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こんにちは。横浜で15年以上、犬の保育園の先生を行っている、なおちゃん先生と申します。
こちらの番組では、たくさんのワンちゃんや飼い主さんと関わってきた私が、
日本の犬と飼い主さんのQOLをあげるおテーマに、犬のあれこれについて、私個人の見解からお話ししています。
時には子育てネタや、留学時代や旅行の思い出などのお話もお届けいたします。
さて今回は、ご質問のレターをいただきましたので、そちらへ回答をさせていただきます。
ご質問主様は、3歳になるプードルの女の子さんと2人暮らしの方です。
活発で元気なワンちゃんは、お散歩に行く時に飛びつきと噛みつきがあり、シャツに穴が開いてしまうほどということです。
また、長時間のお留守番から飼い主さんから帰宅された後は喜び方も激しく、落ち着かせようとしてしゃがむんですけど、
顔に飛びついてきて舐めたり、パンチ、ひっかき、しっぽをちぎれんばかりに振ってぐるぐる回って、
鼻に甘噛みをしたり、という大変な暴れようということでした。
この大歓迎、少しでも落ち着かせるべく飼い主さんは静かに部屋に入っていくということなのですが、
シャツに穴が開いたり、大興奮がなかなか収まらなかったり、どのようにしたらよいでしょう、というご質問でした。
ご質問ありがとうございます。
飼い主さんの様子とワンちゃんの様子が手に取るようにわかりますね。
ワンちゃんは長いお留守番の後や大好きなお散歩へ行けることがわかって、とにかく大興奮。
もともと活発で元気なワンちゃんということで、飼い主さんはこの興奮をどう収めたらよいのか、と本にくれているということでした。
ワンちゃんは喜んでいて喜びのあまり、興奮からくる飛びつき、噛みつきということですので、
見ている分には微笑ましい図に映りますが、大事なことは飼い主さんがどれだけ本気度を持ってワンちゃんのこの興奮を収めたいかということなんですね。
このケースは子犬ちゃんにはよくあるパターンなんですが、子犬ちゃんの時に学習したパターンをそのまま3歳になる今に至るまで継続しているということが、この問題の引き金になっています。
子犬の時に学習したパターンというと、逆に子犬の時に何も押し付けをしなかったからこうなってしまったのではとおっしゃる方がいらっしゃると思います。
これはワンちゃん側から見ること、見ると学習したパターンがあるんですね。
それは興奮状態で飼い主さんをお迎えすること、興奮状態でお散歩に行くこと、この2つを子犬の頃からこのワンちゃんは学習をしているパターンになっているということなんですね。
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逆を返せば落ち着く、こういった状態で飼い主さんが帰ってきた時に落ち着くとか、お散歩に行く前に落ち着くということを学ぶ機会が少なかったということです。
そのためワンちゃん主体の学習パターンが形成されてしまっているんですね。
これは落ち着くまで待つという飼い主さんの姿勢がもしかしたらあったかもしれません。
落ち着いたらお散歩に行こうとか、落ち着いたら帰ってきて、落ち着いたらかまってあげようとか、そういった姿勢がここに至っているのかもしれないなと私は思いますが、
こちらはまだ聞いていないので、どういう形で3歳になる今までお散歩やご帰宅時にワンちゃんに対処されていたのかということをまだ私は聞いていないので、はっきりはしないんですが、
もしかしたら多くの場合こういったことがあるんですが、落ち着くまで待つという姿勢は飼い主さんがどうしても我慢ができない場合があるんですね。
特に疲れてお仕事から帰宅された時にワンちゃんが大興奮する時に落ち着くまで待とうという心の余裕を持てる方って非常に少ないと思います。
お腹も空いてるし、お着替えもしたいし、洗濯物も取り入れたいし、お風呂も沸かしたいし、そういった形でついついワンちゃんが落ち着いていない状態のまま、
飼い主さんはあれやこれやパタパタしながら、ああちょっと待っててね、ああちょっと待っててねっていう形ですね。
そうするとワンちゃん自身が帰って、飼い主さんが帰っていらして、ただでさえ嬉しいのに、飼い主さんがあっちにうろろ、こっちにうろろ、こっちにパタパタ、あっちにパタパタっていう姿を見て、
それに対してまた興奮が煽られてしまうということがね、往々にしてあります。
多くの場合ね、落ち着くまで待つということは非常に時間がかかりますし、忍耐力がいるんですね。
興奮しやすい子や子犬ちゃんならなおさらじっと待つということを、飼い主さん自身が我慢ができずに、手を出したり声をかけたり、ワンちゃんにとって興奮を煽るような行為を、これポイントなんですけれども、知らず知らずのうちに行ってしまっている場合があります。
こちらの飼い主さんのレターから読み取れる一言としては、落ち着かせようとしてしゃがむと顔に飛びついてくるという一文があったんですが、
これは飼い主さんの思惑に反してしゃがむという行為で、ワンちゃんは興奮をさらにしてしまっているような感じを受けました。
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犬が興奮する要素は2つあります。
1つは音、1つは動きです。
これは対象となるもの、ここで言えば飼い主さんだったり、そういったものの音や動き、かつ犬自身の音、動きにも共通します。
お話のケースでは、飼い主さんはワンちゃんを落ち着かせるために静かに部屋に入り、静かにしゃがんでいらっしゃいます。
つまり、飼い主さんご自身は音や動きを意識して、これを制限されてワンちゃんを落ち着かせようとしていらっしゃるんですが、
ワンちゃんは、というと、くるくる回る、飛びつく、甘噛みをする、パンチをする、ペロペロ舐めると、まあ、せわしなく動いていますよね。
ですので、このワンちゃん自身の音、動きを制限することが、まずは得策ではないかと思います。
そのための方法はいくつかあります。抱き上げるや体を触るということは、あまり得策とは言えません。
ここで1つおすすめしたい方法は、キャリーハウスを使う方法になります。
キャリーハウスというのは、犬や猫を入れて持ち運びができるプラスチック製の入れ物で、入口に扉がついているものです。
もしこれがなければ、適度な大きさのダンボールなどでもいいんですが、とにかく体のサイズに合った空間に自分から入るということを、普段からたくさん練習をしておいてください。
指示の言葉は、ハウス、でもおうち、でも入って、でもなんでもいいでしょう。
キャリーバッグとかでもいいですよ。
このハウス、決められたちょっと小さな空間に入るということで、飛びつく、ジャンプをして服に噛みつく、くるくる回る、パンチをするという興奮を煽る行動を制限することができます。
ワンちゃん自身は、一度興奮状態に陥ると、特に若い子、小犬ちゃんは、自分から冷静な状態に戻るということになります。
キャンキャン吠えていたり、ジャンプや激しく動いているときはなおさら、冷静に戻すためには、体の動きを制限するということが有効です。
犬自身は四足を地面につけている生き物ですから、その四足が地面についていない状態は、実は常にはあらず、要するに異常なんですね。
四足が地面についている方が、冷静になりやすいんです。
囲われた小さな空間に入ることで、四つの足が床につきますから、体の動きは制限され、落ち着きやすくなります。
お散歩に行く前に興奮して飛びつくような子は、お散歩の用意、例えばリードや首輪を持つ、お散歩バッグを持つ、上着を着る、マスクをつける、鍵を持つ、電気を消す、テレビを消すなどの動作より前にハウスに入ってもらうという練習をします。
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ハウスに入ってもらい、扉を閉めた状態でお散歩に出かける用意をします。
あとは、あんちゃんに首輪やハーネス、リードをつけて鍵を閉めればOKというところまで来たら、ハウスごと玄関に持って行き、ハウスの扉を少しだけ開けます。
あんちゃんの頭が少し出たところで、首輪やリード、ハーネスをつけて外に出ます。
ハーネスや首輪にあらかじめリードをつけておくと、手間が省けますね。
もし、大興奮するようなら、また一度ハウスの扉を閉めます。
もし、ハウス、キャリー、ハウスはなくて、サークルがあるよという場合には、サークルでもいいかなと思います。
興奮が収まったら、静かに褒めて、静かに扉を開けます。
この時、わんちゃんが勢いよく飛び出して来ようとしたら、静かに、ノーと言って、もう一度扉を閉めます。
繰り返し、扉が少し開いても、無理やり中からわんちゃんが出て来ようとしなくなったら、
OK、どうぞと言って扉を開けてあげます。
開けた途端に飛びついてくるようであれば、静かにリードを足元で踏んでください。
リードが踏まれているので、物理的にジャンプはできないはずです。
この時、注意したいのは、リードを踏む位置なんですけれども、
あくまでも、わんちゃんの体勢、頭や体がフラットな状態ですね。
引っ張られていない状態ぐらいの長さでリードを踏んであげてください。
かつ、飛びつけないぐらいの長さになります。
静かに落ち着くことができたら、声だけで、よくできたね、じゃあ行こうかと言って、玄関のドアを開けます。
これを習慣化するためには、一日に何度も何度も、
ハウスと言って、ハウスに入るという練習をすることが大前提です。
ハウスの言葉で、キャリーに入ることが定着することが重要です。
お散歩の用意イコール、興奮の引き金に今はなっていませんか?
そのようになっているようであれば、ハウスに入るという動作を先に入れてください。
ハウスに入る、お散歩に行けるという別の条件を教えてあげるわけなんですね。
それが定着するように何度も行います。
実際にお散歩にはいかなくても、ハウスに入る、散歩の支度をする、玄関のドアを開けるという行為だけは
一日に何度かお家の中で行うといいでしょう。
以上が散歩の前の興奮を抑え、落ち着かせる方法の一つのご提案になります。
よろしければ、ぜひやってみてくださいね。
次回は、お留守番の後の帰宅時の天髪、飛びつき、興奮を落ち着かせるためには、
についてお話をしようと思います。
最後まで聞いていただきありがとうございました。