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2021-05-24 28:48

第42回 彼女の万華鏡のような人生「掃除婦のための手引き書」ルシア・ベルリン著

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【今回の紹介本】 

■『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳 

今回紹介するのは死後再評価された作家、ルシア・ベルリンの「掃除婦のための手引き書」です。 

2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位、第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位に輝いた作品。 

短編集ですが、すべてがルシア・ベルリンを映し出す鏡。 

ぜひお聴きください! 

【番組内で紹介したトピック】 

■ 『掃除婦のための手引き書』ルシア・ベルリン著、岸本佐知子訳、講談社 

https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000311486 

【文学ラジオ空飛び猫たちとは】

硬派な文学作品を楽もう!をコンセプトに文学好きの二人がゆる~く文学作品を紹介するラジオ番組です。

案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

文学のプロではない二人ですが、 お互いに好きな作品を東京と京都を繋ぎ、

読書会のようなテイストで、それぞれの視点で紹介していきます!

毎週月曜日朝7時に配信しています。

【SNSでご投稿ください】

番組の感想・リクエスト・本を読むきっかけになったなど、 #空飛び猫たち をつけて、ぜひSNSに投稿してください!

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#本 #小説 #読書 #読書会 #文学 #海外文学 #ブック

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どうもみなさん、こんにちは。文学ラジオ空飛び猫たちです。この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするラジオ番組です。お相手は、私を通すが好きの海のダイチと、
富士をめぐるカフェのミエの2人でお送りします。文学のプロではない2人ですが、東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で紹介していく番組です。お互いの紹介に関しては、2021年最初の回で話しているので、そちらを聞きください。
本編に入る前にですね、ちょっとお知らせを入れさせてください。来月6月がこのラジオ1周年なので、これまで紹介した本の中から課題本を選び、読書会を開催する予定でございます。
課題本なんですが、この配信が5月の24日なので、もう既に決まっているはずで、収録中でまだ全然わかんないですけど、決まっているはずで、その課題本をですね、決まった課題本を7月3日に読書会をやる予定なので、またこれ告知してきますので、ぜひ、ちょっと自分が投票したものとは違ってもご参加いただけたらなと思いますので、よろしくお願いします。
じゃあ本編いきますか。今日は、ルシアベルリンの創事本のための手引き書をご紹介したいと思います。
そうですね、これは確か元々はリスナーの方からのリクエストでいただいていたと思うんですね。
年末に取った。
そうですね、確かお互い読んでない状態だったんですけど、すごく面白そうだし、岸本幸子さん役だし、これはラジオで紹介してみたいなと思って、ちょっと今回取り上げようとなりました。
話題でしたもんね、これ出たとき。
そうですよね。
売れてたイメージが。
本日紹介するのは、ルシアベルリンの創事譜のための手引き書になります。岸本幸子さん役で、高段車から2019年に出版されています。
さあ土曜日だ。自身の人生に指して紡ぎ出された奇跡の文学。死後10年を経て再発見された作家の初めての翻訳作品集となっております。短編集ですね。
2004年に作者のルシアベルリンさん亡くなったんですけども、その後2015年、10年ほどしてアメリカの方ですごく評価されるようになって、結構向こうでアメリカでベストセラーになって日本でも翻訳されるようになってきてという、そんな流れですよね。
役者と書きを読むと岸本幸子さんが結構気に入っているというか、かなり衝撃を受けて、一番最初に読んだルシアベルリンの作品を読むと衝撃を受けて、もう役したいとなったような感じなんでしょうね。
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本国版、ルシアベルリンの短編は生涯76の短編があるそうなんですけど、そのうち43編本国版では収録されていましたが、その43のうちから24編選んで岸本さんが役してます。
ちょうどですね、この5月に発売された文言紙の群蔵というので、これも講談社から出ている雑誌なんですけども、岸本さんの新役ですね、ルシアベルリンの、それが3編ほど発表されているので、あれですね、単行本第2弾も予定されているみたいなんですね。
そんなことがちょっと増えられてましたね、群蔵のホームページに。
またね、第2弾出たら。
そうですね、第2弾出たらちょっと読みたいですね。
そうですね、また話題になりそうですよね。
想定なんですけど、こちらはですね、私大好きなんですけど、クラフトウェービング紹介がやってます。
これいいですよね、すごい。
これ多分表紙、ルシアベルリンさんなんでしょうね、きっとこれね。
なんかね、モノクロの写真なんですけど、すごい昔の映画の一番目みたいな写真が。
すごい美人だったんですね。
本当でしょうね。
この小説なんですけど、ルシアベルリンさんの実体験を元に書かれた小説ということです。
ルシアベルリンさんなんですけど、3回の結婚と離婚を繰り返し、早い段階でそれがあったみたいですけど、4人の息子を持つシングルマダーと、
結構アルコール依存症にもだいぶ苦しめられた方みたいで、息子たちを育てるためにいろんな職業をかなり点々としてきて、
教師だったり掃除夫だったり、電話交換手、看護師とかですね、働いてきて、その体験が結構この本に語られていると、そういう方みたいですね。
最後はあれだっけ、大学で創作を教えてるんですよね。
刑務所で創作を教えるようになって、その流れでコロナウイルス大学の準教授になったのかな。
2004年にお亡くなりになったという経歴の方ですね。
作家としてはデビューが後ろの方というか、
生まれは1936年で、20代の頃から小説は書いていたんですけど、実際作品発表されたのは77年とかですかね。
40代入ってからですね。
それ以降、小説発表するようになったり、あと創作を教えるようになっていったりとか、
大学で教えるようになったのも1990年代に入ってからなので、何歳だろう、50代の時でしたか。
そうですね、そうか。
5、60代ですね。
そんな感じで、じゃあちょっと具体的に本の話をしていきましょうか。
まずちょっと感じた魅力みたいなところをちょっと私話させてもらうと、
06:08
これ短編も様々で24編入ってるんですけど、1ページで終わっちゃってる短編とかもあるんですよ。
すごい短い、基本的に結構短めの作品が多くて、あまり前置きなく急に始まったりとか、
表現で切り取られてるような印象とかもあったりするんですけど、
なんていうか、読んだ瞬間にまずもうルシア・ベルリンさんの人生の中にポンって放り込まれたような感覚になる小説で、
切り取ってることが上手すぎて、なんか触れてるような描かれてることに触られるぐらい迫ってくる感じを持ちました。
なんて言ったらいいんだろう、ストーリーとかじゃなくて、もうすぐそこにあるみたいな感じの印象を持った作品なんで、
結構びっくりしたっていう言い方あれだけど、ちょっと上手く言えないんですけど、
触れられるぐらい近くに差し出されてるような感じがあってドキッとする小説が多かったですね。
確かになんかすごい感覚として伝わってきますよね、それが。
やっぱり文章が上手いというか、独特な文章が書けるのか、そんなすごくありますよね。
僕はこの小説のすごい魅力的なところとしては、ルシア・ベルリンさんの実生活がベースで書かれているものになるんですけど、
語り手がすごく多種多様で、もちろん女性もいれば、おっちゃんもいたり、子供もいたりとか本当にバラバラで、
作品の幅がすごいなと思っていて、自分の人生をベースにしてそんだけ幅広い人の視点というか語りをかけるっていうのが、
これはなかなか面白いなと思いましたね。
それは本当に思いますね。
今日なんですけど、私のラジオのスタイルで短編集で何作か取り上げてそれについて掘って語っていくっていうのが多かったんですけど、
今回ちょっとかなり細かい作品が多いので、それをやってもあまり微妙かなと思ったので、
もう特定の短編を取り上げてこうですみたいな話はしなくて、この24編全体の話を今回していこうかなと思っております。
まずちょっとお話ししたいのが、これが実生活をベースにした作風っていうところをちょっとお話ししたいんですけど、
リアリティみたいなものすごくあります。
ちょっとそれを支えているものは何なのかみたいな話はちょっと後でしたいなと思うんですけど、すごくリアリティがあって、
間違いなくいろんな経験から生み出されている文章である、物語であるってことはすぐ分かります。
なんですけど、この24編に渡って描かれていることの幅がすごくて、
間違いなく同一人物なんですけど、同一の語り手なんですけど、全然違うよねみたいな感じの。
そうですね。置かれている立場が全然違っていたりとかあります。
職業とかで言うと掃除夫とか看護師とか教師とかいろいろ出てきたりとかするし、
母親だったり娘だったり、誰かに愛されていたり妹だったりとかいろんな立場の。
09:04
子供から本当に大人まで絵描いていたり、時代を描いたりとかしてたりして、
住んでいる場所もアメリカだったり、結構ベルリンさん時代、チリでの生活が長かったのかな、幼少期。
チリとかメキシコのあたりの話とかも結構出てきて、その辺の空気感とかすごく感じるときもあって、本当にいろんなことが描かれてますね。
あと、貧困層の話とかも多いんですけど、
でも一方でルシア・ベルリンさん、子供の頃裕福だった時代もあって、結構その両方あるんですよね。
上の方の暮らしと下の方の暮らし、どっちも描いてっていう、そういう感覚っていうのもなんかね、感じれますよね。
なんかちょっと危ないところに行っちゃった良いところのお嬢様みたいなポジションの、
貧困外に迷い込んでてか、ちょっと触れるようになってしまった良いところのお嬢様みたいな感じの設定の話もあれば、
貧しさの中にいるっていう時の、息子を抱えて生きてるっていう話もあるんで。
ギャップもすごい良いですよね。
で、私個人的に読んでたのは、まあ多分元々裕福だったから多分読書をかなりしてたのかなって思うんですけど、
この主人公たちが置かれてるポジションからすると、なんかすごい読書量を感じる描写が結構あって。
そうですよね。
例えば掃除婦なのに、なんかめちゃめちゃポール・オースターとか。
なんか単語できたりとかして、めっちゃ本読んでるなみたいな。
で、ちょっとどこだか忘れちゃったんですけど、三島の小説で着物を脱ぐ様子を3ページに渡って描いてるみたいな。
描いてるけど、私は一瞬で脱ぐみたいな。
どこだったか忘れちゃったけどあって、え、すげえなと思って。
そっか、やっぱり三島由紀夫の小説は世界にも多分読まれてると思うので、
読んでることあるんだな、いろいろ喋れることあるんだなとか思ったりして、
なかなかその辺も結構面白かったですね。リアルな感じがして。
そうですね、結構なんか短編の中では物書きの人物が出てくることもあるんですけど、
そういう人たちの作家論っていうか文学話とかも結構面白かったりしますしね。
僕は個人的には結構ろくでもない人物がたくさん出てくるんですけども、
それが例えば犯罪者であったりアルチューであったりとか、結構そういうのがリアルに感じれて。
例えば、短編の中で今を楽しめっていう短編があるんですけども、
そこですごい口の悪い男性が出てくるんですね。
これは別に犯罪者とかではなくて一般の男性なんですけど、
たまたま言わせた男性っていうのがめちゃくちゃ口が悪くて、
そんなちょっとしたことでみたいなところでもガミガミ言ってくるっていう。
それって一般の感覚からするとなかなか理解できないかなっていう気はするんですけど、
実際でもそういう人いるなって思ったりして、
なんかちょっとこんな人なかなかいないだろうと思うような、
でも実際いるよねっていう、
12:01
そういったところとかすごい出てくるなと思いましたね。
人物程度結構、ソウロングとかだっけ?
マックスっていうすごく愛した男が、
ヘロインやってて、それでダメになっちゃう。
でももうダメになるけど、また後々会ったら薬とは手を切っててみたいなとか、
その楽さも結構パパッとあって、
いいと思ってた人が悪くなっちゃったり、悪いと思ってた人が回復してたりとか、
そういう切り替えみたいなのもすごいあって。
あれ中でもとんでもないポンコツみたいに書かれてるのに、
次のページ行くとめっちゃ優しくて、
結構楽さが激しくてびっくりしますよね。
キャラが激変したりとかって意外とあったりしますよね。
キャラが激変するっていうのは、実生活でも確かにあることだなと思うので、
そういうのも自分の経験したことを書いてるんだろうなと思いましたね。
表現の話をちょっとしたいんですけど、
うまくこれで言い当てられてるかちょっと不安なんですけど、
人物描写とか物事に対しての描写なんですけど、
素直っていうかありのままを書いてるっていうか、
いい意味でなんですけど、想像力を感じないんですよね。
なんていうか、的確にそこにあるものを描こうとしてる。
目の前にあるものを紙に、文章に落とし込もうとしてるっていう感じが結構私強く感じて、
自分の言葉で世界を切り取っていってるような感じですかね。
だから、やたらパシッて印象に残る時あるんですよ。
例えば、ドクターA1A猛威に反って、
これおじいちゃんが入れ歯を入れ直す話なんですけど、
入れ歯を入れる前に全部歯を抜くんですよ。
それを主人公視点の孫に手伝わせるんですけど、
この時におじいちゃんが、おじいちゃん歯医者なんですけど、
おじいちゃんが患者の歯を抜いた時もやるんですけど、
ティーバッグを噛ませるんですよね。
リプトンの黄色と黒のタグがついた紅茶のティーバッグを噛ませるんですけど、
その時におじいちゃんの口が全部なくなってる時にバッて入れるんで、
なんか骸骨みたいに見えてて、
それがおじいちゃんの骸骨がティーポットみたいに見えたみたいな。
その秒針がバッて入ってきて、
それってものすごく一瞬で頭の中に浮かんでくるし、
すごい印象に残るし、
なんか想像力を使ってないわけじゃないと思うんですけど、
それよりは持ってくるものが上手すぎるっていうか、
リアリティのあるものをバッと入れてくんで、
これも実際そういうことがあったんじゃないかと思うんですよね。
ティーバッグをバッて入れたんだろうなって思って、
細かいところなんですけど、
でも細かいところってそういうのがガツッとくるんで、
すごい表現が上手いなって思ってましたね。
そうです。なんかすごい表現がちょっと独特というか、
15:03
今のおじいちゃんがティーポットに見えるっていうのもそうですし、
あとは掃除布のための手引書という、
表題の版編でもターという登場人物がいるんですけど、
ターはバークレーのゴミ捨て場に似ていたっていう、
ゴミ捨て場に似ているみたいな、
そんな表現って多分今までなかったと、
読んだことなかったんで、
結構このフリッシャーベルリンさんの作品紹介するときに、
このターはバークレーのゴミ捨て場に似ていたっていうのは、
こんな表現があるっていうので紹介されている一文ではあるんですけども、
読んでると急にこんなちょっと変わった表現に出てきて、
驚くこともあったりするんですけども、
これがなんか文脈で読んでると、
あんまり変な書き方には全然思わなくて、
意外と不自然には感じないっていうのがやっぱすごいなと思いましたね。
絵描いてることというと、
幼い頃、なんかちょっと勘違いしてたことを、
そのままポンと書いちゃったりとかしたときの、
大人からちょっと変な目でパッて見られる感覚。
結構ちょいちょい話し手が幼い女の子のときには結構あって、
いくつかあったんですけど、
ちょっと私面白かったのが、
セックスアピールっていう短編があるんですけど、
お姉ちゃんが結構いい俳優さんと妹と二人で、
私と二人で食事に行って、
そのレストランでいい男を捕まえて、
それが結構有名な俳優なのかなとかで、
ゴルファー違いました。
ゴルファーだっけ?
その地域で有名な人で、
妹だけ家に帰して、
二人で夜の街に消えていくんですけど、
そのときにお父さんとお母さんが、
なんであんないい男を、
あいつら捕まえられたんだみたいなことを言ったときに、
お姉ちゃんがセックスアピールってこうするのよ、
みたいなことを教えてもらう話で、
で、さらっと主人公の女の子が、
お父さんお母さん、
セックスアピールしたからよ、
みたいなことを言って、
変な目で見られるってこと。
ちょっと笑える感じではあるけど、
でも、
ちっちゃい頃ってそういうことしちゃうじゃないですか。
よく分かってないときって、
変な発言で大人を困らせたりして、
空気にさせてしまったりするときって、
あると思うんですけど、
その感覚が、
もうまんま描かれてて、
すごい上手いなって思いましたね。
そうですね。
確かに上手いですね。
なんかこの、
お姉ちゃんが、
すごい露骨にアピールをしていくんですけど、
結構そこの描写とかも、
ちょっと笑えるところがあって、
そんなのは確かに。
面白いですよね。
一方で、
確かに子供の頃の感覚だと、
星と星人っていう短編があるんですけど、
結構それは、
背中が曲がる病気になっている、
女の子の話で、
そういうちょっと外見的な不利なところがあったりとか、
自分が信じるものが、
実はそうではなかったみたいな、
そういう現実に直面したりして、
星と星人っていうのも、
同じ子供の視点の話なんですけど、
こっちは結構、
18:00
どっちかというと、
ちょっとあんまり希望のない話というか、
なんかね、
その辺もやっぱり、
さっきの話で幅が広いっていうところにも、
つながってくると思うんですけども、
込めり要素あるものもあれば、
結構厳しい、
なかなか希望がない話も書いてたりするっていうのが、
ありますよね。
この話の流れとか内容が、
なんか都合よく希望に満ちてなかったりするし、
なんていうのかな、
終わり方もなんか、
パッと終わっちゃったり、
急に終わっちゃったりするようなところがあって、
こういういいことが、
いいことというか、
この話の中でこういうことが起きたから、
こういういい方向に向かっていくかなとか、
思わせるような瞬間ちょっとあるんだけど、
でも最後で全然そんなことにならないね、
みたいなことがパッと描かれたりとかして、
いわゆる都合の良さなのは全くないんですよね。
なんか他の小説とかにあり得る、
別に都合の良さを悪く言うわけじゃないんですけど、
他の小説にありがちな、
こうなったからこうなってきますよね、
みたいなのがあんまりなくて、
いわゆる一般的な小説だと、
別に都合がいいことが起きなくても、
なんか良くなりそうだなみたいな空気をちょっと出して、
終わったりとかすることが多いと思うんですけど、
この短編集はあんまりそういうのがなくて、
ほんと現実的で、
なんか小説の中でこう、
描かれてる出来事や感情の流れみたいなのがあるけれども、
それで何かが大きく変わったりとか、
人生が後転するような感じではなくて、
なんかそのまま本当にあったことのままを、
描いていってる感じがしましたね。
で、最初ちょっと面食らっちゃったっていうか、
なんか突き放されたような感じをちょっと最後受けたりとかする、
終わり方してる本も多くて、
わーって思ったんだけど、
でもなんかすごくそれは途中からはまってくるっていうか、
あんまり他では味わえない感じだし、
これは小説としてはあんまりないパターンだなと思ってるんで、
リアリティがあっていいなって思いましたね。
で、もちろんフィクションなんでしょうけど、
多くのところは。
なんかそれが一個とかじゃなくて、
なんか基本どの小説も、
まあなかなかね、その都合いいことは描かないっていうのがあると思うんで、
まあそういう意味ではなんか結構ね、
読んでると、なんかこれがリアルなのかなって思えてくる、
なんかそういう結構力持ってるなっていうのはありますね。
すごい魅力ですよね、この小説の。
ストーリー性とかそういうのとはまたちょっと違ったところで、
そういう力が働いてるなっていうのはなんか感じて、
なんかそこに引き込まれましたね。
そんな感じで、ちょっとこの本については語ってきたんで、
それぞれどの話は良かったかちょっと最後話して終わりにしましょう。
私結構好きだったのは、どうにもならないと、
そうロングと、あとちょっとだけっていう短編3つが、
どうにもならないっていうのが結構私好きで、
まあどれも好きだったんですけど、
これはあの、視点はお母さんで、
息子がいるんですけど、
もうアル中で、もうアルコールないとダメなんですけど、
もうそれが周りにばれちゃってるんで、
息子からも言われてて、
もうアルコールが切れてるでしょ、夜。
って話が始まるんですけど、
まあ車使えないんで、息子寝てるんですけど、
で、その時に息子が起きてくるまで、
あとどれぐらいの時間があるみたいな、
21:00
なんか計算しだして、
この時間でも空いてる酒屋に行って、
帰って来れるかどうかみたいな、
なんか、息子が起きてくる前に帰って来れるかどうかみたいな、
計算して、歩いて出かけて行って、
アルコール買って帰ってきて飲むってだけの話なんですけど、
その過程で、結構そのアル中の気持ちの動きというか、
状況の動きみたいなのが結構書かれてて迫ってきたし、
その酒屋行った時に他のアル中が優しいんですよね。
ワイン飲ませたりとかして、
なんかその辺も多分本当にこういうことあるんだろうなと思って、
なんかアル中だからわかるみたいな、
とかあったりとかして、なんかちょっとどうにもならないって、
タイトル自体もすごい良いんですけど、
すごいなんか面白かったし、
で最後ね、息子がバレバレなんですよね。
アルコールなんで持ってきたの?みたいな。
どうやって買ったの?みたいな、
とか話になったりとかして、起きてきた。
なんか本当どうにもならないけど。
僕ね、ちょっと意外だったのが、
どうにもならない。
確かにいい話って言ってはないかもしれないですけど、
なんだろうな、
僕あんまりでも入ってこなかったんですよね。
そうなんだ、なるほど。
そうなんですよ。
今回ちょっと事前に印象に残った話、
何作かピックアップして、
なんか意外とだいちさんが選んだやつが、
僕があんまり入ってこなかったやつが、
ピックアップされて。
そうロングとあとちょっとだけもそういうことか。
そうなんですよ。
これはなんか面白いですよね。
そうですね、やっぱり読んだ人によって
だいぶ変わりますもんね。
あとちょっとだけ結構、
妹の死の話じゃないですか。
そうです。
話すと長くなっちゃうから、
結構出しきましたけどね。
差し迫ってくる感じはね、
確かにあります。
僕なんか印象残ったやつ、
何個かあったんですけど、
一番インパクトが大きかったのが、
さあ土曜日だっていう。
作品で。
舞台が刑務所ですね。
主人公は囚人というか、
そこで捜索を習っている
おっちゃんの視点なんですけども、
囚人であるんで、
ろくでもないおっさんではあるんですけども、
やたら語りがうまいというか、
一人称なんですが、
すごい良い描写を、
小説の中でしてくれて、
最初読んでいると、
おっちゃんなのになんでこんな
良いこと言えるんだって思ってたら、
刑務所の中でそういう創作を
習っているんだっていうのが、
だんだん分かってきて、
これは良かったのが、
囚人の中にCDという人物がいるんですけど、
まだ22歳くらいの若いんですけど、
ただ裏社会では一目置かれている、
ちょっとカリスマ性のある人物で、
その人が文学にハマって、
本を読んで、
そういう文学の話を、
主人公のおっちゃんとしたりするんですけど、
あと文章というか、
創作が抜群にうまくて、
そのCDの書いた物語を、
他の囚人の人たちが、
これはどういうテーマかというのを、
24:01
議論し合う場面とかって、
すごい楽しそうに描かれていて、
そういうので読んでいて、
明るくなれる作品だったんですけども、
さあ土曜日だわ、
これは個人的にですけども、
物語に引き込まれたところがあって、
ルシア・ブリリンさんの人生の中でも、
すごい一つの思い出だったのかなと、
思えるようなシーンがあって、
そういうのを読んでいて、
ちょっと感動とかしましたね。
さあ土曜日だわ、確かに。
私も。
ライトだけど最後結構ズシル重くて、
いい短編だなと思いましたね。
そうですね。
結構ね、感動して。
なんかその、
囚人画の人が、
最初は何て言うんですかね、
こういう創作を習うっていうのを、
そんなに乗り気じゃなくても、
だんだんそこにはまっていって、
自分の声に耳を傾けてもらえるっていうのが、
それがすごい大事なことなんだっていう、
そういう言葉があったりとか、
あとこの創作の先生、
これはルシア・ブリリンさん本人だと思うんですけども、
結構いいセリフを連発してたりして、
これすごい好きですね。
はい。
はい。
はい。
いいですね。
そんな感じですかね。
じゃあ最後絶対的な感想を言って、
終わりたいと思います。
今回ですね、
この全周に配信されている
アコーディオン弾きの息子と
同じ日に収録した作品だったせいもあって、
ちょっと短期間で読まざるを得なくて、
ほぼ1日でこれ、
読んだんですけど、ちょっともったいない読み方したなと思ってます。
なんかゆっくりほんと
1日、1張24日
かけて読んでもいいぐらいの
の本だなと思いました あというのは油断してると結構
自分の感情の変化とか見逃しちゃう ような小説だな短編だなと思って
て ちゃんと見落とさないように
綺麗にゆっくり読んでいく必要 があるなと思っているので
一気に読もうとするとちょっと 油断してしまった部分とかあって
ちょっとあれって思ったところ もあってちょっと読み返してしまった
ところもあったりとかしたので もう本当はゆっくり時間をかけて
読むべき小説だなと思いました 短編集ですけどまとまってない
ものが24編まとまってないと思 うんですけどまとまらないまま
なんかこう綺麗な感じがすごく して読んでるとヒリヒリする
部分なんか結構あったんですけど 小説ってこういうものだなっていう
のをちょっと思い出させてくれる ような短編集だったんですごく
良かったです おすすめですね
わかります 僕もやはり語り手が本当にいろいろ
な人が出てくるんでそんなのを 出せるそういう作家がいるんだ
と思ってすごい楽しく読めました たくさんの短編通して本当にルシア
ヴェルリンさんに出会えたような ちょっとそんな感覚っていうのも
ありましたね 1人の人生からこんなに豊富な
話題が出てくるっていうのにまず 驚くと思いますし登場人物の幅
がやっぱり広いんですけど結構 ろくでもない人間が出てきたり
とかあと中にはちょっとよく理解 できない作品っていうのもあったり
したんですけどでもそのよくわからない とかそういう作品もなんか読んだ
27:03
状況によってはまた印象が変わって くるのかなと思ったんですけど
思ったりしましたね ここはちょっと 今回時間がない中で慌てて読んだん
ですけどもまたゆっくり読んだら また印象に残る作品っていうのは
変わったりするんじゃないかな と思ったりしています
こんなルシアヴェルリンさんのような 作家がいたっていうのを本当に
知れてよかったなと思いますし できれば多くの人に知ってほしい
なと思いますし作品としてこのルシア ヴェルリンさんにぜひ出会って
みてほしいなと思いました
じゃあ次回予告して終わります 次回は結構久しぶりの番外編です
5月18日に大賞が発表された日本 翻訳大賞についてこの受賞結果
についてちょっと2人で話してみたい と思っております
いよいよっていう感じですねこの 受賞結果
収録日段階ではまだ全くどうな ってるかわかんないんですけど
我々今回最終候補5作全部読んで ラジオで配信してきましたけど
受賞結果のためにこれいつから だろう3月ぐらいからもう動いて
たかもしれないですよね
気になりますねこんなに力を 入れて回ったことは初めてです
そうですねこれまでなかったですね 本当に
気になるんでその辺りのことも 次週話すと思うのでぜひ楽しみに
していただければと思います
そうですね
はい
番組の完成のリクエストまたこの ラジオを聞いて紹介された本を
読み返しました読み返しました などございましたらハッシュタグ
空飛び猫たちをつけて教えていただける と嬉しいですツイッターやインスタ
のDMやリプライなどでお待ちして おりますメールアドレスから直接
いただいても大丈夫です積極的に 拡散共有いただけると助かります
ではまた
ありがとうございました
28:48

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