みえさん、虐殺機関とハーモニー、両方とも多分今回2回目ですよね。2回目の読み。
そうですね、2回目読んで。
どっち好きとかあります?
個人的にはハーモニーの方が好きですね。
なるほど、そうですか。私も今回3回目読んでハーモニーの方に結構ハマりましたね。
僕最初読んだときは虐殺機関の方が好きでしたね。
なんでですかね、ちょっとコロナ的なことも影響してるのかな、もしかして。ハーモニーは健康を扱う。
確かに。今回初めて虐殺機関読んで、その後すぐハーモニー読んだんですけど、ハーモニーの方がより切迫感があるというか、世の中全体的な緊張感ですよね。
それをひしひしとハーモニーって感じてしまって、これはすごい良い小説だなと思ったんですよね。
前回はあれ、もう結構時間が空いて読んだってことですか?虐殺機関。
多分そうだと思います。あんまり虐殺機関とハーモニーの繋がりをそこまで感じずに。
確かに。私も今回このラジオで紹介するっていうので、虐殺機関ハーモニーっていう順番でほぼ連続で読んで、ちょっとやっぱ印象変わりましたね。
確かに。これ連続で読むと面白いですね。
ただ、虐殺機関の方がもっとスリーリングで、そこの点は面白いところがあるので。
確かに。アクション性はやっぱり虐殺機関の方が高いですもんね。
そうですよね。そういう意味ではどっちが好きっていうのも人によって好み分かれるかなと思いますので。
確かに。じゃあちょっと書名とか行きましょうか。ちょっと長引いちゃったけど。
行きましょうか。では本日紹介するのが伊藤計画さんが書いた虐殺機関、早川文庫JAから2010年に出版されています。
単行本は2007年に出ています。
じゃあちょっと私の方から数字をお伝えします。
9.11以降のテロとの戦いは天気を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍隊医クラビスシバードはその混乱の陰に常に存在がささやかれる謎の男ジョン・ポールを追ってジェグエットに向かう。
彼の目的とは一体何か。大量殺戮を引き起こす虐殺の機関とは現代の罪と罰を書き切るゼロ年代最高のフィクションとなっております。
そうですね。時代背景的には9.11っていうのがやっぱり大きく影響している中で。
そうですね。
そうですよね。
9.11までは現実世界というか私たちのこの世界と同じ歴史を持っていて、そこからちょっとまたこの小説の中では変わっていっているという感じですかね。
そうですね。それによって未来が作られていくというか。
実際に三枝さんのところを発売しすぐ読んだ感じ?
そうですね。2010年も出てすぐ読んだ記憶がありますね。
なるほど。一番最初に出た文庫って帯、伊坂孝太郎が書いてて。他の人も書いてたんですけど。伊坂孝太郎が書いてて、それがすごく印象的。それが買う決定だったんですけど。あんまり印象ないですか?伊坂孝太郎の帯。
多分読んだ人ならなんとなくわかるとは思うんですけど、2点3点あって最終的に逆殺っていうのが世界に広がっていくんですよね。
この世界が最終的に来週のハーモニーにもつながってるんですけど。
最後、ラストっていうのはエピローグの部分になるんですけども、これすごい考えさせられたなところで、短い話なんですけども、
それまでは戦闘シーンが結構多い話、小説で、ある意味なんていうかミクロなことを描いている傾向が多かったんですね、小説全体的に。
また最後に逆殺が広がっていくっていう話がありましたけど、一気に風呂敷を広げたようなマクロな視点っていうのが描かれて、
まさかこうなるんだっていうのはちょっとびっくりなところがあって、そこのヨシヤ氏は人それぞれだと思うんですけども、
その視点が一気に広がっていくっていうところはすごい印象的でしたね。
私もそのダイナミックさみたいなのがすごく、最後のところはすごく感じました。
クラヴィスの最後の決断というか行動がこの世界の方向性に大きく影響を与えていくっていうのは、
小説を読んでいる上ではすごい気持ちよさのあるところだなって思いますね。
そうですね。前回はボンクロックスをラジオで取り上げていて、それもSFファンタジーではあって、
そのボンクロックスでも正義と悪の戦いっていうのがあって、結果としてその戦いの結果どうこうではなく、
もう世界は滅んでいくというシナリオが描かれていて、
今回の虐殺機関も単純化すると正義と悪との戦いみたいな構造は最初あったものの、
でも結局その虐殺が広がっていって、その次にハーモニーという作品が出てくるんですけど、
その辺ちょっと作家の想像する世界って、そういうふうに捉えられているのかなって思うと、
ちょっと悲しくなるというか。
読んだ人ならあれかもしれないですけど、どっちに転んだとしても虐殺は広がっていっただろうから、
ハーモニーの世界は待ってたってことですもんね。
そういう意味じゃもう本当この小説って、ピーエンドとかっていうくくりじゃ全くくくれない、
ハッピーかハッピーじゃないかっていうものではくくれない小説だなと思うんですけど、
最後この状況って結構ものすごい印象に残るじゃないですか、ラスト。
とんでもなくピザ食ってるとこね。
すごい印象に残るじゃないですか。
どっちにもくくれないし、どう解釈していいのかとかもちょっとわからなくなるところも多いけど、
めちゃくちゃ印象に残る小説だからやっぱ面白かったなって思いますよね。
じゃあ最後にいつも通り感想とどういう人に読んでほしいかちょっと話して終わりたいと思うんですけれども、
で、虐殺機関なんですけど、私は初読の時結構衝撃も受けたし、
自分これ虐殺機関読むまでほとんどSFって、まあゼロじゃなかったんですけど、
こういうSFは多分読んだことがなかったので、めちゃめちゃ面白いなって思いました。
だからそのSF初心者でも絶対楽しめるし、アイデアとかあと文体とかも全然すごい読みやすいんで、
楽しませてくれるような小説なんじゃないかなと思ってます。
そうですね、虐殺機関という名前の通り、結構残虐な描写とかあるんですけど、
でもやっぱり面白いなと思っています。
良さはね、これまで語ってきたんですけど、やっぱり個人的にはそのジョン・ポールという、
県すると悪役の立ち位置にいる人の人間模様というか、その成り立ちですよね。
この謎の人物がどうやって生まれてきたのかとかって、そこのドラマがすごい好きですし、
それが徐々に明らかになっていくというところとか面白いですし、
主人公のクラビス・シェパードもすごく人間らしい人間で、
そのクラビスとジョン・ポールの2人の会話とか読んでいてすごく面白いなと思いますので、
SF小説の良さももちろんありますし、すごい意識のある登場人物がいるので、
そのキャラクターの会話とかその辺もまた楽しめるところで、
しかも読みやすいし、面白いし、すごくこれはもう多くの人にとってお勧めできるなと思っています。
ありがとうございます。じゃあ、そんなところで次回告になります。
次回は伊藤計画のハーモニーをご紹介いたします。
今週に引き継ぎ伊藤計画の作品になりますので、お楽しみにしていただければなと思います。
番組の感想やリクエスト、またこのラジオを聞いて紹介されている本を読みました、
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