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2022-08-11 16:21

身体化された認知と運動感覚的言語学習

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本日の音声配信 #むらスペ は空書きなどで応用されている運動感覚的言語学習についてごく簡単にご紹介しました。

--- Send in a voice message: https://podcasters.spotify.com/pod/show/murasupe/message
00:00
今日、お話ししたいのは、身体化された認知と運動感覚的言語学習ということですね。
これを話そうと思ったのは、このツイッターのスペースで、僕も今スペースで話してますけど、
最近、第二言語習得学会だったかな、日本第二言語習得学会でしたかね、そこが定期的にスペースをやってるんですよ。
それで、もちろん日本語教師の方も結構ライブで聞いてたりします。
僕も、確か1週間くらい前でしたかね、1週間くらい前に、今回は日本語教育とSLA、第二言語習得ということでね、
なんか面白そうだなと思って、前半の方ちょっと参加してました。
後半はちょっと聞けなかったんですね。ちょっと僕ライブで別の用事があったんで。
僕がちょっと聞くのをやめてしまった後で、空書きっていう日本語の漢字とかの学習方法について話題に出ていたらしいですね。
皆さんのツイートによると、結構ポジティブな感じで出てきてたんじゃないかなと僕は想像しています。
はい、でもその部分でまだ録音聞いてないんですみません。ちょっと違ってたらすみません。
空書きっていうのは何かっていうと、漢字を書くときにですね、
ノートに書くんではなくて、手を上げて空中にその漢字を筆順ごとに書くっていうね、そういう練習のことを空書きって言いますね。
なんかね、音読みで空書っていうふうに言うこともあるらしいです。
で、これがですね、実は今日お話しする、この身体化された認知っていうのの一つの例だと思うんですよね。
それでちょっとね、僕が今皆さんに、それ実際の例を確認してみたいんですけどね。
今ね、ちょっと一つ聞いてみますよ。
皆さんのお名前ね、多分、日本人と漢字研の人が多いみたいに見えるんですけど、今いらっしゃる方ね。
お名前を漢字で書くときに、自分の名前の漢字、画数ね、つまり線が何本あるかっていうその画数ですけど、
それ何本ありますかね、皆さん。
20本以上の人が多いんじゃないかなと思うけど、人によってはもちろん画数少ない人もいると思いますね。
で、今ね、僕が画数何本ですかって聞いたときに、自分の名前の画数を数えますよね。
そのときに、指を動かした人、何人くらいいますかね。
ちょっと実際に今、自分の名前の漢字の画数を確認するために指を動かしてしまったっていう人いたら、
ハートマークでリアクションしていただけますか。
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指を動かさなかったよって人は、じゃあ涙のマークでリアクションをお願いしたいと思います。
やっぱりハートのマークの人多いですよね。
今のところ涙のマークの方はいらっしゃらないように見えます。
やっぱりハートのマーク多いですよね。
皆さんハートのマークありがとうございます。
これがまさに身体化された認知っていうものなわけですよね。
つまり、漢字の画数ってのはただの情報じゃないですか。
ただの情報だから、別に体を動かさなくたっていいのに、
だけどそれを体を動かさないと、情報を取り出すことができない。
取り出すことができないとは言いませんけど、取り出しやすい。
それが身体化された認知というわけですね。
僕、前もTwitterでも聞いてみたことがあるんですけど、同じ質問ね。
その時は指を動かす漢字の画数を数えるときに、
指を動かすっていう人が87.9%、脳内だけで指を動かすっていう人が8.4%、
脳内でも指を動かさないっていう人は3.7%でした。
190人の人が投票してくれたんですけど、
要するにほとんどの日本人に限らず、中国の方もいらっしゃいますけど、
漢字研の方は、自分の名前の漢字の画数を思い出すときに指を動かす。
ほとんどの人は指を動かすと言っていいと思います。
同じような身体化された認知の例としては、ソロバンもありますよね。
これもTwitterで前に書いているときに他の人、
確かエジプトに住んでいらっしゃるヤスミさんに教えてもらったと思うんですけど、
ソロバンがまさに身体化された認知の一つの例みたいですよね。
僕はソロバンやっていないのでよくわからないんですけど、
でもソロバンをやっていた人に暗算してもらうときに、
やっぱり指が動いちゃうんですよね。
指を動かさないと暗算がしにくいというふうに言っています。
なので、これも本当に典型的な身体化された認知の一つじゃないかと思います。
僕がこの身体化された認知ということについて知ったのは結構最近ですね。
2018年に出た本で、日本では日本語版が翻訳された本なんですけど、
日本語版が出たのが2018年の本で、そのタイトルが
VRは脳をどう変えるか?仮想現実の心理学
こういう本があります。
ジェレミー・ベイレンソンという人ですね。
VRの中では結構大御所という感じの人なんですけど、
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特にこの本の第9章は教育に関する内容なので、
ぜひ皆さんにもお勧めしたいと思います。
ハードウェアに関しては、もう本当に2018年の本なので、
ハードウェアに関しては少し新しいものは入っていない、
ちょっと古いという感じはありますけど、
実際の心理学の研究とかそういうことがたくさん書いてあって、
それはそんなに急に古くなるということでもないので、
今でも勉強になることがたくさんあるんじゃないかと思います。
この本から少し、
この新体化された認知のことを引用してみたいと思います。
ちょっと長いんですけどお聞きください。
さらにもう一つ、VRが学習に極めて向いている理由がある。
それは、身体の動きを伴うという点だ。
VRシミュレーションを行っているとき、
人は現実世界で実際にそれを行っているときと同じように身体を動かす。
コンピューターとVRの違いはここにある。
コンピューターを使うときは、マウスとキーボードしか動かさないが、
VRを使うと自然に体全体が動くのだ。
このため、心理学者の言う
身体化された認知を活用できる。
身体化された認知とは次のような考え方だ。
認知を行う知性はもちろん脳にあるのだが、
実は身体の別の器官も認知に影響を与えている。
筋肉の動きやその他の感覚も
自分の周囲の世界を理解するのに
ひと役勝っているのだ。
実際我々が何かを考えるとき、
脳の中でも身体の動きを司る部分が活発になっている。
はい、ちょっと長かったですけど
以上、ここまで引用でしたね。
こういうふうにこれを見たのが僕がですね
最初にこの身体化された認知というのを知ったときの本ですね。
これが、この身体化された認知というのを
実際に言語習得の分野に応用しようとしているのは
この運動感覚的言語学習というものですね。
これに関してはですね、MITね
マサチューセッツ工科大学で日本語を教えていらっしゃる
相川貴子さんがですね、論文を書いていらっしゃいます。
これのタイトルが
Words in Motion
Wordsは言葉ですね。
Kinesthetic Language Learning in Virtual Reality
直訳してみると
ごめんなさい、ちょっと咳がまだ出ていますね。
タイトルを直訳してみると
動きの中の言語、仮想現実の中の運動感覚的言語学習
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という意味になりますね。
これが実際に相川さんの論文
ちょっと学会の会議にならないと本文は読めないんですけど
用紙だけは読めるんですよ。
その用紙を読んでみるとですね
57人が参加した実験を相川さんが実施されたと。
実はですね、短期記憶では文字ですね
体を動かさないで文字を中心にした学習よりも成績悪かったというんですね。
かつ運動感覚的ではない
仮想現実の体験とも同じぐらいの成績だったということらしいんですよ。
短期記憶ですからやった直後の成績ですね。
だけど1週間後のテストでは
他の被験者よりも優位に高い保持率を示したということですね。
つまり頭の中に残すだけ
短い期間頭の中に残すだけだったら
文字を中心にした学習の方がいいんですけど
1週間以上長期間保持するんだったら
こういう運動感覚的言語学習ですね。
認知を身体化する必要があるということですよね。
体を使って覚えるとまさに身につくと
そういう感じになるんじゃないかと思います。
ここからは本当に僕の個人的な感覚なんですけど
たぶん体がその場にあるだけでもだいぶ違うと思うんですよ。
僕は今ヒンディー語をちょっと勉強してますけど
やっぱり日本にいてヒンディー語を勉強しているときと
インドに来て実際に
ヒンディー語が使われている現場で
ヒンディー語を話す
その場に自分の体を置くということは
本当にすごい違いがある
というのはすごくよくわかりましたね。
インドに来て初めてレストランで注文したときの
感覚というのは
実際のレストランの中に自分がいて
周りも360度は全部当たり前ですけど
レストランの景色が見えるわけですよ。
そこに立っているときの足の感覚とか
椅子に座ったときのお尻の感覚とか
食べたときの味とか
食べたときの味は運動感覚じゃないですよね。
運動感覚だから運動感覚じゃないですけど
これが少なくとも運動感覚的言語学習とは言いませんけど
でも身体化された認知という意味では
12:01
本当に体がそこにあるだけでも
僕はずいぶん違うんじゃないかなと思います。
あともう一つは
語学学習で演劇を使いますよね
使いますよねってこれみんなじゃないですけど
そういう一つの手法があります。
演劇を使って語学を学習するという
日本の英語学習とかでもずいぶんやってますね。
僕が中学生とか高校生の頃は
奈良橋陽子さんという人がずいぶん
そういうのをやってましたね。
ミュージカルを日本人の英語学習者が
英語でミュージカルをやったりとかね。
僕も見に行ったりしました。
僕が見に行ったのは
アニーですね。
トゥモローっていうやつね。
ああいうのとかを全部英語でやるんですけど
それも演劇っていうのもやっぱり
その人になりきるっていうのももちろんあるんだけど
でも実際にその体を動かす
舞台の上で相手と対面して
その場にいてその場っていうのも舞台ですけど
実際に体を動かすっていうね
そういう意味もこれもそれもですね
運動感覚的言語学習に
すごく強い関連があるんじゃないかなと思っていますね。
あともう一つとっても大事
演劇よりももっと大事なことは
TPRですね。
TPRっていうのは
トータルフィジカルレスポンスですね。
これはですね
何か言語で指示されたことを
体でそれに従うってことですね。
これはですね
第二言語習得の意味でも非常にいいんですよ。
何でかっていうと
言語をアウトプットする方に
関心を消費しないで済むわけですね。
だからたくさんインプットをする
インプットを受けることができるっていう意味ですね。
そういう意味でTPRって
今第二言語習得の研究が進んでいる中で
また注目されていますけど
でもそれだけではなくて
これを言語ではなくて
体でアウトプットするっていうところが
これまさにこの運動感覚的言語学習の
一つの例と考えていいと思います。
立ってくださいって言われたら立つわけですよね。
座ってくださいって言われたら座ったりとかするし
それが言われたことと
体の動きがまさに連動しているので
それが記憶に残りやすい
言語習得にいいというね
そういうことになるんじゃないかと思っています。
今日申し上げたようなことは
実はですね
僕がVRの本を書いているときに
いろいろ調べているときに出てきたんですね。
そのときのこの論文の紹介とかは
僕の本に全部書いてありますので
よろしければご覧いただければと思います。
異世界転送の用意はいいか?語学教師のためのVR入門
こういう本ですね。
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82ページの短い本なんですけど
値段も250円というかなり安いので
よろしければご覧いただければと思います。
それではですね
もうすみません。僕もう仕事を始める時間になりましたので
本日のムラスペはここまでとさせていただきたいと思います。
リスナーの皆さんもですね
もしですね
運動感覚的言語学習
これを自分の授業とかですね
自分の実践の中に取り入れてみたいという風に思う方も
いらっしゃるかもしれません。
ちょっと興味を持ってみたという方は
ハートマークでリアクションいただけますでしょうか。
それではですね
本日もムラスペにご参加くださいまして
ありがとうございました。
今日のですね
この身体化された認知と言語学習
運動感覚的言語学習
皆さんハートありがとうございます。
ハートマーク開発でございます。
身体化された認知と
運動感覚的言語学習についてですね
コメントとかご感想、質問とかありましたら
このムラスペのハッシュタグ付きで
ご共有いただければと思います。
それではですね
本日も良い一日をお過ごしください。
そして冒険は続きます。
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