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2023-02-25 09:01

#476 【史】地籍図について調べてみた/地図も読み物だからな(18)

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「地籍図」ってなんだかわかりますか?

家を買うときにはちゃんと見なきゃいけない地図です。

興味がない人にはまったく面白くないと思うので、スキップしちゃってくださいね。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

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をご覧ください。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「地赤図について調べてみた。」というものです。
土曜日は地図を読んでいます。
あなたが地図と言われてイメージするものはどんなものでしょう?
最近はスマホで表示するGoogleマップみたいなものを思い浮かべる人も多いかもしれませんね。
比較的のんびりした地域に住んでいる方だと、町内会が作ったその地域の建物や住んでいる人の名前まで入っている地図が街角に掲示されているのを見たことがあるかもしれません。
日常的にはそれほど考えないことですが、土地には所住者がいるわけですよね。
今日はそんな地図の話です。
地図には一般図と取材図という分け方があります。
一般図というのは簡単に言うと何でも書いてある地図です。
道路がどう繋がっていて、そこにこんな建物があるとか、地名とかその境界とか、土地の起伏とか、様々なことが記入されています。
何でも書いてあるので、見る人が必要に応じて情報を拾っていく汎用タイプの地図が一般図です。
逆に取材図は使う目的に応じて情報を絞ってある地図です。
これは目的によって様々な種類があるわけですけど、例えばさっき言った町内会が作った住民の家がわかる地図なんかは取材図の一つと言えるでしょう。
この手の地図は形とか距離はあまり正確ではないことが多いですが、道路の繋がりはきちんと描かれていて、ざっと目的の家に行く道順を知ることができますよね。
道順といえば、お店のパンフレットなんかに最寄りの駅からのざっくりした地図が書かれていることがありますが、あれも取材図の一つと言えるでしょう。
そんな風に取材図のことを調べていて、ちょっと興味を持ったのが地籍図でした。
地図の地に戸籍の籍と書く地籍の図ですね。
文字からイメージできると思いますが、ある土地に関する様々な情報を記録したものが地籍です。
土地の場所、所有者、面積などが主な情報ですが、実際にどんな形をしているとか隣接する土地との正確な境界線などは、地籍図という形で図にするわけです。
以前ここで話をしていた札幌歴史地図明治編には、土地割り図というものが出てきます。
メインストリートに沿って土地の持ち主を並べただけの簡単なものですが、まあこれも地籍図の先祖と言えるでしょう。
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写真をいつもの通り書き起こしのノートに載せておきますので、興味がある方はそちらを見てくださいね。
さて、地籍図がどんな時に必要になるかです。
一番考えやすいのは、一個建ての家を買うというケースだと思います。
家を買うって言いますけど、買うのは建物だけではないですよね。
大抵はその家を建てる土地も一緒に買うことになります。
その時、自分の土地が実際にどこからどこまでなのかをちゃんと考えますよね。
そして、それが自分のものであることを何らかの形で証明できるようにする必要もあるわけです。
いつもはそれほど真面目に考えないけれど、売り買いをするとなると慎重に調べることでしょう。
こういうことのベースとなるのが地籍図なのですね。
ということは、どこかに正確な地籍図があるはずです。
そうです。これが法務局にあるわけですね。
さて、ここからが問題です。
先ほど正確な地籍図と言いましたが、法務局にあるのが必ず正確な地籍図かというと、実はそうではないのだそうです。
えっ、それじゃ自分が家を建てるために買った土地が正確にわからないってこと?って思うかもしれませんが、まあそこは大丈夫です。
比較的頻繁に取引が行われる場所は、だいたい正確な地籍図があるはずです。
問題は昔からある土地です。
直接現代につながる地籍の考え方の基礎は、明治時代から整備を進めてきたものです。
でも地籍の考え方自体はそれ以前からあるわけですよね。
そもそもは土地をベースに課税するために作られたのが地籍ですから、古くは大化の改新にまで遡れるわけです。
で、時代に応じて必要な地籍図的なものは作られていたんですが、想像できると思いますけど正確な図ではなかったわけですね。
実用上問題ないレベルで運用されてきたんですが。
明治政府はそれらを引き継いで近代国家として法整備をして土地を正確に記録する必要がありました。
もちろん主目的は課税のためです。
まあでも、明治政府ができたからいきなり近代的な正確な地籍図が作れるかというとそんな訳はありません。
その時代に使用可能な技術を使い、必要なところから近代的な地籍図を作っていたのです。
それから150年ほども経ちますから、今は日本全国である程度正確な地籍図が整備されていますが、それでもまだ半分程度なのだそうです。
土地の売り買いみたいな必要に迫られたところから正確な地籍図を作っているからで、まあそういう取引が発生するのは土地全体のほんの一部ということですよね。
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国から受け継いでいる土地を手放す場合などには、大抵正確に測量し直すということが必要になります。
そのタイミングで正確な地籍図ができるという感じですね。
実際、僕も10代の頃に実家の土地に関してそんなケースを経験したことがあります。
たまたま隣接する土地の持ち主が土地を手放すことになって、その正確な境界を定め直すことになったのです。
境界の悔いがあるところもありましたが、住民が以前から使っている通路などで漠然と区切られていると考えていたところもありました。
大体は隣の家とここら辺という合意がありましたが、正確に図面に残すに越したことはないわけですね。
測量した結果は我が家にも連絡が来て、その時の話が結構面白かったのです。
うちの境界は思っていた通りだったので何ら問題なかったのですが、やはりみんなが通っていた通路のところは曖昧で、通路の両側の所有者が損にならないように境界を決め直したのだそうです。
損にならないというのが面白いですよね。
まあ、所有者は境界は曖昧でも大体自分の土地の面積は知っているんですね。
それをベースに固定資産税を払っていますから。
そもそもが曖昧な形になっているので境界線を引くときに各所有者の土地が減らないように決めていくのです。
まあ減ったら文句言いますよね。
実家の土地も元々の面積よりもちょっとだけ広くなる形で確定しました。
それで税金がどうなったかまでは聞かなかったので知りませんが、まあそんな形で地赤図を整備するのが地赤調査というそうで、
正確な地赤図は都市計画とか災害対策にも必要となるため国土交通省が所管で市町村が主体となって今も地道に進められているのだそうです。
どうでしょう?
遡ると大化の改新。
歴史の積み重ねのような地赤図の世界。
面白そうじゃありませんか?
読書と編集ではITを特別なものではなく常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
ITリテラシーの基礎を学べるオンライン講座をやっています。
詳しい内容については概要欄のリンクから、または読書と編集と検索して猫がトップページに出てくるホームページをご覧ください。
この配信の書き起こしをnoteで連載しています。
概要欄にリンクがありますのでフォローいただけると嬉しいです。
今日もワクワクする日でありますように。千葉直樹でした。ではまた。
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