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2023-09-25 1:33:05

部活動138 『カタシロ Case.こまる』

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Podcastで繋がった仲間たちとクトゥルフ神話TPRGを遊んでみました! シナリオ:カタシロ シナリオ制作者:ディズム様 https://booth.pm/ja/items/2274429 キーパー↓ 朔夜(https://twitter.com/sakuya_naniwadu) プレイヤー↓ こまる(https://twitter.com/komaru_5maru) キャラクター:カンドーレ・旭川 https://iachara.com/char/edit/6453598 (敬称略) 背景絵 さっぱ様 (https://twitter.com/sappa_trpg) 表紙画像 canva様 (https://www.canva.com/) キャラクター立ち絵 きゅんショタメーカー (https://picrew.me/ja/image_maker/338886) NPC立ち絵 だう様 BGM DOVA-SYNDROME様(https://dova-s.jp) ■■■注意■■■ ・上記のシナリオのネタバレを含みますので、プレイ予定の方などはご視聴をお控えください。 ・視聴いただいた皆様で感想等をTwitterなどでつぶやいていただく場合は、ふせったーなどを使用してネタバレ防止対策をしていただくようお願いいたします。 ・ハウスルール有 ※本チャンネルは収益化を行っていないため、金銭は発生しません。 本作は、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『新クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。 Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「新クトゥルフ神話TRPG ルールブック」 メールアドレス podcast.trpg@gmail.com Twitter: https://twitter.com/PodcastTrpg​

00:05
こんばんは。
こんばんは。
本日は、シンクツルフシンはTRPG カタシロをやりたいと思っています。
これまでは、PTRPG部ではサッパちゃんがキーパーをしてくれていたんですけれども、このところ、私が少しずつ回しています。
テストプレイはやらせてはもらっていますし、1回は姉ちゃんと回しているんですけれども、なかなか不慣れなので、
少しずつご容赦くださいませ。
今回のお客様は、こまるさんです。
自己紹介とキャラクターの紹介をお願いします。
はい、ありがとうございます。
こんばんは、こまるです。
PTRPG部のセッションにお招きくださいまして、ありがとうございます。
好きなポッドキャスト番組は、女子4人がそれぞれ抱えた爆弾を投げ合う番組です。
リスナーさんたちがどれだけ引いていても、騒ぎますけど何か。
ありがとうございます。
本日は、クツルフシンはTRPGカタシロで遊ばせていただけるということで参りました。
こちらの作品は舞台化もされておりまして、YouTubeなどでたくさんのプレイ動画が配信されているものと認識しております。
私こまるは、実はプレイ動画を視聴済みなんですけれども、前日こんなやりとりがございました。
こまるさんは、カタシロは通過されたのでしたっけ?
…沼から呼ぶて。
通過してないですが、見ちゃいました。
アナザーなどの派生作品は見てないのです。
視聴組でもやってみるとものすごく考えて楽しいですよ。やってみませんか?
アナザーは本編をプレイした方にこそ回っていただきたいです。
わぁ、お誘いありがとうございます。遊びたいでーす。
それでは、遊んでいくアナザー作品について簡単にご紹介させていただきます。
名前は、カンドーレ・アサヒカワ君です。
これって、いただいてた自己紹介のシートの画面とかって…
今出てます。
出てるんですね。ありがとうございます。さすがです。
どこまで喋ったっけな。ごめんなさい。緊張して飛んじゃいました。
カンドーレ・アサヒカワ君。11歳の男の子。イタリア人です。
カンドーレはイタリアの貧しい農村で暮らしていました。
生活はとても苦しいものでしたが、家族つつましく幸せに暮らしていました。
03:02
しかし、その幸せはある日を境に、突然終わりを迎えてしまいます。
カンドーレが9歳の頃、農村では木出りが続き農作物が育たず、
家族が食べるものもままならない中、山火事が起きました。
カンドーレのお父さんの田畑は全焼してしまいます。
途方に暮れ、うなだれる父の小さな背中を見たカンドーレは決意します。
僕が家族のみんなを守るんだ!
農村の酒場をうろついていたゴロツキの男に自分の身を売り、
家の借金を返済することにしたのです。
家族に別れを告げ、ふるさとを離れたカンドーレはイギリスのロンドンへと渡ります。
ロンドンへの船旅の最中、カンドーレたちが乗る船は嵐ににまわれます。
体勢を崩したゴロツキ男は船から落ちてしまったのです。
船に乗っていたカンドーレの仲間たちは、
そんなクズ放っておけ!逃げ出すチャンスだ!カンドーレ!
と言いましたが、勇敢で心優しいカンドーレは単身海へと飛び込み、男を助け出します。
ロンドンではクライミングボーイとして親方に引き渡されます。
クライミングボーイとは煙突掃除人のことです。
煙突掃除人を見かけると幸福が運ばれる。
そう言われていた事態がありました。
一部の甲塚の中には現在は法律で禁止とされている煙突掃除人として秘密裏に少年を雇う応募を働く者がおり、彼もその犠牲者の一人だったのです。
カンドーレは同じような境遇でクライミングボーイとなったロンドンの仲間たちとクライミングボーイギルドスパイダーを結成します。
クライミングボーイの仕事は過酷で怪我が絶えません。
掃除中に酸欠で失神したり、足を滑らせて転落したり、まだ消えきっていない暖炉の中に入り、火傷をすることもあります。
カンドーレは肺を日常的に吸い込んでいるため肺病を患っていますが、当然、医師の診察を受けていません。
彼自身も含め、カンドーレが成人するまで生きられるのか、誰も知る余地はないのです。
11歳になったある日、親方が他界します。
親方と窮地の中であった日本人に引き取られ、カンドーレは日本へと渡ります。
カンドーレはクライミングボーイから筒子に転職したのです。
06:02
筒子とは煙突掃除人のことです。
将来の夢は好きな女性と結婚し、家庭を持ち、家族で平穏に笑顔で暮らすことです。
技能値について説明します。
手ぬぐいを水で濡らして手にぐるぐる巻いて灼熱の煙突の中を登っていくための当判が82。
煙突掃除の汚れを見つけるための目干しが75。
意地悪な子に投げられて川に流されてしまった親友の大切な荷物を泳いで取り戻すための水泳が70です。
意地悪な子に大切なスケッチブックが盗まれ屋根を使って取り戻すための彫薬が70。
教授から習った日本語が15となっております。
以上です。よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いします。
カンドーレ君の人生だけでもうドラマが作れそうなんですが。
はい、ありがとうございます。
そうはせていただきたいと思いますが、どうなるかは分かりません。
はい。
いやー、どうしよう。
はい、ゼックしている、私がゼックしている理由はきっと小丸さんもちょっと分かっていると思います。
はい。
はい、どっちが地獄なのか。
本当です。
はい、ではこの片城というシナリオは作者のリズムさんがいろんな方とおしゃべりをしたいという目的で作られました。
ということで今回はぜひ私とのおしゃべりを小丸さんも楽しんでいただけたら嬉しいです。
シナリオそのものはとても有名で舞台化もされているほどですので、内容をよくご存知の方もいらっしゃると思います。
しかし初めてご覧になる方もいらっしゃると思いますが、
ネタバレになるようなコメントはご遠慮ください。
またツイッターなどで感想をつぶやかれる場合は、フセッターなどをご利用ください。
ご協力よろしくお願いします。
では、
よろしくお願いします。
はい、そろそろ始めましょうか。心の準備はよろしいですか?
できていませんけどやっていきます。
はい、ではオープニングに行きます。
シンクドルフシーマTRPG、片城、始めていきたいと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ではシーンを変えていきましょう。
ちょっと待ってくださいね。
はい、えっとですね。
あ、あった。
何が起きたかというとね、シナリオの中で、
09:04
シナリオがね、家でしちゃいました。
はい、ありました。大丈夫です。
失礼いたしました。
不明不明ということですね。
はい、ありました。
あなたは目が覚めると病室のベッドにいました。
いえ、正確には手術室でした。
頭痛がひどい。体が思うように動かない。
そこへ一人の男がやって来ます。
気が付いたようだね。君は医者だ。
君は落雷にあって病院に運ばれたんだけど、
大丈夫?覚えているかい?
大丈夫です。
君は落雷にあって病院に運ばれたんだけど、
大丈夫?覚えているかい?
あれ、ここはどこ?
ここはね。
あなたは誰ですか?
ここはね、病院だよ。僕はお医者さん。
わかる?お医者さん。
はい、お医者さんは知っていますが、
どうして僕がこんなところにいるの?
君はね、雷に当たっちゃったんだよ。
雷に?
はい、ではここでアイデアを振っていただきます。
失敗。
危ない、ファンブルするとこだ。
はい、ではですね。
強い光を浴びた記憶があります。しかしそれ以前の記憶はありません。
常識などの社会的に生きるための記憶以外は全て忘れていることに気がつきますが、
あなた自身に関する記憶は一つを除いて抜け落ちているようです。
お医者様?
なんだい?
僕、白い光を見たんだ。
うん。
その後から自分のことが思い出せなくなってるのかな。
眩しい光だった。
それは大変だ。
名前も覚えてないのかい?
名前、思い出せないよ。
12:05
どうしちゃったのかな。僕は病気なのかい?
うん、うーんとね、多分だけど、
強い光と衝撃を浴びてしまったから脳がね、迷ってるんだと思うんだ。
迷子ってこと?
そうだね。
頭が迷子なのかな。
うん、まあそれが近いだと思うよ。
そうだな、これ君の荷物なんだけど、って言って一つ持ち物、リュックなどありましたかね。
はい、リュックに。
渡しますが、名前があるものがあるでしょうか。
名前、名前があるものあるかな。
あるかな、あの、雑巾とかは入ってると思うんですけどね。
そうですね。
はい。
パッドソードのカタキとか、
じゃあ、では、
リュックに名前を書いていたことにしていいですか。
はい、もちろんです。
はい、ちょっと待って、待って。
待って、いつかの通知が消そう。
ああ、確かに。
ピコピコする。
リュックに注意してください。
はい、すいません、失礼しました。
はい。
じゃあ、リュックに名前があるのを医者が見つけます。
これかな、カンドーレ・アサヒカワ君。
アサヒカワ。
うーん、そっちはピンとこないけど、
カンドーレはなんだかしっくりくるような気もするよ。
ああ、そうなんだね。
そうか、じゃあ、カンドーレ君って呼ぶことにするね。
はい、わかりました。
うん。
じゃあ、僕はこれ、お医者さんだからさ、
これから君を検査していこうと思うんだ。
で、今はとても体が調子悪いと思うんだけど、
しばらくすれば動けるようにはなるはずだ。
約束はできないんだけど、記憶もまあ戻ってくるだろう。
数日は様子を見たほうがいいかな。
3日間はここにいてもらうことになると思う。
僕はよく覚えてないから、
15:02
お医者さんの言うことを聞いて、
その通りにするしかないと思うんだ。
だから、うん、よくわかってないけど、
よろしくお願いします。
うん、わかった。
で、ここはね、手術室なんだ。
他に今部屋がなくてね、
物々しいってわかるかな。
うーん、聞いたことないな。
そうか、あんまり落ち着かないかもしれないけど、
申し訳ない。ここで過ごしてもらうことになるよ。
うん、わかりました。
君がさ、自分のことを思い出そうってするのであれば、
僕はちょっとおしゃべりでお手伝いをしようと思うんだけど、いいかな。
うん、それはもちろん。
自分のことを知らないと、これからどうしたらいいのか何もわからないから。
ね、じゃあ、お手伝いお願いできますか。
うん、わかった。
ちょっと難しいお話になっちゃうかもしれないけど、
頑張って説明するから聞いてくれる?
はい。
はい。
君は囚人のジレンマっていうゲーム理論、そうだな、
考え方を確かめるお話を知ってるかな。
ごめんなさい、わからないです。
そうか、じゃあちょっとこれを見てくれるかい。
先生、これは何ですか?
ん?これはね、囚人のジレンマで使う表なんだ。
ん?もしかして字が読めないかい?
うん。
に、
いち、ゼロ?
数字なのかな?
あ、あと、A、Bは読めるよ。
うーん、そうか。
カンドーレっていう名前も日本人ぽくないなって思ってたんだけど、
君はもしかしたら外国の出身なのかもしれないね。
そうなのかもしれない。
じゃあ、まあちょっと話だけ聞いておくれ。
はい。
これは例え話だよ。
カンドーレ君と僕が一緒に悪いことをした。
そして、警察に捕まってしまった。
18:03
僕とカンドーレ君は違う部屋に閉じ込められて、警察の人に話を聞かれている。
君と私は黙っているか、正直にそれをお話しするかを選ぶことができるんだ。
2人ともが正直に話せば、捕まっている、閉じ込められちゃう時間は5年ずつだ。
でも、黙ってたら2年ずつで済む。
ただし、僕が正直に言って、君が黙っていると、君が10年閉じ込められちゃうことになる。
反対に君が正直に言って、僕が黙っていると、僕が10年閉じ込められて、君は話される、自由になることができる。
さあ、どれを選ぶかな?
君は正直に言うか、黙っているかどっちかな?っていうゲームなんだ。
そんなの決まってるんじゃない?
そうかい?じゃあ今から、せーので同時に言ってみようか。
はい、わかりました。
じゃあ、いくよ。せーの。
自白。
正直に言う。
そうだね、正直に言うだ。
君も僕も正直にお話をした。
ということは、君は、僕もだけど、5年間は牢屋に入っていることになる。
いいのかい?5年も入ってて。
それがいいのかどうかはわからないけど、悪いことをしたら正直に言うのは当たり前でしょ?
だって、人を傷つけちゃったんだよね。
まあ、そうかもしれないね。傷ついた人がいるかもしれない。
だったら、ちゃんと謝って、悪いところがあったら反省しなくちゃいけないでしょ?
先生は違うの?
僕も正直に言おうかなって思ったからね。
僕も同じだ。自分がやったことは言わなきゃいけない。
そうだね。それが当たり前だと思うよ。
なるほどね。君はとてもまっすぐ生きてきた子なんだね。
そうなのかな。じゃあ、先生もまっすぐだっていうことだね。
うーん、僕はさ、大人でおじさんだからさ、いろんなことがあって、まっすぐ生きてるとは、もしかしたら言えないかもしれないけどね。
途中、先生は寄り道をしちゃったの?
21:03
うん、そうかもね。
でも、そうやって寄り道しながら、先生はいろんな世界を見てきたんでしょ?僕も広い世界を見てみたいな。
おー、いいね。いろんな世界を見て、その中でも君がそれだけまっすぐに生きていられたらいいよね。
さあ、じゃあ僕はそろそろ他の患者さんを見なければいけない時間になっちゃったから行くけど、ここのナースコールっていうボタンがあるからさ、何かあったり、ちょっとお腹痛いとか、あとトイレ行きたいとかあったら、これで押して呼んでくれる?
はい、わかりました。
うん、じゃあ遠慮なく呼んでくれていいからね。
そう言って、医者は部屋から出て行きました。
あなたは今、手術師のベッドの上にいます。体が重い。ただ、手の届く範囲であれば、気になったものを確かめたり調べたりすることができそうです。この2カ所が調べられます。
はい。
どちらから調べましょうか?
右側の器具の方を、はい、ちょっと見てみたいです。
はい、では全体公開をしてください。
はい。
はい。
はい、読み上げていただけますか。
はい、器具。ベッドのそばにある台の上には器具が並べられている。刃物の類はない。
はい。
ということがわかります。で、そうですね、調べるのにふさわしい技能に成功すると、何か情報が出るかもしれませんが、何かしてみますか。
はい。
そうですね、知らないものばかりが並んでいるので、それが自分が見たことがあるものなのかどうかというのを、記憶の中から探ってみていきたいんですけれども、まずは、そうだな、ちょっと目星を振ってみてもいいですか。
はい、もちろんです。どうぞ。
はい。
お、成功。
はい。ということはですね、器具というよりは工具が置かれていることに気がつきます。
24:05
うんうんうん。
お医者さんが使ってそうじゃない、ドライバーとかがあります。
これは何に使うんだろう。んー、機械を直したりするときに使う道具に見えるけど、先生は機械の修理の先生でもあるのかな。あっちも見てみようと言って、じゃあ左側の。
はい。
左上のハテナの方を見てみたいです。
はい、どうぞ。
はい、全体交換して。
はい、ベッドサイドモニタ。
ベッドのそばには患者の心拍数や血圧などの異常を教えてくれる装置がある。
このような機器が出されているということは非常に危ない状況だったのだろうか。
97と98という数字が画面に表示されている。
その数字が何を意味するかはわからない。
はい、こちらも何か調べることができますが。
はい、アイデア振って何か情報が出てきたら嬉しいかな。
どうぞ。
じゃあ振らせていただきます。
素晴らしいエクストリーム。
エクストリームです。
そうですね、この装置は何かを示しているとは思うんですけど、
自分自身につながっていない今ということがわかります。
ここに書いてあるのは数字97と98。
何を表しているんだろう。何かの点数かな。
それ以上深くは考察しないですね。
そんなことを見ていると、隣の部屋から声が聞こえてきます。
あれ、お父さん誰かいる?
誰だい?
ごめんね、隣の部屋にいるの。
隣にも部屋があるんだね。
隣にも部屋があるんだね。
隣の部屋で私も入院している。
僕も今ベッドで先生に見てもらっていたんだ。
しばらくここで過ごすことになるみたい。君も同じなの?
27:03
そうなんだ。私はもう何年もここにいるの。
だからさ、暇なんだよね。話し相手になってくれない?
何年もいるのかい?
僕も何年もいなくちゃいけないのかい?
うーん、そうだな。
多分大丈夫だと思うよ。お父さんがすぐ治しちゃうから。
お父さん?
お父さん。ここのお医者さん。
僕を見てくれたお医者さんが君のお父さんなのかな?
うん。たぶん白髪のおじさんじゃなかった?
うん。髪の毛は白かったよ。
だよね。たぶんお父さんだと思うよ。
そうか。君のお父さんはお医者様なんだね。立派な方だね。
立派かな。でもね、名医だよ。
名医?
治すのが上手なお医者さん。
ああ、お医者さんとしてとっても素晴らしい先生だってことだね。
うん、そうなの。
あれ、あなたはお名前聞いてもいい?
僕はカンドーレ。君はなんていう名前なんだい?
カンドーレ君。私はね、アキラ。
うん、目黒アキラ。
そうか。僕は自分のことをよく覚えてないんだけど、
持っていたリュックにね、カンドーレ朝日川って書いてあるって先生が言ってたよ。
え、自分のこと覚えてないの?
そうなんだ。
え、君も?
白い光が…え、じゃあ君も白い光、雷に撃たれちゃったの?
あ、うん。私は記憶があるんだけどさ、そこの部屋に入る患者さんはみんな記憶がないっていうの。
そういう人が入る部屋なんだと思う。
そうなんだ。雷ってよく人に当たるのかな?
あー、わかんないけどね。え、名前以外で覚えてることってないの?
名前以外で?そうだな。
あ、一つだけ思い出した。僕にもお父さんがいるよ。
30:05
へー。どんなお父さんかは覚えてる?
うん。お父さんはね、僕との村で畑をやってたんだ。
へー。
そこで小麦を収穫して、その小麦で焼いたパンを食べるととっても美味しいんだ。
へー、そうなんだ。いいな、私も食べたい。
うん。でも、そのぐらいしか今は思い出せないみたい。
あー、そうなんだ。じゃあさ、うちのお父さんがいいお医者さんみたいに、
カンドレ君のお父さんはいい小麦を作る人?農家さん?なんだね。
うん。仕事は農家だけど、お父さんがすごいのはそこだけじゃないよ。
ん?
お父さんは家族みんなのことを思ってくれて、とても頼れるお父さんなんだ。かっこいいんだよ。
へー、いいなー。じゃあさ、もしカンドレ君が治って、私も退院できたらさ、
お父さんに会いに行ってもいい?あとカンドレ君に会いたい。
うん、もちろんだよ。
やったー、約束だよ。
うん、約束する。
そんな話をしていると、強烈な眠気があなたを襲います。まだ体力が戻りきっていないようだ。
泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から、
おやすみ、という声が聞こえた気がする。
おやすみなさい。
二日目の朝、目が覚めた。あなたは相変わらず手術室にいる。
手術室にいる。だが様子がおかしい。視界が白黒になったり、ちらついたりと正常ではない。
一体どうなっているのだと心配していると、医者がやってきた。
入ってもいいかい?
先生?
うん、おはよう。どうした?なんか変かい?
目がおかしいんだ。チカチカする。
えっ、ほんとかい。チカチカするの?
そう。で、色が白と黒しかないんだ。どうしちゃったのかな。何かおかしいよ。
33:04
そうか。そうだね。たぶん、記憶がちょっと戻ってきてるのかな。
脳、頭の中で考える場所があるんだけどさ。君の体を動かしたり、守ったりするところ。
そこがちょっと混乱しているのか、迷っているのかもしれない。
でもね、すぐ治してあげるから大丈夫だよ。
頭の調子が悪くなると、目も調子が悪くなるってこと?
そうだね。目で物を見たり、耳で音を聞いたりするのは脳っていうところが働いているんだ。
そこがちょっと調子悪いのかもしれないね。
先生、あとね、もう一つ、胸がちょっと苦しいんだ。
胸が苦しい?
ちょっとゴホゴホ咳き込みます。
大変だ、大変だ。そうか、そうか。
ちょっと様子を見ようかって、聴診器を取り出してくれたりはしますが。
ゴホゴホ。
でも、そんなに異常はないと言いますね。
大丈夫そうなんだけどな。
そうだね。
寝てれば治るのかな?
そうだね。目に関してはさ、後で検査してみるよ。
今、その道具を、確かめる道具を他の患者さんが使っているから、また後でやってあげるからね。
後で来てくれるんだね。
うん。それは約束するよ。
うん。いい子だね。
もし気持ちが悪くなりそうだったら、目がチカチカするときはさ、目を閉じて横になっててもいいからね。
はい、わかりました。
じゃあ、その状態でもいいからさ、記憶を取り戻すおしゃべりをできるかな?
目をつぶったままで良ければお話できます。
うん。
じゃあ、そのままでいいから、僕とちょっとお話をしようか。
はい。
じゃあ、今日はね、あんまり君が字が得意じゃないってことがわかったからさ、絵を持ってきたんだ。君は…
先生、これは船だね。
船は知ってるんだね。
そうなんだ。これはね、テセウスの船っていうお話だ。
テセウスって人の船ってこと?
そうそう。テセウスっていうね、有名な人が乗ってたんだけどね。
36:10
使いすぎて古くなっちゃったんだ。
故障したところを直したり、床を張り替えたりして。
結果、全部の部分が新しいものになってしまった。
でもその船は同じテセウスの船って言えるかなって話なんだけど。
君はどう思う?
そうだね。
それが違う服っていうのは、おかしな話だと思うんだよ。
そうなんだよ。
でも、その船はテセウスの船って言えるかなって話なんだけど。
君はどう思う?
もちろん同じ船だよ。修理しただけなんでしょ?
そうだよ。
じゃあ、同じ船だよ。だって、洋服とかだって破れたりしたらさ、塗って直すでしょ?
そうなんだ。
じゃあ、君の洋服で例えてみようか。
うん。
例えば、破れた穴があったら、塗って直すよね。
そうだね。
だけど、右の袖が破れて取れてしまった。
だから、新しい布で袖を作って、縫い付けた。
それが左の袖だったり、後ろだったり、お腹だったりして、
全ての服の布地が新しい布地になってしまった。
それは同じ君の服だろうか?
もちろんそうだよ。だって、僕が着ていた服なんでしょ?
うん、そうだよ。
それを順々に直していっただけなんだから。
だって、着ていればこつれば出てくるし、汚れもついたりするし、
その服を直して大事に長く使っていくんだ。
なるほどね。
そうか、洋服をすぐに縫うっていう発想がさ、
今の子にはちょっと珍しいものを大事にする子だね、君は。
そうかい?普通だと思ってたんだけど。
それは同じ君の服なんだね。
そうさ、僕の服だよ。
そうか、じゃあ、君が着てるから君の服ってこと?
僕の服を、例えば、誰かに貸したら、
39:00
そうだな、戻ってくる約束をしてるのであれば、それは僕の服だし、
あげたのであれば、僕の服ではなくなるかもしれない。
そうだな、じゃあもう一個例えばを聞いてもいいかな?
いいよ。
僕の娘が今隣の部屋で寝てるんだけどさ、
君と同じぐらいの子なんだ。
そうなんだ、昨日ね、声かけてくれたんだ。
そうなの?あきらとおしゃべりしてくれたんだ、ありがとね。
女の子でいいんだよね。
そうだよ、僕の娘、女の子だよ。
あきらちゃんがいろいろ話してくれたよ。
そうかい、暇してるからね。
先生はね、名医って言ってた。素晴らしい先生だって。
それは照れちゃうな。
じゃあさ、そのあきらが君の服を借りたとしよう。
うん。
で、あきらが着ているうちに、やっぱりさっきみたいに汚れたり破れたりしてしまって、
部分が変えていって、全ての布地が変わってしまった。
でもこれは君から借りている服なんだけどね。
だとしたら、全部のパーツが変わってしまっても君の服がいい?
僕の服さ。
それはどうして?
だって、僕が貸した服で、あきらちゃんが使い終わったら、僕のところに帰ってくる約束をしているんだから、やっぱりそれは僕の服でしょ?
なるほどね、そうか。持っている人が大事だったね。
うん、そう思う。
なるほど。
だって、その服には僕がさ、仕事で、仕事してたのかな?なんで仕事なんて言葉が出てきたんだろう?
僕が暮らしている時にさ、汗をかいたりするわけでしょ?
うん、そうだね。
その服を着て、その服と一緒にいろんな経験をすると思うんだ。
一緒に遊んだり、仕事したり、そういう時間を過ごして着ているものだから、大切なものだと思うよ。
なるほど。
だから、僕の服なんだ。
42:01
そうか。君の考え方が少し分かってきたよ。
君は自分の体験も自分のものとして大事にしているんだね。
もしかしたら君は仕事をしていた子かもしれない。
何をしていたのかな?
そうだね。なんだろう。それもだんだん思い出していけるといいね。
うん。先生、また手伝ってくれる?
うん、そりゃあもちろんさ。僕は医者だからね。名医だからさ。
そうだった。先生は名医だもんね。
うん。じゃあ、また今日も僕は違う患者さんのところに行かなきゃいけないから、君はそうだね、目がチラチラしてるんだったら、ゆっくり寝ててもいいからね。
今日もあきらちゃんとお話ししても大丈夫?
うん、大丈夫だと思うよ。話しかけたらたぶん暇してるからすぐおしゃべりすると思う。
じゃあ、あとで話しかけてみる。
うん、わかった。また何かあったら呼んでくれよ。
うん。
そう言って、医者は部屋を出て行きました。
あなたは今手術室のベッドの上にいます。相変わらず体は重いです。目はチラチラはしますが、昨日よりも動けそうです。少し歩いて気になったものを調べることはできるでしょう。
近い方から行くと思うので、左側の方に体を起こして、見に行きたいと思います。
はい、どうぞ。
はい。下温装置。ベッドから少し離れた位置に温風で体温を適温に維持するための装置がある。
はい。というものですが、これも同じように調べるのにふさわしい技能を振ることができます。
はい。これは、今温かい風がそこから出てきているんですかね。今現在。
それを調べるための技能ですね。
風が出ているのであれば、気になってそこに手を当ててみようと思うのですが、それで温かいかどうか、手の感覚で分かるかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
45:08
目星か利き耳かですね。
じゃあ、目星を振ってみます。
はい。ハード成功。素晴らしいです。
温風を出すはずなんですが、利きが出ているということに気がつきます。また、利きと一緒に何か別の気体も発しているようですが、それが何なのかは分かりません。
分かりました。そっちはそんなに気にせずに、右側のほうを見に行きます。
はい。
資料。少し歩いた先にある棚には、以下のような患者の名簿と思わしき資料が収められている。
名前は読まなくてもいいです。多分、カンドレ君は数字しか分からないかなと思います。
そうですね。
ですが、それも調べるのにふさわしい議論に成功すると、小丸さんには分かることがあります。
はい。そうだな。
この数字が何なのか。何か振ってみたいやつ。
一回、日本語技能を振ってみてもいいですか。
はい、もちろんです。
読めれば読んでみたいな。
はい。
15。
失敗ですね。
はい。じゃあ、分かりません。
うーん、これは読めないな。難しい字が並んでいる。数字は分かるんだけど、この数字は何か表しているんだろうか。
じゃあ、アイデアを振ってみます。
はい、どうぞ。
こっちがエクストリーム。
そうですね。何か読めない漢字は、名前なんじゃないかなとふと思います。
それから、数字がその人につき2つ並んでいるので、昨日見た97、98っていう数字があったなーっていうのも思い出していいです。
48:15
うん。
はい。
ちょっと質問してもいいですか。
はい、どうぞ。
えーと、この資料の94、93って書いてあるところは名前が書いてないんですけど、これはこの名前が書いてない状態で数字だけが書いてあるっていう資料になっているってことですね。
そういうことです。
ここは何で名前が書いてないのかな。先生、書き忘れちゃったのかな。
そうなんだ。
あとは、昨日見た97、98、あれの数字はこれと関係してたのかな。
でも、この資料には97、98は書いてなくてって言って、モニターを見てみるんですけど、まだその数字は出てるんでしょうか。
そうですね、出てますね。
これも先生、書き忘れちゃったのかな。
次に先生が来た時に聞いてみよう。
はい、そんなことを考えていると隣の部屋から声がかかります。
かんどうれくん。
あ、あきらちゃん。
調子はどう?
それがさ、今日目を覚ましてから目の調子と、あと胸が少し苦しいんだ。
目の調子が悪いの?
そうなんだ。目がチカチカして。あきらちゃんは大丈夫?
うん、私はいつも通り。でも、お隣に来る人でそういう症状は初めて聞いたな。
そうなんだ。先生はそんなに心配ないって言ってたんだけど。
あ、そうなんだね。これまではさ、頭がボーっとするっていう人とか、お話が通じなくてなんかすごい変なことばっかり言う人とか、
そういう人が多かったかな。
そうなんだ。いろんな人がいるんだね。
ね。その部屋に運び込まれた日は平気なんだけど、次の日になるとちょっとおかしくなる人が多くて、
51:01
だからかんどうれくんもそうなっちゃうんじゃないかってちょっと怖かったの。
僕もそうなっちゃってるのかな。目がね、チカチカするんだ。白と黒しか映っていなくて。
へー、そうなんだ。でも、お話はちゃんとできてるでしょ?
うん。さっきもね、先生とお話したんだよ。
あ、そうなんだ。
テセウスの船だって言ってた。
あー、ごめんね。お父さんそういうさ、難しい話大好きで。
うん。なんかね、僕の洋服でたとえてくれたんだけど、洋服がほつれていって、直していって、
全部直して違うものになっちゃったら、それは僕の服なのかい?って聞かれて。
へー、なにそれ。お洋服は破れたら買うもんでしょ?
え?あきらちゃんは洋服すぐに買い直しちゃうの?
あー、うん。たぶん元気だったらそうじゃないのかな。
お金持ちなんだね。
お金持ちなのかな。たぶんそうだったと思う。
僕は洋服は直すものだと思ってたんだけど、違うのかな。
へー、そうなんだ。え、最近ってそうなのかな。
うーん、どうだろう。自分のことをよく覚えてないんだけど。
でもね、僕のものだから大切にしたいって思うんだ。ずっと長く使いたいっていうのかな。
うんうん。へー、いいことだと思う。
でも、新しいの買えるんだったら、それはそれでちょっと羨ましいかな。
うーん、そうだね。私さ、ずっと入院してるから、ずっと同じ病院着?病院の服?ばっかり着てると多分思うんだけど。
うん。でもたぶん新しいの、昔は着てたんじゃないかな。
でも、ものを大事にするってとてもいいことだと思う。
うん。僕もなんとなくそう思うよ。
うん。そっかー。
あきらちゃんは何か大切にしてるものとかあるの?宝物持ってたりする?
54:09
そうだな。もうさ、何年もここにいるからね。宝物多分あったと思うんだけどな。
そっかー。
あ、ちっちゃい頃にね、うさぎのぬいぐるみ大事にしてたの。今はないんだけど。
お部屋に置いてきたのかな?
うん。たぶんね。あのさ、私ね、目が見えないの。あと、事故で体がおかしくなっちゃったからさ、体も動かせなくて。だからそのうさぎちゃんも見ることできないし、触れないからお父さんがいらないでしょって。
そんな。目が見えないからっていらないってことにはならないよね。だって大切にしてきたものなんでしょ?
うん。もしかしたら。
それは君のお父さんが間違ってるよ。
うーん、そっかな。もしかしたらあるのかもしれないけど見えないからわかんないや。
うん、そっか。じゃあ、僕がそっちのお部屋に行って見てあげようか?
え、ほんと?来てくれるの?
うん。
うん。じゃあ、え、でも私目が見えないからかんどうれくん見えないけど。
僕がぬいぐるみあるか見てあげて、それで君に渡してあげるよ。
ほんと?やったー。楽しみにしてるね。
うん。今は目がチカチカしちゃうから、明日先生に聞いてみる。
あ、やった。約束だよ。
うん。約束する。
はい。そんな話をしているとまた強烈な眠気があなたを襲います。
歩けるようになったとはいえ、まだ体力が戻りきっていないようだ。
泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から
おやすみ!という声が聞こえた気がする。
おやすみ。
3日目の朝です。目が覚めたあなたは相変わらず手術室にいます。
視界はクリアーになっています。体の調子も昨日よりずいぶんと良くなっています。
そこにまた医者がやってきました。
57:03
お、どうだい?カンドレ君。今日は調子どう?
先生、色が戻ったよ。
あ、良かった良かった。
昨日ね、君が寝てる間に目の検査をしたんだけどね。
無事に治ってたみたいで良かった。
そうなんだ。ありがとうございます先生。
やっぱり先生は名医なんだね。すごいよ。
本当?良かった良かった。
その場ですぐ確かめられなかったからちょっと不安ではあったんだけど、治ってたら良かったよ。
あ、そうだ先生。
昨日ね、あきらちゃんとお話したんだけど。
うん。
あきらちゃん、目が見えないの?
ああ、そうなんだ。ひどい事故にやっちゃってね。
そうなんだ。大変だったんだね。
それでね、あきらちゃんが大切にしているウサギのぬいぐるみ、先生知らないかな?
ああ、あのピンクのやつかな?
うん。色まで聞かなかったんだけど、宝物だって。
昔ね、あれがないと寝なくてさ。
それ、それってどこにあるの?
うーん、どうしたかな?
あきらちゃんの部屋にあるのかな?
うちにはあると思うんだけど。
うーん、そっか。
僕ね、約束したんだ。
あきらちゃんにそのぬいぐるみ、もう一度渡してあげるって。
ああ、そうかい。じゃあ君が治ったら渡してやってくれるかな?
うん、そうする。
他の調子はどうだい?
うーん、やっぱりね、胸が苦しいのは変わらないかな。ちょっと息苦しい。
あ、そうか。
で、また聴診器を当てるんですけど、変なところはないっていう返事はしますね。
先生、僕、どこか悪いんじゃないの?
いや、そうだな。まあ、もうちょっと元気になったらさ、けほけほするんでしょ?
うん、そうなんだ。
じゃあ、レントゲンっていう胸の中の写真を撮ってみたりして検査することはできるから。
1:00:02
また、退院して、一回退院してから、そういう検査をしたら、
先生がまた見てくれるってこと?
うん、もちろんだよ。
それはすごいや。
じゃあ、今日も記憶を取り戻すお手伝いをしたいんだけど、僕とおしゃべりしてくれる?
もちろんだよ。
うーん、そうだな。ここの部屋に来る人にはいろいろこうやって話を聞いているんだけど、君にはちょっと、うーん、
よくない話かもしれないけど、聞いてみてくれる?
うん。
じゃあさ、これはね、臓器くじっていう話だ。
臓器っていうのは、内臓、心臓とか胃とかのこと。
臓器くじっていうのは、ある人を殺して、
その人の健康な心臓や肺や腎臓などを、そこが病気の人に移して、
治そう、ってすること。
一人を殺して、いろんな部分が悪い人のところに持っていくから、たくさんの人を治すことができる。
それは、いいことか悪いことかって、
もう、なんでだい?
なんで人を殺すんだよ。おかしいよ、そんなの。
それはね、くじに当たった人を殺すんだ。
殺す人をくじで決めるの?
そうだよ。
くじで決めるの?
うん。
それはね、くじに当たった人を殺すんだ。
殺す人をくじで決めるの?
そうだよ。
なんでそんなくじをしなくちゃいけないの?おかしいよ、そんなの。
あー、そうか。
じゃあ、君はこのやり方は良くないって思うんだね。
当たり前だよ、そんなの。
今は臓器移植っていうお医者さんの技術があってね、
事故にあった人や、
例えば、そうだな、
事故で頭だけがダメになっちゃった人を、
でも他の臓器、心臓とかはきれいで健康だから、
他の人、心臓の病気がある人に移して治すっていうのは実際にあることなんだ。
でもこれを事故でやるのはさ、
1:03:01
なるかならないかわからないじゃない?
事故にみんなが会わないかもしれない。
だからそれをくじで決めて、
一人が犠牲にはなってしまうけど、
たくさんの人を治すきっかけになるんじゃないかっていうシステム。
くじで当たっちゃった人はみんな死んじゃうの?
そうだね。事故にあってもくじに当たっちゃったようなもんだけどね。
でもやっぱりおかしいよ。
殺すっていうのがそもそもおかしいよ。
そうか。
事故はだってさ、例えば車とかにぶつかっちゃって、
それは仕方ないことだと思うけど、
くじ引きで当たってその人を殺すなんて、
そんな恐ろしいことあっちゃいけない。
なるほどね。
事故もくじもたまたまなんだけど、
そうやって絶対人が死ぬのが嫌だってことなのかな?
だってその人悪いこと何もしてないんでしょ?
そうだよ。
だったらおかしいよ。そんなこと絶対あっちゃいけないと思う。
そうかそうか。わかった。
君は本当に心の優しい子だね。
うーん。僕はそれが普通だと思う。
うん。それでいいと思うよ。
先生は違う考え方なの?
僕はお医者さんだからさ、
たくさんの人が治るってことはとてもいいことだと思うんだ。
だから、例えばだけど、僕が死んで、
僕の心臓とかをいろんな人にあげるのはいいと思う。
ただ、くじで殺すってなるとさ、
もしかしたら君やあきらが当たっちゃうかもしれないでしょ?
1:06:01
それはちょっと嫌かなっていう気はするんだよね。
うん。じゃあ先生も同じだ。
そうだね。
ごめんね。子供に対してする話じゃなかったな。
今の話は何か思い出す手がかりになるの?
僕には全然わからないんだけど。
ああ、そうだね。
こうやって、例えばだけど、いいことや悪いこととか、
君の考え方っていうのをおしゃべりして思い出していくうちに、
君の記憶が変わるってことは、
君の考え方っていうのをおしゃべりして思い出していくうちに、
君の記憶が少しでも引き出せるかなって思ったんだよ。
君は昨日、仕事の話を思い出しただろ?
うん。何してたかまではわからないけど、
何か仕事をしてた気はする。
今の日本ではね、君ぐらいの子供は働いちゃいけないんだ。
基本的にはね。
え、そうなんだ。
僕は何で働いてたんだろう?
そこまではわからない。
だけど、そういう境遇、そういうところにいたってことがわかったからさ、
そういうところから調べてみてもいいと思うよ。
先生、僕なんだか怖くなってきた。
何が怖いんだい?
だって、僕ぐらいの子は働いてないんでしょ?
そうだね。
何で僕は働いてたの?
どうして僕はそういうところにいたのかなって考えると、
怖くなってきちゃった。
そうだね。
それは日本の話だからさ。
この国の、今僕たちがいる国の話。
だけど、世界には子供が働いている国はたくさんあるんだ。
僕はそういう国から来たのかな?
うん、その可能性が高いね。
僕は父さんのもとに帰りたい。
うん、そうだね。
じゃあ、君のことを思い出して、お父さんを探しに行こう。
1:09:04
先生、手伝ってくれる?
もちろんだよ。
よかった。約束だからね。
うん、わかったわかった。約束だ。
じゃあ、僕は今日も違う患者さんを見に行ってくるからね。
夕方には退院できると思うから、それまでこの部屋にいてくれるかい?
わかりました。
じゃあ、また何かあったら呼んでね。
はい。
そう言って、医者は出て行きました。
あなたは今の調子であれば、あちこち歩いて部屋の中を見回すことができるでしょう。
では、今日はこちらを調べることができます。
はい、じゃあ、開きます。
隣の部屋に続いている扉。今の体の調子なら、あの子に会いに行ける。
会いに行きます。
では、どうしましょうか。
もしもーし。
はーい。
あきらちゃん、かんどうれだよ。
かんどうれくん、おはよう。
おはよう。今ね、先生とお話したんだ。
そうなの?
うん。目の調子もよくなって、胸の調子はまだ悪いんだけど、でもね、先生がいろいろ見てくれるって言ってた。
あ、そうなんだ。よかったよかった。お父さんの手にかかったらすぐ治っちゃうから。
そうなんだね。よかった。
よかった。あ、それでね、先生にうさぎのぬいぐるみについて聞いてみたんだけど、先生もよく覚えてないみたい。
へー。
うん。でもね、僕がここから出れたら、いろいろ探してもいいみたいだから、だから約束は守るからね。
うん。わかった。ありがとう。
うん。僕ね、動けるようになったんだ。
うん。よかった。
あきらちゃんの部屋で行ってみてもいいかな。ぬいぐるみあるかもしれないから。
あ、ほんと?来てくれるの?え、え、でも、どうしよう、あたし、え、たぶん病院着着てると思うんだけど、変な格好してないかな。見えないからわかんないんだけどさ。
1:12:04
うん。僕も病院着だから、同じじゃないかな。
そっか。じゃあ、お揃いならいいや。
じゃあ、そっち行ってもいい?
うん。いいよ。
じゃあ、がちゃりとドアを開けていきたいと思います。
はい。では、がちゃりとドアを開けると、隣の部屋は薄暗い。部屋の中央がぼんやりと光っている。そして、そこにはベッドがあった。
そのベッドに横たわっていたのは、かんどうれさん、あなた自身だ。
もちろんあなたはベッドのそばに立っている。立って横たわる自分を眺めている。では、ベッドで寝ている自分は誰なんだろうか。どうして自分が二人いるのだろうか。
異様な光景に正気度を失います。正気度ロールをお願いします。
成功なので、位置を減らしてください。
あれ?かんどうれくん、もう来たの?
あれ?まだなのかな?
いるよ。
いる?よかったよかった。
これは何?
何って?
何?
キーパーに確認なんですけど、自分の姿は鏡とかで見ているってことでいいですかね。
いいです。
それとそっくりな人がベッドにいる。
すいません、小丸さん。ちょっとプツプツしているので、一回入り直してもらってもいいですか。
はい。どうでしょうか。
はい、直りました。大丈夫です。
はい、ありがとうございます。
自分の顔は今までで確認しています。
はい。そっくりさんがいるってことですよね。
そういうことです。
はい、わかりました。
あきらちゃん?
何?
何かおかしいよ、これ。
え?私そんな変なことになってる?
1:15:00
あ、違うんだ。あきらちゃんじゃなくて、
僕にそっくりな子がベッドに寝てて。
ほう。
これは何?機械?
え?知らない知らない。もしかしてカンドレ君と私ってそっくりなの?
でもちょっと声が遠いな。
え?その体に近づいていこうと、近づいてよく見てみようとするんですけど、近づけますか?
その体っていうのは自分とそっくりの体ですか?
あ、そうですそうです。
はい、近づけます。
はい。
それは触れます?
ちょっと触ります。
はい。
その、何だろう、人間っぽい感触なのか、肌感が。
はい。人間を触っている感触がします。
僕にそっくりな体が。
え?
あきらちゃんは、あれ?どこにいるの?
え?私はね、こっち。
暗くてよく見えないんだけど。
え?ここの部屋暗いの?
そうなんだ。うん。電気ついてないみたいで。
あ、そうなんだ。ごめんね。目が見えないからさ、分かんなくて。えっと、じゃあ、私の声聞こえる?
うん、聞こえてるよ。
そっか、じゃあ、こっちだよ。
そっちの声をする方にゆっくりと進んでいきます。
はい。では、そちらに行くと、こんなものが見えました。
ベッドの脇に置いてある機械から声がする。
電話のような機械が付随したシリンダーだ。
そのシリンダーは緑の液体で満たされていて、中には脳みそが浮かんでいる。
あきらの声は、このシリンダーにくっついた機械から聞こえてきている。
1:18:02
正気ドロールを行います。
40、はい。では、1、失ってください。
はい。
え、見えた?
あきらちゃん?
うん。
と、そこに医者がやってきます。
もうそこまで動けたのか。体を自由に動かすには、まだ調整が必要だと思ったんだけど。
先生、これは一体何なの?何が起きてるの?
この、これはね、あきらの脳みそだ。
あ、ちがう。ごめんなさい。
図鑑で見たこと?
いいです。あきらの脳みそです。失礼しました。
はい。図鑑で見たことはあるよ。
うん。
あきらちゃんはどこにいるの?
あきらはね、事故で体の形がもうなくなってしまったんだよ。
こうやって脳みそだけは保存ができたんだ。
あきらちゃん、この状態で喋ってたってこと?
そうだ。だけど、見えないから声だけは聞こえるようになってる。
この機械でお話ししてたってこと?
うん。
そう。そして君は君の体も見たんだろう。
そうだ先生、これは何?人形?
このベッドにいるのはね、君の体だ。君自身の元の体だ。
今の君の体はね、人形にしてあるんだよ。人形にね、君の脳みそを映し替えたんだ。
僕が人形ってこと?
うん。君にお願いがある。本当に申し訳ないお願いなんだけど。
1:21:13
あきらに君の体をくれないだろうか?
先生、何を言ってるの?体をあげるとかって。
先生、これは僕の体であきらちゃんの体じゃない。
うん、そうなんだ。最初はね、今の君のようにあきらを機械の人形に映し替えようとしたんだよ。
でも人形にうまく接続できなかった。どうも時間が経ちすぎていたらしくてね。
でも君の体なら機械に馴染むんだ。98%でね。
そして君の体はあきらの脳が馴染むんだ。
それもちょっと調整は必要だったけど、97%で馴染むんだよ。
ちょうどいい子が、ちょうどいい人間が他にいなかったんだ。
僕はたくさん探した。だけど君の体なら合うんだよ。
僕はどうなっちゃうの?人形なんでしょ?
ああ、そうだ。だけど脳みそは君だ。考えることができる部分は君自身だ。
そしてね、君の元の体はね、肺っていう息を吸うところが病気なんだよ。
だから君がケホケホしてるって言ってたでしょ?
うん。胸が時々苦しくなるんだ。喉も痛くて。
それはね、君の脳みそがそれを覚えていたんだと思う。
機械の体だから、君は今の君は前の元の体よりも健康だ。肺は病気にはなっていない。
君にはその健康な体をあげる。だから、だからお願いだ。あきらに君の体を譲ってくれないか。
僕は病気だったの?
そうみたいだよ。肺の病気。だからそんなに長くは生きられないかもしれないんだけど。
1:24:07
先生、もし、もしだよ、この僕のケホケホしちゃう体をあきらちゃんにあげたとして
あきらちゃんが今度は胸が苦しくなったままなの?
そうだね。ただ治療はできる。
先生が治してくれるの?
もちろんだ。治す努力はする。ただ君が嫌だって言うのであれば元の体に戻すこともできる。
僕はもちろん自分の体に戻りたいよ。でもそうしたらあきらちゃんはどうなっちゃうの?
またあきらに会う人を探すことになる。
見つかるの?
わからない。
先生、僕はこの人形の体で生きていけるの?
ああ、生きていける。調整はもちろんする。君が長生きできるようにきちんと調整する。約束する。
先生、父さんが言ってたんだ。本当に強い人は人を恨んだりしない。本当に強いのはどんな時にも人に優しくする勇気を持つものだって。
だからね、僕は思うんだ。父さんならきっとこの子を助けるって。だからいいよ。僕の体あきらちゃんにあげる。
1:27:08
君は本当に優しくて勇気のある子なんだね。
その言葉を聞くとあなたの意識は安定します。あなたは気がつくと自分の家に戻っていました。
失われた記憶も戻っている。病院での出来事も覚えている。あれは夢だったのか現実だったのか。
ふと体のある一部分がよく見るとわかることだが他の部分とは違う色になっていることに気がつく。
果たしてその体は本物なのか偽物なのか。それがはっきりするのはもう少し後のことだろう。
ではエンディングです。かんどうれさん、何か考えやシーンを作っていただいても結構です。
あきらちゃんに会いに行こう。以上です。
はい。ではシンクトルフシンはTRPG片城、これにて終了です。お疲れ様でした。
ありがとうございました。
ありがとうございました。泣きそうだった。
そうですね。
もうね、お互い人の親じゃないですか。
そうですね。
はいはい。まあ、親だったら何とかしたいとなりますけどね。
そうですね。親だったら何とかしたいんだけどね、相手が子供なんで。
こんな子にね、押し付けることはできないですよ。
ほんとね、いつも思うんですけど、ほんとこの印象はクソだなって思います。
はい。私の感想は良きとして、小丸さんに感想をいただいて終わりたいと思うんですが、いかがだったでしょうか。
そうですね。病気が治ってしまいました。
また変な病気をもらってるかもしれないですけど。
それはどうなのかなっていうのと、家に帰ったっていうのが、どの家に帰ったのかなと思って。
1:30:06
朝日川さんのお家?日本のお家です。
そっちですよね。だからそこまで嬉しくないかなって。
本当の家じゃないか。
まあまあ、そうですね。
はい、という感じですかね。
どうするんだろう、これから。
どうするんでしょうね。
また仕事したら肺悪くしそうです。先生が見てくれるんでしょうね、きっと。
そうですね。医者には書かれると思います。
はい。先生に会えるんだったら会いに行って、約束したんで、
あきらちゃんとも仲良くしながら、自分の家に帰れる努力をしていきたいと思います。
そうですね。イタリアのお家に帰れるといいですね。
そうですね。
はい。
ありがとうございました。
お疲れ様でした。
お疲れ様でした。小村さん自身は感想は何かありますか?
感想ですか。
いや、すいませんって感じですね。
なんで?
いやいや、子供できてすいませんみたいな。
いやいや、今までもディズムさんのとこにも男の子いましたね。
そうなんですね。
是非、デビデビデビルさんの回を見ていただくと、カンドレ君と真逆な子なので。
そうなんですね。
面白いと思います。
ありがとうございます。
ありがとうございました。
自分が知っている描写とかと一部違うところとかがあるので、楽しみました。
はい。またその辺は後で録画を切ってからお話を聞かせていただきたいと思います。
はい。ありがとうございます。楽しかったです。
はい。では録画を終了いたします。お疲れ様でした。
はい。お疲れ様でした。
01:33:05

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