で、あそっか、俺が知らんかっただけで、あのクラスの一部とかにいた子とか、
うちの姉ちゃんとかの友達とかにいたゴスで決まってるような真っ黒の服を着た耽美趣味のお兄さんお姉さんとかは、
そっか、楠本まきにたどり着いてたんだって勝手に思ってたの。当然読んでると思ってたんよ。
うん。で、その辺を改めて調査しようと思って。で、調査してみた結果みたいなのもちょっと今回発表していきたいなと思ってて。
もうそれは実際にアンケートをインタビューとかをしたってことですか?
あ、そうそうそう。インタビューをね、今回の配信に合わせていろいろしてきたんですよ。
このインタビューで今まだ名前出してないんだけど、一つキーワードなのは、その『NANA』パラの影響みたいなんと、
映画下妻物語とか、まあちょっと言ったらなんとなく黒いゴスロリって言葉が流行りだしたぐらいのね。
はいはい。
バンギャっていう言葉とか。まあそういった言葉が流行りだした後の、まあ『NANA』パラに象徴されるようなゴスロリパンクみたいなもんをひっくるめて紹介してた、「KERA」って雑誌があったのよ。
はー、そんなんがあったんよ。
うん。まあいわゆる青文字系雑誌の一つではあったんだけど、僕が見てた頃は、それこそ下妻物語の2人。
深田京子であり土安奈とかが表紙になって、本当に下妻物語の流れを汲んだ格好をそのまましてたりとか。
で中身もそういう人たちが、まあストリートスナップとかが載ってて、載ってたなーっていうイメージがあって。
うーん、そういうのを見たことがあったんですね。シャークさんも。
「KERA」自体よってことかな。まあ姉ちゃんが飼ってたわけじゃないんだけど、たまーに家にあったんだよな、「KERA」とかジッパーとかキューティーとかは。
でまあ普通にいわゆる赤文字系のキャンキャンとかそっちもあったんだけどね。
貴重な経験ですねそれは。
うん。でまあそういう子もいたし、でクラスでそっち系の子が「KERA」を読んでたっていうのも覚えてんね。
うーん、なるほどね。そうか。雑誌持ってきたりしてたね。
そうそう。そういえば「KERA」を読んでたなー、ああいう子はみたいな。
その、まあ読む雑誌によってその子のアイデンティティーみたいなのが決まってた時代でもあったと思ってて。
でこれは多分僕の世代ぐらいが最後だと思う。
そうですね、ちょっと僕の時代はあんまりそういうのはなかったですね。
ファッション雑誌を学校に持ってくるっていうこと自体がほぼほぼ見たことないですね、僕の世代は。
まあちょっとエリアとかね、よるかもしれないけど。
そうそう、地域差もあるし、そのもちろん行ってる高校にもあるし、
今回まあ寺田とかより年下の子とかも結構読んでたっていう回答はまあ割とあって。
『KISSxxx』っていう、楠本まき先生の大ヒット作なんだけどを、その週刊マーガレットで連載開始するんだけど、これが88年。
で、ちょうどその事情的に週刊マーガレットが各週の発行になって、マーガレットっていう名前になったんだけど、
その残り6週っていうタイミングだったらしくて、が始まるときが。
だからまあ、もう6週で終わるからっていうタイミングだったから、が始められたっていうところもあるらしくて。
あー、なるほどね。もう終わるから、そういうちょっと挑戦的なやつ載せてもいいでしょうみたいな。
そうそうそう、っていう空気もあったみたいで。
この辺は、去年「線と言葉 楠本まきの仕事」っていう、楠本まき先生の展覧会があったんだけど、
その時に合わせた書籍が出てて、その辺でそういう話があるんで、詳しくはそこを読んでみてほしいんだけど。
ってタイトルだけ言ってるんだけど、これってバンドやってる男の子と、バンドのボーカリストに恋する女の子の話なんだけど、
ざっくりめちゃめちゃ『NANA』やなっていう感じは、この説明だけするとそうなんだけど。
だから、もっとバンドのどうのこうのっていう話だと思ってて、僕はっていう漫画がもともとあってみたいな、バンドの。
で、すごい黒と白の細い線で描かれた美しい男、そしてパンクっぽい服装みたいな。
この時代的にはイギリスのニューウェーブとかがすごい流行ってる時代で、当時の、例えばここでキュアのラブキャッツがかかるとか、
こう、吹き出し横に書いてあったりとか、ライブハウスのシーンで。
結構具体名が出てくるんやね。
そうそうそうそう。主人公の子が部屋で一人でノイバーテン聴いてて、お姉さんに、
何こんな暗い音楽聴いてんのよみたいな。一人でノイバーテン聴いてんじゃないよみたいなツッコミがあるみたいな。
そこそこ僕の大好きな、テラードと僕も共通で好きなイギリスのニューウェーブの、ほんまリアルタイムの音楽を当時から紹介してて、
その雰囲気も漫画的にも落とし込んでるっていうすごい漫画ではあるんだけど。
なるほどね。じゃあそこら辺の音楽好きやったら、スッと入れるかもしれないですね。
もちろん。の登場人物のルックとかという漫画の雰囲気とかは、かなり初期のビジュアル系とか、
日本のいろんな音楽シーンにも実際に影響を与えたっていう感じの話はすごいいっぱいあって、
イメージアルバムとかも出てたりもするぐらい、すごい大ヒットした作品で。
これがマーガレットでやってたらヤバいなって感じで。
で、普通のマーガレットコミックスって、いわゆる普通の単行本サイズなんだけど、だけはA5版で出てて。
言ったらこれはまあ、岡崎京子以降の世界だからってことだと思うんだよね。
岡崎京子の漫画がA5版で出てたから、みんなA5版の漫画が一つのオシャレの何かっていうので、
他にもいろんな、内田春菊であり、いろんなA5版の漫画を出す女性作家さんっていうのが出てくるんだけど、
その流れにも、このは乗ったっていうことだと思うんだよね、マーガレットが。
なるほどね、サイズでちょっとジャンルというかさ、方向性がわかるっていうのも面白いですね。
うん、あるし、普通のマーガレットコミックスじゃねえぞっていう感じもあったんだろうね。
で実際、売れなかったら、1巻はとりあえずそれ出して、売れなかったら普通のやつ戻すとかも言われてたらしいんやけど、
実際もう1巻から爆跳ねでめっちゃ売れて、2巻で100万部売れてるというはね。
凄まじいですね。
デビュー3作目で、そんぐらい当ててるっていう伝説的な作品ですね。
一応の話はもうちょっとしとくと、主人公のカノンっていうバンドやってるボーカリストの方と、
そのカノンの相方みたいな感じで、ヒロインのカメノちゃんのお兄ちゃんのカニって言われてるやつがいるんやけど、
そのカニがスキンヘッドでサングラスみたいな、いわゆるライムスター宇多丸ルックみたいな。
そうね、思い浮かべると言ったらその人やけど。
スキンヘッドのサングラス、でも細いサングラスかな、色付きのグラサンみたいな。
ああ、オシャレサングラス。
その感じって、『NANA』のドラマーでヤスっていうキャラクターがいるんやけど、
スキンヘッドにサングラスなのね。
おお、かぶってるやん。
そうそう、だからヤスはのカニちゃんから取ってきてるみたいな話が、当時『NANA』を研究してたときにあって、
それで、なるほどなと思って読み始めたんやけど、
そのときはいろんな元ネタを、音楽にしろ映画にしろ見て、
ああ、これこういうことやったんやっていうのを楽しんでる面白い時期やったんやけど、
だから『NANA』的なもんをに期待して読んだら、
『KISSxxx』の88年から90年ぐらいっていう、完全にバブルがめちゃめちゃ盛り上がってる時期っていうのも多分あると思うんやけど、
あんまりの中身の無さにドギも抜かれて。
中身の無さ、ああそうなんや。
本当に話らしい話は一応あるんだけど、
なんていうかな、矢沢あいってたくさん読んだやん、俺らも。
たくさん読んだけど、もう話がすげえこもってる人やん。
ストーリーテリングの人やん、基本的には。
まあ話の起伏はものすごいよね、ラブコメもあるし、泣けるとこもあるしみたいな。
うん、話が面白い人やん。
そうね。
そこの根幹もにあるんかなと思ったら、そこは矢沢あいの要素で、
だからルック的なところとか、雰囲気の感じとかは持ってきてるところはあると思うんだけど、
これで終わり?みたいなさ。
あまりの中身の無さに、そのドライな感じに衝撃を受けて。
あー、なるほどね。
今回のアンケート聞いてると、やっぱそこはかなり一緒に読んでた子も多かった。
あの、ジッパーメインで読んでたけど、たまに「KERA」も買って呼んだっていう子とかもすごい多かったし。
なるほどね。
っていう感じがしたかな。うん。
友達なんやな、その辺りは。
うーん、っていう感じはあるかな。
なるほど。
うん。雑誌の「KERA」の、って98年にできてて、その前にフルーツっていう原宿のストリートスナップを主に撮ってる雑誌が先にあんのね。
で、「KERA」の方が後発っぽい感じっていうのがあって。で、これは複数名の人から同じ話を聞いてて、46人の中に5,6人言ってたらこれは真実なのではないかっていう見立てをしてるんやけど。
フルーツの方がやっぱ都会、原宿で都会的な感じがしてて。
うん。
「KERA」の方が、やっぱちょっとこう、こっちの関東の人たちの言い方で言うと北関東感っていうか。
言ったら地方のヤンキー層にも届く感じのイメージがあったって言ってた。
へー、そうなんや。そっか、北関東感。
うん。地方都市にも届く感じって言ってて。
確かに、俺もクラスで思い返してみると一番オシャレな子はフルーツとかを主に読んでたのよ。
うーん。
そうそう。だからそういう住み分けみたいなのもあったし、まあちょっと違うかみたいな。
で、僕その「KERA」が国立国会図書館にある分は大体全部読んだんやけど。
うん。
中身が思ってるより、さっきの話から続いてるけど、もっと、なんかもっと真っ黒だった覚えがあったんやけど。
思ってるより、それこそメロコアっぽいもんつーか、そのポップパンク的な文脈とめっちゃ近かったよな。
へー、じゃあなんかダウナーな感じじゃないってことか。
そうそう、意外とそうでもなかってん。なんかもっと俺はダウナーな印象があったんやけど。
例えばマイケミとか、マイケミカルロマンスね、とかサム41とか、まあ当時のそれこそポップパンク系のガイタレみたいなの載ってたりとか。
うーん。
あと日本人とかだと、まあ当時ちょっとロック系の歌手、黒い服着たロックっぽいテイストのJ-POP歌手みたいな、
一人の女性の歌手みたいなっていろいろ言われてたんやけど、そういう人が載ってたりとか。
あの第五スターダストだったときに第五が載ってたりとかしてて。
懐かしすぎる。
うーん。
なるほど。そっか、そういう感じの格好やったもんね、なんかウィッシュやってたことね。
そうそうそう、とか、あの王健もずっとコラム、バンドマンの恋人になる方法っていうコラムを連載してたりするんやけど。
ファンギャム系ですね、まあ説得性あるよね王健は、そういうことやると。
そうそうそう、だからなんか、思ってるより結構パンクっぽい、ちょっと思ってるよりストリートやなーみたいな感じはすごいしてて。
ただなんか、あの宣伝、映画宣伝とかで取材受けてる女優とかが、まあ栗山千明さんとか加穂さんとかが出てきてたんやけど、俺が読んだゴーでは。
が、「KERA」に来たんでっていうので、そのゴス系のファッションをしたりとか、いうページとかもあったりとかしてて。
まあなんかイメージとしてはまあもちろん、その感じは残ってはいるっていう感じかな。
なるほどねー、まあ栗山千明とかめちゃくちゃ似合いそうやけどな、確かに。
うーん、それこそ俺の当時の記憶で言うと、やっぱこの時って、まあキルビルとか栗山千明が出た後だから、象徴の一つではあったよ、栗山千明って。そういう子たちがみんな好きって言ってたもん。
あーまあそうか、黒髪でこのロングでバシーンみたいな。
そうそうそう。でもやっぱりキルビルのね、あのイメージとかあったし。
だから後にリンゴに曲書いてもらうやん。
はいはいはい、あったな。
なんかそこもすごくよくわかる流れっていうか。で、まあ今名前出したけど、この辺一帯の子はみんなリンゴも大好きだったよ、もちろん。
そっかー、なるほどね。
この辺の青文字系の雑誌って漫画が載ってるんやけど、まあ中村あすみっ子ののけものと花嫁っていうのも、いくはら国彦、少女革命撃破のいくにさんが原作で中村先生が絵描いてるっていう、最高でしかない漫画もやってたし。
まあもちろん球体関節人形についてのコラムとかもあったりとか。
そういう耽美ーのためのレッスン感は一応残ってたのが、キラーにはあった、そのピストルズとかクラッシュとか初期パンクのコラムとかも載ってたりとか。
ピストルズのグラビア載ってたりとかもしてたから、まあなんかそういうThis is 耽美ーへのレッスン入り口のための雑誌みたいな見立ては一応あってはいたかなっていう感じがしたかな。
そんな感じですね。
例えばその球体関節人形とかって、またもうちょっと都会のサブカルにイメージがあるんだけど。
そういうのも同居してて読んでるもんなんやな、地方の人らは。
まあでも1ページとか2ページとかよ、それは。
うん、いやまあでもそういうのさ、ちっちゃい子でやっぱ見たことあるから、都会に来て、例えば中野のブロードウェイとか行ったときにハマるとかありそうやなと思って。
あるあるある。だから一応やっぱそのゴスのためのレッスンにはなってたと思うね。
そう、最後にこのインタビューの内容3つ。
主に、まあいろいろ人によって変えて聞いてるんやけど、3つインタビューしてて今回。
キャラとか雑誌とか、まあゴスについてみたいな感じのインタビューなんだけど。
まあ1つが、ゼロ年代はゴスっぽいものが流行っていたという感覚はありましたか。
2つ目が、当時の雑誌の影響力について。
雑誌に載っているブランドの服もしくは似たような格好をプチプラなどでしたりしていましたか。
で、「KERA」ーだけ読んでると、それなりに高い服しか載ってないからさ、もちろん。
だから、これを実際にどういう風に需要してたんだろうってことが気になって聞いてみたって感じなんだけど。
なるほど。
うん。これね、マジで買ってたっていう人の方が少なかったね。
ああ、やっぱ難しいか。
うん。やっぱ経済的な事情ですね。中学生には高かったので、お年玉もらった後とかセール期間しか買ってなかったっていうのとか。
うん。
服はもう本当に高くて、そもそも店舗に行くのも勇気がいるから行けなかったっていうのもあるし、
なんでやや化粧とかヘアアレンジのコーナーみたいなのがあるから、そこを頼りにしてそういうのは真似できるからっていう、そこをやってたみたいな。
この回答もめっちゃ多かったよな。そういう化粧とか髪型だけはやってたみたいな。
なるほど。それは家でもできるもんね。やっぱ店に行くってハードル高いよな、絶対。そういうファッションの店入るっていうのはね。
そうそうそう。で、なんか答えてくれてる全般的にやっぱ今もちょっと憧れの一つはあるみたいな。やっぱゴスっぽいもんとかって。
へえ。
いつか例えば大学生になったらやろうかなーとかやりたいなーみたいな。思ってたけど結局やってないし、でもやっぱ憧れの何かだったなーみたいな感じの回答がすごく多かったねー。
なるほどねー。そうか。
まあじゃあなんかそういう話とか聞いてたらさ、ますますあの下妻物語の深き音とかがああいうファッション自分でこう貫いてるって言うとかっこいいなってより思いそうやな。
周り気にせずに自分のファッションやってますっていうことがさ。
そうそう。深き音もなんかそのわけわからん方法で金は作ってるから。やっぱそういう方法で金作らんと手に入らへんブランドみたいな感じがあるよね。
そうやな、確かにそっかそっか。その辺はちょっとコメディ調でごまかされてたけど、やっぱ難しいもんな。ほんまに欲しい服買うのって。
そうそうそう。もちろんね。これは俺の同世代ぐらいの人が答えてくれてるから、上の人らとか言ったら、もうちょっとお金に余裕あった層がどうなんかっていうのは、ちょっとその辺の人たちの回答が少ないんで、そこはもうちょっと掘り替えがあるなぁとは思うんだよね。
当時流行ってた時に20代前半とか30代ぐらいだったら変えるわけやんか。だからその辺はちょっと気にはなるね。
そうですね。ちなみにこれ、そのアンケートの46人の方は、東京とか地方とかっていうのはなんか偏りがあったりするんですか?
それもね、言うの忘れてた。ありがたい質問ですね。それで、変えたって子はほぼ都会に住んでないと無理。
あーやっぱそうね。まぁ店自体がね、都会にあるもんね。
そうそうそう。だし、頑張って買ってたっていう子もいるんだけど、なんとか都会に出れるぐらいのエリアの子っていうか、まぁちょっと電車に乗りついたらいける子じゃないと無理で、やっぱ地方にいた子はもうそもそも周りにもやっぱ少なかったしっていうのは、そもそもそうっていう。