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2022-05-07 05:08

#188 【本を語る】IT全史(5)電話の前にファクシミリがあった。

ITの歴史を知ることができる良書として、ぼくの場合はよく「IT全史」を挙げます。

ITの世界がどうして今のようになっているのか、その成立過程を知ることができます。

しばらくこの本の中身をかいつまんで、連想することも合わせて話していこうと思います。

今回は、電話がどのようにしてビジネスになっていったのかを考えます。

にゃおの考える現代の基礎的なリテラシーは、ITをきちんと使えることが含まれます。そのためにどのような問題があり、どう解決していったらよいか考えてみるPodcastです。

「IT全史」
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#181 【本を語る】IT全史(4)無線電信とタイタニック号の悲劇。
https://anchor.fm/82661/episodes/IT-e1hpiak

#170 【本を語る】IT全史(3)高価な通信と秘密通信の話。
https://anchor.fm/82661/episodes/IT-e1gte29

#134 【本を語る】IT全史(2)明治のはじめに海底ケーブルが長崎に届いた話。
https://anchor.fm/82661/episodes/IT-e1ff3oc

#129 【本を語る】IT全史(1)ナポレオンが活躍していた頃のデジタル。
https://anchor.fm/82661/episodes/IT-e1f8qt3

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をご覧ください。

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にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回のタイトルは、「IT全史を読む5回目。電話の前にファクシンリがあった。」というものです。
IT全史を読んでいくシリーズの5回目です。
これまでに腕着式通信から海底ケーブルでの電信、電波を使った電信の話をしてきました。
今回は電話の話をしていきます。
その前にファクシンリの話をしましょう。
というのもファクシンリの特許は、MORSでの電信が実用的に稼働する前に取得されているからです。
仕組みは、送信側では木製のプレートの中に金属でできた文字型をはめ込んだものを用意し、
その上を電流の流れる針でスキャンして、回路の反対側の受信側では電解質で変色する紙の上で針を送信側と同じように動かすのです。
すると送信側の金属の文字型の部分だけ電流が流れ、それが受信側に伝わって紙の上に文字のイメージが浮かび上がるという仕組みですね。
この方法、現代のファクシンリでは読み取りが工学式になったり、途中の信号の送り方が変化したりしていますが、原理的にはあまり変わっていません。
これが19世紀の半ばには考えられていただけではなく、フランスでは実用サービスまで登場していたそうです。
電話が登場するにはもう少し時間が必要でした。有名なのはアレキサンダー・グラハム・ベルです。
1876年3月に、「ワトソン君、来てくれないか。余があるんだ。」と電話で伝えたのが始まりと言われています。
当時はまだ遠くに声が伝わるなんてほとんどの人が信じていない時代で、
アメリカ独立100周年記念の博覧会の展示でベルの電話のデモが行われ、シェイクスピアのハムレットのセリフやニュースを電話で送り、
当時のブラジルの皇帝が受信機から声を聞き取って、椅子から飛び上がって聞こえた聞こえたと叫んだという逸話があるそうです。
このようなデモは電信線を使って離れた距離でも行われました。
面白いのはデモではシェイクスピアだけではなく音楽も流されたことです。
現在では電話と放送は別のものと考えられていますが、この当時はまだこれらが混然一体となっていて、
とにかく電気で音が送れるんだというところから電話システムをビジネスにつないでいきました。
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電気を使うのは電信と同じですから、電信の設備を電話に転用することは可能なのですが、
当時のアメリカでの電信王帝は電話をあまり信じていなかったらしく、
ベルが売り込んだ特許を買わずに、後年ベルが起こした電話会社に買収されてしまうということも起きたそうです。
この話、かなり興味深いと思うのです。
コンピューターの技術が進歩した現代でも、実は電信的な技術に囚われているのではないかということです。
現代のコンピューターのユーザーインターフェースが人間にとって自然なものかというとそんなことはなく、
人が人と話す当時の電話のような、より自然なインターフェースがより大きなビジネスにつながる可能性があって、
今はその過渡期にあるのかもしれません。
僕は既存の技術に囚われているかもしれないなぁ、と改めて思いました。
さて、ここまでの話は、電線を使った電話のお話でした。
もちろん、この後には無線でも電話というものが生まれてきます。
19世紀とか20世紀の話をしているのですが、
よく考えると、我々が無線通信を普通にすることは、
よく考えると、我々が無線通信を普通に使うようになったのはごく最近のことです。
次回は初期の無線電話の話をしようと思います。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。
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