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2022-10-24 39:52

第98回 懐かしい記憶には魔法がかかっている「歩道橋の魔術師」呉明益 著

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【今回の紹介本】 

■『歩道橋の魔術師』呉明益 著 天野健太郎 訳 白水社/河出文庫 かつて歩道橋には不思議なマジックを披露する魔術師がいた。 

彼が生み出すさまざまな奇跡を目撃した少年少女たちの現在と過去の物語。 

台湾を代表する作家、呉明益のノスタルジックな連作短編集。 是非お聞きください! 

【番組内で紹介したトピック】

 ■『歩道橋の魔術師』呉明益 著 天野健太郎 訳 河出文庫 

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309467429/ 

■間もなく作品紹介100回突破!アンケートにご協力ください! 

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【文学ラジオ空飛び猫たちを初めて聞く人向けのnote記事】

声で届ける文学!Podcast番組「文学ラジオ空飛び猫たち」おすすめエピソード特集

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案内役の二人は、 東京都内で読書会を主催する「小説が好き!の会」のダイチ

京都の祇園で本の話ができるカフェを運営する「羊をめぐるカフェ」のミエ

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00:01
文学ラジオ 空飛び猫たち
懐かしい記憶には魔法がかかっている かつて歩道橋には不思議なマジックを披露する魔術師がいた
彼が生み出す様々な奇跡を目撃した少年少女たちの現在と過去の物語 台湾を代表する作家呉明益のノスタルジックな連作短編集
歩道橋の魔術師をご紹介します どうもみなさんこんにちは文学ラジオ空飛び猫たちです
この番組はいろんな人に読んでもらいたい いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに文学と猫が好きな2人がゆるーくトークする
ラジオ番組ですお相手は私小説が好きの会のダイチと羊を巡るカフェのミエの2人でお送りします 文学のプロではない2人ですが東京と京都をつないでお互いに好きな作品をそれぞれの視点で
紹介していく番組です番組概要欄に詳細情報を記載しているので初めてお聞きになる方 などそちらを見ていただけるとありがたいです
はいありがとうございますえっと本編始まる前にですね ちょっとお知らせがあります
まもなく作品紹介が100回目を迎えます でその後にその100回を記念した番外編を収録しようと思っているんですけれどもちょっと皆さん
リスナーの方にですねいろいろと聞いてみたいことがあるのでリスナーアンケートというのを実施しようと思います その内容をもとにちょっとトークしてみようと思っているのであと単純に知りたいこともあるので
ぜひともご回答をよろしくお願いします アンケートはですね概要欄等でグーグルフォーム等を実施したいと思ってますので概要欄
チェックいただければなと思います あとはあのインスタとかツイッターでもアンケート案内すると思うのでフォローされている方はそちらも見て
いただけたらと思います ぜひぜひご協力いただけると大変ありがたいですもう
リスナーもですね多分自分しかいないと思って 回答いただけると結構ね数がねちょっと欲しいんでよろしくお願いします
大きな言っておりますので期限っていつぐらいに
11月6日に収録するから11月の4日ぐらいまでに欲しいか 11月4日にしましょうか
大体そのくらいでお願いします じゃあ今回紹介するもん行きましょうか
そうですね今回紹介するのが五名益さんの歩道教の魔術師になります 天野健太郎さん役で川出文庫から2021年に出版されています
もともとは単行本自体は2015年に白水社から出版しています ついに5名益を紹介する日が来ましたね
そうなんですね前回からね候補には上がってたんですけどね 台湾の作家で日本でもねだいぶ翻訳が出てるので
03:08
言ってる方多いと思いますし読まれた方も多いんじゃないかなと思います 私は実は今回初めて読みました名前はずっと昔から知ってて
それこそ日本翻訳大賞の最終候補に1回なった 自転車泥棒って確かなってましたよね何年か前に
とかもあったしだいぶ気になってる作家ですね でやっぱり今回読んでみて思ったのもめちゃくちゃタイプの作家だったんで
もうなんでずっと読んでなかったんだろうという後悔が非常に強く感じた作家です
そうですねあの積読はずっとしてましたもんね 福岡人も積んでるからね
自転車泥棒を積んでるままなので 近いうちに再登場するかもしれません
正直今回の歩道教の魔術しか読んでないのでちょっとまだデータが1しかないんで サンプル1なんでちょっとわかんないんですけど非常に何か書くということを大切にしている感じがして
基本的には小説家の方って書くこと大切にしていると思うんですけど なんかこの5名駅さんは非常に伝わりやすくそして何か自分の言いたいことっていうのを何か
過不足なく伝える感じがすごくしますね しかもちょっと何かこう絵目入ってくるんで
だいぶこういうのは自分好きだなと思いました やっぱりこの読みやすくて共感しやすくてそしてストーリーが面白いっていうバランスの良い作品だなと思ったので
読んでいて非常になんていうか心地よくて楽だったし 自分がちょっと一時期作家を目指した時期があるんですけどこういう小説を書きたいくて
自分は小説を書こうと思ってたなとちょっと思いましたね たまに出会うそういう小説
いや僕はでも感覚が近いですね やっぱり読みやすいしエンタメ性もあるんですけど同時にやっぱり人の心の痛みとかですね
なんかそういうのも描いていてですね すごい没入感があったので本当好きな作家さんですね
今回はねちょっと短編集だったんですけど長編とか読むとかなりそれはもう心に残るんだろうなというのが思うくらい
やっぱすごい人やなと思いましたね ゴウエイさん
なんかこの没入感っていうのもみなさん言った通りで これ多分1ページ目とか1作品目からすごく引き込まれるので
短編集なんですけどこれはだいぶ この後いろいろ話しますけど
なんかちょっと小難しい話苦手な人にはすごいおすすめだなと思いますね 読みやすさの部分がすごく強いですね
そうですねイメージだと日本で言うと直木翔作家の作品を読むような感覚に近いかもしれないですね
ちょっと文学性を持ちつつ直木翔を受賞されたような作家さんとかに近いかもしれませんね
06:00
じゃあちょっと著者についていきましょうか
著者のゴメイエキさんは台湾の出身の方なんですけど 1971年生まれという本当に現代作家ですね
現代の台湾を代表する作家の方で小説を書いたりエッセイを書いたり
見てるとこの川手文庫の表紙が絵なんですけども この絵もゴメイエキさんが書かれているみたいで
すごいマルチな才能をお持ちなのかなと思います
で、あと今大学の文学部の教授もされている
写真とかもやってるのかな すごい何でもやってるという方で
日本でも本当にいろんな翻訳が出ていて さっき大地さんが言われた福岡人とか自転車泥棒とか
もっと別の作品も翻訳されて出ています
で、あと国際的にも評価されていまして 本当に台湾とか海外問わずいろんな賞を取られているという
本当に台湾を代表する作家さんになります
そうですね この絵がねちょっと川手文庫の絵がご自身が書かれた絵だと最初わからなかったんで
ちょっと私読み終わったと気づいてちょっと衝撃受けましたね
そうですね 大地さんに最初読み終わったとき全然ピンとこなくて
で、見ると本当に五名駅さんの名前がね カバーソーがところで書いてあって
ちょっとすごいですね この絵が書けるってすごいなって思っています
ちょっと白水社の方のね 単行本の方は表紙なんかあれはちょっと写真ぽい
今手元にないのでちょっとどういう 誰がデザインしてっていうのが分からないんですけど
あの写真ぽいから その後時間が経った後にこの絵を書いたのかちょっとわからないですけど
でもね写真も手がけてるって書いてあるので
もしかすると白水社の単行本も五名駅さんの写真なのかもしれないです
あ、そっか なるほど
見れてはいないですけどね
ちょっと本屋でチェックしてみようかな
で、なんかねこの絵のちょっと本編の話になっちゃうけど
あの歩道橋の魔術師はですね
この庄場と言われる場所に住んでるんですけど屋上に住んでるんで
ちょっとイメージちょっとこれどこのあれかわかんないけど
この絵のちょっとこのラジオじゃ伝わらないけど
このちょっと皆さんもネットかもしくは本屋に見てもらいたいんですけど
この川手文庫の絵の右側の上に住んでたんじゃないかなみたいな
私はちょっと思ってしまう
そんなイメージないですかこれ
あーそうですね
なんとなくわかんないけどね
わかんないですけどね確かに屋上のどこだろうって
まあはいそんな想像もかけ立てる本ですね
そうちなみに絵のね左側は松下電機ナショナルの
あの大きな看板がちょっと象徴的に描かれていて
日本企業が出てくる
09:00
本書のあらすじを出版社のホームページから引用しますと
1979年台北物売りが立つ歩道橋には
子供たちに不思議なマジックを披露する魔術師がいた
今は亡き中華商場と人々のささやかなエピソードを紡ぐ
ノスタルジックな連作短編集とありまして
出版社の白水社のホームページに説明が長く書かれているんですけど
ちょっとその中の一部分ですね
こんな説明もありまして
日本の読者には昭和を思い出させるような
台湾らしい生活感と懐かしさが前編に漂う
語り手の静かな回想を呼び込むリアルな日常と
引き続きで起こる幻想的な出来事
精緻な描写力と構成によって
子供時代のささやかなエピソードが
ノスタルジックな偶和に変わる瞬間を描く
9つのストーリーとありまして
結構ねこの日本の読者には昭和を思い出させるという
ある通り僕も日本で言って
まず最初に思ったのが映画の
オールウェズ三丁目の夕日という懐かしい
昭和を描いた作品があるんですけども
なんかそれとすごいリンクしましたね
見てないからちょっと
あ、そうなったんですね
オールウェズ見てないですよね
僕ね映画そんな見てる方じゃないですよね
数少ない見たい映画で
ちなみにオールウェズ三丁目の夕日は
1958年が舞台で
本当東京の下町なんですけども
まさには本田とかが町工場の中でできたり
テレビが初めて家とかに置かれるようになって
みんなでプロレスをね見たりとか
そんな古き良きイギリス時代の映画で
そことねちょっと空気感が似てるなー
というのは思いましたね
でもその日本の良き昭和みたいなものと
あと団地
そうです
私はすごく団地を思い出しました
この昭和という場所でみんな住んでいて
そこで飽きないをしてるんですけど
みんなで経済圏を作り上げてるんですけど
団地と職場がセットになってるようなイメージですよね
そうですね
ちょっとここで昭和の説明少ししようと思うんですけど
本当に職場もそうで
良い食事が全部一緒になってるような団地っていうイメージですね
団地の中に商店街もあって
そこに住んでる人たち家族が商店
軽屋さんやったり服屋さんやったり
何かの小売店をやったりとかですね
その商店の上の階に実際住んでるっていうような
この本の後書きに書いてあったんですけども
60年代にこの昭和時代ができて
今は経済発展していくんですけども
80年代にショッピングモールとかが台頭してきて
12:00
だんだん経済力がそこではなくなっていって
90年頭には商場っていうのは解体されるって言うんですね
歴史としては意外と短くて
30年くらい歴史になると思うんですけども
ただねそこで生まれ育った子供たちは
まさに自分たちの遊び場がね
そこの商場団地みたいなところを一体だったっていう
そういう意味ではすごく団地のイメージに近いこともありますね
言ってしまえばこの商場がこの小説の主人公みたいなものなんで
非常にこの空気感とかこの場の何だろうな
持ってる雰囲気みたいのが非常に伝わってくる小説になってます
なんかもう本当ちょっと読み終わった時に
俺ここでちょっと生活したんじゃないかなって
それぐらいちょっと没入しちゃいましたけど
まあ結構ね貧しい家庭が基本的には多いっていうので
生活は大変
あとトイレとか共同なんで
風呂トイレ共同っすね
あれかな俺団地に住んでたから昔
みえさん団地は住んだことないんですよね
多分それは結構でかいかも俺
もしかしたらこんななんか職場が一緒だったわけでもないし
風呂トイレ共同だったわけじゃないけど
団地の空気感みたいなすごい
共同生活してるような
そうというかやっぱその団地で一緒に住んでる子供
自分と同世代の子供とすごい仲良くなるわけですよ
つかまあもう毎日遊ぶんだけど
なんかその感じとかあるじゃないですか
この小説
そこはすごくあったかもしれない
ちょっとあれだねちょっと余談になっちゃったけど
そうですね
ちなみにじゃあこのね
商売って一体何なんだって思われた方は
台湾でドラマ化されてるんですけども
ホドウ教の魔術師ドラマで検索すると
その映像とかですね見れるので
そこでかなりイメージはつくかなと思います
具体的に話しましょうか
短編集全体的な魅力というところから
なんか話そうと思いまして
3つあるんですけども
1つはもうさっき話していた
まさにこの商売がある意味主人公で
ここでの懐かしい記憶が語られていくと
で結構時系列が大人の時もあれば
子供の時がメインなんですけども
大人の時もあって
みんなで遊んでいたイメージ記憶であったりですね
そういうのがですね語られていくというですね
非常にノスタルジックな作品であるというのが
1つですね
そうですねなんかこれがやっぱりその回想録じゃないですけど
商売で暮らしていた人たちが大人になった時に
この自分が住んでた時の幼い記憶を
振り返るという形になっていて
それが各短編に落とし込められてるんですけど
その感じがすごく良くて
大人になってから幼い頃振り返ると
なんとも言えないこの甘酸っぱさと苦しさ
みたいなのがあるじゃないですか
それがもう味わえるんで
なんかそれだけでこう
15:00
だいぶ私はもうこの作品好きだって思っちゃったんですけど
すごくいいですね
でそれがやっぱりちょっと苦しい記憶だったりもするし
楽しいというか
まあ非常に自分の人生に影響を
与えてしまった記憶だったりもするっていうところがありますよね
そうですよね
でですねちょっとここで魅力の2つ目の話でですね
やっぱり商売っていうちょっと記憶としては
ノスタルジックなものではあると思うんですけど
一方でこの作品で描かれていることは
暗い影とかですね
本当にその生き死にの死ぬですね
死ぬこととか喪失とか心の闇とか
そういうのがですね思った以上に描かれていると
ここもあのまさに魅力の部分なのかなと思ってます
本当で映画のウォールで3丁目の夕日と
明らかに違うところはこの部分で
やっぱりその
なんかその古き良き時代の理想の一場面とは決して言えない部分があってですね
やっぱりもうこれだけでかい団地みたいな商売で住んでると
本当にいろんな人がいて
中にはですねやっぱりその事件事故というんですかね
やっぱりいろんな出来事があって
本当に青春を生きれたはずの人がそれができなかったとか
逆に子供時代一緒に遊んでいた人が大人になって
ある意味その現実の世界に出ていって
そこで思ったように生きれなかったとかですね
何か失ってしまったものがあるとかですね
これはね結構読んでて
心に腐ってくる話が思った以上に自分の中にあって
そこが作品の持っている力なのかなと思いましたね
これなんていうのかな
これには多分俺二つあると思っていて
一つはまず大人になった時の主人公たちが
この自分が今いる置かれている環境とか状況とか
悩みがゼロな人ってまずいないので
いろんなことに悩んだり傷ついたり
感情の置き場が定まらなかったりみたいな人たちがいて
幼い頃語るわけじゃないですか
そこで子供の時の楽しかったとか
ちょっと怖かったみたいなストレートな感情を
出すことができなくなってしまった状況みたいなのが
多分明確には描かれてないけど
ちょっと自分はそれを感じていて
それが非常にこの読み手に引っかかってくるなって
ちょっと思いました
なんだっけ小学校の時の友人と久しぶりに
なんかFacebookみたいなものなのかな
連絡を取るようになって
なんか会うことになったけど
ちょっと行きたくないなみたいな
どうしようかなみたいなのも
描かれたりとかあるじゃないですか
ああいうのとかもすごくわかるし
そういうのがあって
非常にここは迫ってくるなと思ったのと
もう一つはこの幼い時の記憶の中で
垣間見てしまった大人の何だろう闇
そういうのが
あの庄場にいる
一緒に生活している大人たちの闇みたいのを
ちょっと見てしまった瞬間なんかが描かれるので
そこがなんかゾッとするし怖いし
非常に印象に残るから
18:00
めちゃめちゃ上手い作りをしてるなと
思いますよね
いや本当にね
思った以上にいろんな人を描いていて
ちょっとねびっくりしました
いや決してねその本当
普通にいい人だけではないっていうね
なんかそれはね
やっぱ庄場にもいろんな人がいるんだなと
本当に感じましたし
でこの作品のちょっと魅力の三つ目として
やはりマジックリアリズムですね
まさにね
ラテンアメリカの小説を読んでいると
現実の話なのに急に
魔法みたいなものが出てきたりするんですけども
まさにこの歩道教の魔術師は
名前の通りこの歩道教にいる魔術師
マジシャンが現れるんですけども
で大体の短編において現れるんですけども
でそのマジシャンが何か
マジックをする瞬間があって
その瞬間だけ現実的な世界から
急にちょっと幻想的な世界に変わったりするっていうですね
非常にもういいスパイスになっていて
それがですねこの本と小説をぐっとね
小説全体に一体感をもたらしているんですけども
これがこの小場で生まれ育った子供たちにとっては
その魔術師を見ていたとかですね
そういうのが共通の記憶にもなっているという
そういう設定ですね
最初私の時はこの魔術師が主人公なんだろうなと思っていたけど
僕も完全にそう思ってました
主人公じゃ主人公なんですけど
魔術師が描かれるんですけど
それよりはちょっとこの小場全体みたいな空気が最後強くなってくるんで
この魔術師のこのマジックがいいですよね
最初ねちょっと小人が動き出したりとか
あの紙で切ったね
人の形をした紙が動き出したりとか
なんかね日本だとお相撲さんの紙切れを台の上に置いて
なんか手でトントンって叩いて戦わせたり
そういうのあるじゃないですか
僕最初はあのイメージで思ってたんですね
なるほどなるほど
でただ台湾ドラマのちょっと映像をですね
ちょっと見た時にですね
思っていた以上に自分の想像と違ったんで
あーそうなんだ
俺も見てみようかな
あれはねやっぱねなんかさすがマジシャンっていうかね
魔法使いだなって思いましたね
映像見たら台の上でトントンってやって動くのとはね
ちょっとレベルが違いましたね
結構ねこれ一番最初の兄弟作の名前になってる
歩道教の魔術師という短編の中でね
小人が動き出す話があるんですけど
結構そのあたりはなんか最初ちょっとポップでいいなってすごい思いましたね
ただちょっと闇までいかないけどね
ちょっと最後怖さというかなんだろうな
ちょっとでもそれはなんだろうちょっと原稿化できないけど
俺すごいああいう感じ好きで
ちょっといやちょっとやめて
確かになんかね説明しづらいような
他人から見るとちょっとねマジックっぽく見えないけど
マジックされるそのなんか道具の一部として
やっぱり人も使われる時あるんですけど
人がそのマジシャンにマジックされると
21:00
なんか今まで味わったことのないような体験をしてしまう
なんかそういう何とも言えない
それでもマジックというか魔法なんじゃないかというようなね
そんなのがあったりして
ちなみにこの魔術師の風貌が最初に描かれるんですけど
結構ねもうザなんだろう魔術師みたいな格好してて
襟を立てたジャケットと灰色の長ズボン
バーも靴ひももないジャンプブーツ
ジャンプブーツすげー印象に残ったな
この商場の屋上に住んでるっていう設定ですね
で歩道橋で魔術師をしてちょっと小銭を稼いでるみたいな
人によっては不老者と思われたりしてるというような
ではですねここからストーリーの紹介をしていきたいと思います
まずですね連作短編集になるんですけども
ちょっとその全体像の話をして
その後大地さんとお互い好きな作品を
一つずつ紹介していくというのをやっていこうと思います
まず全体的なこの連作短編集なので
なんぞやというとですね
作家ですね実はこれ主人公
主人公というのから語り手は
基本的にはこの作家になります
この作家というのが人生を思い返していって
それが一つの物語としてつながっていくようなですね
そういう構造になっていて
この作家も子供時代の商場で生まれ育った
まさに遊び場としていて
もちろん歩道橋の魔術師のマジックをキラキラした
見ていたというですね
そういう子供が大人になったっていうねそういう話ですね
短編集の表題の歩道橋の魔術師ですね
これが最初に収録されているんですけども
以降他の短編でもどこかにこの魔術師が出てくると
時系列は作品によってさまざまで
子供時代を描いている話もあれば
どっちかというと大人になってからを
メインに描いているものもあったりします
この出てくる魔術師ですね
がどのくらいの存在感かっていうと
結構作品によってばらつきがあって
結構魔術師をはっきり覚えていて
インパクトのある人物として描いていることもあれば
本当にウロウグエのような形で
魔術師は本当に影のような存在で描かれている作品もあれば
ほぼ触れられていないような作品もある
そこはさまざまかなと
この短編集がどういうつまりどういうことかというとですね
これが作品の中にレインツリーの魔術師という作品がありまして
その中でこの描き手である作家ですねがこんなことを書いています
ちょっとそこを抜粋して読み上げたいと思います
物語は記憶をそのまま書くものではない
記憶というとどちらかというと
壊れ者や未練のよすががのようなものだが物語は違う
24:01
物語は粘土のようなもので記憶がないところに生まれるというですね
一文を書いていてまさにこういうことなのかなと
この作家が記憶をそのまま書くというよりかは結構ですね
そこから粘土のようなもので何か作り上げていった
だからすごく魅力的で味わいのある物語がいくつも生まれているのが
この短編集なのかなと思うんですね
レインツリーの魔術師の文章を読んで思いましたね
その文章すごいよくてその後のそこから始まる最後の文章すごいんですけど
魔術師が出てくるという連作短編を
この主人公を書くみたいなスタイルになっていて
これは正直最後の方で明かされるので
ずっとインタビュー受けてるっぽいなみたいな
ちょっとある出てくるんですけど
この魔術師のことを覚えてないかみたいなことを
誰かに聞かれてる人たちが話してるっぽい感じはするんで
一つの大きな繋がりがあるんだろうなっていうのは
読んですぐ分かるところではあります
このラストの本当この締め方がすごく良くて
すごく締まった小説になってるなと思いますね
じゃあちょっとお互い気に入った作品を一つ紹介していきましょうか
そうですねやりましょうか
で私の方からちょっとと思ったんですけど
これがですね私がですねちょっと選んだ作品がですね
魔術師が出てこない話で
これはちょっと猫が出てくる話なんで
猫好きとしてはちょっとこれはと思ったんです
本当はこれか金魚か鳥を飼う
のどれかかなってちょっと思ってまして
全部ね生き物の話なんだけど
で鳥を飼うはちょっとメルマガ用に
この後収録するんでそちらでちょっと話そうと思ってるんで
紹介しようと思ってます
で重要なのはこれ鳥を飼うっていう作品のラストが
その主人公を飼ってる鳥が猫に食べられちゃうというか
殺されちゃうんですよねっていう
ちょっと悲しい話があった後に
この私が今から紹介するトウさんの仕立て屋
トウさんってあれですね
カラと書いてトウと読むトウの時代のトウですね
人物名になってます
トウという人がいるんですけど
このトウさんの仕立て屋っていう話は
その鳥を飼うの後に挟まれていて
でその鳥を飼うのラストが猫に鳥を餌られちゃった話なんだけど
トウさんの仕立て屋すぐ猫が出てきます
だからちょっとその辺の繋がりもなんか
ゾワッとするかビクッとするポイントで
読んでいてちょっと配置になるんだっていうのは
ちょっとあったんですけど
その後でもちょっと読んだ時は楽しんでもらえたらなと思います
どういう話かっていうと
これ最初ですねこの話で
インタビュー受けてる側ですね
の話での兄貴の店の屋根裏に猫が住みつくっていう話から始まります
これは30年後の現代の話です
で兄貴にその猫めっちゃ名ついていて
兄貴がいる時じゃないとこの屋根裏から出てこないみたいな
そういう話なんですけれども
それがやがてですねこの話での
商売の記憶と繋がっていくところから始まってきます
この話がですね商売に住んでいた7歳の時に
27:01
隣にトウさんという名前の
結構お年60くらいの人がやっている仕立て屋がありました
そこだけですね
この非常に貧しくて汚い商売の中では
綺麗なスーツを着た人たちが訪れるという場所になってました
である日かくれんぼをみんなでしてる時に
この話ではですね
このトウさんの店の中で隠れていると
そのうちトウさんが出てきて
服を仕立てるところに出会います
でその時にですね
白い猫が現れて
このトウさんがハサミで裁断する音とか
ミシンの音とかを聞いて
心地よさそうにしているというところを見ます
でこのトウさんはですね
服が出来上がると猫にどうだいと聞くと
猫は満足そうにニャーと答えるという現場を見ます
ただですね猫はこの話がこの場所に隠れているという気配を感じると
天井裏に逃げてしまいました
でこのトウさんにも見つかってしまい
早く帰りなさいと言われて帰るんですが
その後自分の兄と一緒にですね
トウさんの場所にちょっと通うようになり
この猫もだんだんこの兄弟に慣れていって
姿を見せるようになってきます
で明らかにですね
この仕立て屋のトウさんはですね
猫に特別な愛情を注いでいました
である日このトウさんがですね
猫がいなくなったと騒ぎ出します
店からとか天井裏から出てきたのではなく
まだ天井裏にいて
何か不足の事態が起きているのではないかと
トウさんは考えていました
でも話である兄弟二人は
トウさんが言う事なんかよく分からないので
昇馬塾を探すという事をしました
だけど猫は見つからず戻って来なかった
でその後ですね
猫を失ったトウさんはどんどん消水していき
自分の死に所属を飾るようになっちゃったりして
もうかなり落ち込んでいき
痩せ細っていきます
っていうところで終わる話なんですけれども
ちょっとこの猫を失ってしまった悲しみみたいなのが
非常に描かれていて
そして魔術師が出てこないという話になってますね
本当は魔術師について聞こうとインタビューしたんですけど
それとは全然違う話になってしまったっていう
なんかそういう最初と最後だったんですけど
魔法というかマジックがないんじゃないんだけど
でもこの猫がいなくなったのが
マジックっぽい感じはするよね
そうですね
ちょっと不思議な現象が起きて
でその後のやっぱりトウさんが猫がいなくなると
やっぱりちょっともう本当に狂人になってしまったような
自分のお店に蓋をしてしまって
天井を
猫が天井にいるかもしれない
天井を壊したりしてとかですね
もう完全にその猫に
もうなんていうのかな
全てを捕らわれてしまって
そこからねもう元に戻れなくなったっていうね
すげーわかるわ
猫いなくなったらどうなるかわかんない
自分が飼ってる
一番怖いからね
猫がいなくなることは
そのあたりの猫が好きな人というか
ペット飼ってて凄く出来合いしてる人には
30:01
多分響く作品だし
怖くなる作品だと思うんで
ちょっとこれは紹介したいなと思って
これは結構ね本当
いやーなかなか切ない話でしたね
結局だから猫は見つからなかったんですね最後まで
そう最後ね
本当これ最終的にこの商場が解体された時の話までバッと
一瞬進むんだけど
そうなっても猫の姿はもうどこにもいなかったっていうことだからね
ちょっと不思議さが残るような
いなくなる前に
この父さんがこの猫に自分の仕事を見せて
どう?って聞くところが凄く
それで猫が鳴くところが凄い
そういうちょっと温まるシーンがありますね
猫好きとしてはここと思ったんで紹介しました
すげー色んないい話ばっかりなんだけど
じゃあ次行きましょうか
じゃあ次に僕が紹介するのが
ギラギラと太陽が照りつける道に象がいた
という作品を紹介します
語り手が二人いまして
一人が大学の読書サークルに入っている女の子
その女の子はカラスという少年に恋をします
同じ読書サークルに入っていた
そのカラスという少年は
痩せ型の男性で
女の子は恋をして
1ヶ月ぐらいしてかな
肉体関係を持つようになって
カラスという少年の部屋にも上がって
ここで服を借りようとして
クローゼットを上げたら
中には象がいたという
そんなお話で
この象というのは動物の象ではなくて
象の着ぐるみになります
ここでカラス
次語り手がカラスという少年になるんですけども
何で自分が着ぐるみを置いているのかという
自分の話をすることになります
このカラスという少年なんですけども
やはり商場で子供時代に過ごして
家庭環境が複雑で
ちょっと恵まれない状況だったので
家を出て生活のために
バイトをいくつも掛け持ちして
大学で撮影を学んでいます
ある時ですね
バイトは常に探しているので
仲間と一緒に
高級店が並ぶエリアのバーゲンセールで
象の着ぐるみを着るという
そういうアルバイトをします
ここで少年は
象の着ぐるみを着て
道行く人を眺めたりするんですけど
そこで自分がカラスという少年ではなくて
象さんですね
象さんとして意識をしたりするようになります
この象になった時には
不思議なことに
遠い記憶とかですね
二度と関わりたくない人が
現れた時の記憶とかですね
33:01
そういうのが思い起こされてですね
この少年は歩道教の魔術師を思い出します
子供の頃商場に住んでいたので
少年には双子のお兄さんもいました
二人で魔術師のマジックを受けたりする
そういう記憶を掘り起こしていくんですけども
ただこのお兄さん
お兄さんが翌年事故で亡くなってしまいます
その後ですね
お母さんもちょっと病気で亡くなってしまって
お父さんは時計修理をしていたんですけども
ちょっとお父さんも先に溺れていって
しかも時計もアナログ時計から
デジタル時計がですね
主流になっていく
そういう時代背景もあって
お父さんもですね
ちょっと時代に取り残されて
そんなですね
いろんな思いを巡らして
この象になった少年ですね
バイトが終わった後ですね
店長から着ぐるみを買い取るというですね
そういう申し出をして
店長が着ぐるみを譲ってくれて
それがクローゼットにしまってあったというですね
そういう経緯を語ります
これも読み通すとやっぱりすごいなんかね
カラスという少年の虚しさが漂っているようなですね
小説で
結構読み応えがあって好きです
これ面白いよね
もうちょっとこれすごい印象に残っているというか
象が出てくるところがすごく面白くてね
そうそうそう
象が出てきたって
クローゼットを開けると
象ってなんだって本当に思いました
もうここで既に魔術師の話が始まっているのかと
俺は思ったけど
象がどうやって出てくるんだろうとかちょっとで
思いましたけどね
まあでも象の着ぐるみだったっていう
蓋を開けるとね
この小説の面白いところは
このカラスというですね
少年の心の
なんていうんですかね
中の声というのかな
結構ねこのぐるぐるいろんなことを考えていて
印象的だったのがやっぱりその
結構ね辛い経験をしてきた人なんで
でなんかその自分のことをね
思った時にこういう風に
ある時期にですね
手に触れられるものは全て幻なんじゃないかと
机とかベッドもそうだし
彼女の体とかですね
触れられるものっていうのは
幻なんじゃないかとかですね
結構ねここの描写とかも
読んでるとグッとくるところで
なかなかもうこの少年は
まだまだ若い
確か大学生だと思うんですけども
なんかもうある意味人生がちょっと
ちょっと一周を過ぎ去ってしまったかのような
なんとも言えないこの虚しい
感覚ですねこの少年の持っている
そこをね読むのはやっぱりなかなか
良かったというかあれですけど
怖いなと思うのはこの兄と
兄が消えるマジック
兄側からしても自分が消えるマジックを
かけられたはずなんですけど
魔術師にかけられて
すごいパニックっていうかね
36:00
怖くなって兄が戻ってきたけど
それからその兄がいなくなるという感覚
消えてしまうという感覚が
どうしても残ってしまって
実際に兄がね
死んでしまうっていう流れは
読んでいて結構ゾッとしたし
怖いなって思いましたね
このマジックもすごく印象的でしたね
ホラー小説を読んでいるような
気持ちも少し
なりましたね
そうですね確かにそのマジックの時
このカラスもすごい恐怖に
襲われるって書いてある
さてでは
最後ですね
感想とどんな人に読んでもらいたいか
話していつも通り終わりたいと思います
じゃあ私の方から
今回ですね海外の本なんですけど
やっぱり非常に
台湾ということもあるのか日本人の感覚に近くて
読みやすいと思いました
この少年少女時代を描いている
なんかノスタルジックな
話なので
読んでると幼い時の思い出が蘇ったりする
ちょっといい小説なので
そういう空気とあと
マジックが出てくるので
ちょっと不思議な気分に浸りたい人は
ぜひ読んでもらいたいなと思います
なんかちょっとライトな
ホラー文庫に出てくるような話
プラス文学みたいな
感じかなってちょっと
私は思いましたね
若干ホラー要素のある作品も
何個かありますしね
僕はこの魔術師が
出した
マジックって小さな奇跡のようなもの
と思うんですけど
積み重ねが物語を作っていってるなと
そういう意味では
主役っていうのは
魔術師もそうなんですけど
やっぱりそこに生きている人たち
奇跡を目撃していた人たち
っていうのが主役なんだな
って本当読んでて思いました
すごい面白いですし
大人でも
中高生ぐらいでも読めると思います
結構読みやすいので
ただね結構悲しい作品も
ありますよというのと
あとやっぱり良さとしては
古き良き時代ですね
ノスタルジックな
そういう空気感っていうのを
味わえるので
大地さんと同じく
下りたい人にはおすすめな
短編集だなと思ってます
こんな感じでご名記ですね
これからも読みたいですね
長編にしたいですね
次ちょっと長編紹介しましょう
じゃあ次回予告して終わりたいと思います
次回はですね
ジョン・マグレーカーの
奇跡を語るものがいなければ
という調子になります
次回詳しく話しますが
本編99回目という
節目に近づいてきていて
ちょっと今回私がセレクトしたものになりますので
お楽しみにしていただければと思います
番組の最後になりますが
メルマガ会員を募集しております
メルマガは無料版有料版とあり
無料版は毎回のエピソードが長すぎてカットした
音源をお届けしております
今回だとですねメルマガ用に一作ずつ
39:00
録っているのでそういうものも一作ずつ紹介録っているので
そういうのを聞けたりします
これはもうもっと我々のエピソードを聞きたい人のためにやってますので
よろしくお願いします
有料版というのは
サポーター特典というような形になっていて
我々をサポートしたい方のために
有料にしています
お返しとしては
日記のような編集講義をお届けしております
ちょっとくだらない話も多いんですが
真面目に話したりするときもあります
詳しいことは番組概要欄に記載しておりますので
そちらご確認ください
番組の完成やリクエストまたこのラジオを聞いて
紹介された本を読みました
読み返しましたなどありましたら
ハッシュタグ空飛猫たちをつけて教えていただけると嬉しいです
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そちらから直接いただいても大丈夫です
積極的にこの番組を
たくさん共有していただけると助かります
ではまた来週ありがとうございました
39:52

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