1. 元政治学者の どこ吹く風
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2024-06-29 22:57

岸田ウォッチング ④ 公家の政謀|2022.7月 「国葬」の政治利用 -きしだが飛んだ日- ¥100

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2024年9月。再び、自民党総裁選で動きが出そうです。

そこで、3年前を知っておくことには少なからず意味があるように思います。

岸田総理の3年間を、過去の音源で振り返るシリーズです。

岸田総裁在任期間|2021年9月29日〜2024年9月末日

コミュニティFM過去音源|2021年10月22日〜2022年9月30日

附録|2023年8月11日

岸田ウォッチング|2024年6月8日~8月14日

 

シリーズ開始!

岸田ウォッチング ①|2021.10月 岸田総裁誕生

岸田ウォッチング ②|2021.11月 負けなかった総選挙

岸田ウォッチング ③|2022.4-6月 下がらぬ支持率、安全運転で何もせず。

岸田ウォッチング ④ 公家の政謀

2022.7月 「国葬」の政治利用 -きしだが飛んだ日-

2022年の7月、参議院選挙中に安倍晋三元総理が銃撃され、岸田総裁がその後の国葬を閣議決定で執り行っています。岸田総裁の決断は非常に早く、その背景にはお公家集団である宏池会の政治的利用の疑いがあります。国葬の政治利用や参議院選挙結果、岸田文雄の支持率低下など、岸田さんの行動原理と政治家としての評価を含めた政治解説が行われています。

目次

安倍晋三元総理の銃撃事件 01:10
国葬の決定とその理由 09:52
国葬の政治利用と参議院選挙結果 15:44
岸田文雄の支持率低下と将来の総裁選挙 18:46

 

このエピソードで取り上げた過去音源です

2022年7月22日オンエアの音源です。

2022年7月
安倍晋三元総理銃撃事件が、参院選期間中に勃発。
政治的テロではなく、統一教会への恨みからの犯行と判明。
岸田総理は、「国葬」を閣議決定。
参院選は自民党が勝利。与党が参議院の議席の3分の2以上となった。
衆議院と合わせて、憲法改正の発議ができる体制が整った。

episode50|2022.07.22 OnAir|60's memories AREA37

元音源からの文字起こし(抜粋)をnote記事にまとめました。

岸田ウォッチング ④ 公家の政謀|2022.7月 「国葬」の政治利用 -きしだが飛んだ日-|note記事

今回の国葬ですよね。国の葬儀ってことです。国家の葬儀を行うと。これは戦後、例が一つあるのでね、吉田茂さんの国葬ということなんですが、これちょっと歴史的な経緯だけ見るとですね、国葬というものが、まあ大昔は知りませんけど、国葬が正式にそういう名称で始まったのは明治とともになんですね。

……とにかく明治という時代とともに日本国家をつくっていった。国家に功績のあった人たちに対しては、天皇の命令によって、勅令によって国葬が行われたということで、これはもう本当に天皇主権と結びついた考え方だということをまず一つ、おさえておく必要があります。

いわゆる天皇制国家というものと結びついた形で国葬というのが最初に定式化されたんだという。これは明治とともに始まった歴史なんだと。実際にそれが大正に入ってからですけど、国葬令っていう正式の法令ができます。これ勅令ですね。天皇の勅令として大正15年に国葬令というのが正式に出されました。

………今残っているのは実は、今法律上残っているのは天皇崩御の大喪の礼これだけが国葬なんです。法的な根拠がある国葬は、天皇崩御の大喪の礼しかないんだっていうことをまず、これもおさえてほしい。戦後はね。

…..第二次大戦後、日本国憲法が制定される中で、そういった法律、天皇中心の考え方の法律というのはみんな失効していくわけですよね。国葬令も失効したということで、国葬はもう法的な根拠がなくなったと。

…….今回は事件も事件なので、やっちゃうという話になっちゃってるわけです。これを踏襲してやるということです。つまり吉田茂の前例があるので、それに倣ってやれば問題ないだろうという話になってるわけですね。閣議決定で9月27日に日本武道館で行うと。たぶんやり方は同じようなやり方になるんでしょう。葬儀委員長は岸田文雄首相と。

今回この国葬についてはいろんな意見はあったんですけど、岸田さんがかなりやる気になったということなので、ここに私はむしろ政治的な意図があるというふうに思ってます

これもはっきり言うと、岸田文雄さんによる国葬の政治的利用の疑いがあると私は思っているわけですよね。それに乗っかる人たちがかなりいるということなんです。

これどういうことかというと、結局、岸田文雄さんと安倍さんっていうのは派閥が違うという話を前にしました。岸田文雄さんがむしろ保守本流という流れ、宏池会って言うんですけどね。保守本流の流れ、いわゆる高度成長路線をずっと作ってきた、財務官僚とかね、その辺中心の、それこそ池田勇人からの流れですよね。

それに対して、むしろそれと違った保守傍流岸信介さんの流れを汲んでるのが安倍さんなんですね。これはいわゆるもう自民党の中の大きな二つの流れ、保守本流と保守傍流で、岸田さんはもともと保守本流だったわけです。

だけど今は、安倍さんが長期政権をやる中で、保守傍流の方が勢いを持って数も多くて、保守本流は非常に存在が小さくなってった。ここで岸田さんは首相になって、安倍派とかを何とか切り崩しながら保守本流の政権に戻したいっていうのが、これ実は安倍さん事件が起きる前から岸田さんはそういう意図で動いてたわけですよね。

それが今回こういうことになって、岸田さんにとっては、喜んでるわけじゃないんです。やっぱり岸田さんは悲しんでるんですけれども、ただ政治的にはいろんなことを考えてるんです、岸田さんはね。

……..実はその保守層、政治的な保守層の支持者、そこを取り込むためには安倍さん、悲劇のヒーローを国葬にすると。岸田が決めたと。岸田やるじゃないかということで、そちらの支持がやっぱり岸田さんに集まる。岸田さんは今、一生懸命、タカ派色というかね、そっちの保守層の支持拡大のことをかなり意識しているだろうというふうに私には見えます。

……..これはただやっぱり国葬の是非っていう問題はありますけれども、やっぱりこれは私はあんまり、国葬というのは戦後の日本には馴染まないと。それはそもそも国葬っていうのは明治の天皇主権の天皇制国家の原理であって、戦後、日本国憲法を原理とする中で象徴天皇制がひかれた中で国葬っていうのは基本あり得ないという。

吉田茂でもう、あれは例外で終わりにすべきであって、しかも岸田さんはそれを政治的に利用しようとしているとすれば、かなり問題だというふうに私は思っているということをはっきり申し上げて、前半最後の曲行きたいと思います。

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前半は安倍晋三氏銃撃事件に関連してのお話をさせていただきました。後半ですけれども、後半は本来この話を今日はする予定だったんですが、参議院選挙ですね、がありました。

ちょうど安倍さんが亡くなった、襲撃された翌々日の日曜日、7月10日に投開票が行われた参議院選挙です。これ以前にもお話したんですが、この参議院選挙が終わるとですね、国政選挙がしばらくないということなんです。

衆議院選挙やったばっかりですので、あと3年間はないということなんですが、しかも結果を見れば、与党が参議院の3分の2以上を占めたという、衆議院も合わせていわゆる憲法改正を発議できる体制になったという状況で、しかも3年間選挙やらなくていいと、国政選挙ね。というところで、果たして自民党は憲法改正ができるのかっていうのが最大のテーマです。

なぜかといえば、自民党を作った理由がそもそも憲法改正と。戦後アメリカによって押し付けられた憲法を変えるんだというふうに言ったのが、自民党立党の精神ですので、これができなければ自民党は存在意義を失う3年間になるというのが、まずこの参議院選挙の結果を受けての私の評価です。

…….参議院選挙の結果を、ざっとお話しさせていただいたんですが、今度はその後、参議院選挙の結果を受けて、政局どうなっていくのかという話を少ししていきたいんですが、これは前の放送でも言いましたし、先ほどもしたんですが、今回の参議院選が終わると、国政選挙がしばらくないぞと。

衆議院選挙は去年の秋にやってますから、これから3年間やらなくていいということで、参議院選挙で間違いなく自民党は勝つだろうから、そうすると3年間フリーハンドを握るということで、岸田政権は長期化するということで、私は前に話したんですが、ここで。そうなるかどうか、またいろんな問題出てきたんですね。

…….それでどうするかっていう話で、最近出てる話が、早めに総選挙やっちゃおうと、この勢いで、という話がどうも出てるらしいんですが、僕はそれは岸田さんにはできないと思ってるので、3年間総選挙はやっぱりないんじゃないですかね。山口四区問題っていうのはどこまで絡んでくるのかな。それこそ解散総選挙するまでの議論にはなっていかないんじゃないかな。そういう決断力は僕はあまり岸田さんにあると思わないので、これはたぶんズルズルと解散は行わない、解散総選挙は行わずに、やっぱり3年間、衆議院選挙はないだろうというふうに私は思っています。

……この3年でもう憲法改正できなければ、やっぱりもう未来永劫できないんじゃないかっていうふうに私は思ってます。

……..総選挙もできない。ずるずると3年後に解散ということで。そうすると逆に野党の方には時間があるんですよね。だからやっぱり3年後に向けてしっかりとやるべきことをやるべきなんだけども、どうも野党の連携云々というよりも、今はもういわゆる自民党・統一協会問題の追及に主力を注いでいる感じで、それはそれでいいんだけど、やっぱり政権を取ることが重要でね。

そこに向けて、じゃあ改憲についてはどうするんだと。やるのかやらないのかって、野党側もはっきりさせなきゃいけないんですよね。そういう議論になかなかなっていかないので、やっぱり3年後もちょっとあまりピリッとしない状況が続くのかなと思ってます。

岸田政権はのらりくらりと3年間続くというふうに思っています。

……..それから憲法問題。そして、安倍会長いなくなった後の穴埋めやら、自民党内対応などを含めると、タカ派の取り込みとかいろんなことを考えると、岸田さんも本気モードに入ってやらなきゃいけないんでしょうが、このあたりはどこまで化けるか

岸田さんの政治家としての力量が問われる3年間になるのかなっていうのが、基本的な私の今後の見方ですね。あんまり危機対応能力があるように見えないので、ちょっとそのへんがどう出てくるのか、注目していきたいなというふうに思ってます。

続編はこちら

岸田ウォッチング ⑤ 公家の政謀|2022.8月 派略の内閣「改造」

LISTEN Books vol.4

岸田ビジョンとはなんだったのか

LISTENブックスボリューム4では、岸田ウォッチングの1から6までの内容をまとめて紹介しています。 岸田ウォッチングは実は2年前にすでに終わっていたと言われています。 最後にやったのが1年前の支持率下落だったと思います。 これはまた別のエピソードで語りたいと思います。(AI summary)

目次

岸田ウォッチングの始まり 00:00
岸田総裁誕生 07:03
岸田政権の評価と内閣改造 09:35
岸田ウォッチングの完結 13:14
今後の岸田ウォッチング 19:44

岸田ビジョンとはなんだったのか|note新書004|LISTEN Books vol.4

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