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ということで始まりました、おしゃれの呪いを解くラジオ、本日で553回目の配信でございます。この番組では、あなたに巻きつくファッションへの思い込み、イコールおしゃれの呪いをバタバタと解いていきます。
服装心理学をベースに、おしゃれを持って楽しみ、自分を変えるコツをお届けしています。お相手はパーソナルスタイリストで公認心理師の久野梨沙です。本日もよろしくお願いいたします。
さあね、みなさん、洋服って一番よくどこで買ってますか?最近はね、やっぱりユニクロ独り勝ちって感じじゃないですかね。
YouTube開いてもみんなユニクロの紹介してるので、私も嫌になっちゃったんですけど、ユニクロの紹介するのかっていうぐらい、何人どこ見ても振り向いても右見ても左見てもユニクロっていう感じですけれども、
皆さん、無印良品の洋服って買ってる方どれくらいいらっしゃいますかね。
なんかね、私がスタリスト始めて16年目かな、になりますけど、何年前?5年前?6年前?いやもうちょっと前だな。
10年前ぐらいまでは、お客様をパーソナルスタイリングのお買い物同行でご案内するのに、比較的ベーシックな服が必要なときは、ユニクロと必ず無印良品両方に行っていて、
ユニクロも無印良品も同じぐらいパーソナルスタイリングで使わせていただく、ご紹介させていただく頻度が高いショップだったんですね。
それがですね、9年前、8年前ぐらいからだんだんと私自身もあまりお客様をご案内しなくなっていって、自分自身もあまり無印良品の医療品を確かに買わなくなってきたなと思っていたんですよ。
1週間前かな、10月13日に無印良品をやっている良品計画という会社がやってるんですけども、そこが2020年8月期の通期決算を発表しまして、その中で準利益を見ると黒字決算だったんだけれども、営業総利益が前年に対して低下したと。
コロナの影響とは言えないわけですよね。前年だってコロナひどかったわけなので、前年対比で営業利益が低下したっていうところで、いろんな物流とか、コストの増大っていうのはアパレルに限らず全ての業界において言えることなんですけども、
それに加えてどうやら医療品、洋服がかなり不審のようですよということで、それに対する言及がなされていたのがニュースになっていたんですよね。具体的に言うと、店舗とオンラインを合わせた通期の売り上げが前年割りしていると。
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これまたもう一回言いますけれども、去年もコロナ禍でしたので、これはコロナは理由にならないわけですね。前年対比、2022年における前年対比で言うとね。93.1%なんて結構なかなか割れてるんですよね。これが衣服、雑貨が前年割れしていて、全カテゴリー、無印良品いろんなカテゴリーありますよね。
インテリアもあるし、化粧品もあるし、いろんなカテゴリーありますが、全カテゴリーの中で一番、衣服と雑貨カテゴリーが苦戦してしまっているということで、社長の弁で言うと、反省点としては、ジェンダーレスな服を押し付けてしまっていたのではないかという反省があると。
ダボっとした服を着なさいという押し付けになっていて、ジェンダーレスはダメってことじゃないんだけれども、我々の力が不足していたので、自己満足にならないように、今後はオーセンティックなもの、本物をきちんと作っていこうって話しているっていう風にね。
そういう風に今後、その医療品改革をやっていくよ、みたいなことがニュースになったんですよね。これを聞いて、ジェンダーレスがいけなかったのかなっていうのは、ちょっと私もそんなにしっくりこなくて、ジェンダーレスを打ち出す前から徐々にお客様にご案内しづらくなっていた部分は正直あったので、ジェンダーレスだけが理由かなっていうのがちょっと疑問としてあって。
そのニュースに対するコメントなんかね、ツイッターなんかで見ていても、ジェンダーレスが理由じゃないだろう、みたいなコメントも結構ありまして。なので、私なりにね、ちょっといろんなお客様のスタイリングをして、ご案内する立場として、その消費者に近い立場として、これが理由なんじゃないかなっていうのが3つほどちょっと思うので、ちょっとその辺解説していきたいなと思います。
まずね、一つ目は品質の問題です。このニュースを受けて、ツイッターなんかのつぶやきで結構見られたのは、ジェンダーレスが私たちは嫌だったんじゃなくて、昔に比べて品質悪くなったよね、だから買わなくなったんだっていう声結構見られたんですよ。本当に品質悪くなったのかなっていうところなんですけど、私ね、品質が悪くなったとはそんなに思わないです。
そうじゃなくて、他のブランド、他のショップの品質が良くなってしまったことによって、相対的に無印良品の品質が良いと感じづらくなってきたんじゃないかなっていうことが、それが理由なんじゃないかなって思うんですよ。
これどういうことかっていうと、もう3年ぐらいコロナじゃないですか。コロナ禍ってやっぱりファッション洋服を売るにあたって、デザインで訴求がしづらいんですよね。そもそもほら人に見せる機会がガッと減ってしまうのがね、この感染症の特徴じゃないですか。
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人に会う機会がすごい減っちゃうってなると、人に比べて目立つとか、人に見せたいデザインみたいなものがファッションにおいては全然売れなくなっちゃって、じゃあどういうものなら買ってもらえるかっていうとやっぱり着心地が良いとか、あとは今はコロナだからあんまり人に会わなくて見せられないけど、長く着れる洋服だったらコロナ開けてからも着られるんだったら買ってもいいかなっていう、長く着られるっていう意味での品質の良さ。
つまり全般的に品質の方に洋服のデザインよりも目が向きがちになるっていうのがこのコロナ禍の特徴なんですよね。なので無印良品以外のこれまで品質というよりはどっちかっていうとデザインに注力していたブランドも全部デザインはベーシックに。
コロナ禍がいつまで続くかわかんないけど、コロナ禍が開けてからもまた着られるって感じていただけるようにデザインは全般的にベーシックにして、かつその分品質をちょっと上げていく。品質を売りにしていくっていう風に方向転換したブランドが非常に多かったんですよね。
そうなってくると相対的にいつも通りの品質で、もちろん昔から無印良品は品質に力を入れているブランドではあったんですけれども、これまで通りにやっていると他のブランドの品質が上がってくるしその品質訴求が強くなっていく分、相対的にあれ何か無印ってこんなもんだったっけって思われてしまったんじゃないかなという気がしています。
そして2つ目。2つ目は商品の多様性の問題です。このところ特に洋服好きな人、このコロナ禍においてはそもそも洋服好きな人ぐらいしか洋服ばんばん買ってくれないんですよね。洋服好きな人の中で特に女性の中で似合う服を診断するイメコン診断なんかは結構流行ったりしているんですよ。
そうするとその似合う服ってそもそも一人一人違うわけじゃないですか。厳密に言うとね。一人一人違うわけなのでその私はこれが似合う、私はこれが似合うっていうことで服選びをしていくとかなりその個人によってそのこれが買いたいっていう服が多様化していってしまっているっていうのが現在なんですよね。
昔はこれが流行っていればその似合う、似合わないあんまり考えずに流行っているものを買ってくれたので割とこう同じものを作っててもみんな買ってくれたんだけど今一人一人買いたいものがかなり細分化してきてしまっているというところがあります。そうするとその同じ一つのブランドでもある程度その多様な好み、多様なニーズに応える商品を揃えておかないと食事が動かない、その買いたくならないっていうところがあるんじゃないかなと思うんですね。
その中でその無印良品はそれに逆行するようにジェンダーレスを謳っている、つまり男女兼用のものを作っているってことはその商品の種類としては削っていく方向になってたんじゃないかなと思うんですよね。
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そうすると種類があまりに少ないのでその似合うを気にする人に関してはここに私の似合うものがないって思ってしまう人の数が増えてしまったんじゃないかなっていう気がします。
私自身もなんでパーソナルスタイリングであんまり使わなくなったのかなって考えるとやっぱりその無印良品がハマる人っていうのがすごく少なくなってきたというか無印良品側がその商品の種類を多分結構減らしたんじゃないかなっていう気がしていて、そうすると絶対その無印が確実にバッチリハマる人以外はご案内しづらくなるんですよね。
昔はもうちょっとベーシックなものが割と幅広くあったので、無印良品ど真ん中似合う人じゃなくてもとりあえずベーシックなものを欲しい方であればベーシックなものが必要な方であれば1回ご案内しておけば何点かお勧めできるものはあったのでとりあえずそのご案内する日順に含めてたんですけども、そういうことをしなくなったっていうのはこの商品に多様性がなくなってしまったっていうところが原因としてあるんじゃないかなっていう気がするんですよね。
じゃあ最後3つ目なんですけど、じゃあ多様性がないとなるとじゃあ無印好きに本当に無印好きにはズバッと刺さるような特化した世界観になってるかっていうとそこまで尖らせてるわけでもないっていう。
つまりこの2番目と3番目の問題はどっちつかずの中途半端になっちゃってた。なんかベーシックを追い求めてドベーシックでどんな人にも似合うよっていうものを追求しているわけでもないし、かといって無印良品がすごく好きでインテリアも何から何まで無印で揃える人って結構丁寧な暮らしとかちょっとオーガニックライフみたいなそういう決まった世界観が好きな方が多いと思うんですけど、
その世界観をすごく彩ってくれるようなワクワクする洋服になってるかっていうと、それにはちょっとほっこり感が足りないけど、ベーシックにユニクロっぽく使おうと思ったらそれにはほっこりすぎみたいなちょっと中途半端だったのかなとかその点が使いづらくなってしまったところだったんじゃないかなって思うんですよね。
で、さっきの冒頭ご紹介した社長のインタビューなんか見てる、発言なんか見てると、今後はその後者、3つ目の世界観に特化していく無印好きに受ける洋服にしていくんだよっていう風な感じになっていくんじゃないかなと思うので、そうなるとそれはそれでそういう世界観が好きな人にはもう無印だけで全身揃えたいっていう風になれば、多分もっと面白い商品展開になっていくんじゃないかなという風に思うので、
これからの商品展開に期待したいなと思っております。皆さん無印の服どうですか?着てますかね?ぜひご感想とかご意見なんかもお寄せいただけると嬉しいです。
番組概要欄のマシュマロからどうぞ。