とか、柔らかくちょっと握ってるぐらいの感じで拝まなきゃいけなくて、
そこに力が入っていると手に目が行ってしまうので、自然と手を拝みたくなるようなものを心がけなきゃいけないっていうふうに僕は師匠に言われました。
スピーカー 2
すごいなあ。そう言われても難しそうだなと思いますけど。
スピーカー 1
全体を自然と拝みたくなるようなものとして、だから僕はあまり細々としたものはやらない方がいいんじゃないですかってお客さんに言ってるんですよね。
スピーカー 2
顔が一番大事ですからって本体に目が行くようにっていう話で、結構台座とか後輩を細々と作りたいって方もいますけど、それを踏まえた上でやりたいって言うんだったら作りますけどっていう僕はそういうスタンスですね。
そういうでも一応依頼主の方とこういう感じみたいなイメージ共有みたいなのがするってことですよね。
スピーカー 1
そうですね。
伝える側も難しそうだなって思いましたけど、こういう仏像みたいな。
僕のお客さんはわりかしみんなYouTubeもインスタも結構くまなく見てくれるので、だいたい話は通じます。
スピーカー 2
結構具体的に言ってくれるって感じですか。
スピーカー 1
僕が入りようとしている言葉もだいたい伝わったりはしますね。
そういうところですかね。
たまにちょっとっていうこともありますけど、年に1、2回は頭を悩ますことはあります。
スピーカー 2
年間どれくらい掘られてるんですか?数的には。
スピーカー 1
大きさにもよってくるんですけど、だいたい20体とかなんですけど。
最近大きい仕事が増えてきてしまっているので、大きい仕事は2年かかりとか。
2年かかり。
そういうことは多いですね。
スピーカー 2
結構大きいものとかですか。
スピーカー 1
そうですね。結構大きいですね。
ここら辺の見えるかな。
これは東京のお寺さんに収めるんですけど。
スピーカー 2
本当に人間サイズって感じですね。
スピーカー 1
そうですね。だいたい等身大で。
それを作ったりとかするとやっぱり結構2年とかかかったりしますね。
スピーカー 2
2年で1つの物なんてすごいな。
スピーカー 1
これ2体なんで。
でもその合間に小さいのも作ったりするんで。
スピーカー 2
かなり作業、小さいものだとめちゃくちゃ細かいですよね。
織り出すみたいな。
スピーカー 1
そうなんです。細かいのはちょっと疲れますね。
スピーカー 2
だいたいは1本の木というか1つの素材から1つ作るっていうのが基本ですか。
スピーカー 1
仏像の場合はさっき話で言ったんですけど、
だいたい1000年前からあったりとかするので、
僕は100年以上は持たせるコンセプトなので。
木がいなくなった後、次の世代が修理できるような作りをしてまして、
破損しやすい部分、仏像の手とか台座とか後輩もすべてバラバラに分解できるように作ってあります。
だから1つの木ではないです。
この部分だけ壊れたっていう時はこの部分だけパーツを外して、
これを次の世代が修理できるようにっていうような作りをしてます。
スピーカー 2
なるほど。
スピーカー 1
それはずっと一緒です、作り方は。
何百年も前から。
スピーカー 2
組み立てるというか設計図みたいな。
スピーカー 1
そうですね。設計図というか、
基本的に僕も今の元の仏像を修理しに行ってるんですけど、
それで修理して、やっぱり修理することによって技術も上がりますし、
こういうような考え方でこういうふうに物が生まれてるんだっていうのも勉強になるんですよね。
やっぱり多分大体その時代の歴史的背景もその仏像を修理することによって分かりますし、
こういう作り方したらこんな劣化にするんだっていうのも分かるので、
それをまた勉強した上で、
次の世代が修理した時に何か思うようなものにしておかないと、
ちょっと技術の継承も繋がっていかないなっていうのはありますね。
スピーカー 2
すごいね。時間のスケールが僕が普段考えないスケールですね。
仏教の教えと仏像の種類
スピーカー 2
100年もたせようみたいな。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
そういうもの作りって。
スピーカー 1
100年でも少ないですよ。
お寺さんって何百年ももつので。
お寺さんだったら100年なんてレベルじゃないので、やっぱり500年はもたせる気持ちでやらないと。
すごい。
そういうことはありますけど。
すごいな。
スピーカー 2
でも昔の素材というか、それこそ何か使ってる木の種類とか、
ちゃんと合わせなきゃいけないとかもありそうですけど。
スピーカー 1
まあありますね。そういう調べる方法はあるんですけど。
スピーカー 2
どうやって調べるんですか?
スピーカー 1
機械通せば調べられます。
スピーカー 2
機械で分かるんだ。
スピーカー 1
現代科学ですぐ分かります。
スピーカー 2
ちなみに何を見てるんですか?その機械は。
スピーカー 1
結局まず僕も見た感じで分かるのは、
まず針葉樹と紅葉樹で木の構造が違いますし、
で、銅管とか、
そういう成分とかも見たりとかすれば、木だと、
日の木だと日の木なんとかっていう成分が入ってたりもするんで、
多分断面見ればすぐ分かりますよ。
スピーカー 2
断面で見れば分かるのか。
スピーカー 1
大体一緒ですから、
大体針葉樹、紅葉樹かっていうのと、
あと大体仏像に使える木なんて限られてるので、
あと僕もちょっと削れば匂いで大体分かっちゃうんで。
スピーカー 2
そっか匂いで分かるか。
スピーカー 1
別に機械通さなくても、
これだったら針葉樹だし、
で、削ってみてこの匂いだったら日の木か紅葉か、
日葉かとか、そんなすぐ分かっちゃいます。匂いで。
スピーカー 2
で、同じ木持ってきて修理してっていう感じなんですね。
スピーカー 1
って感じになるんですけど、100年経った色って違うので、
その近くにあったススをに皮で溶かして、
同じような塗りにしたりとか、
あとちょっと微調整して同じように色合わせたりとかはしなきゃいけないです。
だからそこにあるススとかもゴミじゃなくて塗料として使うんで、
そこは掃除しないでくださいってよく言ってますね。
スピーカー 2
あえて新しすぎると、
それこそさっき言ってたこう、
違和感を与えちゃうみたいな感じになりそうですもんね。
スピーカー 1
そうですね。古い方がいいと思うので、
仏像修理してくれって言われても基本的に新品にはしないんですよ。
ピカッとしたらもう新品と一緒なんで、
それはあんまり好きじゃなくて、
そのまま時代を残しつつ、
その修理したのが分からないような、
馴染むようなやり方をするっていうのがうちのやり方ですね。
スピーカー 2
ほんと研究ですね。完全に。
スピーカー 1
そうですね。色合わせなんてもうほんとに研究ですし、
いろんな塗料を使ったりしますよ。
いろんな自然塗料を試行錯誤しますし、
くるみ使ってみたりとかヤシャブシ使ってみたりとか、
そんな古色って何がいいんだろうとかも、
いろいろ煮て確かめたりとか調合してみたりとかも。
スピーカー 2
天然の着色料探しみたいな感じのをやってると。
スピーカー 1
あと回せる色相の24色相の勉強をして、
こことここで色合わせて補色をうまく打ち消せばこの色になるとか、
っていうのもちゃんと勉強した上で研究して、
実実回していかないといけないので、
色合わせは多分どちらかというとそこの24色相をちゃんと理解して、
補色もちゃんとわかっていれば、
いつかは同じ色にたどり着きます。
スピーカー 2
すごい、でもそのレベルで同じ色探しに行ってるんですね。
あと形とかもちょっとどういうパターンが、
ポーズとかなんかちょっと装飾とか、
多分物によって全然違ったりすると思うんですけど、
ある程度パターンは決まってるんですかね?
スピーカー 1
そうですね。
仏像は大体一番頂点に君臨するのが如来っていうものでして、
阿弥陀様とかお釈迦様とか大日如来とか、
そういう風に言われているものが大体一番頂点の仏様。
それは宗派によって違うんですよ。
浄土神宗とか浄土宗とか神言宗とかによって、
この拝む仏像は阿弥陀様だったり、
お釈迦様だったり、大日如来様だったり、
宗派によって違うんですよ。
スピーカー 2
持っているものとかが違ったりとかそういうのもあるんですかね?
スピーカー 1
持っているものは手のポーズが違います。
スピーカー 2
手のポーズが違うのか。
スピーカー 1
手のポーズが違ったりとか、浄土系は立ちが多いですね。
足をちょっと気持ち一歩踏み出して、
助けに行きますよっていうようなポーズを取っている場合が多くて、
禅宗とかは座っている仏様ですね。
それが如来ですね。
その仰和記事につく二体が菩薩といって、
一般的によく馴染みがあるのがお地蔵様ですね。
道端とかにいる小さい可愛らしいやつ。
あれが菩薩で、正式名称は地蔵菩薩って言うんですよ。
菩薩ってのは、今言った頂点に君臨する人が自ら行くことはほとんどないので、
代わりに菩薩がみんなを救済しに行くっていう立ち回り。
大役みたいな感じですね。
菩薩はたくさんの種類があります。
仏像の種類と役割
スピーカー 1
だから葬飾しているのはだいたい菩薩。
修行しているので、まだ欲が、欲っていうのも変ですけど、
完全に悟りを開いていないので、
まだ首に飾りがついてたりとか、
ちょっとまだ葬飾をしてたりします。
それが菩薩ですね。
その下が明王と天王。
明王って言って不動明王とか言うんですけど、
その人たちがちょっと怖い顔してるんですよ、だいたい。
強そうなやつですね。
大禅明王とか不動明王とか、
その人たちはどちらかというと、
行ってもわからない人を縛りつけてでも、
いい道に行こうっていう感じです。
怖い顔はしてるんですけど、
子供を叱る親心みたいな感じですね。
本能は左手に縄を持って、
右手に剣を持ってるんですけど、
その本能を縄で縛って、
剣でその本能を断ち切るっていうような意味合いで物を持ってます。
スピーカー 2
作るのは、だいたいどの種類も作ったことあるって感じなんですか?
スピーカー 1
そうですね。でもたくさんあるので、
結局勉強することになります。
もう一回一から。
スピーカー 2
ものすごい、同じの一個もないみたいな感じですよね。
スピーカー 1
そうですね。いろいろありますから。
で、さっき言った明王の最後に天ですね。天部。
天部はインドから発祥してるので、
結局神様と交互してるような仏様が多いので、
だいたい七福神だと思ってもらえれば、
イシャーモン天とか、
ベンザイ天とか、
大黒天とか、
最後に天がつくものが天部なんですよ。
それが最後。
どちらかというと、
門番みたいな、
悪が入らないように、
お寺の目の前で門で待ってる、
コンゴリ騎士像とかいるじゃないですか。
サクサとかヒトリョウが出て、
ボンってなってる。
あれが天部です。
スピーカー 2
そうなんだ。門番みたいな感じですか?
スピーカー 1
門番みたいな感じですね。
入らないように、
悪が入らないように、
門番としての役割がだいたい天部で、
でも七福神とかになってくると、
ゴリ役がまた違ってくるので、
基本的にそういう役割で入ってきたものが、
いろいろ派生して、
いろいろ変わっていったりっていうのは、
日本文化と宗教の融合
スピーカー 1
いっぱいあります。
スピーカー 2
これちょっとわかんないです。
常識なんですかね。
僕全然知らない。
スピーカー 1
知らないと思います。
僕も知らなかったんですけど。
スピーカー 2
階級的な違いは?
スピーカー 1
知らないんですし、
知らないのに、
自然と手を合わせてるっていうこと自体が、
日本人ってすごいなっていうところではあると思います。
確かにそうっすね。
海外だと、
だいたい信じてるものってあるじゃないですか。
それに対応があるのに、
日本って特殊で、
信じてるものがないのに、
なぜかわかるので、
それはもう、
ずっと受け継がれてきたものとしてあるので、
それはそれでまたすごいことだとは思います。
スピーカー 2
不思議ですよね。
僕も海外の人に聞かれたことがあって、
なんでなんだみたいな。
調べてみると、
やっぱり日本人で何かしらの宗教とか、
信じてるものがあるかみたいなので、
ほとんどの人はないって言ってるけど、
結局初詣に行ってるみたいな。
不思議だなって思いますけど。
スピーカー 1
基本的に、
日本はもとあたりは神様があったので、
自然界に全てのものが宿る、
神様が宿るっていう信仰で今生きてきたんですよ。
だから庭とか、
枯れ山水とか、
あれは神様がいたところをイメージしてたりとか、
神様がいたところに仏教が入ってきて、
それ自体を受け入れたので、
神様と仏様がミックスされたっていうような。
スピーカー 2
ミックスしますね。
スピーカー 1
日本ってなんだかんだ言って結構ミックスするの多いですよね。
食べ物とかも。
日本独自のものにしてしまうっていうのが
よくよく見ると多くて。
スピーカー 2
カレーとかそうですよね。
スピーカー 1
カレーとかね。
スピーカー 2
全然日本、
インドカレーと全然違う、
日本独自のカレーみたいになってるし。
スピーカー 1
そういうのありますよね。
食べ物とかよく見ると。
日本の方がおいしいとか、
出しとってんじゃんみたいなのもあって。
そういう文化はあるかなっていうのはありますね。
スピーカー 2
でも仏像自体は言ったら外からやってきて、
それも日本っぽく変わってるみたいなことってあるんですか?
スピーカー 1
ありますあります。
日本独自の顔とかスタイルになってます。
スピーカー 2
そうなんだ。
ここまでお聞きいただきありがとうございます。
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感想はハッシュタグサイエンマニアや
ポッドキャストの説明欄にあるお便りフォームよりお願いします。
またサイエンマニアでは出演していただけるゲストを募集しております。
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それではまた次回。ありがとうございました。
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