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2021-06-30 13:06

6_2自分らしさの大切さ(ゲスト:美術監督の部谷京子さん)


ゲストは引き続き、美術監督の部谷京子さん。
部谷さんは40年以上フリーランスとして第一線で活躍し、様々な映画の美術を担当。最近ではMVの美術監督や地元広島で映画祭を実行するなど様々なお仕事をされる美術監督の部谷京子さんにお話を聞いていきます!

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ドアが開くと吉田さんが降りてくる。
何も言わないで、そのまま牧場の柵の内側をずっと後ろに手を組んで、ゆっくりと一周されて、
最後に私を見つけて、私のところに来て、
部屋さん、これが篠さんの牧場なんですね。受け取りましたっておっしゃったんです。
その時に私ちょっと震えがきまして、
受け取ってもらえたんだ。よかった。引き返されなくて。肩の上がちょっと降りたなと思いました。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。
こんにちは。ひまわり屋で配信始めました。
黒木瞳の映画ここだけバナシ。今回も聞いていただきありがとうございます。
そして、この間に引き続き、今回のプロフェッショナルは、
数々のヒット作で映画美術を手掛ける美術監督の部屋京子さんです。
よろしくお願いします。
いろんな作品に携わっていらっしゃるので、
その監督監督の世界観をどういうふうに掴み取ろうかって、
それも一つ大変なご苦労じゃないですか。
そうですね。まずやっぱり初めて一緒にやる監督の場合だと、
デビュー作だとそうはいかないんですけど、
まずは過去の作品を見るっていうことと、
あとはとにかく何度も打ち合わせをするっていうことで、
お互いを知る。私のことも知ってもらいたいし、
相手のことも知りたいしっていうことで、
そういうコミュニケーションを取るようにしてます。
やはりそれって大事ですよね。
途中で何言ってんのこの人はみたいなことになっちゃうと、
信頼感も傷つけないで終わってしまうので、
それは非常にもったいないなと思って。
撮影、撮る側に回った時は、
頭の中にあることを言葉で表現しなきゃいけないじゃないですか。
そうですね。
こんな感じとかね。
こんな感じ。
例えば原田監督みたいにバロックとかね。
はい。
リアルにとかね。じゃない場合もあるわけじゃないですか。
そうですね。
それをいかに形にしてもらうっていうのって、
思っていることを表すっていう仕事じゃないですか。
そうですね。
伝えることの難しさっていうのはすごい本当に。
そうですね。
初めての監督との仕事のそういう場面で言うと、
例えば私、コメコメクラブの石井達也さんのデビュー作をやってるんですね。
カッパっていうファンタジーの作品なんですけど、
カッパが出てきて、彼らが住んでる承入堂が出てくるんです。
それをセットに組んだんですけど、
そのセットを作るにあたって私がお願いしたのは、
一緒に承入堂を見に行きましょうって言ったんですよ。
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で、実際に福島県の阿部熊堂にご一緒して、
ビーチサンダルでビニールのカッパを着て、
で、懐中電灯1個を持って水の中をジャブジャブと一番奥まで行ったんですよ。
途中には本当にもう潜らないと先に進めないみたいなところもあって、
そういう狭くて寒くて苦しいところを体感したことによって、
私は絶対それを再現しようと思って、
そういう場所をいっぱい作ってセットを作ったんですけど、
その時間を共有するってことがとっても大事なんだなって、
その時にもすごく思いました。
やっぱり美術って最初に飛び込んでくる映像ですからね。
そうなんですよね。
で、まずは私が何を作ろうとしているかっていうことを知ってもらうためにも、
そこを見るべきだと思ってご一緒したんですけど、
すっごくよかったです。そこに行けたことが本当に。
あとは予算との戦いで。
そうですね。
それは常についてもあります。
ありますけれどもね。
でもやっぱりそういう水面下の準備だったり苦労だったりがあるからこそ、
役者を迎えて、役者に入魂してもらうっていう。
ぜひ初めて作品が成り立つっていう。
そうですね。
それがやっぱり作る側の醍醐味でもあるし、
それを見てくださって喜んでくださるお客様がいて、
一つの完成品の作品となるんですけれどもね。
だからどの段階で完成したと言えるかというと、
セットに関してはもちろん照明を当ててもらわないとセットにならない。
で、撮影しなければ映画にならないってことはありますけれども、
セットを作る側にとってはまずそこの住人というか、
役者さんがそこをどう受け止めてくださるかってことがとっても大事で、
前にお話ししたように初日のワクワクドキドキみたいなこともありますし、
そういうことで言うと、私が一つ忘れられないのが、
北のゼロ年っていう吉永さゆりさんが主演された作品で、
吉永さんが作ったっていう牧場のオープンセットがあったんですね。
北海道に作ったんですけど、初日に吉永さん結構せっかちなので早くいらして、
まだ準備してる頃に車が到着したんですよ。
で、ドアが開くと吉永さんが降りてきて、
もう来ちゃったよせっかちと思ってたら、
何も言わないでそのまま牧場の柵の内側をずっと後ろに手を組んでゆっくりと一周されて、
最後に私を見つけて、私のところに来て、
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私の前に立って、
部屋さん、これが篠さんの牧場なんですね。受け取りましたっておっしゃったんです。
その時に私ちょっと震えがきまして、
あ、受け取ってもらえたんだ。よかった、突き返されなくて。
肩の荷がちょっと降りたなと思いました。
やっぱりその自分がやる役の空気、生活感、いろんなものを体感して、
そして役を膨らませていくっていうのって大事な作業でもあるので、
はいここです、はいっていうだけではなく、
感じるってことも役者には必要ですので、
とても素敵な方ですね、そう言ってくださる。
そうですね、はい。
そうやって役者吉永さんから声をかけられて、素敵な。
やっぱりそういう時、やってよかったなみたいにね。
本当そう、私もそういうふうに思います。
やっぱりそうやってずっと45年、45年って言ってますけども、すみません。
また言ってる。
私ももう40年やってます。
よかった、よかった。変わらないです。
ですけども、45年、また言っちゃった。
フリーランスでやってらっしゃる。
やっぱり自分らしさというものを大切にしていらっしゃるってことですね。
そうですね、私、スウォーマスエキ監督の作品で、
いろいろこう、映画賞を受賞する経験をさせていただいた時に、
何かの時にですね、監督から、
部屋さん、そろそろもう自分のカラーを出していいんじゃないですか?みたいなことを言われて、
すごくハッとさせられたんですね。
ってことは、私は今まで自分のカラーを出してなかったんだっていう反省とともにですね、
なんか、私ちょっと気まじめなところがあって、
今全くそうじゃないんですけど、
広島で結構厳格な父親、母親に育てられたりして、
東京に出るのも必死な思いで出てきたりして、
頑張んなきゃ!みたいなことで、台本を読んでもそれをなぞるような仕事をしてたんじゃないかなっていうふうに、
反省をさせられたんです。
で、それ以来結構、自由にやろう。
私に声がかかったということは、
あなたの好きにしていいんだよってことなんじゃないかなと思って、
私のカラーを出そうというふうに考えを改めました。
とっても大きな言葉でした。
部屋さんの美術監督だからこうなんだ、みたいなことなんですよね。
私がやったからこうなんだっていう。
他の誰でもない。
他の人には真似できない。
私だからできるっていう自分らしさというのも大事にしなきゃいけない。
それは何の仕事でもそうかもしれませんけれどもね。
あなたが自分のカラーを出すっていうのって難しいし、
出せる場合とね、
人がどう自分を思ってるかとか、
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分かんなかったりとかするので、
そこは自分を信じないと、
誰も信じてくれないんじゃないかなという気もするんですよね。
自分が一番自分を信じてあげられる。
自分を愛することで、
本当にそれがうまく仕事につながっていけばいいなというふうに思ってます。
そんなスウォー監督からですね、部屋さんにメッセージが届いております。
え?
お読みします。
え?ちょっと待ってください。嘘?
え?何それ?
どういう番組ですかこれ?
本当ですか?
部屋さんへ。
え?
部屋さんと初めてお会いしたのは、
僕が助監督の時で、部屋さんは美術女子でした。
それから数年経って、僕はなんとか監督になり、
一般劇場用映画2作目の四孔踏んじゃった。
初めて撮影所にセットを組むことになりました。
その時プロデューサーから美術監督として名前が挙がったのが部屋さんでした。
僕は一問二問なく賛成しました。
美術女子時代、バイクに乗ってさっそうと現れ、
テキパキと仕事をしていた姿が強く印象に残っていました。
部屋さんなら大丈夫、そう直感したのです。
今でも、あのスモーブの道場、腐りかけたタワラや歴史を感じる板壁など、
リアルな空気に満たされた空間が忘れられません。
僕の勘違いでなければ四孔踏んじゃったが、
美術監督としての部屋さんのデビュー作のはずです。
それが僕にはちょっと誇らしいのです。
というメッセージをいただきました。
ありがとうございます。
いやー、ちょっと感動で。
いやー、びっくりしました。
すみません。ありがとうございます。
バイクに乗って現れたんですか?
私ね、ここに傷があるんですよ。
バイク事故を起こして。
ここって肩?
肩。あの、鎖骨折ったんです。
その話じゃないですね。
刺そうとしてないんです。
私ね、ドン臭くて、バイク乗りたかったんですけど、
乗ってたんですけど、
もう乗り始めてすぐに事故っちゃって、
ここが、傷が入ってるんですよ。
そうなんですね。
7針乗ったんです。
でもそれが刺そうと現れたっていう風に、
静岡監督には目に映ってくれて。
それは幻想です。
ただ当時、バイクの女優さんの吹き替えをやったこともあります。
門川映画で渡辺範子さんがバイクに乗るシーンがあって、
フルフェイスのヘルメット被って、
吹き替えで走ってるのは私です。
そうなんですね。
本当にちょっと誇らしいですっておっしゃる。
久しぶりに。
ありがとうございます。
本当に。
ありがたいです。ありがとうございます。
でもね、やはり自分らしさの大切さを教えてくださった。
そうなんです。
本当に。
たぶんですね、
エイボン女性芸術賞とかっていう、
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アメリカの化粧品会社さんの賞をいただいた時だったと思うんですけど、
その時に、その年の大賞が、
落合恵子さんだったんですね。
監督が受験をする頃に、
毎年夜中に、
深夜番組を落合恵子さん、レモンちゃんっておっしゃってた、
やってらして、その大ファンだったらしくて、
実は落合恵さんに会いたいからって、
その受賞式に来てくださったんですよ。
その時にね、確か言われたと思います。
でも本当に嬉しかったですね。
びっくりした。
ありがとうございます。
本当にね、感謝しかないですね。
本当に感謝してもしきれないですね。
ちょっと涙ぐんでらっしゃいますけど、
菅監督ありがとうございました、コメント。
まだまだお話しつきませんので、
次回も引き続き美術監督の部屋京子さんにお話を伺っていきます。
さようなら。
よろしくお願いします。
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