ITリテラシーと紙のワークフロー
にゃおのリテラシーを考えるラジオ、読書と編集の千葉直樹です。
このチャンネルでは、読書とIT時代の読み書きソロ版を中心に、様々な話をしています。
今回お話しするのは、書類の更新履歴の自動記録で変わること、というものです。
水曜日は、ITを中心とした技術的な話をしています。
僕は様々な場面で、ITリテラシーについて語ることがあります。
その時にいつも念頭において、聞いてもらう方の意識の中にすり込もうとしていることは、
紙からいかに脱却するかを考えられるようにすることです。
紙を使わないという取り組みは、早いところでは20年以上前からやっているのではないかと思います。
紙からの脱却が進んでいるところの共通認識は、紙を使うと効率が悪すぎるということだと思います。
紙を使わないのが普通で、むしろ紙を効果的に使う方法を考える、みたいな一周回ったところにいるケースもあるはずです。
ITを使うというのはそういうことです。
でも、未だに紙で仕事をしているという職場はたくさんあります。
そういう職場では、IT機器を投入することで、むしろ紙を消費する量が増えていたりします。
プリントが簡単にできてしまうからですね。
たった一文字間違えたからといって印刷し直すなんてことがよく行われています。
そういう場面を見るたびに、あんたんたる気持ちになります。
極論かもしれませんが、要するに見た目さえ良ければいいという考え方のように思うのです。
見た目が整った書類は、その書類の背景が意図的に隠蔽されてしまいます。
誰が関係し、誰がどう考え、誰と誰の間でどういう議論が行われ、どういう結論に至って、それを誰が決定としたのか。
一枚の書類にはそういう仮定があるはずですが、それはどこにも残りません。
せいぜい半個がいくつかあるだけです。
作成者やチェック者、承認者の半個があるというのは、少しでも仮定を残そうという先人の知恵ではあるのですが、
それだけだとこの人が見たんだから大丈夫だろうという独人的な記録しか残っていないわけで、
それが言ったとか言わないとかの問題につながることもあるし、問題が起きたときにあやふやな記憶を頼りに分析することにつながります。
世の中の様々なことはこういうやり方でも回っているわけで、
別にそれでいいじゃんという考え方もあるとは思いますが、
それはそれしかできないという思い込みから来るものでもあります。
紙を使うと書類の修正過程を詳細に残すコストがむちゃくちゃ高いのです。
だから今はやっていないのですが、
自動記録の重要性とIDの利用
実はそれを書くレミノに書類をごまかすということは平気でというか、悪気なくやってしまう人もたくさんいるわけです。
最終的に整った文書だけがあればいいのですから、ごまかしはやり放題ということになりますよね。
何が言いたいかというと、ITを使うと修正過程を自動的に残すこともできるということなんです。
マイクロソフトのWordやExcelを日常的に使って仕事をしている方は割といると思いますが、
これらのアプリケーションの利益機能を意識している人はあまりいないのではないでしょうか。
この機能は結構前のバージョンからあるのですが、
だいたいみんな作った文章をプリントしたら満足してしまうので意識すらしていないのです。
しかも今は修正内容とともに修正を行った人を記録することもできます。
もっと進んで、必要な箇所にコメントをつけて、文書の上で修正の議論をすることもできるのです。
これらは作成過程の記録として文書に蓄積されることになるわけですね。
似たことは紙の文書にメモを書いていくということで行うことができますが、
そういうメモのついた文書を残しておくということはあまり行われませんよね。
紙の場合はそういう記録が別の紙になってしまうので、必要なときに参照するのが大変にもなってしまいます。
まあだから、これは紙ではなくて、IT化された状態で必要になる機能なわけです。
簡単に言うと、紙にはできない機能ということになりますよね。
紙のワークフローだと、チェック者とか承認者は口頭で問題点を指摘して作成者に直しておいてということが多いですが、
これは大抵記録に残りません。
履歴機能をきちんと使えば残すことができるのです。
ただ、組織の上の方の人はこういうことをやりたがらないのですよね。
忙しいということもあると思いますが、大抵はITリテラシーがないことが多いのです。
そういう偉い人に限ってBXだとか言うことが多くて、滑稽だなと思ったりすることもよくあります。
まあそれでも今まではそうやってのらりくらりとやってこれたのですが、そろそろそうも言ってやれない時期になってきました。
誰もが少しずつ感じていることだと思いますが、人手不足が急激に進行しているからです。
自分が承認する書類の修正を人に任せるような贅沢なことはできなくなりつつあります。
それを打開する方法はITを使うことですが、紙のワークフローにこだわっているとその方法を見つけることが困難になります。
文書を作成する過程を見えるようにして、何が無駄なのかを分析できるようにしなければなりません。
マニュアル化をはじめとした業務の文書化が必要なのは、こういう分析をできるようにするためなのです。
文書作成を通じて業務遂行の過程を見える化するのです。
そのために履歴機能を使うことができるはずなのです。
ただ、これをきちんと理解するためにやらなければならないことがあります。
それは、IT機器を使うときには、自分個人のIDを使うということです。
大手の企業では当たり前になっているかもしれませんが、中小の組織ではまだまだ定着していないのがIDの仕様です。
業務に個人用のパソコンを用意することに二の足を踏んでいるとしたら、IDの重要性をきちんと理解していない可能性が高いです。
さて、みなさんはどんなふうに感じていますか?
ぜひ、ITリテラシーについて考えてみてください。
今回は、書類の更新履歴の自動記録で変わること、という話をしました。
今日はここまで。
読書と編集では、ITを特別なものではなく、常識的なリテラシーとして広める活動をしています。
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今日もワクワクする日でありますように。
千葉直樹でした。ではまた。