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努力は必ず報われるという言い方ありますよね。この努力が必ず報われるというのは、ほぼ多くの人が絶対正しいと思っている考え方の一つじゃないかなというふうに思うんですよね。
小さい時からずっとそう言われ続けているし、努力をし続けた先には花々しい成功があるんだというような成功端とか、これをアニメとか物語とか漫画とかそういうもので何度も何度も見せられてきているんです。
なので、努力を自分も頑張ってやるんだと根性だというふうに頑張ってきた人ってたくさんいると思うんですよ。
で、これっていうのはですね、頑張れば必ず報われるというのは非常に大変な考え方で、報われない場合にですね、それはお前の努力が足りないからだって進んでしまうんですよね。
いや、自分は一生懸命努力して頑張っているんです。一生懸命これだけ頑張ってきているのに、それでも報われませんっていった時に、それはまだ足りないからだと。
よく言われるのが、トンネルを掘る時にいくら掘っても向こう側に出ないからということで諦めたら、実を言うとあと一回のみを震えば向こうに貫通した時かもしれないよっていうようなことってよくあるじゃないですか。
だから、もうとにかく努力一徹で成功するまでやれという、そういうことの中で僕たちっていうのは生きてきたんですよね。
でもこの考え方というのはですね、数年前にサンデル教授が出した本の中で、能力主義という考え方なんだと、これは新しい差別なんだという言い方をされています。
何で差別というかというと、人間にはですね、努力遺伝子というのがあって、この努力遺伝子というのは生まれつき決まっているので、もともとその努力ということ自体ができない人もいると。
なので、生まれつき努力ができない人というのがいる中で、成功しないのはお前の努力が足りないからだというのは、これは新しい形の差別だとこういうわけですね。
つまり、努力しさえすれば必ずみんな成功するという考え方では、うまくいかないで困ってしまう人というのが一定数いるという、そういうことなんですよね。
なので、自分が立てた目標に向かって、何が何でもそれを達成したいんだ、そのために努力をすることが大好きなんだという人というのは、努力遺伝子に恵まれた人だろうから、それはもう好きなように努力をすればいいんで。
でも、そこへ行くための努力というのはなかなかできないなという人は、これはもう無理せず、何が何でもこの道を進んで目的地に行くんだという、そのような無理をせずに、やりたいことを程よく長くやっていくうちに、いつの間にか着いちゃったという、そのような道を歩んでいくのがいいんじゃないかなというふうに思います。