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2023-09-18 53:52

第130回 ローリング・ストーンズを追いかけた日々「アンダー・ザア・サム」ビル・ジャーマン著(ゲスト:翻訳者 久保田祐子さん)

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【今回の紹介本】
■『アンダー・ゼア・サム』ビル・ジャーマン著 池田祐司監修 久保田祐子 訳 リットーミュージック
https://www.rittor-music.co.jp/product/detail/3120317120/

伝説のロックバンド、ローリング・ストーンズのファンだった青年がメンバーに認められ、やがて公式ニュースレターを発行することになり、バンドを追いかけて奇跡のような日々を過ごすことにーー。

ゲストに翻訳された久保田祐子さんを招いて、本書の魅力や感想を話し合っています。ぜひお聴きください。

【番組内で紹介したトピック】
2023年8月30日発売の久保田祐子さんの新訳本「チャーリー・ワッツ公認評伝 人生と時代とストーンズ」(ポール・セクストン著、シンコーミュージック・エンターテイメント)
https://www.shinko-music.co.jp/item/pid0653289/

【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】
声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集
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硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。
案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ
京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ
文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、
読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!
毎週月曜日朝7時に配信しています。
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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック
00:04
僕の住む世界には、いつだってストーンズがいた。
ファンジーン制作を通じ、ローリング・ストーンズに全てを捧げた男、ビル・ジャーマン。
バンドや時代に揉まれながら、彼自身が描く彼の歩み、好きなものへの愛を追求した成長物語であり、青春少子のような一冊、
アンダー・ザア・サムをご紹介します。
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな二人がゆるーくトークするポッドキャストです。お相手は私、ダイチとミエのお二人でお送りします。
文学のプロではない二人ですが、お互いに好きな作品を時には作る、時には愉快にそれぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、ビル・ジャーマンのアンダー・ザア・サム、ブルックリンの青年が覗いたローリングストーンズの奥座式という本になります。
池田裕二さん監修で、久保田裕子さん役で、リットーミュージックから2021年に出版されています。
はい、今回ですね、ゲストをお迎えしての紹介となります。
今回、アンダー・ザア・サムを翻訳された久保田裕子さんをお迎えしての紹介になります。
久保田さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。翻訳をしております久保田裕子です。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
久保田さんのご紹介を入る前にですね、ちょっとこの本すごい本なんで、少しだけ最初にもう感想を触れていきたいんですけれども、
私一読してですね、こんなにもうすぐ熱くて、
もう本当すごいノーフィクションなんですけど、この主人公の、主人公というか著者ですね、
ローリングジャーマンという少年が成長して、結構いい音になるところまで描かれるんですけれども、
この成長物語でもあるし、バンドの一ファン、ローリングストーンズの一ファンがバンドの自主的にジンを作って、
それがいろんな人に届いていって、彼の人生を変えていくっていう流れがですね、もうめちゃくちゃ熱くて、めちゃめちゃ共感しながら読みました。
自分も結構バンド好きで、ちょっと追っかけまでは行かないんですけど、
好きなバンドをめちゃめちゃライブ行っちゃったりとかするツアーとかもあったりして、遠征とかもすごいわかるんで、
そのあたりもすごく共感してニヤニヤしながら読ませていただきました。
思ったよりもこれ情報量が多くてびっくりしました。
ほんと著者がどれだけこの本を書くのに時間と情熱をかけたかっていうのが、
ほんと最初30ページ読むだけでもわかるんで、ここはほんと熱が伝わる一冊だなと思ってます。
ノーフィクションっていうところがほんといいですね。
嘘じゃないっていうのがほんとリアルな話だっていうのがものすごくわかるんで。
僕もですね、このビル・ジャーマンの人生がとにかく面白くて、
03:01
これがほんと小説、フィクションではなくて実際にあった話なんだっていうので、すごいびっくりしました。
ほんと弟子さん言われていたみたいに、
一番がファンジンというローリングストーンズの情報を届けるニュースレターを作って、
それが公式に認められて、そこからメンバーと直接関わるようになっていくという夢のような展開というかですね、
現実でほんとにそんなこと起こるんだっていうですね、
ほんとびっくりするような展開がほんとすごいなと思って、面白く読んでいました。
あとですね、やはり話を進んでいくと、このビル・ジャーマンという青年が自分が好きなものを発信していくという、
自分で好きなことをやってるんですけども、ただそこにもいろいろな苦悩があってですね、
それはこの僕や弟子さんがしているラジオの活動ともおそらく重なるところがあるだろうなと思うような苦悩もあったりしてですね、
結構最初面白くて、途中からは何かそういう苦悩とかにちょっと共感するようになって、
ちょっとしんみりしながらも読めるところがあってですね、ほんと深い本だなと思って読んでいました。
で、思ったのは最近、押し勝つという言葉がよく聞くようになってますけども、
このアンダーゼア7に書かれていることこそがですね、ビル・ジャーマンの生き方というんですかね、
それこそ究極の押し勝つなんじゃないかなと思ってですね、
これはほんと何かのファンであるとかですね、何か好きなものを応援したいなと思う人にはですね、
ほんとすごくおすすめな本なので、ちょっとそれを今日ですね、久保田さんと一緒に紹介できるというので、
すごい面白い内容になるんじゃないかなと思っています。
小島 ありがとうございます。なんかもうすごい熱さが伝わっているみたいで、
もうさすがに読み込んでくださっていて、もうちょっと伺いながらウルウルしちゃいました。
アンダーゼア7って空飛び猫たちさんで扱うにはちょっと異色の作品かもしれませんし、
今日は道場破り的な回になってしまうのではないかと覚悟して挑んでおりますけど、
小説じゃないのに小説のようなものを読んでみたい方とか、
普段は本を読まないとか海外文学に親しみがないっていうお友達に何か進めたい方にはぜひ、
おすすめの本だと思いますので、ぜひリスナーの皆さんも参考にしてください、今日は。
小島 今回の経緯なんですけども、久保田さんと僕と大地さんが知り合ったのがですね、
きっかけは日本翻訳大賞でして、去年ですね、2022年の第8回日本翻訳大賞の
二次選考作品を対象にした読書会というのをラジオ主催で開いたんですけども、
大地 そうですね、星のせいにしての読書会をやったときに、久保田さんが参加されたというときですね。
小島 そこでちょっと参加者の中に久保田さんがいるってなって、ちょっと僕と大地さんがすごいびっくりしたというのがですね、
この最初の経緯でして、
久保田 そうですね、最初はまさかと思って。
06:02
大地 同性同盟の違う方が来たのかな。
久保田 そこからTwitterもされていてですね、主にSNS上でちょっと交流があったりですね、
あと今年ですね、ラジオ主催でまたビブリオバトルを開催したいんですけども、そこでも久保田さんが参加していただいて、
このアンダーゼアサムをちょっとプレゼンしていただいてですね。
もともとこのアンダーゼアサムは読もうと思って買ってはいたんですけども、なかなか読めていなかったというので、
でも久保田さんにビブリオバトルでも紹介してもらったし、タイミング的にももうそろそろなるのかなというところで、
せっかくなら久保田さんにも一緒にラジオに出てもらって作品紹介できればなというので、今回お越しいただきました。
さらにですね、せっかく来ていただいたので、次回もですね、ちょっと番外編という形で久保田さんにこの翻訳の裏話とかですね、
今回のが久保田さんの持ち込み企画で翻訳本が出版されたんですけども、そのどのような経緯と言いますか、
そういうので出版されたかとかですね、なかなか聞くことができないようなちょっと裏話というのを番外編で聞こうかなと思っていますので、
ちょっと本編と番外編と楽しみにしていただけたらと思いますね。
ありがとうございます。後編で多分話すことになると思いますけれども、これ企画持ち込みするの意外と苦労して、
翻訳者が無名だとすらは言われなかったんだけど、著者が無名な本は売れませんとかおっしゃる出版社さんが少なくなく、
だったら何とか知名度を上げなければいけないと思って、いろいろSNSとかを積極的にやるようになったんですけれども、
始めてみると、読書家の皆さんたちのコミュニティがすごく面白くて、私は翻訳を長年やってるんだけども、
自分では本あんまり量は読めないんですよね。読むのすごい遅くて。それでもいろいろ本って面白いんだなということを、
それこそ空飛猫さんたちなどを通して教えていただけたので、すごく本って面白いなと思っていろんなことに参加させていただいている次第です。
ありがとうございます。じゃあ行きましょうか。
著者について、ビル・ジャーマンについてちょっとお伝えしたいと思います。
ビル・ジャーマンはですね、1962年ニューヨーク市ブルックリン生まれで、10歳の時にローリングソンズに出会い、彼の人生が変わっていくという。
出会いっていうか、聞いてね、音楽を知った。本当に出会っちゃうからこの人。
そう、存在を知った。
お姉さんが聞いてるのを聞いてみたいなんですよね。
人生が変わっていくと。
16歳の時に、今回のメインテーマとなるレガーズバンケットというローリングソンズの陣を立ち上げて活動を始めると。
これはもう本当自主制作で、この本の中に第一号の写真とかあるんですけど、なかなか手作り感満載のところからスタートするというところですね。
その後はですね、彼はこの本で全部描かれていくんですけれども、ローリングソンズにべったりの人生が続いていくと。
09:07
大学も中退し、ローリングソンズに親の反対も振り切る。
反対というか、親の顔を気にしなくなり、ローリングソンズに全てを捧げたという人生が描かれます。
この本について、私、自分で今までボケつぼってたなって気がついて、青春ノンフィクションですって散々私宣伝しまくってたんだけど、
ノンフィクションって言葉をインターネットで検索したりすると、全然イメージが違うものがいろいろ出てくるんですよね。
どっちかというとルポルタージュみたいなものが。
そう思ってもらうとちょっと違うなっていうのがあって、かといってよく音楽系の本にありがちなバイオグラフィーというか電気とかそういうのとも全然違う。
何かっていうと、日本の人がこれ書いたらエッセイと呼ばれる本だなって思ったんですよ。
確かにそうですね。
感覚的にはちびまる子ちゃんの作家である桜桃子さんが出してるようなエッセイとか、
あとビル・ジャーマン本人は、アルモストフェイマスっていう現代のあの頃ペニーレントっていう放題がついてる映画に似ているとか言ったりしてるんだけど、
私はどっちかっていうと村上隆の69っていう小説にすごく似てると思ってるのね。
あれも次元的小説と言われてるんだけど、その青年が右往左往しながら成長していくっていう話。
そういう愉快に読める物語だと思ってます。
確かにおしろとですね。
じゃあ具体的に作品紹介入っていきましょうか。
みえさんちょっとあらすじお願いします。
公式サイトの説明文を引用させていただきまして、
僕の住む世界にはいつだってストーンズがいた。
ファン人制作を通じローリングストーンズに全てを捧げた青年が、
間近で見たメンバーの素顔や巨大ロックバンドの来日を描いた青春ノンフィクションとありまして、
ここですねもうちょっと文章があるんですけども、
10歳でローリングストーンズのファンになり、
1978年ハイスクール時代にこっそり忍び込んだ学校の印刷室でファン人第1号を発行。
ベガーズバンケットと題されたその見込みはやがてローリングストーンズのメンバーにも認められ、
ついにはバンドの公式ニュースレターに。
しかし80年代以降、肥大化していくロックビジネスの流れの中で、
メンバーとは近いのにバンドは遠い存在になる。
まるで目の前にキースやミックがいるかのような生き生きとした筆地で描かれる涙と笑いの青春ノンフィクション。
ここが青春エッセイですね。
涙と笑いの青春エッセイ。
12:01
このようなあらすじの作品ですね。
じゃあちょっとここでですね、
ローリングストーンズとはというのを熊本さんにちょっと説明していただきたいなと思ってます。
私と三重さんローリングストーンズ全然知らないっていう。
私も曲聴けばもしかしたらわかる曲いくつかあるのかもしれないですけど、
多分ローリングストーンズとして意識して聴いてなくて。
ちなみに私はこれ今回読んでる間、わりとスポティファイでかけながら読んでたんですけど、
でも曲名いちいちチェックしなかったんで、ちょっともうランダム再生したんで、
もうどの曲がなんて名前なんだろうと全くわかってない状態です。
僕もそうなんです。ローリングストーンズ本当に名前しか知らなかったっていう程度でした。
今回はやっぱり僕も聴きながら読んでましたし、
あとYouTubeであれですね、ライブの映像とか見たらですね、感動しましたね。
この作品の中で東京ドーム公演とかもあったんですけど、
それの映像とか見たりしながら読んでたら、
ローリングストーンズかっこいいなってちょっと思いましたし、
ちょっとそれのそもそもですけど、ローリングストーンズって一体なんだろうっていうところをですね、
ちょっと熊本さんにではお聞きしたいなと思います。
ローリングストーンズはロックバンドです。略してストーンズと言われます。
1962年の夏の初めに結成したというか、
62年の7月に初めてステージに立ったバンドです。
その後でレコードデビューしたりするんですけれども、
ちなみにアンダー・ゼア・サムの著者のビル・ジャーマンは、
1962年の9月に生まれたんですね。
そういう意味で、もう生まれた時点でローリングストーンズがいた。
だから僕の人生にはいつだってストーンズがいたっていうことになるんですけれども、
そのローリングストーンズがいたことが何が重要かっていうと、
ローリングストーンズが現れたことによって、
前髪伸ばしていいんだ、ネクタイしてなくても女の子にモテモテなんだっていう価値観が世界にできたっていうのを作ったきっかけのバンドなんです。
不良と呼ばれていたんですよね。
ビートルズかローリングストーンズかと歌われたほど世界的に超有名な、
イギリスのロンドンから出てきたバンドで、
それで後々実はビートルズとも仲良しだったってことが分かってくるんですけれども、
ビートルズが割と貧乏法制なイメージで売ってた一方で、
それに対抗すべくストーンズは不良のイメージで売っていたっていう感じですね、当時は。
ビートルズかストーンズかみたいな。
これを聞くととんでもないバンドなんだって。
最初こそ割とアイドル路線って新しい価値観だったから、
若者たちに受ける若者音楽で、中高年は眉を潜める音楽バンドとされていたんだけども、
ビートルズは1970年に解散するんですけど、
15:00
ローリン・ストーンズは未だに現金益なんですよね、60年たって。
ちなみに60年バンドが経ってるってことは、ビル・ジャーマンも60歳です今。
だけどそのビル・ジャーマンの若い頃を振り返っているっていうのがアンダーゼアサムっていう本なんだけども、
ローリン・ストーンズはその間も数々の沖縄を流し、
バンドを結成したブライアン・ジョーンズというメンバーは変死し、
残りの主要なメンバーもドラッグに溺れたり逮捕されたり、
それでも活動を続けてきたっていうところが例えようがない。
こういうバンドいないよね、みたいな。
Xジャパンとかスマップとかそういう感じに近いっていうと、それとまた違って。
そうそう。往年のアメリカの貧しい黒人たちが歌っていたブルースとかそういう労働歌を、
白人の若者たちにも分かるようにポップソングに仕立て上げて、ロックに仕立て上げて、
世の中に広めたっていう功績もある。
なんかすごく音楽的にも評価されているバンドなんですよね。
本当に例えようがない。
じゃあ、そんなに60年も続けられるの?バンドって。
だって5人の人間が一緒に仕事するんでしょ?
それ大丈夫と思うよね?
ダメなの、本当は。全然ダメね。
形式上は解散してないんだけど、実は定名期を迎えていて、
70年代後半ぐらいになると、ミック・ジャガーって歌手の、歌を歌う担当のミック・ジャガーという人が、
もうやってらんないし、ソロアルバム出したいとかって言って、
ソロアルバム出しちゃったら、ギターのキース・リーチャーズっていうのはほとんどミックと2人で曲を作りをしていた人がね、
え?我らがローリンストーンズを出し抜いて、ソロアルバム?許せん!みたいな感じになって、
なんかちょっとバンド内がギクシャクしちゃって、
でもその頃にはみんなお金もずいぶん手に入ってたから、
それぞれに事務所儲けて、それぞれにマネージャー儲けて、
なんとなくバラバラっぽくなっちゃって、
定期的にアルバム出してはワールドツアー、世界ツアーやって、お金儲けて、
またバラバラにそれぞれ好きなことをやってるっていう感じなんだけど、
今はね、それで割と折り合いをつけてるんだけど、
70年代後半っていうのは、それが始まった頃だったから、
ローリンストーンズどうなっちゃうの、俺たち?みたいな感じで、
なんかこう、ちょっと活動自体が止まってたのね。
だから逆に暇だった?
そこの暇なところに、ビル・ジャーマンが、この本の著者が関わってくるっていう話なんです。
なるほど、そういう背景。
ローリンストーンズ、本当名前だけであれなんですけど、
でも今回読んで、初めに断っておくとローリンストーンズ知らなくてめちゃめちゃ面白かった。
18:04
ちなみにね、企画を拾ってくれたリッドミュージックの編集を担当してくださったハットリケンさんは、
ローリンストーンズのことに詳しくない音楽ファンです。
その人の目を通してちゃんと編集してもらってるから、
ローリンストーンズ好きじゃなくてもちゃんと楽しめるようにできてます。
この後具体的に魅力が入ってきますが、
ちょっとこのローリンストーンズのことも念頭に置いておきながら話していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
ではですね、ここからまず作品の魅力というところをですね、ちょっと話していきたいなと思っています。
本当にいくつかあるんですけども、
まずですね、これも最初の方から言っている通り、
青春エッセイということで、ビル・ジャーマンの奇跡のような青春物語が楽しめると、
そこに高揚感があるというところがですね、まず一つ魅力かなと思っています。
やはりビル・ジャーマンが高校生の時ですね、本当に10代の時に、
自分でファンジーンというのを作るんですけども、
それがローリンストーンズに認められて、公式ファンクラブの特典ニュースレターになっていくというですね、
この展開がすごく、何でしょうね、読んでいて気持ちのいい、そんな流れになっていくというですね、
ここの事実の話なんですけども、このストーリー性が非常に面白いというのがありますし、
さらにその後、メンバーであるキース・リチャーズとかですね、
ロン・ウッドと友情を育んでいくというですね、
ビル・ジャーマンという、何でしょうね、いわば一般人みたいな立場の若者が、
すごい大スターと友達になっていくというですね、
この展開もですね、やっぱりすごい感動的なものがありますし、
しかもミック・ジャガーにも取材をしたりとかですね、
ライブツアーにも同行したりとかですね、
それでアメリカ離れて、本当にいろんな各地のライブについて回ったりするというですね、
そういうローリンストーンズという、すごいバンドと行動を共にしていくという、
本当フィクションのようなでも実はという、そこがすごい魅力だなとまずは思ってますね。
そうですね、これもう本当、自分も感動したんですけど、
このビル・ジャーマンの情熱ですね、ここが熱すぎて、
本当お金とかのためじゃなくて、ローリングストーンズへの愛とか、
ビルの中でも多分いろいろ渦巻くものがあると思うんですけれども、
でもこのまっすぐさ、正直さみたいのがすごく胸を打つ一冊だなと思いました。
特にバンドメンバーのキースとロンとの関係は、本当に感動的だなと思っていて、
彼らとちょっと関係ができつつあって、
言ってしまえば友達みたいなぐらいのレベルまでなったんじゃないかなと、
私は本を読んで思ったんですけれども、
でもそれに対して自分はファンなのか、ジャーナリストなのか、
いったい今どういう関係なんだろうかって、迷ったり悩んだりするところ、
そこの葛藤も描かれていて、かなりここはですね、後半ちょっといろいろその辺り出てくるんですけど、
21:00
名作だなと思いましたね。
自分もこういう気持ちはなんでしょう、ちょっと有名な人と絡むとき感じるので、
なかなか共感も及ぶ一冊だなと思いました。
そうでしたね。
ちなみにこのビル・ジャーマンはこういう有名人と友達になっていくんですけども、
結局お金持ちにはならないんですよね。
契約の問題とかありますし、
あとビル・ジャーマン自身、非常に悪いことをしないという、そんな人間なので、
お金稼ぎに走らずに、本当に好きなものに提出すると。
それで本当、何でしょうね、確か低所得者層が住むようなところに住んでいたりするんですけど、
生活カツカツなんですけど、でも週90時間働いているとかですね。
なんかちょっとですね、この辺も何でしょう、ビル・ジャーマンをちょっと好きになるところかなとありましたね。
そうなんですよ、そもそもなんでこんなにお近づきになれたかというと、
先ほど推し勝つという話もありましたが、
少なくとも当時のビル・ジャーマンにとっては、自分は推しっていうイメージがあんまりどうやらないようで、
自分が目指しているものはジャーナリズムだったんですよね。
彼はブルックリンのユダヤ人なんだけれども、
ユダヤ人アメリカ文学っていうジャンルがあるっていうことは私も最近知ったんだけども、
そのくらい本当にユダヤ人ってジャーナリズムにもともと長けているということも手伝って、
彼は本当に文才があって、高校でも大学でもジャーナリズムをしっかり学んでいて、
でもそれもストーンズを追っかけるために中断して大学中退しちゃうんだけど、
何しろ文才がすごくあって、この本にもその文才がすごい現れてるんですよね。
私もう一つこの本が似てるなと思ったのが、
倉前仁一さんっていうバックパッカーであるエッセイストがいらっしゃるんですけれども、
その人の初期の作品に似てるなって思ったんだけど、
全然ニューヨークとか出たことなかった子だったんですよ、このジュビル・ジャーマンって。
だけどローリン・ストーンズを追っかけているうちに世界を股にかけるようになっちゃって、必然的に。
その知らない世界に飛び込んでいくっていう感じがおっしゃったように私もすごいワクワクしてて、
それで冒頭で私ローリン・ストーンズはドラッグやったり砲塔のかぎりを尽くしたと言いまして、
周りもそういうことに影響されがちなんですけど、ビル・ジャーマンって結局一回もドラッグやってないんですよ。
こんなにずっと一緒にいるのに。
周り中がドラッグやってたりとかする場面に何度も遭遇するのがこの本の中でも描かれるんだけど、
もう彼は淡々とそれ断り続けてタイマー一つ一本全然吸ってない。
そのままはっきり言って今日まで来てます。
そうなんです。
本当ビル・ジャーマンはパーティーでも一人だけ早く抜けるんですけど、夜から始まって朝、朝日が昇って続くんですけど、
24:07
ビル・ジャーマンは朝4時ぐらいには帰るんですよね、ちゃんと。
そうしたらロングウッドとかがもう帰るのみたいな感じで増えるんですけど。
早く帰るのもとある人の教えによるんだよね。スビーっていう人が出てくるんだけど、その人の話も面白いんだ。
そうなんですよ、ビル・ジャーマンの人生の物語なんだけど、すごくいろんな人が登場してて、
この本は母にあげたら、母が創刊図作りながら読んでおけばよかったって言ってたんだけど、
途中で分かんなくなっちゃうぐらい人がいっぱい出てくるからみたいな。
その登場人物、有名無名の登場人物たちの人生もちょっと細々と書かれているのが結構面白いですよね。
ビル・ジャーマンって本当に一回の若者なんですけども、周りの大人たちの存在感というか、いろんなキャラクターが出てくるんで、そこが確かに面白いところですよね。
ではですね、ちょっとここで次の魅力ですね。これがですね、先ほどビル・ジャーマンがもともとジャーナリストを目指していたというところで、
そのジャーナリストとしての視点が本書には入っているというところと、あとはもうこの書き方の上手さですね。
書き方が非常にいいなと思っていると、そこが魅力かなと思っています。
ビル・ジャーマンが作っていたファンジンでも、ただのローリングストーンズの広報誌とかっていうのではなくて、やはり報道を心がけて作っていたと。
ちゃんとローリングストーンズのネタを自分で取ってきて、世に知られていない、実はこんな動きがあるとかですね。
そういったのをちゃんと報道するというですね、そういった姿勢がこのファンジン作っていたんですけども、この本書に関してもですね、具体的に書かれているんですけども、
読んでいくとやはりその年代の中で、ローリングストーンズが今何をしようとしているかとかですね、次はどうするのかですね、
ライブではこんな出来事があったとかっていうのが結構面白おかしく書かれていて、
それが事実であるんですけども、そうやって面白く書いてくれて、しかも解説もつけているっていうので、
エッセイでもあるし、ちょっと詳細なレポートみたいなですね、そういう読み方もできると思ってまして、
自分もその時代にローリングストーンズを追っているようなですね、そんな感覚で読んでいけるという、楽しめるというところが一つ大きいかなと思っています。
さらにですね、ちょっと付け足すと、このジャーナリストとしての視点もやはり持たれていたので、
結構このローリングストーンズの周りにいるスタッフの人たちですね、ローリングストーンズを守る立場にいる人、
ローリングストーンズをより商業的に大きくしていこうとしている人たちと、ビル・ジャーマンって圧力が生まれたりしていくんですけども、
そこにある背景ですね、特に80年代以降のこのロックバンド、音楽業界というのかな、そこのビジネス面での変化とかですね、
そういうのも書かれていますし、そういったところはですね、このビル・ジャーマンとローリングストーンズという、
27:05
この2つだけではなく、その周辺にある人、出来事とか人々とか、背景とか、そういったのまで読めるという、そこの面白さというのも魅力と思いますね。
本当におっしゃる通りで、さっき定名機って言いましたけど、定名機って暇な時間を利用して、
バンド側がむしろ面白がってビル・ジャーマンと友達になってくれるんだけど、
それがやがてこの定名機、俺たち出しないとダメだよね、みたいな感じになっていって、ちゃんとビジネスを始めるわけなんですよね。
その頃にはローリングストーンズのファンも、若者だったファンもすごいいい歳になって、お金を稼ぐ大人になっているわけなので、
それを利用して、利用してって言ったら語弊がありますが、そこを捉えて、ちゃんと儲かることにしましょう、ロック界を儲かることにしましょう、みたいな動きが出てきて、
これだけ大きいバンドであるローリングストーンズがそれを始めちゃうものだから、世の中全体のロック界とかショービジネス界がだんだんそういう感じになってきて、
ビル・ジャーマンがまだローリングストーンズとお友達になる前は、コンサートチケットなんて日本でも海外でも2000円前後ぐらいで大物アーティストとか見られたんだけども、
ローリングストーンズは1990年に初めて日本公演を、来日を果たすんですけども、その時にチケット1万円になっているんですよね。
今、ロックコンサートのチケットって結構5万10万とかになってたりするんですよ。いい世紀だと。
それがね、どうしてこんなことになっちゃったのみたいなことも、なんか面白おかしく読めたりとかしますよね。
それでいて、先ほどおっしゃって、いろんなスタッフの話も出てくるって言ってくださいましたけども、これは過小評価されているものに対する酸化だと思うんです。この本って。
そもそもビル・ジャーマンが過小評価されてるし、いろんな全然表に出ない人たちが、どんなふうにしたたかに生きている、したたかに頑張って、したたかに抜け出るか抜け出られないかみたいな。
そういうことがすごく伝わるなって私は思って、それが魅力だなとか思ってて。
それで、過小評価のままに終わる人ってものすごく多いし、それはショービジネス界に関わらず、私たちの中にも全然有名にならずにコツコツと生きていく人とか、有名じゃないんだけどお金儲けてる人とか、お金儲けてるんだけども震わないとか、いろんな人がいると思うんだけど、
そういう人はダメなの?って言うと、そうでもないんじゃない?みたいなふうに思わせてくれるところがあるのが、なんか私はすごい感動ポイントでした。
すごい過小評価っていうのがすごい面白いというか、この本読んでても企画立ち上がったけど、ついてしまった企画みたいなの結構あるじゃないですか。実現しなかったと。
30:00
そういうのが結構、読んでて面白かったのは最初の期待感からちゃんと描かれている。
そうなんだよね。それも本当に面白くて、わーみたいな高揚感で始まる。例えば一つの章が、わーって楽しく始まって、それであってがっくり落ちる瞬間があって、でもちゃんとオチをつけて終わってくれるっていうところがすごい楽しくて。
いいですよね。
そうそうそうそう。
これ、こんな企画あったら絶対知ってるぞみたいな。
そうそうそうそう。
そっか。
ダメだったんだ。
あるある。なんか聞いたことあるぞみたいな感じのをあたり中してね。
そうなんですよ。そういうのもすごく面白く、面白いというか本当にリアルだなと思って。
そうなの。あと聞いたことあるぞ、これビルジャーマンだったんだと思いきや別の人に撮られてたとかね。そういうのもあるしね。
そういうところからちょっとメリハリがついてる感じが、長く連載してる漫画を読んでるような感覚かなと思って。
これ結構普段本読まない人とか海外文学読まない人が、初めて楽しいと思った本ですとか、初めて全部読めた海外文学ですとかって言ってくれたりするんだけど、実はすごい分厚い本なんだよね。
だけど楽しく読めるのはそういうことだからかなとか思って、漫画とか気がついたら何冊も読んでたりとかすると思うんだけど、そういう感じでサクサク読めるんだけど読み終わりたくないみたいな楽しさありますね。
確かに連載もののイメージ近いですね。
そうですね。
一つの話が延々と続くわけではなくて、途中でビル・ジャーマンがラジオ局の脚本家になろうとかですね、試みるけど全然うまくいかない話とかね、結構面白かったし。
これあれなんですよね、確かに結構分厚い本で、私も最初久保田さんの話を聞いて、めちゃめちゃ面白そうだなと思って手を取ったときに、多分内容的に200ページぐらいなんだろうなと思った。
だよね、すいません。
そしたらあれ結構分厚いぞと思って、でも実際これちょっと500ページ超えてるんですけど、でも章が40章に分かれてて、エピローグやら何やらあるんで、多分一つは10ページちょっとで区切ってますよね。
そうですね。
16ページぐらいかな。
あと章の中で、段落と段落の間に一行空ける言葉あるのかないのかって、そういう感じで、ここでちょっと一休みですみたいなのがなされていたり、何しろ段落一つ一つがすごく短くて、その段落ごとにちゃんと何ていうのかな、段落ごとにもメリハリがあるから、私はその辺がすごい読みやすさポイントだったなと思いましたね。
写真も結構入ってますし、すごくイメージもつきやすいですよね。
そこがさすがノンフィクションですよね。実際に起きたことが写真として描かれているっていうか、裏撮りできちゃうっていう。
33:06
これ写真はほぼ違うのか。
違うんですよ。
いろんなとこ持ってきてるんですよ。
これ本の中でも書かれてるけど、いろいろ取材を進めるうちに、パパラッチたちと友達になるんですよ。
パパラッチと言っても、ジャーマン君も言ってるんだけど、昔はもっとパパラッチ合戦も激しくなかったから、みんな穏やかでマナーも良くて、こういう最近読者を増やしているベガーズバンケットというミニコミシンに載せますよって言うと、
あ、君ね、みたいな感じで進んで写真を提供してくれたりするんですよ。フォトグラファーたちにカメラマンたちにとっても宣伝になりますからね。それでこの写真提供してる人も一番最後にもちろん提供者の名前一覧がありますし、本文の中でも登場していますけども、
例えばボブ・グルーエンってロックを追っかけてる人だと知ってたりするような有名な人が撮った写真がいっぱい載ってます。ビルが撮った写真も載ってて、この日本版にしか載ってない写真もあるんです、実は。
特にね、イアン・シチュワートっていう正式メンバーにならなかったローリング・ストーンズメンバーがいるんだけど、その人を撮った、ビル・ジャーマン自身が撮った写真っていうのが日本版に載ってて、私はね、それはビル・ジャーマン自身が見てるイアン・シチュワートだっていう意味ですごく好きな写真でもあります。
ちょっとこの魅力の話に戻って、3つ目ですね。こちらがやはり読んでいると、このローリング・ストーンズのメンバーのそれぞれの魅力というのが非常に感じれるというですね、やっぱりこのローリング・ストーンズはかっこいいというか、本当にそこのインパクトをすごい感じれると思います。
本書では主にキース・リチャーズ、ロン・ウッド、ミック・ジャガー、この3人が出てくることが多いですね。で、チャーリー・ワッツ、ビル・ワインはちょっと出番が少なめという感じなんですけども、よく出てくるキース・リチャーズとかはいつ登場しても常にかっこいいという、ビル・ジャーマンとの会話でビル・ジャーマンがやっぱりちょっと困ったとかですね、ちょっと悩みがあるとかですね、ちょっと湯沸きになっているとかですね。
そんな時にすごいもうね、本心をつくようなかっこいいセリフをバンバン言ってくるんで、これキース・リチャーズなんてかこうプライベートでこんなかっこいいんだっていうですね、まずそこにちょっと痺れるところはありましたし。
とはいえですね、やっぱ薬やっててですね、結構ダメになることが多いっていうところあると思うんですけど、やっぱりでもギリガタさとか、この男気のある感じとか、この辺本当に生活もロックな感じで、すごいやっぱりキース・リチャーズの人間的なところのかっこよさに惹かれましたし。
あとこのロン・ウッド、この本の中ではですね、このウッディというですね、このちょっと親しんだ言い方で書かれているんですけども、ロン・ウッドも本当に呼んでいると、とにかくいい人なんだなと、大スターなんだけど、何でしょうね、この人の良さ、優しさっていうのがすごい溢れ出ていてですね、本当に大スターの中にもこういうタイプの人がいるんだっていうですね、ちょっとそこはすごい面白い見方ができましたし。
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この本の中でも語られているんですけども、ウィル・ジャーマンがこのウッディですね、このロン・ウッドと一緒に本を出すという、ロン・ウッドが絵を描いていて、自伝的画集というのを出すんですけども、あそこでゴーストライターをして、ゴーストライターでしつつ、さらにその著者名のところでも協著という形で出すというですね、この辺の逸話とかもすごいたっぷり語られていて、すごい面白いところでしたし。
その2人とは主に友人関係になっていくので、もうたっぷり語れます。一方でやはりこのローリングストーンズどもは顔の一人でもあるミック・ジャガーですね、とのエピソードもいろいろあって、いろいろ調べていると、ローリングストーンズを知る人ならミック・ジャガーってこういうイメージですよねっていう、なんかちょっととっつきにくさがあって、すごいでも切れ物で頭がいいという。
この本を読んでいると、もうまさにその通りのイメージのミック・ジャガーで、ちょっと近寄るのが怖いなというタイプなんですけども、ただこのバンドマンとしても、ビジネスマン、経営者として見たときでも、もう本当にすごい、もうめちゃめちゃ優秀な人なんだなっていうのを感じれて、すごい面白かったですね。
そうですね、本当おっしゃる通りでですね、まずキースとロンとウィティとね、一番ビル・ジャンマン君は仲良くなるので、どうしてもこの二人が魅力的に描かれるんだけども、私実はミック・ジャガーの元々ファンで大好きで、ローリングストーンズ全体もちろん好きなんだけど、特にミック・ジャガー好きで、
その私から見ても、ミックはすごく嫌なやつに描かれているにも関わらず、いまだに魅力的に感じられると思っているんです。そこがまたノンフィクションの面白いところで、ちょっとしか出てこないビル・ワイマンがね、ベーシストのビル・ワイマンがミックをちょっとよく言ってるんですよ。
そういうこととか、あといろんな世の中にあるインタビューだとか、これもしかしたらミックがモデルかなみたいな映画とか、そういうのいろいろ見てると、ミックこういう心情でこういう行動をとっちゃうのかなみたいな、なんかこうこの本には描かれないことも考えながらこの本を読むと、ミックの魅力もね、一段とわかってきたりとかして。
あとね、このさっきも言ったように、ビル・ジャーマンの人生だけがずっと面々と語られているわけじゃなくて、他の人に特化したショーなんかもあるんだけども、例えばロン・ウッドとロッド・シュワートっていうミュージシャンがいるんです。
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ロン・ウッドとロッド・シュワートはもともと同じバンド、フェイセスって同じバンドにいて仲良しだったんです。幼馴染みたいな感じね。この2人が主人公みたいになってるショーも後半に出てくると思うんですけど、それなんて私自分で訳してて、このショー余計じゃねーなと思っちゃうぐらいビル・ジャーマンの人生とあんまり関係ないっていうか、一応ビル・ジャーマンもそこに絡むことは絡むんだけども。
でもね、後から振り返るとこのショーがすごい私は愛おしくて、ロン・ウッドって後からストーンズ一番最後に入ってきたメンバーだから、すごい気使わないといけないわけなんですよ。いろんな意味で。それでもう愉快な弟分みたいな感じなんだけども、普段多分すごい気を使って仕事してると思うんだけども、このロッド・シュワートと一緒にいるときにすごい気を抜く感じが分かって。
このショーのオチがまたすごい笑えるっていうか、その書き方がまた笑えるんだけど。それでね、私は結構好きですね。
ちなみにウーティーはね、なんでウーティーっていうかっていうと、漫画でウディ・ウッド・ペッカーっていう漫画のキャラクターがあるのをご存知の方もいらっしゃるかもしれないんだけど、キツツキのキャラクターがいるんですよね。
髪の毛がボサボサの黄色いキツツキなんだけど、ロン・ウッドって髪型がそんなようなウディ・ウッド・ペッカーみたいな感じだった時期が長かったんですよ。それでファミリーネームもウッドだということで、それでウーティーって呼ばれているんですね、いろんな人に。
ところがこの呼び方もなんか後で問題になってくるんだよね、この本の中で。
そうですね。
いつまでも大人になりきれてないみたいな。
もうね、いろいろ派生しすぎちゃって、語りだすとキリがない。
そうですね、本当に時間がある。もともとローリングストーンズを知っていた久保田さんが、この本を読まれたり訳されたりして、メンバーに対しての印象がちょっと変わったのかどうかとかですね、その辺もね、本当にすごい気になりましたし。
そうですね、変わりましたというか、頭では分かっていたことがいっぱい書いてあるんだけども、でもこうやって読書体験として味わうと、例えばさっきキースすごい良い人っておっしゃってくださったけども、私もそれは知ってたけど、でもキースが良い人でいられるのは周りのスタッフがいるからだなと思ってたのね。
だからそのキースがこの人に優しくしたいなって思うと、次の瞬間ドラッグで忘れちゃっても誰かが思い出させてくれるからとか、誰かが何々を手配してくれるからだと私は思ってたの。
だけどちゃんと本人が覚えてたりとかするんだなって、当たり前のことなんだけど、キースちゃんとボケてないとこボケてないなとかね思ったし、あとなんだろうな、ミックもねビジネスライクでツンデレ激しいとか言われるけど、毎日毎日こういう生活しててね、毎日人目に晒されてたら無理もないよなって思ったりとか、本当もこの読書体験を通じて実感したことすごい多いですね。
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あと、この本っていうかノンフィクションであることの面白さって、やっぱり事実が確認できるところだと思うんですよ。
それで、著者自身すら気がつかない事実に読者が気がつけるっていうところが面白くて、そういうのいっぱいあるんだけど、例えばね、ジェーンっていうイケ好かないお姉さんが出てくるんだよね。
すごい力のある女が。この人、本当実在する人なんですけど、その人をビル・ジャーマンは背が高い女性だっていう風に形容してて、それで私、ジェーンの実物を見たことがあるんだけど、だいたいコンサートにちょくちょく行ってる人は見かけたことが一度ぐらいはあると思う。
スタッフ、キースのマネージャーみたいな人なのね。それで全然背が高くないんですよ。日本人女性から見ても。だから、なんかこれトールとかって書いてあるけど、私誤解してるのかな。なんか誤訳したら嫌だなと思って。
あとで話しますけど、ビル・ジャーマンにいろいろ質問させてもらえたから、ジェーンが背が高いって書いてあるようだけれども、なんか私誤解してるのかな。高くないよねみたいなことを言ったら、いやこれ実は僕最近まで本当に背が高いって信じてたんだよみたいな話があって。
つい最近になって、自分の彼女をジェーンに紹介したら、その彼女が、でもジェーンって全然背が高くないね。なんで背が高いとか書いちゃったの。おかしいじゃんとかって彼女が言うと。それ言われるまで、え、高くないんだってビル全然気がついてなかったって言うんですよ。
で、じゃあなんで高いと思ったんだろうっていうところは、あえてここでは書いていません。本ではね。それはビルもあえて高いっていうままにした方が面白いから、じゃあそれは訂正せずに残しておこうっていうふうに言って、そういうふうになりました。
じゃあ久保さんもし最後この先に伝えたい部分とか話したいところがあればいただければと思います。
そんな感じで文才に任せて笑える箇所がいくつもあって、詳しく話すとギャグのネタバレみたいになっちゃうんでラジオで話せないんだけども、こんなにゲラゲラ笑える箇所満載な一方で、この本には始めから根底に死があるんだよね。死亡の死ね。
一番最初の前書きのところで殺されそうだが本当だっていうフレーズがあるんだけれども、ビルジャーマンがファンになった時点でブライアン・ジョーンズっていうメンバーは変死してたりとか、ところどころにいろんな死が散りばめられていて、結構そういう切ないものを含んだ本だと思うんですよ。
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大人になるのってやっぱり何だかんだ言って辛いじゃないですか。それは当たり前で、大人になるとどんどんどんどん責任が増えていくし、体験が増える分背負うものも多いし、それでいてどんどん保護してくれる保護者とかそういう人たちは病気になるなり去っていくなり、いろいろ離れていくわけじゃないですか。
だから大人になるのって辛くて当然なんだけど、じゃあその辛いのって悪いことなのかなっていうのは、あの手この手で描いて辛さの中の糸を舌を炙り出してくれるのが文学だと私は思ってるんですね。そこが情報誌だとか辞典とかの違いだと私は思っていて。
これはベガーズ・バンケットという情報誌を出し続けたビル・ジャーマン君が初めて自分自身の人生について綴った文学だと思うんですよ。この主人公となってビル・ジャーマンが橋を渡るか渡らないかの決断を人生の中でする様子が私には愛おしいので、皆さん最初から最後まで橋というキーワードにちょっと注目してみてください。
最後橋がどこにあるかっていうのを見ると結構面白い本だと思います。
ありがとうございます。じゃあちょっといい感じにしまったので、最後あの感想とどんな人に読んでもらいたいか、我々3人最後話して終わりたいと思います。
じゃあ私の方が行きますね。これいろいろ話してきましたけれども、結構何かに夢中になっている人、もしくは何かに夢中になっていたことがある人、そういうタイプの人にはかなり刺さる作品なんじゃないかなと思うので、ぜひ読んでもらいたいなと思います。おそらく共感しかないかなと思っております。
やはりやっぱりこのノンフィクションである部分っていうのがとても刺さってまして、いろんなところでリアルな部分、あとうまくいかないことも結構書かれているので、そのあたりを本当にリアリティーを持って迫ってきました。
ありながらも確実にこれは著者のフィル・ジャーマンさんの成長物語でもあるので、彼がどんどん大人になっていく様、そして社会に揉まれていく様みたいなところも読めるので、
あと自分もきっと同じような成長してきたなとか実感する部分、絶対あると思うので、ぜひ読んでいただけたらなと思います。
やっぱりね、ローリングストーンズ知らなくても本当に面白く読めましたし、もちろんメンバーが魅力的とか、このバンドが魅力的っていうのはあるんですけども、
ローリングストーンズの周辺にいる人たちがやっぱり面白かったり、いろんな立場の人がいるんだとかですね。
あとはローリングストーンズっていう巨大なバンド、それは巨大なビジネスにもなっているんですけども、
特に80年代以降、ローリングストーンズとこういう風なツアーをする時に契約があったんだとかですね、そういった情報も読めてすごい面白かったです。
で、やはりこの本は自分に好きなものがあるとかですね、それを応援したいとかですね、追いかけたいとか、そういう気持ちを持っている人だったらですね、
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読むとすごい力をもらえると思いますし、自分のそういう好きなものを後押ししてくれるようなですね、
自分がやってることとかやっていこうと思っていることの背中を押してくれるような本なんじゃないかなと思っていますので、興味がある人には本当に読んでもらえたらなと思いますね。
じゃあ最後、久保野さんお願いします。
もうつけ足すことはありません。本当に読み応えてくださってありがとうございます。
本当におっしゃるようにはしばしの人々も描かれていて、特にローリングストーンズメンバーの奥さんたちの話もすごく出てて、
奥さんたちの話もファンとしては伝わってくるので、ああ意外とこの奥さんもっとこうだったんだ、ああだったんだとか思えるのがすごい楽しいし、
本当に読み応えのあると私は思っていますので、ぜひ皆さんジャーマン君と一緒に物語を体験してください。
ありがとうございます。じゃあ最後久保野さんからもし今後の告知などあればいただければなと思います。
ジャーマン君が唯一インタビューできなかったローリングストーンズメンバーがチャーリー・ワッツというドラマーなんですね。
それは本書でもアンダーゼアサムでも語られていますけれども、チャーリーはインタビュー嫌いだったということもあって、なかなかそれが叶いませんで、
ところがですね私8月30日にチャーリー・ワッツ公認表伝という本を訳して出しました。
チャーリー・ワッツに特化した一本でございます。
これは正式タイトルがチャーリー・ワッツ公認表伝人生と時代とストーンズという題名で書いたのはポール・セクストンという30年間ローリングストーンズを取材し続けた人で、
シンコーミュージックからお話をいただいて訳して出すことができました。
なのでアンダーゼアサムを読んでチャーリーについてちょっと足りないんじゃない?もっと知りたいなって思った人は是非ともこの本を読んでいただきたいと思います。
ちょっとチャーリー・ワッツに特化した本なんでね、チャーリー・ワッツに興味がないとあんまり面白くないかもしれないんだけども、
でもね、これはチャーリー・ワッツってミュージシャンなんだけど、音楽は仕事っていうふうに思ってた人で、
もともとグラフィックデザイナーだった人なんですよ。ちょこっとだけ本当に実際プロだったんだけど、
あといろんな趣味を持っていて、仕事と人生をどうやってバランス保つかみたいなことが割と描かれている本だし、
これもまたチャーリー・ワッツの周りの人の発言がいっぱい含まれているので、
私はこの本を読んで、まず何したかっていうとね、高級な香水を数十年ぶりに買いました。
そういうふうなことをしたくなる本です。
なので興味があったらぜひ読んでいただきたいのと、ちょっと読んでてね、
私チャーリー・ワッツって意外とビル・ジャーマンに似てるなって思ったりもしたので、興味持った人ぜひお願いします。
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そしてアンダー・ゼア・サムについてなんですけれども、
去年ビル・ジャーマンがこの元々のアンダー・ゼア・サムに30ページ分の緊急報告をつけたリニューアル版をアメリカで出版しました。
なので英語でその本が出ています。
そして私はそれを訳したいというか、はっきり言ってすでに訳してあります。
自分自身の中ではね、あまりにも面白い文章が付け加わっているので、
ところが世の中、経済というものはなかなか難しいもので、これを出版できません。
なのでぜひともね、今出ているアンダー・ゼア・サム日本版を売り切って、
リニューアル版を出せるようになるといいなと思っていますので、
みなさん出版報告ですが、どんどん本を買ってください。
どうしてもお金ない人はね、読んでみて、面白かったら宣伝してください。
買うときは必ず新品買ってください、数字に反映される。
私ね、ソラト・ヴィンチの語ってくださっている、
本は選択肢の一つに過ぎないという姿勢がものすごく私は背中を押されていて、
私結構その、読者に勝るものはないみたいな価値観の中で育ってきてしまって、
本さえ読んでいれば、ちょっと夜更かししてもいいよみたいな世の中で育っちゃって、
そうなのかなってずっと思ってたんですよ。
だって本だってさ、読書だってどうすぎれば目を悪くするし、
読むのに忙しくて空想や創作の時間がなくなっちゃうと思うんですよね。
だけど、この本ってね、あくまでも選択肢だと思いますので、
その選択肢の中にアンダー・ゼア・サムも入れてみていただけると、
ちょっと人生楽しめるかなと思いますので。よろしくお願いします。
いいですね。じゃあ次回告知で終わりたいと思います。
次回はですね、このまままた久保田さんにご出演していただき、
今回のアンダー・ゼア・サムの翻訳裏話などお伺いしていきたいと思っておりますので、
よろしくお願いいたします。
こちらこそよろしくお願いします。
じゃあ番組の最後になりますが、メルマガ会員募集しております。
こちらですね、無料版、有料版でございまして、
詳しいことは番組概要欄ご確認ください。
また関数やリクエストお待ちしております。
このラジオを聞いてですね、紹介された本を読みました。
読み返しましたでございましたら、
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こちらあとですね、お便りも随時募集しておりますので、
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ではまた来週。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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