その時のファンとの関係で完全に一つになってるんだよね。
俺は初心者だからわかんないけど、このファンが全部メンバーと一体化してるっていうのはすごいことだなと思って。
ファンは何か理解してる。その理解した瞬間にここまで一つになれるんだ。
っていうことはヤバいな。この2つは別なんだけど、それをつなげるとヤバいっていうのが僕のその頃の解釈で。
だからすげえエネルギーですげえヤバい。すげえピュアですげえ可能性あるみたいな、すげえオンパレードだけな。
じゃあこれが何?日本中の若者に伝わるように、リコード会社的に言うと売れるの?ってなった時に、
まだそこの結論はわかんないわけですよ。ただ一個だけ思ったのは、メンバーを信じるっていうのは絶対に大丈夫だ。
だって可能性はとんでもないのとピュアなんだから。何にも嘘つかないし何もカッコつけない自然体なんだから。
いや、どこまでも行くと。じゃあどこまでも行くっていう方向性がずれてたらどこまで行ってもダメなんだろうけど、
絶対見つかるとそれは。だってファンとメンバーが一つになっちゃうんだから。
一つになるんだけどどう一つになるかっていうところが見えればいいんだなと思って始まるわけですよ。
メンバーと共闘するっていうか一緒に立つ。
で、その後でVanishing Visionの音を聴かされた。やっとちゃんと音がクリアで分かったら、
結構音もカッコよくていいバンドじゃん。音楽性もいいじゃんだって。聞いた瞬間あれ?
これほぼ曲を、曲のメイン変えてる。
ヨシキってバッハとベートベンと同じじゃん。全部埋めてるじゃん。ゼロから産んでるじゃんみたいな。
俺はそこはもう多分レコード会社のすべての制作プロデューサー全部並べても僕のが全然上だったんで、その耳は。
名曲に関しては面白いんだけど、完全に行ってると思って。宝物見つけた気分ですかね。
全制作ディレクター、プロデューサーとか音楽的な面をね、レコード会社の人間なんて当然見つめるんだけど、
俺その頃オーディション担当で、自分がね、制作する立場じゃないから、制作するディレクター、プロデューサーに分かってもらうために一生懸命紹介してプレゼンする立場なんだけど、
一人だけいたんだよね。音楽的にすごいかもって。だから俺と同じように分かっていた人間が一人だけいたんだけど、その人は全然そのバンドには興味ないし、
しかもたまたまなんか、バンドとしてXがどうのっこんじゃなくて、これメロディーいけるんじゃない?この子はって一人だけ言ってた人がいて、俺はその人大好きだったね。
じゃあここで俺が不満に思ってることを、
1つずつあの人にぶつけようっていうのが分かったから。
なるほど。
きてくれたなと。
じゃあそこまで泣いてハイザルぶつけるってことは、
それだけなんだなって分かったわけよ。
あんた1個だけ言いたいけどロック分かってないんだよ。
それだけなんとかならないかってことなんだなって。
だから俺にはちゃんと自分の中であって、
ロック分かってないからXが好きなんだよっていうのがあったわけよ。
ロック好きだったらいろんなバンド知ってていろんなこと思うだろう。
俺はロック興味ないんだけどXは好きなんだよ。
だから世界で一番好きなバンドはXなんだよっていうのが俺の中であったのよ。
なるほど。
震えますね、その話。
それがあるからどう言われても大丈夫で、
だけどひでちゃんにはこれから少しずつ分かっていくからさって言えばよくて、
そんな大切なことをゆっくり飲みながら話せばいいわけだから。
なるほど。
俺がなんかXに命かけられたのは、
ロックが本当になかったのは俺決意してたの、ロックというものはね。
だけどXのロックとかロック魂とか、
Xというバンドの音楽は全部分かっちゃったから、
世界で一番がXだったらちょうどいいじゃんと思ってた。
比べないし。
そもそも今になって思うと、
じゃあXがロックだとしたら他にロックのバンドどれだけいるのかって言ったら、
あまりいないんじゃないかなみたいなね、今にして思うと。
だから本当にロック好きじゃなくてよかったなと思ってるのよ。
なるほど、なるほど。
でもそんな俺に注文をちゃんとひでちゃんがつけてくれたから、
じゃあ分かるようになろうって思って、
それさえクリアしたらひでちゃん俺のことを言えるかもなんだなみたいな。
あれ?それをちゃんと認めればね、俺全然分かってないって言えばもうOKなんだなって思ったから、
すっごい嬉しかった。始まったと思って。
だってその数ヶ月後に、俺がソニーのディスクで仕事してたら、
電話がかかってきて、ひでちゃんから。
これはさすがに絶対内容は言わないけど、個人的な悩みがあったのね。
電話してきて、すぐに来てって言ったの。
ひでちゃんって本当にかっこいいしめっちゃ強いし、
めっちゃすげえ人なんだけど、ちゃんと赤ちゃんみたいに素直でピュアなところがあるんで、
結構泣くとき泣くんですよ、彼もね。
で、その時もなんか悩みがあって、着いたらずっと泣きっぱなし、
ずっと泣いてるひでちゃんがただ横にいた。
で、その時に思ったよね。なんで俺に電話かけてくれたの?
ただただ俺はずっと横にいて、ひでちゃん泣きやまでずっとそこにいて、
一緒にいて、で、俺何になってるのか思ってること言って、
そういったところがすごかったから、
タイ人と真っ先に打ち解けられたっていうところが確かあるっていう感じ。
タイちゃんはすごいわかりやすくて、最初は一番喧嘩越しだったのね。
ライブを見た直後、まだバンチングビジョンとかを聞く前だけど、
ライブを見た直後にすごいかっこいいしいいなと思って、
そのいいところを楽屋に行ってメンバーに伝えたのよ。
こんな風によかったとかすごいよかったしって。
ひとしきり感想を言った後で、後は音楽だねって言って帰ってったの、俺はね。
後は音楽だねって言って帰ったっていうのも、
後は音楽だねっていうのはちょっと意味があって、わざとそれを投げて帰ってった。
多分怒るだろうなって思ったけど、それはわざと。
で、それが一つの事件になったみたいで、なんだあの野郎つって。
まあわかる気がしますね。
でもその前に二人で吉木と会ってたから、
よっちゃんはなんとなくもっと深い意味だっていうのと、
俺のこともわかってたみたいで、
なんか深い意味があるんだみたいな感じで一応収まったらしいんだけど、
その時一番ムカついて頭に来たのが大二らしくて。
で、それが後でメンバーとガンガン飲むようになってから言われたんだけど、
最初はやっぱり大二も喧嘩腰なきゃ、そのことが引っかかって。
で、どういうことなんつったら。あれ何なの?って言ったら感じたんだけど、
話せば長いんだけど、先に言っていい?って言ったら俺は大二ちゃんに、
ガニシングビジョン聞いたんだけど、すごいいいじゃんって言って、
まず言ったらやっぱりちょっと嬉しい。嬉しい顔して。
で、なんでそう思ったの?って言うから、大二だからちょっとあえてね、
よっちゃんとは違うアプローチがいいなと思って。
よしきの場合は、ベートバッハとかベートベイトにゼロから生むことができるっていう、
名曲を生むことができる才能は本当に少ないんだよっていう話をしたんだけど、
大二の場合いきなり、あのさ、その曲の名前を言って、
あそこで〜〜マイナーセブンフラットファイブ入れてるよねって。
あのセンスすごいと思う。で、まず噛ました。
え?分かってんの?みたいな感じになるから。
分かってるのは俺全部分かってるし。
それをたてつきに言うわけは、あそここうじゃんって。
あの音とってのはわざと普通のサウンド入れるよねって。
あれはすっごいセンスだと思うよって言うと、だんだん目が光り始めて、
分かってるじゃんコイツみたいな感じになる。
それが言えるのかも、だってすごいですよね。
そうっすね。
例えば、すごい良いプレイをレコーディングでするとかね。
最高にプレイやって終わったとすごかったって言った時に、
真っ先に音大丈夫?なんか気になってるんだよねって必ず言うわけよ。
要するに、ベストじゃないかもとかね。
だから、キリがないので最高の音を出そうと思ったり、
最高のプレイをしようと思う時ってゴールなんてないんで、
あそこまで耳が良くて上手いと、結局は最高だろう、俺じゃないのよ。
なんか本当にベストなのかなとか、
あとなんか指が本当に動いてるのが気になるんだよねとか。
だからキリがないっていう、永遠に。
ゴールがないっていう感じの方がタイちゃんだったかな。
基準がやっぱすごい高いっていうことなんですか?
これもある。それもあるし、だって自分じゃないベーシスト、
自分じゃないプレイヤー、自分じゃないXじゃないバンドとか
いくらでも聴けるわけじゃん。
そのために全てにおいてXや自分が最高だったらいいけど、
単純な話さ、同じベーシストだったら、スタイルもジャンルも違うけど、
マーカス・ミラーのベースを見た時にさ、
俺には弾けないの、マーカス・ミラーが弾いてる、
ネザーインストの何とも言えない重厚感のあるベースの落ち方っていうか、
要するにキックに対してギリギリ、ギリギリ少しだけ遅くてバン入るみたいな。
それどうなの?ってなるわけじゃん。自分で多分やっててさ。
そうしたら、これあと何やればいいのかな?どうしたらもっとこういうのできるのかな?って。
延々なんですよ。
やっぱめちゃくちゃ上手くなってくれば、レベルが高くなればなるほど、
さらにその上がわかるようになってくるっていうのもありますよね。
だから楽器始めたばっかりの頃って全然そんなのわかんないから、
ちょっとできたら上手くなったみたいな感じになるんですけど、
それが上手くなってきて下手さがわかるというか、
なんていうんですかね。そういうのありますよね。
確かに。そっかー、なるほど。
ちなみにその辺のプレイヤー的なところで言うと、パタさんはどうだったんですかね?
パタちゃんは…パタちゃんはね…
パタちゃんどうだっけな?パタちゃんってね、
いまいった大事的なところよりもパタちゃんよりは明るかったと思う。
Xのメンバー共通してるのは、音楽は競争じゃない、比べるもんじゃないっていうのは知ってる。
だから比較もしないし、そういうことで気にすることは一切ないんだけど、
やっぱりXのギターって難しいのよ、やらなきゃいけないことは。
だからパタもやっぱりみんな言うようにギターすごい腕があるんだけど、
でもじゃあアートブライフを弾くってなったらさ、本当に大変だからさ、
難儀するわけよ、困るわけよ。
そういうのをクリアしなきゃいけなくて、練習するしかないねってやってる感じと、
あと得意な早弾きとか、彼が得意なことをやってるときの王者の風格?
王者の風格。いいですね。
さりげなく王者の風格出すみたいな。はいはいはい。
明るいって言うと変だけど、要するにパタのレコーディングの時だけ俺は安らげるわけよ。
安らげる?
もうだって後は本当に命がけなんでキリキリするわけじゃん。
キリキリするレコーディングの最中に、キリキリだけしてたらベストにならないから、
雰囲気を良くしたりもしなきゃいけないしさ。いろいろ大変なんですよ、僕の仕事。
パタリンは別に本人がキリキリしないんで、楽なんですよ。
で、やってて音も良い音になったとかいいんじゃないっていうのはギター的な人もいっちょいちょい撮ろうかってなるじゃん。
で、撮ってやってると、俺の仕事はパタちゃんだけは簡単でね。
あいつ俺の苦労も知らないから、パタは未だに言うんだけど、
パタをやってて、ちょっとあそこ走ってるなとかと思うと、
それ聞いてみようかって聞いてさ、どうなの?ってパタが聞くから、
うん、すごい良いんだけど、この23から28ぐらいまでかな、
この杭の前まで、ちょっとだけ走ってるからもう一回撮らない?とか。
走ってる?じゃあ撮ろうかって。また撮る。
良いけどニュアンス変わってた?それはちょっと変わるかもしれないな。
ニュアンス同じであれが良いよね。じゃあもう一回撮ってみようか。
じゃあやってみるかってことでやってみた。良いんじゃない?
これ良いか?みたいな。
そんなことばっかりやるからさ、だんだんパタの中でさ、
なんだあの津田は。黒のイチャモンつけ屋って。
これイチャモンばっかりつけてる人になっちゃって。
仕事仕事。
お前はみたいな。
黒のイチャモンつけ屋って。
いやでも津田さんがジェラシーのライナーノーツに書かれた、
手は最高で1分間700、800回のアップ&ダウンを繰り返すのだが、
顔は微動だりしないっていう、あの表現がもうめちゃくちゃ大好きで。
顔は微動だりしない。最高ですよ、あの表現。
ちょっとお笑いになっちゃうんだよね、あれパタちゃんと。
パタさんはもう、キャラクターが良いですよね。
パタさんって練習されたりするんですか?すごい一生懸命練習みたいな。
いつも持ってるじゃん。いつもギター持ってるから。
すでにもう弾いてて。
いつも弾いてるね、あの人。
最近またさ、あいつうるさいんだよね。
なんかさ、最近プロのイチャモンつけ屋じゃない?
俺が最近パタちゃんと会う機会がたまにあるんだけど、
顔見るとさ、「あんたいつからプロデューサーになったの?あんた制作ディレクターでしょ?」っていう。
別に嘘ついてんじゃなくて、プロデューサーの的な役割をしたからっていうのは言ったらめんどくさいから。
いや、俺はディレクターだと思ってたんだけど、
VRXでプロデューサーって書かれちゃったんだよね。
だからVRXってXのドキュメンタリーで全世界に流れちゃって、
それにプロデューサーって書いてあるからプロデューサーって言ってるんだよねって言ったら、
でもあんた制作ディレクターでしょって。
VRXに沿ってそうしただけなのになんとかなく言われなきゃいけないんだろうって説明するのがだんだんバカバカしくなって、
じゃあわかった、ちゃんと直すからさって。
っていうか、いつからプロデューサーになったの?もういいよ。
なんか今は俺にそのイチャモをつけなきゃ嬉しいみたいな。
なるほど。
何年越しですか?
世紀年の何年越しの。
でもね、面白かったのはパタちゃんのライブに行ってね、
ライブすごい良かったんだけど、パタマンのラインだっけ?
パタマンすごいかっこよくて、俺すごい良かったから良かったって話をして、
その時またそれ言われたんだけど、
その後でパタちゃんに、
俺なんかパタちゃんの足をつい触っちゃう癖があって、また細いなーみたいなとか言ったら、
で、目を見て、体気をつけてねって言ったの。
その瞬間目がビクッとして、めっちゃマジで俺の目を見つめ直したから、
あんま関係は何も変わってないんだなと思った。
なるほど。
だってほら、一回ね、倒れたこともあったし、そういう気持ちも込めて、
体、大丈夫、気をつけてねって言ったら、
その時々マジに言ったのよ、
チャレ合いじゃなくて真剣に言ったら、ちゃんとすっごい目で返してくれたから、
とか見つめてたから、あんま関係は何も変わってないんだなと思ったから、
多分プロならイチャモに仕返してるだけなんだなと思って。
なるほど。