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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、その時代の最先端技術者を思う、
梅まくらバッグの音名字シリーズというものです。
音名字というと、アベノセイメメって言いたくなるぐらい、このシリーズは有名ですよね。
僕がこのシリーズを知るきっかけとなったのは、他のれいこの漫画でした。
絵の美しさに惹かれて読み始めたらハマってしまい、すぐに全巻揃えたくらいでした。
それから原作の夢まくらバッグの小説を読み始めたのです。
フィギュアスケート・羽生譲さんのセイメイも何度見ても飽きないくらい好きですし、
映画の音名字も大好きです。
夢まくらバッグの音名字の中のセイメイはいつも種について語りますよね。
種というのは呪いとか魔法で使われる文字です。
それがとても哲学的なのが印象的です。
物語は、生命が怪しい術を使ってあやかしを倒していくというイメージですが、
倒すというよりはあやかしにも存在する理由があるし、
それが収まるべきところに収めるという感じがなんだか気持ちを落ち着かせてくれるのです。
あやかしとか、印を結んだり呪文を使って術をかけるみたいなのは、
なんとなく現代科学とは遠いお話の世界という感じがしてしまいますが、
このシリーズを読んでいていつも感じることは、
音名字は当時の最先端の知見を持つ研究者であり技術者だったのだろうということなんですね。
現代のように様々なことが科学の目で解明されていない時代には、
あやかしは現実の存在として認知されていただろうし、
それを払いのける術もきちんとあって、結果もちゃんと出ていたのだと思うのです。
たぶん一般の人たちよりもたくさんの知識を持っていて、
いくらか筋道を立てて考えられる人が音名字だったのではないでしょうか。
現代の僕たちから見ると、あやかしは、
不確実で怪しいことでも、当時の人たちにとっては偉大な技術だったに違いありません。
もっと言うと、現代は生命の時代と比べたら随分たくさんのことがわかっていて、
その知識をたくさんの人が知っているとはいえ、
それは世界全体から見るとほんの一握りでしかなくて、
レベルの差はあれ、生命の術とあまり変わらないことをやっているということも案外あると思うのです。
例えば病気のことは、科学的な手法を使ってもわからないことだらけで、
さらに心を扱うところは、生命の時代からあまり進歩していないとも見ることができるでしょう。
時代の最先端を行くものは、スピリチュアルな世界と見分けがつかないこともあるかもしれません。
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生命の姿勢が良いなと思うのは、人間が進歩できるということを信じていることです。
だからパートナーであるヒロマサに煙たがられながらも、種の話をし続けるのですね。
このシリーズを読んでいると、僕も迷信やスピリチュアルや科学万能にとらわれることなく、
未来の世界を考えていきたいと改めて思うのです。
コンスタントに新刊が出ているし、読んでいないものがまだあるのではないかと、
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。