1. 小松正史『耳の保養』
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2024-10-23 10:01

2024/10/23 08:14【音楽流通】「癒し音楽」の光と闇

音楽が癒しと商業的に結びついた時期は1990年代中盤ですが、その構造を明確にしてみました。手放しで受容する癒し音楽ではなく、自分が癒される気持ちになる音楽を積極的に取りに行く姿勢が重要ではないでしょうか。
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皆さん、こんにちは。小松正史です。
今日はですね、癒しという言葉の闇について喋ってみようかなと思います。
この番組は、作曲家で大学教員の小松正史が、山あり谷ありの人生を攻略するためのティップスを探り、
リスナーの皆さんに音のエールを送る番組となっております。
もしよろしかったらですね、チャンネルフォローよろしくお願いいたします。
それで、癒しという言葉なんですけど、皆さんどんなふうにこれ使われますかね。
これはまあ結論を言いますと、商品として自分の気持ちが収まったりとか和むとか、
そのためにですね、そのための手段をね、商品として消費するっていう、そういう言葉っていうふうに僕は思うんですね。
で、これ良いか悪いかは別にしてですね、
何かこの癒しという言葉をあいにもう使ってしまっても、はやもう2、30年経つっていうところがあると思うんですけど、
ちょっとね、この言葉の使い方をよく考えた方がですね、自分がこう、自分の力で最後はこうね、心を安定にしていくというか、
たりき本願で安定にするっていうのはちょっとね、よくあるんだけど、結局あの持続力というかですね、継続性がないなというふうに思うので、
その辺りちょっとね、深掘ってまいりましょうかね。
で、もともとですね、この癒しっていう言葉、これ名詞ですよね、名詞。で、本来はですね、癒しという言葉、癒すという動詞から来てるんですよ。
で、癒すというのはね、あのもう言葉よく使われているように、何かこう怪我とかですね、病気があったときに、
例えばお医者さんとかですね、施術をする人がその相手と言いますか、患者さんの心身の何かをですね、マイナスからゼロにしていくというような怪我を治したりとか、
心の状態を不安定な状態をちょっと安定に持っていくっていうような、医学的な特定のその医学の力とか技術を持っている人がですね、
その患者に対して治していくっていうそういう言葉なんですよ。
で、それがですね、実は癒しというその名詞に変わってきたあたりの年代を言いますとですね、1990年代の半ばから後半にかけてですね、癒しっていう言葉がどんどん流行ってきたというわけなんですよ。
これね、ちょっと音の話、音楽の話で言いますとですね、1999年にですね、ピアノソロの坂本隆一氏のエナジーフローっていうのがリリースされましてですね、これピアノソロ曲にもかかわらずオリコン第一位に輝いたんですね。
で、これなぜかというとですね、この99年の夏に産協株式会社の疲労回復剤のリゲインっていう、今もねありますけど、そういう商品がありまして、それのコマーシャル曲となってたんですね。
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で、それで時代がね、例えばそのあたりっていうのは95年、例えば地下鉄サリン事件とかですね、阪神淡路大震災のかなりこう、日本の多くの人にすごくネガティブなインパクトを与えたっていう時代でもあると思うし、あとですね、バブルがね、1980年代後半に経済バブルが弾けてですね、かなり低迷期の状態でもあったわけですよね。
そんな状態の時に、かなり大きな事件とか災害が起こって、人の心がですね、ちょっとこうネガティブな状態になっていると。で、それをリゲインかなんかね、そういう商品によってですね、ちょっとこう回復していくっていうような、そういうイメージのもとでエナジーフローというピアノソロね、僕実はこの曲好きなんですけれども、かなりですね、売れて、ポップスね、ボーカルが入ったりとか意味のね、歌詞という意味のある
そういう表現をもとにして作られたJ-POPよりもですね、めちゃくちゃこう、かなりすごくシンプルな曲にもかかわらず売れちゃったっていうのがあるわけですね。で、こういうことって結局あの、今癒しというのはですね、何か特定の商品を買う。
それによって、お金を出した見返りとして何か薬とかですね、音楽とか、それがキャッシュバッグというか、バッグに帰ってきて、それでちょっと自分の気持ちが安らぐとかですね、身体が回復するっていうような、そういう手段として使うというか活用するというところがあると思うんですね。
で、これってまあ、エナジーフローのみならずですね、その時代クラシック音楽、ご存知の方いらっしゃいますかね、ベートーベンじゃないわ、カラヤンっていうフランスの指揮者がいらっしゃいますけれども、そのカラヤンがですね、ちょっと穏やかですごくゆったりしたストリングスね、濃厚曲のベストを出しましたね。
アダージョカラヤンっていうのがね、あの1995年なんですけれども、比較的テンポの穏やかな響きを持つオーケストラ曲のコンピレーションアルバムなんですね。で、これもバカ売れしたわけですよ。まあそれに連動してですね、2000年の前半になるんですけれども、えっとですね、あのコンピレーションアルバムが結構ね、出ましたね。
えっとフィールっていうアルバムがあって、まあこれあのボーカル曲からインスト曲から様々な映画音楽からっていうところの美味しいところをね、あのピックアップして作られたコンピレーションアルバム、コンピレーションって集めるって意味なんですけど、まあそういうのがどんどん流行って売れてるというところがあります。
で、まあそれに連動してですね、えっとまあ癒しといえばね、ちょっとあの美少女系の様々なこうね、アイテムグッズなんかが2000年の初期にはそういうのがどんどん流行ってきて、まあその流れがですね、未だにあるっていうところなんですね。で、それでまあちょっと最初のね、タイトルに戻りますけれども、まあ癒しという言葉の闇っていうね、これ安易に使ってもいいと思うんですけども、実は商業的な活用の仕方として何かお金を出した代償として、
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あの自分の気持ちが収まるっていうような、そういうところが実はね、あのあるっていうことは認識した方がいいのかなと思います。で、それに対して良し悪しというよりも、まあ僕のCDとかね、僕の作品もそういうところで膨らいてしまってますから、自分もそのグループの一員と言ったらもうその通りだと思うんですけれども、ちょっと僕が伝えたいのは癒しというのが単なるお金を出したら帰ってくるっていうんじゃなくてですね、
自分が選んで音や音楽とか自分が良いなと思うアイテム、これ商品でも全く大丈夫だと思うんですけど、そういうのを自分で積極的にこう、あの取っていくっていうか、そこが大事だと思うんですね。人がこの曲癒されるからどうぞとかね、この商品で、まあお香も音楽と近いところがあると思うんですけど、このアイテムを買ったらね、音と音楽とそしてこのお香を買ったら癒されますよっていう風なそういうコンピレーション的な、
あの商品の出し方って今ね、とてもセレクトショップとかなんかはそういうところの典型だと思うんですけどね、それはそれでいいと思うんですが、それで自分で本当にこれいいんだなとかというふうに思ったら、例えばね、その好きな曲、ああいいなと思ってね、初めは紹介された曲であってもですね、自分であの曲のタイトルを選んであの調べてですね、
アーティストは誰なんだろうとか、まあこれに近いあのジャンルの音楽ってどんなのがあるのかなっていうのをですね、自分で探して、こう自分で情報を取りに行くっていうことなんですよ。それをしていくことによって、まあ自分が積極的にね、あのまあ癒しを、自分にとっての癒しをね、作っていくっていうか、そこの辺りの選び方というのがね、主体的にあの、えっと音楽とか様々なこう、安らぐね、あのグッズがあったりとか、
あったらあったで構わないです。それを選んでいく、選び取るというか、そういうあの心持ちがね、積極性というのが実は大事なんだよっていうことで、これがね、もう何もそういうことをせずにね、ただこうスイッチをひねったらね、あの音楽がね、良さげな音楽が流れてきただけでは、真の癒し、自分を癒すことには繋がらないんじゃないかなというふうに思ったので、今日はですね、癒すという言葉の闇、これあの丸め込まれないようにした方がいいですね。
ちなみになんですけど、僕の曲っていうのは、別にあの売り文句として別に、その癒しとか僕全然言ってないです。これは人が言ってるだけの話ですからね。僕は一言も言ってないでしょ。僕の曲聴いたら癒されますよって言いました?このラジオで。言ったこと一回もないよね、YouTubeでもね。だからね、ここは誤解をせんとしてほしいなという感じで思いますね。
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まあね、賢明なリスナーさんはね、そのたまたまであった曲を積極的にね、とってね、あの選んで聴いていただいているというね、めちゃくちゃありがたいことですのでね。そんな感じで今日はですね、あの癒すという言葉の闇についてね、考えてみたという感じです。今日ここまでね、お聞きいただきありがとうございます。
えーと、まあちょっとね、今日はあの裏話と言いますか、ちょっとね、あのにしっとした話をしたと思うんですけど、プレミアムではですね、もう爆走してますよ。にしった話っていうのはね。そういう本質的なね、犯人、子供をかぶせないぐらいのことで喋ってますので、そういうのに興味がございましたら、こちらにリンク貼ってございます。1ヶ月、初月無料で、もしよかったらですね、ウェブからのやつで聴いていただけますと幸いでございます。それでは今日も良い音の一日をお過ごしください。
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