杉村
うすだです。 カイです。 杉村です。
kai3
今回もゲストに杉村さんをお迎えしているんですけど、 よろしくお願いします。
何度か話したけど、僕にとって杉村さんはお酒の先生でして、
そもそもで言うと、僕が日本酒好きになり始めた頃に、杉村さんと知り合って、
日本酒とはどういうものかっていうところがあったり、美味しい日本酒を色々教えてもらった先生でもあるので、
ちょっと改めて、日本酒もそうなんですけど、クラフトビールも最近ね、漫画の監修とかされてたりすごく詳しいので、
ちょっと醤油に続き日本酒の話をお伺いしたいんですが、
僕もまあまあおかげで勉強して、そこそこにはなっているので、
ちょっと今回はうすださんに向けて、日本酒の講義をしていただければと思います。
杉村
講義っていうのもあれですけどね、何から話し始めましょう?
kai3
うすださん、日本酒飲みます?
うすだ
いや、店にあるやつで、美味しいやつをって言って頼むぐらいです。
一番美味しいやつと名前で、これ聞いたことあるからこれにしますみたいな感じでしかやってないので、
僕は一体日本酒で何を飲めばいいんでしょうか?
杉村
そうですね、もし可能であれば、
そのお店とかでラベルとか、その冷蔵庫に瓶がこう保存されてるじゃないですか、
そのラベルを見て、なんかこのラベル面白そうってピンときたやつをまず最初に飲むのがいいと思います。
うすだ
ビジュアルから入るってことですね。
杉村
そうなんです。何でかって言いますと、今の日本酒の技術ってものすごい高くなっていてですね、
すごいいろんな味を作れる時代になってるんですね。
そうするとどういうことが起こるのかっていうと、
味の幅が広がりすぎていて、こういう味ですよっていう風に消費者側にアピールをしないといけない時代なんです。
そのアピールはじゃあどこでやるのか。
飲んでもらうのが一番手っ取り早いですけども、
どこでも試飲ってできるわけじゃないじゃないですか。
そうするともうラベルのデザインと名前しかないんですね。
例えばなんですけども、甘くてフルーティーで香りが豊かなお酒が飲みたいと。
そんなところに白字で筆ですごい画数の多い漢字がバーンって書いてあるラベルだったら、
なんかちょっと違うような気がしません?
それはもちろん蔵元もわかっているので一部の例外はありますけれども、
例えば獺祭みたいな一部の例外があるんですけども、
当然それで売るとその甘くてフルーティーなお酒を飲みたいと思う人に届かないっていうのはもうわかっている。
じゃあちょっとイラストを入れたりだとか、カラフルにしてみたりだとか、
その白字に筆文字だけじゃなくて、横文字のカタカナでの名前をつけたりだとか、
そういうような形でそのラベルに今は工夫をする方がかなり多いんですね。
なので、ラベルの第一印象で、
なんとなくこのお酒ってすごいポップな感じだなとか、
なんかすごい重厚な感じだなってあると思うんですけども、
その通りの味になっていることが今は多いんですよ。
なので、ラベルの第一印象、ジャケ買いみたいなもんですね。
っていうのは実は今の時代は非常にですね、利にかなっている。
結構好みの先に当たる可能性がある。
うすだ
案外間違えてなかったかもしれないですね。
雰囲気で選ぶっていう。
杉村
そうなんですよ。
もう結局嗜好品なので、そんなに難しく考える必要っていうのはやっぱなくって、
とにかくまずピンとくるものを飲んでみるのが一番なんですね。
万が一ピンときたラベルだったのに味がピンとこなかったら、
それはそれでそういうもんだと割り切って次行こうっていう精神で。
もし例えばそういうお酒が得意な友達と一緒に飲んでるんだったら、
ちょっとその友達に少し飲んでもらったりだとかでもいいですし、
そういうふうにして、とにかく楽しむっていうのがやっぱり一番だと思うんですよね。
うすだ
なるほど。割と作り手さんが自分たちの届けたいイメージみたいなのは、
視覚化してくれてるから。
杉村
そうなんです。
うすだ
視覚に従えば。
杉村
今は早々外れることはないです。
もちろん外れることもないわけではないです。
さっき話した獺祭なんかはもう2000年代の頭とかに大ブームを巻き起こしたお酒なんですけども、
かわうその祭りですよね。漢字としては。
でも筆文字で獺祭と書いてあって、
そこに磨き二割三分みたいな漢字の文言が入っていたりだとかしますけども、
やっぱり飲んでみるとものすごいフルーティーで香りが良くて美味しいみたいなことになるので、
そういう例外はもちろんあります。
ただそういう例外を見極めるのはすごい大変なので、
お酒にずっとアンテナを張っていて、どんなお酒が流行ってるとか、
そういうのがないとなかなかいけないので、
やっぱりビジュアルで第一印象で決めるのが良くて。
杉村
たまに日本酒に詳しい人とかと一緒に飲んでいた時に、
これはこんなラベルだけども、実はフルーティーで良いよみたいなことを言ってもらえたら、
それを飲むみたいな感じが一番楽で良いと思います。楽で確実だと思いますね。
うすだ
なるほど。分かりました。
確かにどんなのが好きなんですかって言われても分からないんですよね。
自分の好みを言語化できない。
最近、甘口とか辛口とかも、それはちょっと変な表現だよみたいなことを言う人もいたりしますね。
杉村
難しいです。本当に。
うすだ
そうすると、いよいよ思ってお酒を表現するボキャブラリーが僕には存在しないんですよね。
杉村
そうすると、ビジュアルとオススメで選ぶしかないっていう。
でも、それで実は良くて。
で、1杯目を飲んだ後に、例えばお店の人に、そこでもう今一つの指標ができたわけなので、
例えば、これすごい美味しかったので、これと似たような違うお酒はありますかって聞き方をしたりだとか、
ちょっと自分の好みとしては、これよりももう少し甘みが少ない方が好きなんですけども、
何かそういうお酒ありませんか?みたいに聞けばいいわけなんですね。
でも、なんかめちゃめちゃ美味しいと思ったら、最近は頼むとラベルの写真とか撮らせてくれるので、
写真撮っちゃえば、次のお店行った時に、この間これを飲んだんですけども、
なんかこれすごい美味しくて良かったので、これに近いやつありますか?みたいな聞き方でもいいわけなんですね。
そんな感じで、もうなんかボキャブラリーがどうとかは、そんなに実は気にすることではなくてですね、
とにかくやっぱり我々はっていうと、僕も作り手みたいになっちゃいますけども、
我々お酒に携わっていたり何やかんややってる人たちは、やっぱりとにかく飲んでほしいし、
そんな片肘張って飲むものでもないというのがあるので、
ただ、間違った知識をこう、こわだかに献殿している人に対しては噛みつきますけれども、
それはね、やっぱり間違った知識を披露しちゃいけないっていうのはあるのでなんですが、
そうでない限りは、飲み方に関しても本当に自由で、
僕自身もお酒を学び始めた時に、蔵元さんからとある会で、
うちのお酒はこれとこれをブレンドするとうまいんだよって言って、
目の前で絞りたての新酒とにごり酒をハーフ&ハーフにしてくれたりとか、
倉本さんがやってくれたりだとかっていうのをあったりとかを見て、
もう結構倉本さんって全然気にしてないんだなっていうのもわかったので、
それも楽しいところではあるので、そういったところも気にしないでやってほしいですね。
うすだ
なかなか自分の好きを言葉にするのって、味とか、なかなか難しいですよね。
杉村
難しいです。
うすだ
普段から飲み慣れてないと、半年ぶりに日本酒を飲むともう自分の好みを忘れて、
杉村
ありますあります。
うすだ
なんて頼めばいいのかってなると、とりあえずビールで、みたいになっちゃったりしますよね。
嫌いなわけじゃないので、どちらかというと好きではあるので、挑戦したいなという気持ちはあるんですけども。
杉村
そういう時はビジュアルで、言葉は関係なく。
ビジュアルできます。
日本酒はただビールよりも横文字じゃなくて日本語で、製法が名前の中に含まれているので、
例えばさっきチラッと出た雑菜の2割3分磨きっていうのはお米を23%まで削ってます、磨いてますよっていうことですし、
なんか生酛とか山廃っていうのも作り方の一種だったりだとか、
そういうのがまた分かると楽しくはなるんですけれども、
分からない時はなんかすごい呪文があるんだなと思ってもらうといいです。
日本酒の世界って一応一番多いマジョリティな作り方というか、
多くのところがやっている標準的な作り方っていうのがあって、
各工程でそことはちょっと違うやり方をすると名前が増えるっていうのは覚えておくといいかもしれないです。
つまり名前の後にですね、すごいいっぱいいろいろついていたら、すごいいっぱい特殊なことをやってるんだなと。
特殊なことっていうとイメージが変わるかもしれないんですけども、
特別なことをやるためには当然手間暇をかけるので、
何かしかの負担とは違うことをやってると。
だから名前が長いやつとかは値段がちょっと上がる傾向もありますし、
その手間暇がかかりますからね。原材料品も倍に値がかかるので。
あるんですけども、そうやって丁寧に作られてるっていうことでもあるので、
何か名前でその長い呪文の中でピンときた、何かこれ美味しそうって思ったら、
それもちょっと飲んでみるっていうのももちろん一つの手ですね。
うすだ
せっかく聞いたので、日本酒をしばらく中心にやってみます。
杉村
ぜひぜひ飲んでみてください。
kai3
僕はさっきの呪文みたいなやつで言うと、杉村さんのむなげっていうのがすごい好きなんですけど。
杉村
ああ、はい。あれは僕がもちろん言ったわけじゃないんですけども、
当時も10年近く前、8年ぐらい前にちょっと一時的に流行ったんですけども、
無濾過生原酒の頭文字を取ってム・ナ・ゲというですね、
呼び方が一時期流行ったんですね。日本酒マニアの間では。
で、まあこの呼び名自体は今は廃れてしまったというか使うとは思いませんが。
はい。ですけども無濾過生原酒自体はやっぱり非常に多くのところで作られていて、
これもまた説明するとものすごく個々が長くなるので簡単にまとめてしまいますと、
まず無濾過っていうのは、ゴミとかを取り除く以上のろ過をしていませんよという意味なんですね。
で、お酒って結局その不純物をろ過、ゴミとか以外にもいろいろろ過作業をしたりとかするんですが、
それによってちょっと味が少し変わったりする。お酒の質が安定するんですけれども変わったりをする。
なので無濾過の方がちょっとやっぱり味が濃い目になる傾向があります。
で、生原酒の生っていうのは、これもまたややこしいんですけども、
お酒って発酵物なので、出来上がりましたって言ってそれをそのまま瓶に詰めてそのままですっていう風にやっても、
中で発酵が進んで味が変わってしまう可能性があると。
で、場合によっては雑菌が入ってですね、繁殖をしてしまう。
そしてお酒がダメになる可能性がある。そういうことをやらないために火入れっていう加熱殺菌をするんですね。
これはもうあのあらゆる飲み物で行われている、あれです牛乳でも加熱殺菌をしてますよね。
で、日本酒もそれをやってるんですけども、それをやっていませんよっていうのが生酒です。
なんでそういうことができるようになったかっていうと流通だとかお店のその冷蔵庫で売るとかが発達してきて、
まあその雑菌がですね、お酒をダメにする雑菌が10℃、温度が10℃を超えないとほとんど活動しないということがわかったので、
じゃあもう流通から店頭まで全部10℃以下にできるのであれば、雑菌が万が一入っていても繁殖しないだろう、味が変わらないだろう。
いろいろとその酵母とかをろ過で取り除いたりとかもできますし、
そうすると一回やっぱどうしても牧場で飲む牛乳とパックの加熱殺菌をされた牛乳、味が違うように香りの量とかも変わってきちゃうっていうのがあるので、
そうじゃないんですよ、絞りたてなんですよっていうような味を飲んでもらいたいっていうのが生酒なんですね。
原酒っていうのは、これもね、ややこしい話なんですけども、
大昔はアルコール度数が一定を超えると税金が高くなってた時代がありまして、水を加えて15%に調節するっていうのがあったんですね。
15%を超えると超えた分だけ税金が上がる。
そうするとお金がたくさんかかるので値段も上がる。
kai3
なるほど。
その2つのトレンドが1つが低アル、
もう1つは量を少なくしていっぱい楽しみましょうとかですね。
杉村
そうですそうです。
kai3
なるほど、確かにそれはあるな。
杉村
そうは言ってもやっぱり醸造酒、発酵だけで蒸留をしないお酒で、
ここまでアルコール度数が高いのは日本酒だけなんですね。
原酒とかで。
何でかっていうとアルコール度数が高くなりすぎればなりすぎるほど、
発酵する酵母がですね、自分のアルコールで死んじゃうので、
アルコールを生み出せなくなる限界があるんです、限界値が。
なんですけど、その日本人の普段の努力によってですね、
アルコール耐性酵母とかを生み出してですね、
アルコールに強い酵母が頑張ったおかげで、
今は焼酎で20%とか25%じゃないですか。
なんですけど、日本酒で22%を超えるようなお酒もあります。
kai3
それってもうあれですか、法律上は日本酒じゃないやつですか?
杉村
そうです。
清酒っていうのが定められた時には、
アルコール度数22%までが日本酒、清酒ですよって定められたんですけども、
今の技術はそれを超えるお酒を作れてしまう。
kai3
すごいな。
杉村
焼酎並みですよね。
そんなのをカパカパ飲んでたらそれは倒れますって。
焼酎と違ってね、ロックにしたり水割り、お湯割りにしたりする人も少ないですからね。
そういうのもあって、アルコール度数の高いお酒がちょっと辛いよねってなったのと、
そうは言ってもやっぱりアルコール度数が高くて、
これだけ濃い味のお酒が楽しめるのは日本酒ならではっていうことで、
そういうお酒を飲みたいって人もいっぱいいると。
そういう意味で2分してるっていうことですね。
kai3
これちょっとせっかくなのでお伺いしたいんですけど、
日本酒ってお酒の中で珍しく、
お酒を飲みながら水を一緒に飲めるじゃないですか。
水割りとかは別として、和らぎ水みたいな文化があって、
それで酔いを抑えようみたいな文化があると思うんですけど、
水を飲んだところで酔っ払うじゃんみたいな言説もあり、
水なんて別に飲んでも関係ないっていう人とかいたり、
一方で日本酒って悪酔いするんだよねっていうことを言ってる人たちもいたりして、
僕はそれどっちもいやいやそんなことはないぞと思ってるんですけど、
そのあたりって専門家からしてどうですかね。
悪酔いみたいな話と、
飲みながらお酒を飲む時に水がどう効果を表すのかみたいなところで。
杉村
これがね難しい話なんだけど。
kai3
めっちゃ難しい話だと思うんですけど。
杉村
難しくない話で言うと、水を飲むのはめちゃめちゃ効果があります。
結局のところ、
お酒を飲んで倒れてしまうっていうのは、
分解能力を超える量のお酒を飲むと倒れてしまうんですね。
それは、
分かりやすい例で言うと、
例えばアルコールをちょっと含んだケーキだとか、
チョコレートだとか冬になるともうすぐ出回りますけども、
それをたくさん食べて酔っ払うかっていうと、
あんまりそうではなかったりするじゃないですか。
それはやっぱり度数が低い。
一気飲みが割と良くないし、
死に至るっていうのはもう広く広まってる知識だと思うんですけども、
なぜいけないのか。
それは短時間で大量のアルコールが体の中に入る。
つまり分解能力を超えるわけですよね。
急性アルコール中毒っていうのは結局のところ、
分解能力を超えたアルコールが体中を巡ってしまうことによって起きてると。
じゃあ分解能力を上げるためにはどうしたらいいのかっていうのが、
いろんなドーピングですよね。
昨今ではちょっと効果は疑問視されていますけども、
ウコンとかはそれで売り出して結構売れました。
これも効果の話をすると長くなるので、
ちょっとこれはお伝えしますが、
他にも肝臓水解物というレバウルソだとか、
最近ではミラグレーンとかそういう薬というかサプリメントを使って、
分解能力を高めようみたいな話があります。
ただそれってそう簡単にすぐ2倍3倍と上がるわけじゃないと。
じゃあ結局どうしたらいいのかっていうと、
肝臓に一度に送られるアルコールの量を減らすしかないんですよ。
それはどうするかって言ったら、
お酒の濃いアルコールが好きならそれは飲んでくださいと。
ただし水をたくさん飲んで薄めましょうというのが一番ですね。
ウィスキーとかをストレートで飲む人とかって、
日本酒とは比べ物にならないぐらいアルコール度数が高いじゃないですか。
43とか45パーセント。
なんで日本酒みたいに倒れないかっていうと、
ああいう人たちはちょっとずつ時間をかけて飲むんですね。
kai3
確かに。
杉村
さらにチェイサーという水も一緒に飲むわけですよ。
そうすると結局肝臓に送られるアルコールの量が少なくなるので、
分解が間に合うから救世アルコール中毒にはならない。
これを日本酒やビールと同じようにごくごくウィスキー飲んだら、
あっという間に倒れる。
それはどうもアルコールの量が多いから。
というわけで水を飲んでも酔ってしまうっていうのは、
当然それはお酒を飲んでるんだからある程度は酔いますけれども、
ひどい目には合わない。
なので水は積極的に飲みましょうというのが業界の慣例ですね。
ずっとここ何年も言われていますし、
実際それは正しいのでとにかく水を飲む。
大体同じ量ってよく言われますけれども、
僕は2倍を推奨していまして、
飲んだお酒の2倍の水を飲む。
すごい単純に言うとアルコール度数15%の日本酒を飲んで、
1倍の量だったら7.5%のお酒を飲んだのと一緒じゃないですか。
だけど2倍の水を飲んだら全体が3倍になりますから、
5%ビール並みに収まるわけですよね。
なのでせめてビール並みにアルコール、
体に入るアルコールを抑えた方がいいんじゃないかなっていうところで、
2倍ぐらいの方が体にはいいですよっていうことをよく言っています。
kai3
日本酒悪酔い説はどうなんですかね。
杉村
これがね、難しいんですよ。
結局すごい昔、2000年代の頭ぐらいまでは、
アルコールにも種類があるっていう話がありまして、
どういうことかっていうと、
どう言うんでしょうね、同位体みたいなもので、
4種類ぐらい実はアルコールって種類がありますよと。
ところが肝臓とかは一度に1種類しか分解ができないので、
複数の種類のアルコールがあった場合は、
1個ずつしか分解ができないので、分解の速度が遅くなりますよと。
で、その結果醸造酒、日本酒とかの醸造酒っていうのは、
そういうアルコールが複数含まれているので悪酔いしやすい。
ところが焼酎とかウイスキーだとかの蒸留酒っていうのは、
蒸留をする過程でアルコールが1種類になるので分解がしやすいですよと。
なので、同じ量を飲んでも焼酎とかは悪酔いしませんよっていうのが、
2000年代の初めぐらいの焼酎ブームの時に言われていた言説なんですね。
それに当てはめると、あ、ちゃんぽんは悪酔いするっていうのもそういうことなんだとか、
いろいろ納得のいく意見だったんですが、
現在ではそれはやっぱり関係ないよねと。
飲んだアルコールの量が全てじゃないのっていうような話にはなっております。
ただやっぱり個人の内臓の働きの問題なので、
何がしか食べたものに、なんて言えばいいんでしょうね。
一緒に食べたおつまみで一際分解しにくいものがあったりだとか、
その人が苦手なものというか、味が苦手ではなくて体が消化するものが苦手だったりとかですね。
そういった理由で分解が遅れて悪酔いと感じている人もいるかもしれないし、
さらにはちゃんぽんとかではよくそうなんですけども、
目先が変わっておいしい、次のお酒おいしいってなると、
結果として飲みすぎていると。
kai3
ありがとうございます。ちょっと僕の前で最近その辺が話題になってたので、
改めて勉強になりました。
うすだ
杉村さんのお話がすごい上手すぎて、完全にプロの空気がしてるんですけども、
この話の上手さというのは一体どこから生まれてきているんですか?
何かトレーニングしたりしている部分はあるんですか?
杉村
トレーニングは昔だからそういう仕事をもちろんしたことはあるんですけれども、
講師とかそういうのもあるんですが、
多分原点はラジオだと思うんですよね。
もう、かれこれ30年ぐらいラジオを聞き続けている。
kai3
聞く方なんですね。
杉村
聞いているっていう、やっぱりその喋りのプロですね。
テレビとかももちろん好きで見るんですけれども、
ラジオってもっとその喋りがすごい、
FMとかの曲をかけるやつじゃなくて、
AMの喋りの番組をよく聞くので、
喋りのプロの話とかをずっと聞いていたりだとか。
その時に何となく自分の中で、
じゃあここのところは自分だったらこうするかなみたいなところを思ったりだとか、
そういうのはありますね。
それが多分訓練になっているといえば訓練になっているのかもしれないですし、
例えばすごい細かいテクニックで言うと、
なるべくああとかえーとかっていうのを喋り始めに言わないようにするとか、
それは意識したりだとか、
それをやると聞く側もちょっと準備ができたりだとか、
えーって言ってる間にこっち側も話す内容、考えをまとめたりできるってメリットはあるんですけれども、
聞いている人たちがそれを心よいと思わない可能性もあるので、
なんかそういうところは人前に話すときにはなるべく減らそうみたいなことを自分で意識した時期とかはありましたね。
だから訓練って言うとそういうのかもしれないですね。
それは何だかんだ毎年テレビやラジオに呼ばれていろいろ喋っているときに、
なるべく聞きやすいようにっていうふうに意識して身につけたことなのかもしれないです。
うすだ
素晴らしい。
俺も200回くらいやって、
あーとかえーとかね、よくないよねとか考えるんですけれども、
実践はそんなにできないですよね。
kai3
でも徐々に減ってますよ、きっと。
減ってると思いますよ。
うすだ
やっぱり意志の力というか自分を律する力みたいなのが相当強いのかなって感じますね、そういうお話。
杉村
意志の力というよりもこれはすごい単純なテクニックでゆっくり喋ると、
あーとかえーは減らせるっていうのがあるので、
普段喋る、飲みながら喋るときとか、
それこそ好きなものに対してオタクの早口ってよく言われますけれども、
そういう時は僕ももうちょっと早い口調で喋るんですけれども、
こういう時はあーとかえーとかをちょっと減らすモードに入って、
そうするとちょっとゆっくりめで喋って、
喋ってる間にあーとかえーで間を繋いで考えるっていうところを、
喋りながら考えられるっていう風にして減らしたって感じですかね。
もちろん少しは出ますよ、僕も。
それはね、どうしようもないんですけれども。
kai3
僕が思うに、僕も京都で飲みに行く度にこうやっていつも楽しい講義行かせていただいて思うんですけど、
杉村さんの場合、ゆっくりももちろんそうなんですけど、
ちゃんとその順序立ててきちんと論理展開を多少長くなれどもしてくれるから、
結果として話がすごい理解しやすいっていうのと、
その論理立てるための情報が検索しないでボンボン出てくるから、
そのあたりが繋がってんのかなっていうのは結構長く、
長くというかもう行く度に僕はそれを楽しみに聞いてる立場からするとそこは思いますね。
本当に聞いてて飽きないので、お金払いたくなるぐらいにいつも楽しい飲み会をしていただいてるので。
もうぜひ東京来る時とかは、うちの番組のオフ会と称して、杉村さん囲む会とかやりたいので。
杉村
いくらでも喋りますね。
kai3
これは聞きたい人いっぱいいると思うな。杉村さんを出しにちょっとそういうイベントとかもやりたいんで。
今度東京来る時ぜひご連絡ください。
また聞きたい話もいっぱいあるんでまた。
改めてゲストもぜひお願いします。
うすだ
よろしくお願いします。
kai3
ありがとうございました。
うすだ
ありがとうございました。