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2022-06-25 07:10

【0022】2022/06/25 花火鑑賞は平和だからこそできる

2022/06/25
やっと花火の話です(笑)。 
大曲の花火は競技会です。 
その採点ポイントの一部をご紹介しました。

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おはようございます。鶴岡慶子と花火と天気と、6月25日土曜日、日本の秋田県から発信しています。
昨日のニュースなんかでは、関東ではフェーン現象もあって、とても気温が上がったんですか?
そのニュースばかりやっていて、かき氷とか画面では見せられましたけど、こちら北日本では雨でじめじめしてて、全然かき氷の気分じゃなかったんですよ。
これはまあ、見ている人たちの人数も違うんでしょうけれども、何かこちらの方では水害の心配をした方がいいなって思っている時に、そのニュースが中心になるのは何かなって思ったりしました。
そっちもいいけど、こっちもやってよっていう、そんな思いもありますけどね。ただその暑い暑いっていうニュースを聞きますと、花火の季節だなと思います。
花火は夏っていうイメージあると思うんですけれども、秋田県の大仙市、いわゆる大曲りの花火で有名な大仙市ですけれども、毎月花火が市内のどこかで上がっているんですね。
この2年間もどこかでサプライズ花火が上がっていました。もっと言うと、花火屋さんがいっぱいいるので試し打ちしてるんですね。
突然ですがっていう形で花火が上がってたりします。 夜遅くその辺の高速道路を走ってると、あちこちで花火が上がってて、何かあったのかなって思うと、そうじゃなくて花火屋さんが試し打ちをしてるだけっていう。
ああ花火に出会ったラッキーとか、何かいいことありそうって、私なんか流れ星に出会った時のように思っちゃうんですけれども、その大曲りの花火を私が初めてきちんと会場で見たのは、社会人になってからです。
子供の頃は運動会の一番最後に3発5発上がった丸い打ち上げ花火を見たなっていう記憶で、あれが花火なんだろうなって思ってました。
でも大曲りの花火は選抜された花火屋さんですね。30弱の花火屋さんがそこで昼の花火と丸い花火2発と、それから自由型みたいな創造花火って言うんですけれども、そのカテゴリーで競います。
内閣総理大臣賞も授与されるので、それで日本一の花火というふうに言われています。 伝統の花火が見られる場所です。
伝統の花火っていうのは、いわゆる丸い花火なんですけれども、それがまん丸であるっていうことが一つの基準です。
そして一気に花が開いて、一気に消えるっていうのがまた祭典のポイントなんです。
その時に一つ一つの火薬っていうのが、星と呼ばれるものなんですけど、星は見た目黒い丸いボールなんですよ。
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本当に本当に小さな火薬玉から、そのちょっと大きな火薬玉に仕上げていく時に、星かけ器っていうのにかけるんですね。
少しずつ少しずつ大きくしていくんですけれども、その時に一番内側に黄色、例えばですよ。
そしてその外側に青、その外側に赤っていうふうに、その色を塗っていくっていうか、レイヤー重ねていくっていう感じなんですけど、
打ち上がった時に、その色が徐々に変化していくっていう、そういう花火ができるわけですね。
さっき言ったように、一緒に開いて一緒に消えるのがいい花火だとすれば、一緒のタイミングで色が変わるっていうこともまた重要なポイントなんですね。
大曲りの花火では直径30センチの花火玉がおよそ300メートルまで打ち上がって、その出来栄えが競われるわけなんですが、
手元の花火玉、作った花火玉から上空に行くと1000倍に広がるんですね。
手元で1ミリずれると、上空では10メートルずれてしまうということになります。
それがずれずに、しかも色の変わり方も同じで、しかも消え口もパッと消える。
それって本当にすごい職人技だなって思うんです。
大曲りの花火は1970年代から80年代にかけてドイツで4回打ち上げられているんですが、その中でも本当に印象的なお話があって、それは1987年の打ち上げなんですが、まだベルリンに壁があった時代です。
その時、大曲りの訪問団っていうのは、西ベルリンで記者会見をしているんですが、「ベルリンの地上には壁があるが、空には壁がない。西の人にも、東の人にも楽しんでもらいたい。」こんな名言を残しているんです。
この時、この花火を見た人は、壁の向こう側の東ベルリンを合わせると、なんと150万人に上ったと言われています。
花火の原料は火薬です。芸術として使えば、この美しい花火を作ることができて、私たちを楽しませてくれるものです。
でもひとたびそれが武器に使われてしまうと、殺戮の道具として使われるものです。
今、日本にいて、毎日元気に、普通に生きていられるっていうことであるとか、働けていることに感謝する一方で、世界全体にまなざしを向けてみると、
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そこには貧困であるとか、長期化している戦争もあって、すべての人たちが平和で幸せに生きているわけじゃないんだな、っていうことを思わずにはいられないんです。
私たちは、本当に他の人たちも幸せでなければ、完全な幸福感というのは持ち得ないものだなと思っています。
花火を考えるときに、平和とセットで世界に伝えていくっていうことも、花火鑑賞師としての役割のひとつかなと思っています。
週末土曜日です。どんな週末の計画がありますか? どうぞ皆さん、
健やかに安全にお過ごしください。 鶴岡恵子でした。
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