1. 心の砂地#
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2023-01-22 44:20

第25回『教室の片隅で青春がはじまる』

今回は谷口菜津子先生の漫画作品『教室の片隅で青春がはじまる』を特集しました。
柔らかな線で描かれるキャラクターの可愛らしさ(今っぽい造形!)、展開される、現実の「痛さ、えぐみ」。
《誰だって自分の人生を小説にしたらベストセラーになると思っている》(本作「あとがき」より)。
2021年に発表された(100年後も残っていくだろう)紛れもない傑作について、話しながら考えてみました。

あらすじ…【吉田まりもが主人公になれるのはいつだって一瞬だ。有名になりたいだけなのに、いつも空回りして、イタイ奴になってしまう。
一方、宇宙人のネルは、地球で“〇〇〇がしたい”という夢があり……。教室には、たくさんの“秘密”があって。隣にいるあの子のことだって、本当はわかっていなくて。大好きなあの子にだって、伝えられないことがあって。ほんの少し窮屈で、ほんの少し愛しい関係を描く、青春オムニバス・ストーリー。】

・登場人物
吉田まりも:主人公
ネル:宇宙人(ミュース星)

●一軍グループ
八代ニカ(第3話)
西田めぐみ(第4話)
サイリ(第5話)
マイ(第6話)

◽️ラブクラシックス・フォー・エピソード
Tracey Thorn『A Distant Shore 』(1982)
▷Spotify  ▷Apple Music

(2023年1月20日収録)
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2023 Special Thanks:セキヤ@urosiita
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吉田まりもが主人公になれるのは、いつだって一瞬だ。 有名になりたいだけなのに、いつも空回りして痛いやつになってしまう。
一方、宇宙人のネルは、至急で何々がしたい、という夢があり。 教室にはたくさんの秘密があって、隣にいるあの子のことだって、本当はわかっていなくて、
大好きなあの子にだって伝えられないことがあって。 ほんの少し窮屈で、ほんの少し愛しい関係を描く、青春をもにばすストーリー。
ということで、今回特集として漫画の話をさせていただくんですけれども、 谷口夏子先生の『教室の片隅で青春が始まる』という作品を特集したいと思っております。
はい、よろしくお願いします。
冒頭で読ませていただいたのはあらすじなんですけれども、 教室の片隅で青春が始まるっていうタイトルの通り、学校ものですね。
主人公の吉田麻里茂ちゃんと、宇宙人のネルちゃんと、 あとはいろんな一群グループって言われる人たちがそれぞれ、話数ごとにその人の話があって、
みたいな感じで展開していく漫画ではあるんだけども、 いわゆる群蔵劇、学園ものでの群蔵劇みたいなのって言うと、
パッと浮かぶのはやっぱりどうしても映画版、 霧島部活辞めるって言う、だとは思うんですけども。
うーん、そうですね。
まあ、やっぱ学園ものって基本的には、特に最近そういう傾向が強いっていうか、
まあそういう、いわゆるそれぞれのグループみたいなものとか、 そういった人のそれぞれの立場とそれぞれの悩みがあるみたいなことを描いていくみたいな作品。
まあそういうことにチャレンジしていくっていう作品っていうのは、 すごく鉄板っちゃ鉄板なのかな?
そんなに数があるかどうかって言われると、 そんなにすぐは出せないんだけど。
うーん、主人公の方から見て、こう嫌なやつだなーみたいなやつが、
今度フィーチャーされた時に、 ああ、この人にはこういう哲学があるんだ、みたいなパターンね。
たくさんあるよね、その一つの方としては。
ただ、この谷口先生の作品って割と結構こう、 特にストーリー漫画になってからは、
ちょっとこのSF的な設定。
SFって言葉を使うとちょっとぶっ飛びすぎる感じがするので、 ちょっと難しいんだけど、
少し不思議感みたいな、普通に宇宙人が出てきたりとか、
なんかそういうことが混在してる漫画が結構あるなっていう印象はあって。
なんで宇宙人がいる世界なんかみたいな説明はないんだけども、
普通にいて、普通に学校にいるよみたいな話ではあるんだよね。
まあ、来た理由とかはそのストーリーの中で 明かされていったりはするんだけども、っていう感じのお話で。
谷口先生の作品は、やっぱりこの等身大の女性みたいな、
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ちょっとその少し不思議もありつつも、 そういう今の女の子みたいなのを描くのがすごい上手いっていうか。
特にこの作品はそれぞれみんな抱えてるものみたいなのとかと、
そこが変わっていく、解決されたり考え方が変わったり、 捉え方が変わったりみたいなところのバランスみたいなのが、
すごくいい作品だと思っていて。
すごく僕も、谷口先生の漫画の中でも一番完成度というか、 高いし、すごくいい漫画だなと思って今回撮り上げたって感じなんですけれども。
はい。
寺田さん的にはどうですかね。 読んでみて、どんな感じの印象と雑感というか、お持ちましたかね。
そうですね。キャラクター一人一人が、 まずめちゃくちゃ可愛いなっていうのがありますし、
各シーンの女の子たちの一話一話の話の雰囲気とかもそれぞれかなり違ってて、
塗り方とか、髪の毛の塗り方とかも、 トーンじゃないの結構多いじゃないですか。
そうだね。
宇宙人の女の子は髪の毛が結構、 これ何なのですか、絵の具っぽい感じなのかな。
なんか水彩っぽい感じのね。
塗られてたりとかして、さっきも言ってましたけど、 宇宙人が何の説明もなく普通に暮らしてるんやけど、
そういうことを全く突っ込ませないまま、 こっちも気にならないまま読み進めていけるじゃないですか。
ちょっとベタな言葉ですけど、この世界観に飲まれるっていう感じが、 すごい不思議な感じでしたね。
SFじゃない、人間ドラマなんやけど、 なんかすごい世界観に飲まれるって感じがするんですよ。
うーん、そうだね。
特に1,2話の完成度ってすごいと思ってて、僕は、この導入として。
絵もすごく気合い入ってるし、まあ初めのプロットだから みたいな感じで、すごくバシッと決まってたんかなっていう感じはするんだけど。
なんかそこがすごくしっかりしてるから、すぐ3話4話5話6話と、 それぞれの一群グループの女の子たちにカメラが当たっていって、
話としてはどれが好きとか、ここがすごくいいとかあるけど、 その初めの導入がやっぱ漫画的にちょっとすごすぎるから、
このちょっと変わった設定も、スッと飲めるようになってるんやなっていうのが、 何回か読み返して思ったとこかな。
確かに1,2話すごいですよね。
うん、1,2話やっぱすごい。
ネルちゃんが結構、この釣り目の表情じゃないですか、ずっと。
顔の形状上なんですけど、最初やっぱこの、何考えてるかちょっとわかりにくい顔なんですけど、
話を読み進めていくにすれば、どんどん表情が読み取れるようになっていくというか、
そういうのを読者側も、この子の考えてることちょっとわかってきたぞ、みたいな感じになってくるっていうのが面白いなと思いましたね。
どんどん表情豊かになっていく。
そうね。で、ネルちゃんを愛らしく思ってくるという気持ちもついていっていくっていうかね、 この1,2話をまず読むというところで。
06:03
商業的に発表されている作品は、今回も一応全部読んだので、
その辺から見た谷口夏子さんが書いてるものとか、そういったところをちょっと前段として喋った後に、
もう1回、教室の片隅で青春が始まるここがすごいっていうことを語ってっていう感じのエピソードにしたいと思っております。
はい。
この番組、心のすなじは様々な文化や日常の築きをヒントに考え続けることで、
言葉の記憶装置を目指す教養バラエティ番組です。
私、シャークンです。
はい、そして私が寺田です。よろしくお願いします。
ということで本日も始まります。
心のすなじ。
いやだから、ほんま見た瞬間俺、ランディ・サブエージみたいだと思ってますね。
あんまおらんけどね。派手さの引き出しにランディ・サブエージしてますね。
ランディ・サブエージみたいだな。
で、やっぱ天竜とランディ・サブエージの試合もいるよね。考えると。
心のすなじ。シャークン。
はい。初めに谷口夏子先生の紹介をしたいんですけれども、
1988年、神奈川県出身。
多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース。
現メディア芸術コース出身。
インスタレーションや映像作品を作ることがカリキュラムに組み込まれていた現代アートなどを扱う学科にいたということらしいです。
多摩美出身の漫画家さんっていうところですね。
多摩美在学時の2年生の時に漫画日記ブログ、谷口Fを開始して、当時まだ漫画配信みたいなのがなかったところもあって、
僕の記憶でもそういう面白い漫画をウェブで発表してる人のブログとか読んでた思い出があるんで、
京町子さんとかも確かそういう感じで出てきた記憶がありますね。
それぞれブログとかでウェブに発表されるっていう時期に出てきた人の一人っていう僕の認識ではあるんですけども、
エッセイ漫画のブログから始まっていて、商業出版として発売される時もそういった漫画日記ブログ、谷口Fを元にした、
「私は全然不幸じゃありませんからね!」っていう作品でデビューって感じかな、商業出版としては。
これが2013年に、「私は全然不幸じゃありませんからね!」が出てるんですけど、そこから同じ年に、
さよならレバサシー、禁止までの438日間、2年後の2015年に人生やまわり谷口、これはリード社から出てます。
で、ちょっと間が空いて、2018年にコミックビームから、
「彼女は宇宙一」っていう作品で、初のストーリー漫画集として作品を出されるという感じですね。
だから、この作品集としてまとまって出たのは2018年なんだけど、
09:05
このエッセイ漫画とか出されてる時にも、今飛ぶ教室っていうので、漫画の想定とか、
おしゃれな漫画の想定を見たら大体飛ぶ教室の森さんっていう人がやってるんやけど、
森さんは私たちの大学出身で、レコード音楽部の出身の方なんですけどね。
そうなんですか。ああ、急に振りが縮まった。
とかで、森さんが、ジオラマというのとユースカっていう、どっちが先だったかな?
ジオラマかってユースカだったかな?反対だったっけ?っていう、インディーズの漫画誌みたいなのを出してたの、言ったら。
で、そこで、それこそ、しんぞうけいごさん、谷口夏子さんの今パートナーなのかな?のしんぞうけいごさんとか、
あと西村土佳さんとか、あとは寺田さんの好きな宮崎なつしけとか、
あとエラーくんって、LINEアイコンとか、アイコンとかで今は有名なのかな?エラー40さんって、ああ、わからへんか、寺田さん。
だからあんまりピンときてないですけど。
めっちゃ流行ったんやけど、初期のツイッターとかで、一世を風靡したエラーくんとか、
今結構、漫画家としてかなり大成されてる人たちのインディー誌みたいなのがあったんですけど、
あのスカートのサーベスさんとか、その時からそういったものを評価したり、実際になんか参加したりとかもしてたかな。
えぇー。
うん。
ま、なんかその辺でも、確か谷口さんってその辺周りの人だったっていう印象があるんですよ。
あー、そうなんや。
なんか、あれなんか、あたしがわからんけど、結構サブカルっぽい感じ。
言ったらもうほんと、で、この辺って言ったらその当時の東京インディーとか、
関西で言うとマルチネ、トースさんとか、あの辺の周りの人たち。
で、とかのシーンともなんか交往してるところがあって、
ま、実際、絡んでたり仲良かったりっていうのが近いっていう、まあだけなんだけど。
だから、僕からすると、その僕が大学生とかの時の、10年代の割とイケてる、これからのクリエイターみたいな人たちの集団の中の1人っていう印象があるんだけど。
うーん、なるほどね。
ビレバンとかにも、いっぱい置いてそうな感じ。
そうね、それこそジオラマとかユスカはビレバンで売ってたかな。
うん、なんか彼女は宇宙一の表紙とか、なんかすごい見た覚えありますもん。
ここになるともうだいぶ、その活動とかはもう終わった後よ。
あー、そう、これはじゃあもう普通に。
彼女は宇宙一はもうビームから出てるから、その前ぐらいだね。10年代前半ぐらいかな。
うん、なるほど。
その辺の人らが今や結構ど真ん中に。
ど真ん中って言ってもジャンプとかじゃないけど、文化系的なコミックの中ではかなり人気のところに来てるって感じがあるんだけど。
そういう感じのところの人だったなっていう印象があって。
その時はあんまりちゃんと読んでなくて、谷口先生の作品。
12:03
でも、この彼女は宇宙一っていう、さっき寺田が言ってたコミックが2018年に出るんですけど。
その時に帯で、「夢見ねむ大水戦」って書いてあったのね。
彼女は宇宙一の帯。
で、僕も結構夢見ねむさん好きだったんで、「あー、ねむ君が言ってるんやー」みたいな感じで。
なんか電波組のグッズとかもやってたりするらしいんだけど、谷口先生が。
で、もっと言うとSNマンガの中に、もともと電波組ファンでねむ君に会ったみたいな話とかも書いてたりして。
あー、なるほどね。でもなんかすごいしっくりくるな。
教室の片隅で青春が始まるような女の子たち、並べて書いたらちょっとアイドルっぽいかなって感じするし。
すごい似合いそうですね、絵柄と。
うん。特にこの2010年代中頃ぐらいのアイドル感みたいな。
まあ電波とか出てきだした時の感じね。
うんうん。
いろんなグループが出てきた頃の感じっていう、やっぱ印象があるわ。
まあちょっと余談ですけど、その辺でねむ君をきっかけで読んで、すごいこの人のマンガ面白いなーと思って。
そっからは新刊が出る度に全部買ってるっていう感じなんですけど。
で、彼女は宇宙一の後にコミックビームで長期連載の、彼女と彼氏の明るい未来っていう作品が2020年まで連載でやってて。
で、これは今全2巻でまとまってたりしますし、そのままビームではずっと連載持ってて、
その彼女と彼氏の明るい未来の後に、この今回特集する教室の片隅で青春が始まる、連載してました。
2020年から2021年かな。
今もコミックビームでは連載してて、吹き寄せレジデンスっていう作品を連載してます。
今ドラマもやってますけども、新庁舎のバンチコミックスってところで、これはウェブで確か連載してたと思うんだよな。
クラゲバンチっていうウェブで、今夜すき焼きだよっていう作品がありまして、
これが特に話題になってたなーっていう印象もありましたし、もっと売れていくんだろうなと思ったりもしますし、
この後に、今夜すき焼きだよは1巻で終わってるんですけど、その後にも、
今夜すき焼きじゃないけどっていう、また違う同居の話みたいなのを書いてたりもしますし。
すごいですね。でもなんか1年に2,3冊ぐらいずっと出し続けてる感じなのかな。すごいな。
正直ね、今回すごくこの教室の片隅で青春が始まる話をしたかったっていうのもあるんだけど、
今一番載ってる漫画家さんの話をしたいなーとは思っていて、そう考えたら谷口先生かなーって思ったみたいな感じなんだよね。
初期に書いてたエッセイ漫画みたいな連載も、このストーリー漫画を書きつつもずっとやってて、
織田さんっていう方のレシピを作る、そういうご飯の連載もやってるし、猫の話。
猫がすごくお好きで、ちょくちょく漫画でも出てきたりするんですけど、すごいでっぷりとした猫が書ける人なんだけど、谷口先生って。
15:00
なんでそういった本も出されてるから、今エッセイ系とストーリー系とで、本当に両党っていうかね、乗ってる漫画家さんっていう感じだと思います。
谷口先生の作品の特徴っていうかですね、
描いてるものみたいなのをちょっと一通り読んでみて、ちょくちょくさっきからも話しましたけども、改めて僕が見たところで言うと、線が柔らかで特徴的ですよね。谷口先生の漫画って。
そうですね。 キャラクターの造形がやっぱすごい良いっていうか、その髪型とか、ちょっとその小物とか、服装一つとかでもすごく実在感がある。
谷口さんの漫画イラストのデフォルメをされてるけども、なんかこういう感じの子いるなーっていうさ、女の子を描かれてることが多いから、2020年の女の子みたいなのをすごいキャプチャーしてると思ってて。
ああ、そういう感じはすごくありましたね。ほんま今の子たちって感じがしましたね。出てくるものも、インスタとかTikTokみたいなものって実際そのまま出てきてはいるけど、
これは古くなくて今の漫画やなっていうのを一瞬で気づきましたね、やっぱね。
だからそう、80年代のそういう漫画とか見ると、うわっ、80年代の漫画だなーすごい思ったりする。こういう時代だったなーって思うみたいなさ。
なんかそういうのってすごい大事だと思ってて、その今をキャプチャーするみたいな。だから多分2020年のこの風俗というかさ、一番キャプチャーしてる一人だと思うので、谷口先生の漫画っていうのは。
そこすごく魅力的だなあと思うし、キャラクター造形が優れてるっていうのは漫画なんで、絵のルックとしてもそこでも一つの重大な価値があると思ってるんだけど。
そこで展開される話っていうのが、やっぱすごく現実の一言で言っちゃうと痛さ、えぐみみたいなのを描くのがすごく谷口先生の特徴だなぁと思っていて。
そうですね。これと一緒に読んだ短編集のウチらキッドズットモとかの方も、結構心えぐってくる話とかもあるんで。
なんかシャークさんが選んだ漫画の中だと結構意外だったというか。
僕、やってきてるつもりではあるんだけど、もうちょっと引いた目線で漫画を描く人の方が僕は評価してる節があるんですよね。
それこそ前にやったエマとかは、もうそれの究極っていうか、カメラ全然寄らないみたいな。
そうですね、モノローグとかもないしね。
あとね、谷口先生って言ったら、本当にセキララみたいな言葉でも内容はこれ語れると思うんですよ。
表層とすれば、現実の痛さえぐみって言ったけど、セキララな現実とも言えると思うんだけど、
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嘘をつかないみたいな。
この教室の片隅で青春が始まるにもあるけど、そういう見栄とかさ。
尊大な自意識と、ある社会と、そこにいる現実と自分と、自分の中の内面とみたいな。
そことすごく向かっていく。それぞれ向かっていき、見方が変わったり解決したりっていうのが、今回の教室の片隅で青春が始まるんだけど。
そこを言ったら、みんな漫画とか全ての表現でこれって向かっていることではあるのよ。
描かれ続けてきたものではあると思うんですよ。テーマとしてはね。
そうですね。
これって文学からずっとやってきたテーマだとは思うんだけど。
なんか、僕はなんて正直な漫画で、もうちょっと、この例えが伝わるかわからないけど、銀男ボーイズ的な方向に行きがちっていうか。
ああ、なんかちょっとこう暴走というか、暴力というか、爆発的に叫ぶような表現が出てきたりとか、
そういう感情の爆発みたいなものをさ、やっぱりインパクトもあるしさ、やりがちじゃないですか。
でもなんか、あんまそういう感じではないかもね。
そうそうそう。で、少女漫画誌、女性漫画路線で行くと、それってやっぱ岡崎京子以降の庵野萌子とか、岡崎京子以降の系譜っていうのがあるんですよね。
ジョージ・朝倉さんとか。僕らがやった中で言うと、川上純子とかもその系譜に入るけども、
暴走していくものとセキララな、生と社会とのぶつかり合いとみたいな漫画ってあるんだけど、
そこが、描いてきた大きな感情みたいな、暴走していくものみたいなのをはらみつつも、全然違うものに着地してる感じみたいなのが、
こんなの読んだことないなって思ってんな。
あー、なるほどね。確かに僕は結構、性の描き方がこれまで見たことない漫画だなって思いましたけど。
うん、まさしくその辺のことを言おうとしてるかな。
食欲とかと同じようなレベルの欲求として描かれている。
まさしくそこだと思うね。
すごいウェットやん、中身としてはさ、今回の。ウェットのはずなんだけど、なんかすごく、
今回はそこに青春っていうものの一瞬の輝きみたいなのも載ってるし、いろいろいろんな奇跡が重なってて最高だと思ってるんだけど、
なんかそこのバランスがすごい好きだね。
なんか多分そこは寺田の言ってる通り、性っていうもの。
言ったらセックスって言葉も多分意識的によく描かれてたりすると思うんだけど、これって。
うん、そうですね。ダイレクトに描かれてるし。
なんかそういう性欲っていうものが、結構男性が描く場合って言ってますね。
暴力性とか、あとは結構自己嫌悪とか、自分の醜悪な部分として描くようなイメージがあるけど、
21:04
その性欲を全く自分のこの醜い部分とか老い目みたいなものなく、
発露してる感じがあって、なんやろ、言葉としてやってるかわかんないけど、健康的な感じがするっていうかね。
あー、でもそれはね、そうそう、多分そこなんだよな。
その健康的感みたいなのが多分好きだと思うんだよね。
うん。
だから下手しいこれ普通に中学生とかに渡しそうになるっていうか。
うーん、そうですね。
いい距離感やと思うんですよね。
学生が思う性に対するいい距離感が描かれてる感じがしますね。
確かに。全国の保健室にあってもいいような気がしてきた。
確かに。
うーん、だからそうだね、そこの健康的ってことがすごいしっくりくるな。
そこってあんまないなっていう感じが、そこの健康的な漫画って面白いね。
そういうとこに僕も面白みを感じてるんだと思う。
うん。
うーん、だし、そういうちょっとふわっとした芯の部分みたいなこと言ったけど、
もうちょっと引いて話すと、フィニッシュというかさ、少女漫画的にモノローグもガッツリ描けるんですよね、この人は。
ああ、確かに。
うんうん。モノローグ多分いっぱい少女漫画読んできて思うと思うけど、やっぱりリズム感大事やん。
トントントントン、ドーンみたいなさ。
そのセリフの枠の割り方とかも大事ですよね。
うん、大事やんか。そこもすごくいいし、この人言ってないけど、めちゃめちゃ描き込むときめちゃめちゃ描き込むやん、背景とか。
すごいここぞっていう締めがギッチリしてるから、ふわっと読んでてもすごいグッとくる漫画になってるんよね、どの漫画も。
だからすごいいいなーって思うとこなんやろうなーっていうとこかな、僕が思う特徴と描いてるものっていうのは。
確かにね、描き込みディテールもしっかりしてるからこそ、作者の代弁感がないかな、キャラクターがほんまにそういう個性の人なんやなっていう感じがするから。
実際その友達とかの言葉から思いついたような物語であるってことも多分作用してると思うんですけど。
だからSA漫画を描いてた人と思えないぐらい本当にね、作者の影を感じないというかさ、すごいな。
それはそうやん。それは寺田くんまさしくそうで。確かにその、「こんにちはー!」って出てくるタイプの漫画ってあんねんな、やっぱ。
それが良い悪いじゃなくて、それこそ岡崎京子の系譜ってやっぱちょっと見え隠れ、見え隠れするところが良いとすら思ってたから。
たぶんそこが違うな。そこのリアリティのラインみたいなのが、もうちょっとアニメ見てるぐらいの距離感がある。
あーそうですね、確かに。
けど来るみたいな。そうかもしれない。ちょっといろいろ近づけたとこもあるかなと思いながら。
24:03
あと、ネタになったこととか、この作品はこうでみたいなのを書籍版を買うと、後書きで結構谷口先生が書いてくれてるので、
そこを照らすと、読み終わったら最後に書いてやるから、「あ、そういうことなんだ!」って言って、もう一回読むみたいなのがすごい面白い作家さんだったりするので、
その辺は単行本、ぜひ手に取っていただいてチェックしてほしいなと思っております。
ではですね、最後に教室の片隅で、「ここが最高!」っていうところをですね、語っていきたいと思うんですけれども。
あと書きから先に行っちゃうっていう、ちょっと詭釈なね、方法を言ってしまうんだけども。
誰だって自分の人生を小説にしたらベストセラーになると思ってる友人が言った言葉が、この作品のヒントになってるみたいなさ。
で、自分もそう思ってるところがあったってことに気づいたみたいなところが、この作品のこの始まりみたいなことが書いてあるんだけど。
すごくスッとわかるっていうかさ。この作品が挑んでるって、モブみたいなもんってありませんよっていうことでもあると思うし。
うーん、そうやな。
でも、全員が全員モブだと思ってない。し、漫画というものとか、そういう表現っていうもののエリート主義みたいなところって、
僕はよく言いますけど、「ここだけ意外といたらいい!」みたいなさ。
ここはすごいけど、じゃあここの奴らどうなんねんみたいなことって、どんな作品とかでもあって、そこに挑んでる感じもあるかなっていう感じはしてて。
もちろんそこを描いてるからいいっていうわけじゃなくて、そこもみんなそれぞれこういうのがあるんじゃないかな、こういうのがあるんじゃないかなみたいなところを、
やれるだけ描ききっていくっていうことにチャレンジして、それが全て成功して、
全体の貫いた面白いストーリーとしても、出来上がってるっていう漫画なんかなっていうふうに思ってるかな。
教室の片隅で青春が始まるわ。
なるほどね。やっぱりその主人公以外の部分って、取りこぼしてる部分が絶対あるから、そこも全部拾い切るっていう。
そういうとこで言うと、過去に取り上げた「街の上で」とかと、なんとなくちょっと近い気もしてきますね。
今泉力也の映画は近いかもしれんな。
うーん、全部映しますよっていうところがさ。
力也さん映画並べると確かにすごく納得がいくよね。
なんでもない人みたいなのがモブじゃないみたいな感じっていうのは確かにな。
27:02
いや多分そうだ、僕谷口先生への思う気持ちと力也への気持ち一緒やな。
力也って言うと別の人みたいに今泉力也監督ね。
うん、確かにね。それあるかもしんない。
もうちょっとストーリーの方に戻りたいんだけど、まずこのマリモちゃんっていう女の子は、
これは鈴宮遥がもし現実にいたらっていう感じの大喜利みたいなものだと俺は読んでて。
あーなるほどね。めっちゃしっくりきましたよそれは。
実際その宇宙人とか出てきて、そこに囲まれてるっていうのもまぁちょっと春日っぽいところなんだけど。
でもなんかそこの暴走していくマリモちゃんみたいなのと、そこの葛藤みたいなのをすごく描いてるのが、
すごいこの作品の突出してるところっていうか。
この春日の話にしたら悪いんだけど、春日が何考えてたかってわかれへんやんか、あの作品って。
うーん、まぁ確かにね。
まあ行間とかではもちろん読めるようになってるよ、こう思ってたんだなとか。
でも春日の言葉でバーってここがこうで、このちっちゃいところに悩んでてみたいなところってさ、聞かれへんやん、あの作品はさ。
今回は言ったらその春日視点から、うまくいってない鈴宮遥のモノローグというか、独り語りみたいなのがずっと真にあるみたいな感じがさ、
すごい面白いなーと思ってて、マリモちゃんがね。
確かにね。鈴宮春日が現実にいたら、これぐらいうまくいかないし、痛い。
うーん、まぁ一つの解釈としてできると思ってて、そういう面白さもありますよっていうことは伝えたいし、
そんな時間もないんで、いうところで言うと、第一話と第二話の完成度の高さっていうのはね、
この教室の片隅で青春が始まるのを、すごく僕が何回も読んでしまうその要因っていうのは、この第一話、第二話のすごさっていうのがあって、
これどこから話すかな。
まぁその、メントスコーラっていうものをこんなにも美しく描いた漫画はないっていうのをまず一言で言うとしたら。
あー、確かにね。
説明すると、宇宙人のネルちゃんが一群グループたちとかに、宇宙人で珍しいからっていう理由だけで入ってるんだけども、
で、合コンに行くんだよね。一群グループにネルちゃんが入ってて。でもそこで、ネルちゃんはフワフワの宇宙人なんですけど、
もちろん性的なことにも興味があって、でも多分みんなはその、キティちゃんが来てるみたいな感覚やから、
なんかこうフワフワで触ってみて、「わぁ、ほんとフワフワだねー。」みたいな感じで。本当にマスコットとして見てるんだよね、ネルちゃんのことを。
人間として見てないって感じがね。
うんうん。そう。そこで、でもネルちゃんはすごく興味があるから、触らせてって言った男の子に、「家帰ってもっと触りっこしない?」みたいなことを言うんよね。
30:09
うんうん。
そうすると、「いやいや、そんな、そんなつもりじゃないから。」っていうのがドン引かれるみたいなね。
すごい悲しいくだりがあって、傷ついてネルちゃんはそこから帰っちゃうみたいなのがあるんだけど。
で、そこでマリモちゃんと出会って、で、マリモちゃんがメントスコーラをYouTubeで撮るから、そこにこう参加させられるみたいな感じのくだりがあるんですけれども。
なんかその、ここはやっぱ漫画としてすごい、出会い方とかその辺は見ていただきたいんで、ちょっとあんまり言わないんですけど。
メントスコーラがバッて飛んで、それを浴びて、マリモとネルちゃんが浴びて、基本的に水っていうのは、なんでも僕性のメタファーって言うんですけど、水とか吹き出すみたいなのは全部性のメタファーだと僕は思ってるんで。
言ったらこれってこう、コーラっていうもんもそういったもんにも撮れるよね。
ただ、直接的な水じゃなくて、そういう遊びので使ったコーラっていうのを一緒に浴びて、で、マリモが拭き取るわけですよね。
ベタベタになったねっつって。そこでマリモがフワフワだなって言って、一話が終わるんだけど。
これはなんかその、セックスがしたいっていうネルちゃんの欲望だけども、ベタベタになって違うもんを浴びて、でもそれがこう大体的にね、言ったら友情みたいなもんで保管されるっていう表現だと思ってるんだよ、僕はね。
セックスに近いようなもんだけども、イニシエーション的な何かとも撮れるし、まあいろんな撮り方ができると思うんだけど。
ああ、なるほどね。まあ確かにこの、その本当に直前でさ、あのネルちゃんがさ、そういうセックスをしたいっていうことを言った後のこれやから、まあまさにそういうことを意図的に、擬似的に描いてるシーンって思ったらすごいしっくりきましたね、確かに。
うん。で、そこを埋めるのはマリモっていうね。
うん。
ベトベトになったコーラを吹くっていうところで、ネルちゃんの男の子とセックスとかをするときのさわりっこはできなかったけど、マリモが吹き取って、そこのさわりっこはされるっていうさ。で、ふわふわだなってマリモが言ってくれるっていうところがすごい。ここが、そう思ってみるとすごい良いっていうかね。
ああ、なるほどね。しかもね、このマリモが最後さ、コーラ吹いてるときにネルちゃんが喉を鳴らしてるゴロゴロゴロっていうのは、こういうところも含めてなんとなくそういう感じがするし。
うん。そう、なんかここ行くまでに、なんかネルちゃんとマリモなんかすごいさ、天から映してるコマが面白いアングルで撮ってたりするんやけど。
うん。
なんかちょいちょいなんでこれ天から撮ってんやろうなって思ったら、このメントスコーラに繋がるみたいなさ、ところがあって。
33:03
だからそこでこう、最後モノローグでずれてた世界にピントが少しあったみたいな。なんかこう上から覗いてて、ここにドーンって足して、こう横で二人を捉えるみたいな。なんかすごい映像的にもすごくこう、ああ、なんかグッとくるみたいなところもあって。
うーん、確かにね。
うん。
ほんまやな。
そのまま第2話に行くんすけど、この漫画としてはそのメントスコーラがめっちゃ美しい一瞬なんだけど、その実際にアップロードしたYouTubeの動画だと、めちゃめちゃしょぼいコーラがプシュってなってるだけのiPhoneで映った、めちゃめちゃしょぼい絵でちっちゃく描かれてるやんか、それって。
ふふふ、そうね。
二人にとってはもうこんな美しい一瞬に見えたけど、実際に残された動画って全くそうじゃないっていうのが、もうこれはなんかほんと青春ってこういうもんやなってすごい思ったりして、僕はここの感じに。このちっちゃい、こんな感じなんよ実際に起きてたままみたいなのがさ。
ふふふ。
うーん。
そうなんですけど、いや実は僕高校の頃にほんまに友達と公園でメントスコーラ携帯で撮るっていうことをやったことがあって。
やってるやん。
ほんとにやってて、後から見返したら、なんか夜やったから画質もすごい荒いし、別に音もそんなならないんですよねメントスコーラって。
映像的にはさ、ブワーって溢れ出すけど、別にバーンって音がなるわけじゃないからすごい地味ない。
ふふふ。
それ思い出しましたね。
うーん、なんかこの感じもすごい良いし。
うん。
まぁ、ねるちゃんとマリモはそのメントスコーラがあったけど、ちゃんと会話みたいなのがそこ2話で始まるけど。
うん。
で、マリモはなんかその時、もうずっと言ったらハルフみたいな子やから、まぁストンキョウなこと、変なことをしたい、特別だっていう憧れから変なことをしちゃって、すごいシンとさせてきたみたいな。
で、友達がずっと出来てこなかったみたいな、トラウマみたいなのがあって。
ねるちゃんもねるちゃんで、自分の星ではなかなか優遇されてなかったみたいな子なんだけど。
うん。
その2人が話をしていくっていうところがあるんだね。
それぞれ、マリモはYouTuberになって、めちゃめちゃ有名になりたい、特別であるってことを証明したい。
で、ねるちゃんは彼氏が作りたいっていうことで話を始めるから、全然それぞれ自分が自分の話だけをしてるみたいな、ぶつかり合いみたいな感じになるんだけども。
うんうん。
ただ、そこでマリモが、自分がこう、自分の話ばっかしてるってずっと言われたし、
うん。
自分が話すとみんな静まっちゃうっていうことに対して、ねるちゃんが、それってすごいわかるっていうリアクションをするんだね。
ふふふ。そうね、うん。
そこで、「私の言葉が水だとしたら、相手に染み込まない感じ。スルスル流れてそのまま消えてしまうの。でも今すごい、マリモさんの言葉が私に染み込んでる感じ。」
っていうセリフとともに、そのまた水ですわ。
ふふふ。
ねるちゃんの顔があって、駒が割られて水たまり、マリモの顔があって、その水の大きさと同じぐらいの草むらになってるっていう駒が出てくるんですけど。
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これがなんかこう、水があったから草が生まれるわけですよね。
ああ、なるほどね。
うん。そこからなんかいろんなもんができて、草になっていって。で、その次のページになると横になるんですよね。
横に川みたいなのが流れていってて、だんだんこの好きなもんとかがいろいろ挿入されながら、いろいろ草とか花とかもちょいちょい描かれていって、横にずっとページが流れていくっていうのが続いていくんやけど。
2人の会話と川っていうのが横にずっと流れていって。
で、それでいろいろ会話して、これはマリモちゃん家なんだけど、マリモの家で一緒にミュージカルの映画を見るんだね。これたぶんララランドとか見てると思うんだけど。
で、それでその動画を見て、すごい打ち解けたときの一番最後は、川の一番最後はもう満面の花が描いてあるわけ。
そうですね、この見開きのとこね。
これって言ったら、会話に花が咲くっていうことを漫画として表現してると思うんだけど。
それをもう全部ちゃんと描いてるんですね、いう表現。
そうそう。だから水たまりが草になって川が流れていって、それがいろんなもんが通り過ぎていって、花がブワッと咲くっていうのが。
ここが何回読んでもすごいね、漫画として横に流れていってる感じみたいなのと、お互い好きなこと言ってて全然噛み合ってないけど、でも会話ってこういうもんだよなっていうところも多いし。
最後はちょっとバシッと合うところがあって、そこはすごい満面の花がブワーって描いてあるところが、すごいここがね感動的で、めちゃめちゃグッとくるんよね、私は。
会話が噛み合っていく感じみたいなものを視覚化するとしたら。
これが漫画ですよって、これアニメーションで話してるところに横にバーって描くとかできへん。漫画だからこう、コマが割ってこうできるからできるし。
右から左に流れるからね、できるし。
これすごいことをやってる数ページなのでは?っていうふうに思っていて。
あー、確かに。まあいいシーンやなとは思ってたけど、そこ結構読み落としてたかもな。
うん。
で、これこう見るだけで、もうここでも5億点出てますね。
振り切ってるやん。
それ以降も結構この花っていう感じの、周りに花が咲いてたり植物があるっていう表現とか、なんかこう宇宙の星っぽいのが舞ってる表現みたいなのが何回か出てきますけどね、確かに。
漫画の背景じゃなくて、付属として描かれてる部分とかで言うと、6話のいろんな男の人と体の関係を持ってるっていう女の子の話の時も、すごいコマの端とかにリボンが描いてあって、
一番最後、下着をつけて鏡の前で立っているところのシーンでリボンが結ばれて、リボンの最後になってるみたいなところとかの表現とかも、まさに漫画ならではって感じがしますね。
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そうね。いや、そうなんですよ。めちゃめちゃ漫画が上手いんですよ。谷口先生は。
プロットも、話もめちゃめちゃおもろいから、なんかもう引っかかるとこがないようなすごい会話も上手いし、たぶんこれ特にウェブとかで読むと、ファーって行っちゃうのよ、たぶん。
でもここにすごい濃いものがあるから、これは絶対紙でじっくり読んだほうがいい、この漫画は。
あー、そうね。確かにストーリーのプロットというかさ、そこの良さで言うと、僕一番好きな話はミイタソの話なんですけど。
ミイタソの話最高ね。インスタ女子の話ね。
西田恵美っていう女の子が、学校ではね、やっぱ主人公とかキラキラした存在にはなれないから、インスタで隠れてミイタソっていうすごいキラキラしたインスタグラマーを演じてるっていう話なんですけど、
話が整いすぎてる、ほんまに。びっくりする。
すごいよね。共和2とかでやりそうな話やんな。共和2で神回答される山田尚子監督がやってほしいですね、これね。
このキラキラしてるミイタソっていうのと、このマリモが追っかけてるダッシュババーっていう、全く真逆の存在が最後にガチッと繋がるっていうところが、
ちょっと綺麗すぎて、この短いページの中で。しかもものすごいギャグアニメっぽいテンポなのよな、この話は。
そうそう、ここすごいね、インスタ女子的なものの気合みたいなさ、そこの薄っぺらい女の子みたいなところを描いてるものとしても、すごいそこの説得力みたいなのもあるし。
そうですね。
しかもさ、お姉ちゃんとそのお姉ちゃんの友達、憧れてた2人が、インスタ女子っていうここにある画像みたいなもので判断するようになっちゃってたから、レッテルみたいなのを貼ってたけど、実際は違うんだっていうさ。
でも、そこをインスタの才能みたいなのがあるから、切り取ることの素晴らしさっていう、反対側の良さみたいなのも同時に描いてるっていうさ。
ああ、そうですね。
レッテルを貼るものとも撮れるけど、そこを良いものとしてベタっと貼る才能があるから、写真が上手くて、ちゃんとそこが切り取れる人として頑張っていこうっていうオチにもなっていくわけだから。
いや、ここもめっちゃすごい。
めっちゃすごい。だから、前の部分を否定し新しくなるんじゃなくて、角度を変えてるのよな、自分に対して。
そうそう。角度が違うだけで全然違うやんっていうさ、とこなんよな。
これはね、やっぱすごいですよ。だからインスタって結局、ミエハンの薄っぺらいよねっていう否定じゃないのよね。
そうそうそうそう。
そこが一番いいなと思うな、確かに。
そう、だから結構さ、インスタ女子批判みたいなんって結構溢れてんねん。
インスタ女子的なもんって本当に良くないもんとされてんねん、多分、今の20代30代の認識って。
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そこにもメス入ってるし、こういう見せ方、考え方、捉え方があるんだっていうさ。
インスタ女子の一番いい解釈の仕方というか。
思う思う思う。これ多分読んで、インスタ女子ディスみたいなのしてる人って全部改めると思う、マジで。
いや、ほんまに。否定とか肯定じゃなくて角度を変えるっていうね、ところが僕はすごい良いと思うし。
僕はあと基本的には、私は幸せなんじゃお前らはつっかかってくなみたいな話が結構好きなんですけど、
言ったらその前段の自分自身が自分の価値を否定してたのを改めて、自分に価値があるってことに気づくっていう、
僕の好きな話の一歩目みたいな感じなので。
これが第一話やったとしても行こうな話を見たいなって思うぐらい好きな話でしたね。
あと話してない話もあるんですけど、全部素晴らしいので、ぜひとも手に取っていただいて、読んでいただきたいなと思っております。
はい。というわけで心の砂地は引き続きお便りをお待ちしております。
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また、本編で出てきたこういう名詞などは、ノートに用語集がありますので、そちらもご覧ください。
今回は千代谷口先生の漫画の情報とか、そういったことを載せています。
Wikipediaより僕が書いているノートの方が詳しいです。
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ということで、今回も聞いていただきましてありがとうございました。
それでは皆様ごきげんよう。
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