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2020-09-14 46:31

第13回「すべての見えない光」アンソニー・ドーア著 ~ラジオが、少年と少女の心をつなぐ~

spotify

【今回の紹介本】

■『すべての見えない光』アンソニー・ドーア著 藤井光訳 新潮クレストブックス

今回第13回目でご紹介するのはアメリカの作家アンソニー・ドーアの『すべての見えない光』です。

ラジオから聞こえる懐かしい声が、盲目の少女と若い兵士の心をつなぐ、戦時下を舞台にした濃厚な長編小説です。

ピュリツァー賞を受賞し、2017年に第三回日本翻訳大賞を受賞しています。

【番組内で紹介したトピック】

■『すべての見えない光』アンソニー・ドーア著 藤井光訳 新潮クレストブックス

https://www.shinchosha.co.jp/book/590129/

■『シェル・コレクター』アンソニー・ドーア著 岩本正恵訳 新潮クレストブックス 

https://www.shinchosha.co.jp/book/590035/

■『メモリー・ウォール』アンソニー・ドーア著 岩本正恵訳 新潮クレストブックス

https://www.amazon.co.jp/dp/4105900927

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック



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どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は、私小説が好きの会のダイチと、
富士をめぐるカフェのミエの2人でお送りします。文学のプロではない2人ですが、東京と京都をつないで、お互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。お互いの紹介に関しては、第0回で話しているので、そちらで聞きください。
今回ですね、アンソニー・ドンワの全ての見えない光という小説をご紹介するんですけれども、これですね、ちなみにこれは私が選んだ本なんですけど、この3、4年で読んだ中でベストですね。なかなか今のところ、この2、3年、これを超える作品にあってないっていう状況が続いているぐらい熱のある小説でございます。
チャンピオン小説になってますね。そうですね。今回紹介するにあたってもう一回読み返したんですが、今回含めると4回目なんですね。すごい。毎回泣きそうになるんですが、初読と2回目はボロボロに泣いてるんですけど、今回もちょっと泣いちゃいましたけど、すごいやっぱり濃厚な作品で。
そうですね。僕も読み終えてから、たまになんか不意に思い出すんですけど、もう小説と全然関係ないところで思い出してしまって、泣きそうになったりするんですよね。
本当ね。いろんなところに触れてくる小説ですよね。これ、三重さんとラジオやろうみたいな話したときに、お互いの本棚見せ合ったときあったじゃないですか。
そこで見つけて、全ての見えない光見つけて、わーってなったのをすぐ覚えてます。ちょっと今日話すの楽しみなんで、ちょっと熱がこもりすぎないように気をつけながら話したいと思います。
じゃあ、いきましょうか。
今回紹介する本はアンソニー・ドワーが書いた全ての見えない光になります。新潮クエストブックスから出ていまして、役は藤光さんになります。
じゃあ、私の方からあらすじを。
孤児院で幼い日を過ごし、ナチス・ドイツ兵となった少年。パリの博物館に勤める父の下で育った目の見えない少女。
戦時下のフランス・サン・マロデの二人の短い邂逅。そして彼らの運命を動かす伝説のダイヤモンド。
時代に翻弄される人々の姿を彼らを包む自然の草原さとともに、温かな筆地で繊細に描く感動巨編となっています。
これ、ピリッツアー賞も受賞してますね、という、なかなか評価もされている作品でございます。
ちょっと補足させてもらうと、多分日本で有名になったのは、第3回日本翻訳大賞、2017年なんですけど、
お受賞したせいだと思ってます。そこの時に多分すごい話題になったんじゃないかなと思ってます。
アナソニー・ドアの長編小説としては、初めて翻訳されたものになっていて、
それまで短編が2冊出版されているんですね。
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シェルコレクターとメモリーボール、この2冊もすごいいい短編集なんですけど、
今回長編で物体がフランスとドイツというところになるんですけど、
アナソニー・ドアはアメリカ人で、アメリカ人でアメリカ在住の人がヨーロッパの戦時中の話を書いているっていう、
そこも一つのポイントかなと思ったりするんですよね。
その想像力がすごいですよね。
この本は、賞は立っているんですけど、第13章まであるんですけど、その中でも細かくですね、
話が短く短く切れていっているんですね。
ベルナーの話とか、マリーの話とか、あとちょっと途中から、
ホン・ルンペンっていうちょっと悪役って言い方なんだけど、ざっくり言うと悪役なんだけど、
そういう人たちの視点が、もちろんちょっと他の視点も入ったりもするんですけど、
基本的にはその3人の視点が交互ではなくて、結構割と、
マリーとベルナーは交互なんですけど、うまく話が繋がるように交互に話が展開していくっていう形になっています。
村上春樹の1984を考える人ならイメージしやすいかなと思います。
主人公2人が交互に来て、悪役的な。
第3人目の視点ということで、もう1人キャラが入ってきて。
最初は1944年の8月7日が第0章で始まって、その後1934年に上がって。
1年ぐらい遡るんですよね。
村上 そうですね、12年近く。
また第2章だと1944年と、その後また1944年と。
サンドイッチされるんですよね。
そうですね。物語が一番最初スタートした段階の偶数章か。
偶数章が現在地みたいな感じで、そこに向けてちょっとずつ奇数章で追いかけていく作りになっていて、
途中で追いつくんですよね。
そのあたりも緊張感があってすごい面白いですよね。
構成もすごく考えられている小説。この後もちょっと話しますけど。
本編いきましょうか。話していきたいと思います。
村上 すごい思い入れのアイツさんが。
私から先に話させてもらいましょうかね。
まずですね、一番最初に伝えておいた方がいいかなと思っているのは、
この小説520ページくらいかな。結構長い小説なんですけど、
その分すごく話がこんな長くてあんまり無駄なところとか、
あんまり関係ないところとかないんですよね。だから作り込まれてるんですけど。
これは少年と少女の話で、男の子はナチスドイツ兵のベルナと、
フランスの盲目の少女マリー、マリーロールっていうのが女主役になるんですけど、
06:03
この二人がこの500ページある中で、お互い時間を共有するのは10ページなんですよね。
だから2%くらい。全体の2%くらいのページしか、
その二人が出会っている時間ってのはないんですけど、
そこが450ページくらいに移れるのかな。ようやく二人は出会うんですけど、
そこまでに至る過程とか、そしてその10ページとかがめちゃめちゃ良くて。
私1回目はですね、もう二人が会った時にボロボロに泣きましたね。
僕もそうですね。二人が会った次のページくらい、もう泣いてましたね。
泣きますよね、ここなんかね。
なんかすごく感極まっちゃう。
もう本当そこで、そこに至る感動がすごいので、
きっと自分の友人とかでもこれ結構長さに挫折しちゃった人多いんですけど、
これ最後まで絶対帰ってくるものがあるので、ぜひ読んでほしいなと思っています。
そうですね。僕もこの小説で思うところは、
ある程度読み進めないと、なかなかちょっと話が入ってこないかもしれないなと思いましたね。
なんかそのちょっと全体像が最初は見えにくいんですよね、断片断片で。
でもその全体像が見えてくると本当にね、光が見えてくるみたいな感じで、
そこからの面白さがすごいんですよ。
すごいですよね。
アンソニー童話さんも何かのインタビューで答えてたんですけど、
結構読者を信頼して書いたって言ってるんで、
最初あえていきなり現在地点から始まったりするから、
もう何が何だかわからないんですけど、
それも全部多分読者に信頼した上での書き方だと思うんで、
だからもうアンソニー童話を信頼してついていけば感動すると思う。
ちなみに僕は150ページくらい読んで、
最初読んだ時、何の話かよくわからなかった。
確かに。
もう一回読み直したんですよね、一から。
そしたらだんだんわかってきて、そっからもう一気にハマって読みましたね。
結構展開的に進んでいくのが中場以降ですよね。
そうですね。
半分以降が結構展開的には激しく進んでいくんで、
確かに最初ちょっと辛いかもしれないですね。
信じて読めば絶対感動が待ってると思う。
そうですよね。
なんか2人ともね、すごい影響を受けてるでしょ。
ですよね。
やっぱちょっと2人、私とみえさんやっぱ男性だからだと思うんですけど、
どうしてもベルナーに、マリーロールよりはベルナーに感情移入しちゃってるところがあって。
そう、なっちゃいましたよね。
ちょっとベルナーの話をしたいんですけど、
もう個人的にはベルナーにガッツリ感情移入をしているので、何回読んでも。
ちょっとベルナーって、お父さんが単行で亡くなってて、
妹のユタと2人で孤児院で暮らしてるんですけど、
もちろんそこはある程度大人になると、
単行で働かなきゃいけないっていう男は、
村?集落?町なのかちょっと分かんないですけど、
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っていう土地で、
でもベルナーめちゃめちゃ頭が良くて、
拾ってきたラジオを直すんですよね。
それぐらい頭が動作力とか考えることができる男で、
ベルナーが拾ってきたラジオを直して、
そこで流れてくる科学講座みたいなのがあって、
それを勉強していって、どんどん頭が良くなっていくっていうあれなんですけど、
このラジオがキーアイテムになるんですけど、この小説。
2回目なんですけど、最初の30ページぐらいですけどね、ベルナーがラジオを直すシーンって。
私もそこで2回目の時泣きましたね。
ここから全部始まったんだなと思って、この長い話が。
全体的に描写がすごく丁寧だから、
このラジオを直すところがすごく細かいんですよね。
ベルナーがいろいろラジオを見てて、
あ、ここのコイルが切れてるみたいなのを気づいて、
巻き直してみようみたいな。
巻き直してスイッチを入れると、
すごい雑音がちょっと入ってきてみたいな。
それがやがて音楽になるみたいな。
ベルナーが涙をどうにかこらえるっていう描写があるんですけど、
そこでちょっと俺泣いちゃいましたからね。
確かにね、ここからですもんね。
これはもう初読の時全く何もなく言ったんですけど、
2回目の時はもうここですでにちょっと。
やばい、ちょっと話が脱線しちゃったけど。
話を戻すと、ベルナーはラジオを直す力があって、
周りの人のラジオを直したりとかしたら、
軍隊の偉い人のラジオを直すことになって、
それでめちゃめちゃこいつできる男じゃんみたいな。
能力高いみたいになって。
本来ならそのまま単行で働くところを
エリートが集まるような学校に推薦してもらえるんですよね。
彼は無事その学校に入って、
ちょっと戦争の方に巻き込まれていくことになっちゃうんですけど、
その学校で科学の研究をされてるっていうか、
トランシーバー作ってるとか、
戦争してる相手の電波を受信する方法とかを研究してる。
商工だっけ?なんだっけ?
ハウプトマン博士。
軍隊の結構上の人なんですよね。
その人に認められて、
夜毎回その人の部屋に呼ばれて一緒に装置作ったりとか、
いろんな方法を編み出したりする。
発明していくんですよね。
それがもう完全に特別待遇になる。
その学校の中でも特別待遇。
ベルナーだけお菓子がもらえたりとか。
守られる立場になっちゃうんですよね。
守ってくれる先輩が常についてくれたりとか。
フォルクハイマーね。
そこの学校の中でだんだん認められていくっていうところが、
僕結構面白くて、好きなところなんです。
後につながるんですけど、
この描き方というか構成の仕方がすごく上手いですね。
このエリート学校入れるかどうかの入試試験があるんですけど、
12:03
そこも結構印象的で、
なんか普通の人はその入試に受からないっていう。
そこもどうにかこうにかで受かるのかどうなのかっていうね。
そこも良かったですし。
ベルナーはその後戦場に投入されるのか。
ここで科学技師と一緒に技術兵として活躍するんですけど、ベルナーは。
そこで彼は前の学校でいつもちょっと自分を守ってくれていた
フォルクハイマーの部隊に入るんですけど、
フォルクハイマーがもうすでにそれでベルナーを超認めてるんですけどね。
前の技術兵は何を見つけられなかったかみたいな。
こいつは前の奴とは違うぞみたいな。
ままが違うっていう。
で、そこで国防部っていうところでフォルクハイマーの部隊に入って、
チームとして活躍していくっていう。
ロシアか何かを侵攻している部隊に最初入って、
そのロシア人が隠れている場所を電波の受信の方法でベルナーが次々見つけていくんですよね。
そこがもう、描き方も含めてすごく上手くて、私すごく好きなんですよね。
なんかベルナーって結局自分が軍隊にいて、
妹の言ったかそれを面白く思ってないこともあったりとか、
そもそもやっぱ戦争したくないっていう気持ちがあるのかな。
明確には描かれないんですけど、あるのかなってなって。
ちょっと軍隊にいる自分っていうのはちょっと迷っているところがあったりとかしてたんですけど、
でもちょっとなんか残酷ではあるっていうか、
自分の能力がすごく有能であるってことに気づくんですよね。
戦場に入って。
初めての実践というか探査で問題なく見つけられて、
そこで自分の能力が役に立つっていうか、すごいなってことに気づいたときの文章がすごく。
339ページ。もう結構後半になっているんですけど。
これちょっと読むと長いんですけど。
全てが繋がってここに導いている。
父親の死。ユッタと二人で鉱石ラジオに耳を澄ませた屋根裏での眠らない夜。
エルナ先生には見えないようにシャツの下に赤いワンショーをつけたハンスとヘルベルト。
シェルプフォルタでハウプトマン博士とトランシーバーを作った400巻にわたる暗く輝かしい夜。
フェデリックが壊れてしまったこと。
全てが繋がってくるこの瞬間。
ブルナーは戸作兵の間に合わせの装置をトラックの荷台に積み込み、ベンチに背中を預けて座り、
畑の上で燃える小屋の光を見つめる。
自分が見つけた結果、ロシア人たちの小屋を破壊しちゃったんですけど、
この時に明確に描かれてないんですけど、
ベルナーはここで高揚してる感じは私は感じて、
だからその後、悲劇に繋がっていくんですけど、
ベルナーはこの後、調子よく敵の電波を見つける仕事をやり遂げていくんですけど、
ウィーンに行った時に、電波を見つけるんですよね、
街で休憩してる時に、フォルクハイマーとかと髪を切ってる時に見つけるんですけど、
その時にフォルクハイマーとベルナーのやり取りがめちゃめちゃ相棒感がすごくて、
ベルナーが何か変なもの見つけたぞっていうのは、声をかけなくてもフォルクハイマーは分かって、
ありましたね、その描写。
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見つけたのか、みたいな空気になって、
ベルナーがその後すぐ、あそこのワイヤーが出てるのが見えるみたいな、
たぶんあれが電波が出てるみたいになって、
なんですけど、これがちょっとね、結構残酷な、
私この小説で一番残酷だと思ったところなんですけど、
このちょっと前に、ベルナーが道でウィーンの路上でみんなで髪を切ってる時に、
なんかちっちゃい少女が出てきて、
その少女を妹のユッタと重ねて考えて、ユッタのことを思い出したりとかするんですけど、
本来自分の人生ってこういうブランコに乗っているような人生が、
本当の自分そうだったんじゃないかとかね。
まさにあれが人生だって描写がありましたね。
ユッタのことを思い出したんですけど、電波受信して、
じゃあその電波を潰しに行こうって言って、
チームでそこに乗り込むんですけど、
今回ちょっと確実に軍事的な電波は受信したんですけど、
そこではなかったんですよね。
ベルナーのミスというか勘違いで、
何にもないなってなったんですけど、
たまたま何人かでガッて押し、
部屋に入った時にクローゼットの中に誰か隠れてて、
チームの一人がその人を撃っちゃうんですけど、
それがさっき路上にいた女の子で、
ベルナーは自分の行動のせいで、
妹ユッタと重ね合わせた女の子を殺してしまったっていうことで、
だいぶこの後、自分ここ読んでて一番辛かった。
ここはね、結構きついところですよね。
絶対女の子が死んじゃったところを見てるところで、
このショーが切れて、ショーが移り変わって、
しばらくして結構経ってからまたベルナーの続きの話になるじゃないですか。
絶対ベルナー壊れてるなと思ったら、
あの女壊れてるし、心が。
それが本当に辛かったですね。
ベルナーは自分の能力が上に認められていくことはあったけども、
その能力が上に、人を殺してしまったっていうことで、
ちょっとなかなか戦争の、だから仕方ないのかもしれないですけど、
ちょっと心が壊れていくんですよね。
結構ベルナーが葛藤しながら何とか生きてきたっていうのがあって、
それがウィーンでの女の子の事件が起きてしまって、
結構小説の中でも大きな事件になっちゃったんですけど、
そこの学校時代からの葛藤っていうのを読んでる側からすると、
そこも知ってるんで、ちょっと余計悲しいっていうのがありましたね。
かなりここは辛いところでしたね。
で、その後ベルナーがサンマロっていうところに行くんですけど、
ここでマリーロールと人生が交差するんですけど、
端的に言うとマリーロールはいろんなことがあって、
サンマロっていうフランスのモンスターミッシェルの近くの産病の町にいて、
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そこでおじのエティエンヌって人と暮らしてるんですけど、
エティエンヌが電波をサンマロの中でフランス人、
ここはもうドイツに占領されてるんですけど、
ちょっと解放するために動いてて、電波を使ってるんですよ。
ベルナーの部隊にそこで違法な電波が発されてるから、
調べろっていう命令が下って、ベルナーはそこに行くんですけど、
ここがもうこの小説のすごい肝になるところってもあるんですけど、
クライマックスですね。
これちょっと最初前段にベルナーが幼い時、
ラジオ修理して科学講座みたいので勉強したみたいな、
ラジオからいろんなことも学んでベルナーの人生が出来上がってるんですけど、
その電波ってのをやってたのがこのマリーロールのおじいさんで、
その電波がこのサンマロから発されてたんですよ。
ベルナーは仕事でここに来て探索を始めるけど、
見つけるけど言わないんですよね。
自分が電波を受信した瞬間に全部わかるんですよね。
その昔の記憶が蘇って、これは何ですか?ってなって。
で、祭壇の時にみんな寝てる時に、チームが寝てる時に受信したから、
迷いもせずにその電波を報告しないんですよね。
そこでベルナーがちょっとずつ困っちゃった心を回復しだすっていうところがすごく良くて。
ここで本当にマリーロール、出会う、10ページっていうのがサンマロで描かれるんですけど、
僕一番好きなのはここですね。
うん、わかります。出会うとこっすよね。
やっぱりベルナーに感情移入をしていったところでマリーロールと、
結構出会うにもすごいドラマがあって、
ドラマっていうか本当に長い伏線があって、それでついに出会って、
で、マリーロールっていうのはすごい強い女性で、
そうですね、目が見えないけど。
そうなんですよ。なんかね、境遇からするとちょっと不幸なのかなと思いきや、
本人はそこはそう思っていなくて、
なんかもう毎日自分の人生を生きていると、
あなただってそうでしょうってマリーロールがね、ベルナーに言うんですけど、
で、そこでベルナーがもう何年も生きていないと、
でも今日は違うと、このマリーロールを助けたりするんですよ。
そうですね、これマリーロールがちょっとピンチになってて、
で、もちろんそれはベルナーからするとフランスは敵国なので、
マリーは敵側の人間なんですけど、マリーロールを助けるんですよね。
もうそこが本当によくて。
で、確かにみなさんが言ったところで私もボロボロ泣きましたね。
そうですね。これ一番感動した。
感動しますね、ここは。
ベルナーがね、今までずっと葛藤を抱えて生きてきたけども、
今日のこの日だけはね、初めて自分の人生を歩んだっていう。
そうですね、意味合いとしてはあれかなと思いました。
もう何年も生きていない、でも今日は違う、
今日はそうしたかもしれない、
今日は自分の人生を生きたかもしれないって彼は言うんですけど、
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ここで多分、昔のユッタと過ごした時の自分を取り戻せたんだな、
感じで私は受け止めました。
そうですね。
ここはボロボロに泣きましたね。
ベルナーが。
で、二人はこうやって出会って、
まあちょっとこの後、一応敵国同士なんで、ずっと一緒にはやれないんで、
ちょっと一緒に食事をして泥のように一回眠って別れるんですけどね。
で、ベルナーがマリーと出会うっていう、
この450ページぐらいまで至る、
この長い話がやっぱりこの小説の醍醐味だなと思います。
本当ここに向けて書かれてますよね。
そうですよね。
すごく緻密に積み重ねてきたものがここで消失する感じがすごくいいですね。
ベルナーの話ばっかりあれなんで、
ちょっとマリーロール側の話をしたいなって思うんですけど、
さっき三重さんが言った通り、
マリーロールは当たり前のようになんか生きてるみたいな、
その自分をっていう話が出てたんですけど、
これは絶対あれなんですね。
このマリーロールって何歳だっけ?
6歳ぐらいの時に急に病気になって、
目が見えなくなっちゃうんですよ。
それまで見えてたんですけど、
急に見えなくなってしまって、
その時にはパリに住んでて、
お父さんが目の見えなくなったマリーロールをいろんなこと教えるんですよね。
目が見えなくても生きていけるように。
パリの家の周りの模型作ったりとかして、
道を指で覚えさせたりとかして、
実際に歩かせてみたいな。
歩いてる時はお父さん助けなかったりとかしてみたいな感じで、
幼い頃からちょっとマリーを一人で生きていけるような
強さを持たせようとする。
だからマリー、すごく目が見えないけど強い人間なんですけど、
この父親の愛情っていうのがものすごく生きてるっていうのがすごくいいなって思います。
そうですね。街を覚えてもらうっていうのもそうですし、
あと展示もお父さんが勉強を教えて、
マリーが目が見えなくても本を読めるように。
80日間世界一周を渡したりとかね。
回転2万マイルとか開けたりとかして。
マリーロールがやっぱり小説の中だと印象的なのは2つあって、
1つがクライマックスに至る手前ぐらいで、
フォン・ルンペンという悪役キャラに追われて、
隠れ部屋の中で何日も耐えるという場面があるんですけど、
そこでもすごいマリーの視点で何だろう、
何日間をどうやって耐えるのかっていうところを、
すごい緊張感の中でそれをすごい描いてて、
そこでマリーロール、本当にピンチの時に現れる強さっていうんですかね。
それがすごい現れてるなって思いましたし、
あとマリーロールを話す上ですごい大事なところって、
周りの大人の存在ですよね。
お父さんもそうですし、サンマロでも叔父のエティエンという人であったり、
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マネック夫人という家政婦さんですけども、
そういう大人がすごいマリーを守ってくれるし、
人として一人前になるように導いてくれるような、
そういう存在の大人がいるっていうのを読んでいてよかったんですよね。
いいですよね。
マリーは結局目が見えなくなってしまったけれども、
たぶん彼女はすごく恵まれてますよね。
なんていうか、ベルナーと比べるとアレっていうアレになっちゃうからなんですけど。
やっぱりマリーって、目が見えないからすごくいろんな判断を打ってるけど、
囲まれてる人からはすごく愛されて生きてて、いい子になってるし。
戦時中で結構ドイツに占領されてるサンマロで、
エティエンヌがマリーに、何歳の誕生日だっけ?
パリから逃げてきた時に置いてきた海底2万マイルの上下艦を買ってくれるというか、
用意してくれるじゃないですか。
あのシーン結構感動しましたね。
しかもその時にエティエンヌがこんな高いものをどうして?みたいな。
なんで手に入ったの?みたいな時にマリーに、
いや、君はこの街でいろんな人に気に入られてるんだよみたいなことがあって、
もうわーっと思いました。
このエティエンヌのおじさんがすごくいいキャラで、
このエティエンヌに何回か感動しましたね。
ただ面白いのがこの引きこもりなんですよね。
大地で解体されたのかな?前回の戦争のトラウマで外に出られなくなってるんですよね。
20数年くらい外に出てなくて引きこもってて、
結構街の周りからは変人扱いというか、
頭のおかしくなった人みたいな使いなんですけど、
このおじさんのエティエンヌがすごい小説の中でいい味を出してて、
これちょっと話すのに長くなるんで、
エティエンヌばっかりで話せないんですけど、
それだけすごい好きなキャラ。
この小説、結構登場人物多いんですけど、
どれもかなり、キャラが立ってるって言うと薄く聞こえるかもしれないんですけど、
めちゃめちゃ考えられてキャラクター作り込まれてますよね。
単純ではないんですよね。
私、ホルクハイマーが大好きなんですけど、
僕もそうです。
ベルナーの入った学校の先輩で、
かつ戦場に出たらホルクハイマーがチームリーダーだったっていうポジションの男なんですけど、
前半学校での印象、めちゃめちゃ怖くないですか。
エリート学校の中でも飛び抜けて強いというか優秀で、
エリートの中でも権力を持ってるよね。
ホルクハイマーで誰も逆らえないみたいな。
怖いんですけど、
でもベルナーと博士と相応してる時に、
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博士がいない時でしたっけ。
クラシック音楽好きなんですよね。
特に感傷的なクラシック音楽が好きで。
それを聞いてる時にうっとりしてる。
目を優しく閉じてる。
その時だけいつもと雰囲気が変わるんですよね。
ホルクハイマーはめちゃめちゃベルナーのこと認めてて、
力とか能力を。
ものすごく気に入ってると思うんですけど、
最後の方を話すのはやめようかなと思ってたんですけど、
最後にホルクハイマーっていう断片があるじゃないですか。
そうですね。本当に終わりから。
455ページ。
その後にユッタっていうところがあるんですけど、
ホルクハイマーと妹のユッタが会話をするシーンがあって、
そこでもう私ここで結構泣いたんですけど、
ホルクハイマーが僕たちはサンマロにいたんだって話をしてて、
そこにひとつ聞いた。
ベルナーのことを思い出して言うんですけど、
そこにひとつ聞いた。
彼は恋に落ちたのだと思うってホルクハイマーが言った時に、
私はもう結構泣きましたね。
そうですね。すごい。本当に。
このセリフ聞いただけじゃ分かんないですけど、
ここにまで至る流れがすごくホルクハイマーの中の、
ベルナーどう見せたんだろうみたいなのがあって。
そうですね。
ユッタ、ベルナーの妹のユッタも、
戦争が終わったらちょっとそのお兄さんのことってちょっと忘れたい存在だよね。
そういうユッタ視点の話がちょっと続いていた中で、
ホルクハイマーが現れて、今のセリフになって、
すごい感動しましたね。
これずるいなって思いましたもん。
ちょっとこの辺りは読んだ人とだけ話したいあれですけど、
本当にすごい良いとこでしたね。
そうですね。ホルクハイマーは本当にすごいキーパーソンで、
特にグースーショーで、
本当にベルナーとホルクハイマーがちょっと勢いめになって、
絶対絶命のピンチになっている時に、
やっぱりそこでホルクハイマーの強さというんですかね。
あれね、すごかったですよね。
そうですね。人として持っている強さというか、
そういったとこもすごい魅力的で。
あれもそれもクラシック音楽を聴いて。
そうですね。そうなんですよね。
クラシック音楽が一つのポイントになっている。
ホルクハイマーはこれで復活するんだっていうか、
すごい良かったですね。
他も結構魅力的なキャラが多いんですけど。
そうですね。本当にマリーのお父さんも、
さっきのおじさんのエンディングもそうだし、
ベルナーの妹のユッタもね。
これも途中からは手紙のやりとりが中心になるんですけど、
妹のユッタもまたすごい、
30:01
一人の人としての持っている考え方というか、
それも現れていて。
やっぱりベルナーの友達。
フレデリックですね。
そうですね。これが結構この小説の中でも大きな、
ストーリーのキャラクターとしているので。
学校で2段ベッドの上と下で寝ていたフレデリックですね。
そうですね。
僕たちは良い友達になるだろうっていう。
最初ね。
最初。
フレデリックは生まれた時代が、
場所が運が悪かったのか。
フレデリックって自然が好きで、
鳥がすごい好きというか、
鳴き声でどの鳥かっていうのが一発で当てられる。
特別な才能を持ってて。
物の見方とかも。
ベルナーが学校の中でも優秀なんですけど、
そのベルナーが、フレデリックはさらに見ている世界がちょっと違うっていう。
ある意味この人はもう唯一無二だみたいなね。
フレデリックもすごい勇敢な男ですよね。
本当にね。
すごく自分を曲げないし、
格好いいなって思ったんですけど、
それが故に色々あって。
そうですね。
やっぱり軍隊というところとはね。
またちょっとね。
ちょっとね。
その存在がやっぱり許されなかったのかなって。
フレデリックの話をすると、
ベルナーがマリーンと出会った、
マリーンの家か。
で、フレデリックが好きな本を見つけるじゃないですか。
鳥の本。
鳥の本、写真集を。
で、それってフレデリックがどうやら親か何かに捨てられてしまったはずの本で。
で、それをすごく緊迫した中だけど、
それを見つけたベルナーは、
マリーンにこれ1ページ切り取って持ってっていいって聞くじゃないですか。
フレデリックのために。
もうそこ結構すごい。
なんでベルナーいい奴なんだと思って。
そうですね。
すごい良かったな。
それも後々パンチ聞いてきますもんね。
そうですね。
で、一応最後の方にフレデリックのちょっとしたドラマがあるんですけど、
そこもすごい感動しましたね。
その鳥の1ページが何かを動かすというか、
ドラマになるというか。
なんかすげー読んだ人にしかわかんないかもしれないんですけど、
あの時フクロウ来るじゃないですか。
そうですね、フクロウ来ましたね。
あのフクロウってやっぱベルナーを象徴したのかなとちょっと思いませんでした。
ちょっと考えすぎかな。
でもフクロウに関わること、ベルナーなかったか読み返すとき結構思ったんですけど。
たしかに何か象徴としてのフクロウかもしれないですね。
フクロウが降ってきますもんね。
で、この小説、物語もすごくすごいんですけど、文章がいいですよね。
そうですね。
言い方単純だけど、単純になっちゃうけどなんていうのかな。
33:02
詩的だし。
なんだろうな、なんていうか、結構前に使われた文章とかが後々出てくるんですよね。
そうですね、繰り返しが意外とありました。
それがすごくいい効果を生んでる。
一個一個フックになって印象に残していく、そのこと。
でもこれ一文だけ取るときにやるとあれなんですけど、
やっぱベルナーの話になっちゃって、あれなんですけど、
ベルナーがマリーロールを助けに行くときに、
すごい昔にフォルクハイマーに言われた、
お前はどこまでやれるかなみたいな言葉が思い出す瞬間。
あそこ結構好きなんですよね。
僕もそうだ、フォルクハイマーのお前はどこまでやれるかなって、
結構何箇所かで出てくるじゃないですか。
あれがいいですよね、あれ。
あれをあの瞬間思い出すベルナーとかね、すごいいいですよね。
そういう前に出てきたセリフとかが字の文の中に出てきて、
あ、この時に思い出してるんだみたいなのをちょっとうまく効果的に見せて、
そこは本当にこの小説うまいとこだなと思います。
なんかアンソニー・ドーアさんの書き方だと思うんですけど、
感情を直接的に書かないですよね。
なんか怒ってるってかなんていうのかな、喜怒哀楽を直接的に書かなくて、
その時々で何を見たり、登場人物が何を見てるのかとか、
何を考えてるのかとか、何を思い出したかとかで、
弓手に感情を伝えてくるのがすごくうまいですよね。
うん、そうですよね。
そこでうまいと思うのが、やっぱりすごい細部を具体的に書いてるじゃないですか。
だからこそそういう感情が伝わるのかなっていうのも。
これだけ500ページの小説なんですけど、どこもすごい濃厚な感じですよね。
そう、こんだけ長いのにほぼ無駄がないっていうか、無駄ないですよね。
そうですよね。
これがすごい、本当に。
一文の中に抽象的な言葉っていうのがあんまりなくて、
すごい具体的な行動もそうだし、あと物というかアイテムですよね。
結構この小説の特徴でもあるんですけど、
マリーだったら貝殻がすごい好きで、
その貝殻の何とか貝とかですね、
それがどんだけの大きさでどういう匂いで、
どれだけの面積に何個ぐらいあるんだとかもうびっしり細かく。
細かく書いてる。
あの刃の形とかね。
あ、そうそう。
貝。
ちょっとグロテスクなぐらいうまくすごく書いてますよね。
貝も、ラジオね、やっぱりすごいこと細かく書いてるし。
すごい良いですよね。
その辺が本当にうまいですね。
そうですよね。
アメリカ住んでる人が、主にフランスが舞台ではあるんですけど、
サンマルが、ドイツもそうですけど、
そういうところの描写をよくこれだけ正確に書けるなって、
正確というか具体的に書けるなっていうのがすごいと思います。
これ本当にアメリカ人なのかって思いますよね。
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いや本当にね、そうですよね。
なんでこのサンマルに生まれたんじゃないの?みたいな。
本当ね、全然知ってなかったら絶対フランス人だって思っちゃいますよね。
本当に私も最初読んだ時あんまり意識してなかったから、
あ、アメリカなんだって思いましたもんね。
そうそう、僕もそう、それは思いました。
あと文章で言うと、ベルナーとマリーが出会う時の文章がすごいんですけど、
この南平線を渡ってようやく会えるっていうから、
結構なんかもちろん色々期待をするんですけど、
その時の文章が、ベルナーが危機を出した後に、
マリーと板一枚挟んでるんですよね、まず出会う前に。
そこにいるのかいって聞いて、助けに来たんだよみたいな感じで出会うんですけど、
その時のそこに行くまでの文章がすごくて、
なんかホルクハイマーが始まるのか、
その場じゃなくてホルクハイマーが飯食ってる描写が入って、
その後どこどこでは何々しててみたいな感じで、
どんどん色んな視点がガンガン移っていって、
関わりのある人も妹のユッタが眠っているみたいな。
その遠くないところではドイツの総統が朝食を取り掛かったみたいな。
もうちょっと細かく書いてるんですけど。
いろんな視点があって、軍隊がこうなっててこうなっててみたいなのがあって、
最後、夜明け、サンマロではみたいな。
ベルナーにはマリーロールの息を吸う音が聞こえ、
マリーロールにはベルナーの3本の爪が木を引っ掻く音が聞こえるみたいな感じになっていく。
もうこれ1ページ使ってますもんね。
この描写もすごい。
これすごいですよね。
映画になった時にこのままやってほしいですね。
この映像の順番でバーって。
もし映画になった時は。
世界全てがまずあって、だんだん主人公2人、ベルナーとマリーロールに近づいていくような感覚ですよね。
そこでようやく出会うとこが描かれるから、すごいなって。
鳥肌立ちますよね、この辺ね。
やっぱクライマックスって感じますね。
すごい。
普通の作家って言い方はあれだけど、
普通に描こうとしたら出会っただけで終わっちゃいそうなところを、
引っ張って描くのがいいのか悪いのかわからないですけど、
私はすごくこれはハマったんで、
めちゃめちゃすごかったなって思いました。
で、こんな感じで、
最後ラストのところはこの後のところ。
2人が出会ってから60ページくらい話は続くんですけど、
そこは触れないでおこうかなと思います。
ぜひちょっと読んで体感してもらいたいなと思ってます。
そうですね。一応戦時中の話なんですけど、
一応2014年現在まで話としては、
ちょっとそこまで読むとまたちょっと違った感じ方っていうのがあるかなと思いましたね。
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2014年に言った最後のラストの1ページくらいの文章めちゃめちゃ好きなんですよね。
517か。後半くらいから最後の518ページ、最後のページか。
ちょっと話すとあれですけど、めちゃめちゃいい文章待ってるんで最後も。
いいと思うんで感動するので、と思ってます。
そうですかね。
じゃあちょっと結構熱く語ってしまったんですけど、
最後の感想とどんな人に読んでもらえたかってちょっと締めたいと思います。
これちょっとまずですね、アンソニー・ドアさんがこの小説を書こうと思ったきっかけっていうのが実はあって、
これ役者あとがけとかに書いてあったんですけど、
アンソニー・ドアさんが地下鉄に乗っているときに、
そのとき一緒に乗った乗客の人が携帯電話で話をしてそうなんですよ。
なんか電波が悪くなっちゃったりとかして、携帯電話がつながらなくなってしまったのを見て、
そのときにアンソニー・ドアさんはこの話の着想を得たそうなんですね。
今すごく電波で遠くの人とつながることができるのはすごく奇跡的なことだなと感じたらしくて、
もう当たり前だけどすごく奇跡的なことだよなって思って、
電波でつながることができた最初の世代ってなんだろうって思ったときに、
彼はラジオっていうところに行き着いたらしくて、
ラジオが少年と少女をつなぐ話を書いてみたいと思ったらしくて、
それがこれから始まってます。
こうやって私たちも今本当にいろんなことが発達したんで、
すごくオンラインでもつながりやすくなっているし、
このラジオもこの空飛猫たちもこうやって三枝さんと二人で知り合って始めているのも電波のおかげだし、
こうやって今聞いてくれているリスナーの人に届けられているのも電波のおかげだし、
そういうことを、ちょっとこの話長いんですけど、
壮大さと奇跡的なこととかを感じられる一冊なんで、
めちゃめちゃ好きです。好きな小説です。
でもどんなところが好きかっていろいろ話してきたんで、
この後は話し放たないんですけど、
本当に好きな小説なのでいろんな人に読んでもらいたいと思ってます。
どんな人に読んでもらいたいかっていう話をさせてもらうと、
もうなんていうか極端なことを言うとですね、
もう私が知り合った全ての人に読んでもらいたいぐらいですね。
好きなんですよ。
でも会うか会わないか本当ちょっともうわからないんで、
それはもう後回しとして、
ぜひこの作品があるってことは知ってもらいたいなと思ってます。
結構辛い話が連続するんで、
そういう話に耐性がある人は絶対ハマると思うんで、
大丈夫だと思うんで、ぜひ読んでみてください。
ちょっと冒頭話したんですけど、やっぱり500ページあるんで、
長いと挫折するって人もいると思うんですよ。
そういう人はアンソニー・ドワーさんの短編集が出てるんで、
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特にシェルコレクターなんかは読みやすいと思うので、
シェルコレクターっていう短編集をぜひ読んでもらったらなと思います。
ちなみに私のシェルコレクターに入っている、
最後のムコンドっていう短編があるんですけど、
そこは感動っていうかめちゃめちゃいいシーン待ってるんで、
ぜひそれだけでも読んでもらえたらありがたいです。
そんな感じですかね。
いいですよね。
そうですね、僕の感想とどんな人に読んでもらいたいかなというところで言うと、
まず小説っていつまでも記憶に残る小説だと思っていて、
いろんな物が物語に繋がってくるんですよね。
例えばラジオもそうだし、貝殻とか缶詰とか模型とか。
ああ、模型ね。
そうですよね。
小説読み終わった後で、
ふとそういう、例えば模型の情報が入ってきたりすると、
この小説のこと思い出してしまうし、
例えばサンマロっていう町の地名の単語を聞くだけでも、
やっぱりこの小説思い出してしまうし、
その度に感傷的な気分になってしまうんですけど、
それだけ記憶に残っている小説で。
僕はやっぱりベルナーに一番感情を引入して、
ベルナーが自分を信じて最後生きていこうとするんですけど、
そこにすごい引っ張られるところがあって、
登場人物がすごいみんな魅力的っていうところが一つあるんで、
読む人によってはもしかするとマリーであったり、
フォルクハイマーであったり、エティエンヌであったり、
魅力的な人がたくさんいるんで、
よりそういう人たちに思いを馳せるんじゃないかなと思ったりしています。
読むと人生を豊かにしてくれるんじゃないかなと思っています。
そういう意味では人生の一部になるような小説だなと思っているんで、
多少読むのに時間がかかるという小説でも、
そういうのでも読めますという人には大地さんと一緒です。
全員にお勧めしたいなと思っています。
本当にいい小説だからな。
大地さん本当に何回も読まれていますけど、
読むたびとか読む人によってどこが面白いとか、
どこが記憶に残るとかっていうのも、
そういうポイントがたくさんありすぎるんで、
本当に読まないとわからない小説かなとやっぱり思ったりします。
4回読んだけど飽きないですからね。
すごいですよね、4回。100ページ超えもね。
これが例えば10年とか20年で4回とかってまだあるかもしれないですけど、
3年の間に4回しかない。
そうですね。出版されてまだ4年だし、3年で4回すごいですよね。
私手に取ったのは2017年ぐらいだった記憶があるんで、
初めて読んだのは。
もうちょっとすごい小説だなと思います。
ちょっと次は、もし読むならマリーロールの視点を
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自分に取り入れながら読もうと思ってるんですけど、
これ多分女性が読んだらマリーロールなんですかね?
どうなんですかね?
どうですかね?それちょっと気になりますね。
ちょっとそういう話とかもいろんな人としてみたいなとは。
いやー、ちょっとこんなところで締めたいと思いますが、
なかなかやっぱり厚く話してましたね、たぶん。
そうですね、たぶんちょっと長い話になってる可能性があります。
どう編集するかはあれですけど。
まあ熱がたわればいいと思ってます最終的には。
そうですね。
これで一人でも多く読んでくれる人が出たら本当に嬉しい限りです。
じゃあ次回予告して終わりましょうか。
ちょっとまだ名残惜しい感じがしてるんですけど。
そうですね、まだまだ。
まあ何かの時にまたちょっと話しましょう。
じゃあ次回です。
はい、次回予告させていただきます。
次回はですね、トゥルーマン・カポーティの無頭の鷹、
これ短編なんですけど、お届けします。
お楽しみにしていただければなと思います。
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それでは次回の配信をまたお楽しみにしていただければと思います。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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