プロジェクト・デザイン・ルーム
プロジェクト・デザイン・ルーム
地方創生と町づくりという言葉を使わないようにしている。
旅人としての自分の視点でやりたいと思って仕事をしているだけ。
2Dに200ヵ所展開していくことと、3Dに20ヵ所展開して、ものすごい深さを感じ出すと、
結果対比的に同じ。
プロジェクト・デザイン・ルームへようこそ。この番組では、企業家や科学者、クリエイター、
さまざまな分野のプロフェッショナルの原動力に迫り、プロジェクトを成功に導く秘訣を探っていきます。
ナビゲーターは、Konel 知財図鑑代表の出村光世です。
本日も、緑相場黒横山をスタジオとして収録をしております。
私事なんですけれども、Konel と知財図鑑の人数が順調に増えてきてまして、
コロナ禍はリモートでやっていたんですけれども、その影響もだいぶ収まって、
出社する人が増えてきて、ついにオフィスに人が入らなくなって、
結構ストレスフルだぞということで、新しくフロアを借りることにいたしました。
今月、やってるんですよね。
引っ越しというか、模様替えというか、うっかりこの年末の忙しい時期にそれやることじゃねえなというのをめちゃくちゃ反省してるんですけど、
しんどいなと思いながらも、メンバーみんなで自分たちの空間を作るというのはすごく生き生きしていいなという、
当時に感じているところでございます。
これまであんまり詳しく話さなかったんですけど、
いつもこのスタジオ紹介で出てくるミドリソーバクロ横山っていうのは、
コネルの分室として借りてたような場所なんですね。
今回新しくフロアを借りることになったので、おそらくここで収録するのは今日が最後になりそうで、
ちょっとセンチな気持ちになっているような状況でございます。
ミドリソーっていうのはすごく、ある意味シェアオフィス界隈の中では歴史を作ってきたいいチームだなと僕は思っていて、
東京を中心にシェアオフィス事業、相当早い段階でやってましたね。
多分2011年とかそれぐらいから始まって、いろんな国籍の人がいろんな業種の人たちが集まっているすごくいいコミュニティなんですよね。
いろんな人と僕もつながったし、夏は流しそうめんやったりとかいろんな思い出もある場所なんですけど、
今回遠くに引っ越すわけじゃないんで、コミュニティとしては引き続きつながっていけると思うんですけど、
ふと思うと働く場所を移動させるって、コミュニティとの距離も変化するってことなんだなって、
ともすると思うことがあったりして、しみじみしているようなところでございます。
そんな今日この頃なんですけども、今日のゲストですね、地域とかコミュニティみたいなことに関してもとても関わりの深い方をお呼びしておりますのでご紹介いたします。
本日のゲストは、広島県の瀬戸田をはじめですね、日本橋、函館、長戸湯本など、いろんな拠点から豊かなご近所をつくっているデベロッパーでもあります、
株式会社ステープル代表取締役の岡井豊さんに来ていただきました。岡さんよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
すみません、なんかダラダラ喋ってたら時間経っちゃいましたけど、めっちゃ楽しみにしてました。
どちらこそです。
ようこそ。近いですもんね、オフィスも。
そうなんです。今も僕らのオフィス、ソイルワーク、日本橋ファーストから来てるんですけど、歩いて10分もかかんない。
そうですよね。なんか天気良かったらもう全然、むしろ歩きたいぐらいの距離感だったりするので。
ですね。
意外とご近所なんですけど、ちゃんとゆっくり話すの初めてみたいな感じもあって。
結構会ってるし、ですけどなかなかゆっくり話す気配もなかったです。
そうですよね。ちょっと仕事しすぎですよね、僕らね。
いや、それはね、本当にそうなんですよね。
飲み行った方がいいですね。
行きましょう。
そんないい飲み会の前菜になるといいなと思ってますが、
そうそうそう、岡さんといえばこのステープルといういろんな施設も運営してたりしますけど、
前回、ソイルワークフェスっていうすごい盛況なイベントに呼んでいただいて、横須川空き家ですね、あそこは。
呼んでいただいていろいろお話ししましたが、ありがとうございました。
ありがとうございました。あれがだから初めてゆっくりしゃべった機会でもあるって感じですね。
4人の対談でしたけど。
うっそらお互い何やってるんだろうみたいなのがようやく分かり始めてきてるような感じなんですけど、
めっちゃ人来てましたね。
何人くらい来たんでしょうね。100人超。
120、130人みたいな感じだったと思いますね。
ではソイルワークっていう、聞いてくださってる方も初めての方いらっしゃるかもしれないですけども、
いわゆる働く場として街に開放してるような、シェアオフィスとかコーワーキングみたいな部類なんですかね、ソイル。
そうですね。うちの会社がさっき紹介いただいたように、広島の小野道瀬戸だとか、
函館っていう地方と東京都心の日本橋と、ホテル起点とした街づくりだったり、街開発を行ってきてるんで、
ホテルって訪問者を作るもので、どの地域にもその地元でずっと暮らしてきた生活者、地元民がいて、
僕らのスタッフっていうのはホテルスタッフだったり飲食店のスタッフだったりコーワーキングのスタッフで、
その地域に新たに入ってくるニューローカルっていう風に僕ら呼んでい続けてるんですけど、
訪問者がホテルでできたりレストランでできたりして地元民がいて、僕らっていうニューローカルがいて、
そのニューローカルって層ってもっといろんな人が、逆に僕らだけだと、新しい層が僕らしかいないってすごい寂しいから、
もっといろんな人とつながって、町ってすごく白いキャンバスでいろいろと描ける場所なはずなんで、
もっといろんなミックスで人が入ってきたら面白いよねっていう発想から、
そしたら僕らのオフィスを町にもいろんな人にも開いて、一緒に働き始めたり仲良くなったりすることで、
僕らが関わる地域をより一緒に盛り上げられるんじゃないかみたいな発想でつくった、
いわゆるコアキング施設、シェアオフィス施設ですけど、会計としてはそんな動機があったってことですね。
めちゃくちゃ一番しっくりきたというか、だからなんだって思うことがいくつかあって、
コアキングスペースとかめちゃくちゃたくさんあるし、
どっか出張行って3時間だけ働きたいなって思うときって、
もう検索で見つけられるぐらい場所自体は存在してるかなと思うんですけど、
僕実は一番ソイルにとっては微妙な立場で、
会員なのか会員じゃないのかちょっとギリギリ、よく曖昧な感じだけどよく顔出す人みたいな近所にいて、
家族がソイルで働いてるからみたいなところもあるんですけど、
そんな僕ですらふんわりなじんでいけるみたいな感じであって、
これは少し偏っている見方かもしれないですけど、
いわゆるそういうコミュニティを意識したワークスペースとかって、
間にいるコミュニティマネージャーっぽい人たちが頑張ってつなげる業務みたいなものが存在してたりとか、
それをうまく仕組みにしなきゃいけないみたいな感じの、
ちょっとそれが外圧っぽく感じてしまうこととかあって、
洋服屋行ってめっちゃ話しかけられるのつらいみたいな気持ちにちょっと近くなるときとかあるんですけど、
それなんかそもそもがステープルの働く場であって、
そこになんか自分たちなりの空気があって、
そこに別に来たかったら来てもいいよみたいなことなんだとしたら、
確かになんかそれは空気さえ合えばね、
めちゃくちゃいい流れで入っていけるんだなっていうのは、
ちょっと今しっくりきてるところあります。
まさにというか、この10分かけてソイルワーク日本橋からここ、
ここ緑層に来たんですけども、直前まで新しいソイルワークが京都にできるんですよね。
来年2つできるんですけど京都に。
そのうちの1つのコンセプトプレゼンみたいなものをしてたときに、
ちょっと同じ方向性の話をコンセプト内でしたのが、
ソイルワークって未来への土仕事っていうキャッチコピーでソイルワークっていう名前をつけてて、
それそのものは気に入ってるんですけど、
その名前だけ聞くと、未来への土仕事っていうと、
僕たちは同じ概念のもと集まって世界を変えていくんだとか、
ソーシャルグッドなことやっていこうぜとか、
結構社会的なゴールとか大義名分みたいなものの、
北極星みたいなものがあって、そこに人が集まってきてっていうコミュニティをやってるように見られがちなんだけど、
どっちかというと思想は逆で、仲良くなって、
友達になって、それが結果仕事につながった仕事仲間になると、
よりみんなでどういう社会になっていったら幸せなんだろうってことを考えて、
世の中がよりグッドな方向に向いていく可能性が高まるっていうぐらいの、
どっちかというとトップダウンのコンセプチャルな極星を示すっていうよりかは、
まず仲良くなろうよ、一緒に仕事を、
じゃあこれ一緒にやるって言い合えるぐらいの仲になろうよっていうのが第一フェーズで、
それこそがソイルワークのソイルの土壌かなっていうふうに思っているので、
そこはわざとらしくセールスピッチをして会員になってもらうっていうよりかは、
今日ランチイベントやってるんで食べてきますとかっていうテンションで、
多分うちのコミュニティマネジャーとかスタッフたちが話しかけていってくれてるんじゃないかなと思って、
その根底の思想がそういうところにあるから。
じゃあやっぱり反省しますけど、僕らは早く飲みに行ってたほうが良かったですね。
それは大反省ですね。
でもでも、やっぱり距離感いいんですよね。
もちろんソイルで滞在させてもらうこととかもあるんですけど、
相談されたりとかすることもあって、全然僕でできることは色々対応してたりするんですけど、
そういう仲良くなろうよみたいな雰囲気感って、
口で言うとあっさりしちゃうんですけど、めっちゃ大事だなと思って聞いてました。
急に盛り上がっちゃったんで、一旦落ち着いた概要説明みたいなのも挟んでみようかなと思うんですけど、
ステイプルという会社自体のことをまずは触れていきたいなと思っていて、
デベロッパーっていうワードを使って事業紹介されてますか。
そうですね、ソフトデベロッパーという言葉を使って自己紹介することが多いです。
デベロッパーっていわゆるまるまる不動産みたいな、超でかい財閥系のとこには絶対あるデベロッパーって感じのイメージですけど、
土地買って建物作って、そこに人の流れを作りますみたいなことを多分普通の人だと想像するかなと思うんですけど、
めっちゃハードですもんね、ハードから入ってるから。
ソフトデベロッパーってどういう説明をされてるんですか、普段。
ソフトデベロッパー、今まさに説明してくれたように一般的なデベロッパーって聞くとハードウェアですね、建物、都市建物を取り扱ってる会社っていう印象が強いんですけど、
ソイルワークのコミュニティの話もソフトデベロッパーって話も全てそうなんですけど、
基本的にもう我々自身が圧倒的主体者であるっていう姿勢で常に仕事をしていて、
自分たちがここで生きていきたいから街を作っていくんだとか、自分がここに泊まりたいからこういうホテルを作るんだとか、
誰かが求めてるであろうからこういうふうにしてみようかというよりかは、
自分たちが自分たちの足で立って自分たちの手で作っていくっていう意識を常に持っていて、
そうするとマーケティング的に市場調査をして、この辺りはこのぐらいの人口がいてこの層が多いからパン屋にしようかとかっていうことではなくて、
パンが食いてっていうでパン屋を作るとか、こういうふうに風呂入ってサウナ入ってその後海見ながらビールを飲める場所が、
自分たちがここでよく生活していくためには必要だから、きっとその姿勢でいれば周りの人たちもそれを求めてるに違いないと、ある意味ちょっとエゴイスティックな形でやっていて、
それは側から作っていく話ではなくて根源的に自己から生まれてくる気持ちで、
その自己から生まれてくる気持ちとその地域を大事にしたいとか身の回りの人を大事にしたいみたいな優しさの気持ちが相まって開発をしている行為なので、
それはハードデベロッパーじゃなくてソフトな側面から考えてデベロップしてるって呼んでいいんじゃないかなって思ったのがきっかけで。
なるほど、マジでパン屋と銭湯大事ですよね。
そこ点で入っちゃうんですけど、うちの近くに入ってきてほしいです。パン屋はマジで今ないですよね。銭湯は頑張って原付で行ってるから歩いていきたいですとかね。
そうですね、結構だからパン屋作ってくれみたいな話とかいただくこと多くて、
じゃあ作ればいいじゃんって話なんですけど、僕らがまの弱なのは意外とそれだけ作ってよって言われても作らないっていう側面があって、
どうしてもこだわってやっているのはホテルから作っていくっていうところと、
あとは歩ける範囲に欲しいって言ってくれてたけど、まさにそれでウォーカブルな歩ける範囲内で仕事をすることで、
ソフトっていうのはソフトウェアのソフトっていう意味合いでもあるし、柔らかさと優しさみたいなものも兼ねていってるんですけど、
柔らかさが波及していく距離感っていうのは、やっぱり人間の目の届く手の届く範囲でしか波及しないと思っている。
熱もそうだと思うんだけど、だからそういう範囲に絞って仕事をするっていうことと、
あと衣食住すべてショーケースできて、かつ世界中から人が呼び込めるホテルっていう業態からその地域のことを知っていくっていうことに結構こだわっている。
なるほど。
うちにパン屋出店をしてくださいって言ってくれる人にはもう大変光栄なんですけど、まずはホテルをやらせてくださいというふうにお返ししていると。
なるほど、面白いな。
ちょっと今僕、ウェブサイトを見てて、めっちゃわかりやすいんでなぞってみたんですけど、いわゆる従来のインフラって今おっしゃっていただいたように、
建物とか、あと交通とか、エネルギーとか、そういうインフラっていうイメージですけど、
ソフトなインフラっていうのが、それこそホテルであったり銭湯であったり、あとお祭りとか、そういうものもインフラだよねみたいに掲げられてるのが、
なるほどなーみたいな感覚があって、そこからいろんなものを繋いでいく。
繋いでいくからステープルってことであってます?
あってます。
そこをあえて聞くのもヤボーかなと思いながら、でもいい名前の会社ですよね。
ありがとうございます。
ソフトなインフラ、そうなんですよね。だから元々の従来みんな認識しているインフラは、今おっしゃったような交通、エネルギー、福祉、医療とか教育とかっていう分野だと思うんですけど、
国全体としてはかなり整っている国だと思うし、人口が減って維持できなくなるっていう問題もある中で、ソフトなインフラを作るソフトデベロッパーっていう位置づけの僕らは、
ホテルからやりたいって言ったんですけど、ホテルだけやりたいわけじゃなくて、ホテルが一番海外からも国内からも、
かつ多くの人を採用して、小さいホテルでも結構な人数が必要なので、僕らがホテルっていう業態で入っていくことで、僕らのスタッフ自身がその地域の生活者になって、
もう一気に二、三十人やっぱり採用して働くので、ある町に二、三十人若者が増えるって結構なインパクトじゃないですか。
そのインパクトからホテルをやりたいみたいな気持ちもあって、ただ、その後はそのソフトなインフラと捉えているパン屋だとか、
オーガニックな地域の野菜使った弁当屋、惣菜屋だったりとか、銭湯サウナだとか、
お祭りも含め、環境再生型農業にシフトしていくって概念そのものだったりとか、国境の交通機関が維持できなくなったら共有交通にシフトしていくこととか、
その社会変革も含めてソフトなインフラだと思っていて、じゃあ誰のためのインフラかっていうと、やっぱり未来のそこに関わる人々のためのインフラだろうと思っているんですよね。
未来の人々は海外から日本に関わる人もだし、今まではそこの生活者イコール移住者で住民票がある人だったんですけど、
そうじゃなくて他拠点、未拠点、あるいはそこのファンで年に4回行きますみたいな人たち含めてそこの住人というふうに捉えていかないと、本来的な住人はもう減っていく一方だと思うんで、
そういう人たちが関わりやすくなるためのインフラなんだろうなっていうふうに思っています。
ありがとうございます。なんかすでにそのインフラに固いと柔らかいがあるんだっていうことがわかっただけでも相当新しい観点を持っている人多いんじゃないかなというふうに思います。
ということで、この回ではですね、ステイプルの岡さんをお招きしてやっておりますが、まずパート1はここまでとさせていただければと思います。ありがとうございました。