ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
毎月一桁目に1月9日の朝に配信してまして、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。
心理学や自己理解といったテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自分も自己理解を深めたいんだよなぁと感じている方の参考になれば嬉しいです。
今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、大分類ががらっと変わりまして、4番精神分析というところに入っていきたいと思います。
引き続き参考図書は、図解心理学用語大全という本を参考にさせていただいています。
精神分析ということですけれども、この言葉の生みの親と言ってもおかしくないフロイトさんという方の考えた概念を、
今日と実は次回もこのフロイトさんをテーマにお話していきたいと思います。
今日のテーマはですね、S自我超自我という考え方と、そこから発展した貿易性というこの概念について自己理解を深める視点からご紹介していきたいなと思います。
まずそもそもフロイトさん、名前を聞かれた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
心理学を好きな方とか、哲学心理学の世界に興味のある方、あとはカウンセリングとかコーチングを学ばれている方なんかは聞いたことあるんじゃないかなと思います。
本名はですね、ジグムント・フロイトさんといいまして、1856年にオーストリアで生まれて1939年まで活躍された方ですね。
もともとヒステリー治療の中で無意識の存在に気づいて臨床心理学の礎を作った方というふうにされています。
無意識という言葉が出てきましたけれども、フロイトさんがこの無意識を提唱する前の当たり前の考えというのは、
人の行動はその人が意識的に理性的に決めているということが当たり前の考えでした。
ですけどもフロイトさんがこう提唱したんですね。
人の行動は無意識が大きく影響していると、こういうふうに考えたんです。
というのもフロイトさんは精神怪異だったので、神経症状の一つでもある健忘症、物を忘れてしまう病気ですね。
健康なのに物忘れをしてしまうという、そんな病気を研究している過程で無意識の存在に気づいたと言われています。
個人の忘れたい記憶が無意識の中にしまい込まれて、普段は意識できないようになっていると、
これがまさに神経症状となって現れることがあるということを唱えたんですね。
個人の忘れたい記憶が無意識の中にしまい込まれて、普段は意識できないようにされているということを発見したんですね。
例として挙がっているのが、10歳から11歳までの記憶がないんですというふうに言っている女の子がいて、
ゆっくり横に寝てもらって、リラックスした状態でフロイトさんが話を聞いていくと、じわじわと思い出してきました。
その頃、実は親に虐待されていました、みたいなことを思い出してくる。
これはですね、フロイトさんは患者にリラックスした状態で、過去に記憶を辿ってもらうと、
思い出したくない記憶が健忘症という神経症を引き起こしていることに気づいたということから、
他にもですね、動機が不明な行動とか思いつき、些細な言い間違いとか夢とかをですね、
全部無意識が絡んでいるというふうにフロイトさんは言っています。
人間の行動は無意識に支配されているんだというふうにフロイトさんは考えたわけですね。
そうした考えから発展して出てきたのが、このS、自我、超自我という考え方になります。
Sって何ぞやと初めて聞いた方は思うと思うんですけども、
まずこのS、自我、超自我は互いに関連しているんですけども、
Sが一番下の方にある快感原則、人間の本能的な快感を司る駆動をですね、
一部性的なところも含む本能的な欲求をSというふうに呼びました。
例えばですね、食べたいとか飲みたいとか、寝たいとか排泄したいとか、
ただ快楽を求める心の動きですね。
性的なものも含みますけども、こういった快感原則を司るSという主体。
そして次、間にあるのが自我という主体ですね。
これはSとこれから説明する超自我という間に立ってバランスを取っていく極めて現実的なやつですね。
現実原則というふうにも言われますけども、
欲動、Sから突き上げてくるですね、寝たいとか食べたいとか排泄したいみたいなわがままな欲動を抑えつつ、
現実生活に適応しようとする心の動きのことです。
例えば眠たいとか、もっと食べてたいという心の動きを何とか抑えないと朝9時に出社できない、
家を出ないと間に合わないみたいな、そんな時に活躍するのがこの自我ですね。
一番上が超自我といって理想原則とも言われます。
例えば人に迷惑かけちゃダメだよというような社会で良心的に生きていこうとする道徳的理想的な心の動きのことを超自我というふうに言います。
いいやつというか理想論を言うやつみたいな形ですね。
例えばですけど、急いで朝9時に間に合うように家から出て、この信号を渡りきらないとこの電車に乗り遅れちゃうみたいな時に黄色信号になったと、
もしくは徒歩なんで青が点滅しだしたみたいな時に超自我は今走って渡ったら道徳的に立っちゃダメなんだけどって言ってくるんだけども、
この自我はですね、現実に即してるんで、いやいやここで渡らないと電車に乗り遅れるぞということで喫行するというところですね。
ここが自我がですね、もっとダラダラしてたいっていうS欲動と、後はもっとルールに沿って現実を生きろよと、交通ルール守れよって言ってくる超自我の間に板挟みになって、
でも何とか現実9時に行くためにバランスをとって自分を駆動させるみたいな、そんな役割を果たしているのが自我という役割ですね。
なんか説明してて、すごい自我が大変そうだなというふうに思いました。
皆さんはどうですかね、S自我、超自我どれが優位みたいなことってありますかね。
このS自我、超自我の考え方から生まれているのが防衛規制という考え方になります。
自我はですね、先ほどから伝えているようにS、欲動にずっと晒されている、突き上げられているので、
崩壊を防ぐためにですね、いろんな心理的な防衛策をとって守っているんですね。
この自分が崩壊することを防ぐための働きのことを防衛規制というふうに言っていて、
これが10個のパターンが代表的なものがあるので、今日はそれを紹介して、
自己理解を深めるというところでは、皆さんがどの防衛規制をとりがちなのか、
みたいなところを聞きながら紐解いていただけたらいいかなと思ってご紹介させていただきます。
この防衛規制はちなみにフロイトさんの娘さんのですね、アンナフロイトさん、実の娘さんですね。
ジグモントフロイトさんによって編み出されたんですけども、整理したのはアンナフロイトさんということで、
親子で結晶させていった考え方というところになっています。
じゃあ代表的な例10個ご紹介していきますね。
一つ目が欲圧です。
欲圧は不愉快な体験や記憶を無意識の領域に押し込み忘れようとする心の動きということで、
例えば、昔よく先生に怒られてたよね、親に怒られてたよねと聞かれて、
え、そうだっけ、全然覚えてないなといった記憶を封じ込めていくような、
さっきの健忘症と似てますけども、不愉快だった体験を押し込んでいく、進み込みということですね。
というのが欲圧です。
二つ目が同一化。
憧れの人物と同じ言動をすることで、その人になりきって自分の不安や欲動を解消する心の動き。
例えば、現実、もやもやむしゃくしゃすることがあるんだけども、
推しのアイドルに自分もコスプレしてなりきって踊って歌っている間は、その不安とかむしゃくしゃを忘れられるみたいな、
そんな防衛の働きが同一化ですね。
続いて三つ目、反動形成。
人は同時に違う意識を持つことができないので、
欲動を抑えるために本心と反対のことを意識して本心を抑えようとする。
そんな動きのことが反動形成です。
例えば、本当は同僚のAさんのことが大嫌いなのに、周りの人に向かって、
Aさんって本当に良い人よねっていうふうに、本心が出ないように出ないように逆のことを言う。
そんなことが反動形成です。
四つ目が合理化です。
これは自分の欲望が満たされないときに何か合理的な理由を作り上げて、
自分を納得させようとする心の動きになります。
例えば、100万円のコートがあって、むちゃくちゃ良いと思っているんだけども、
本当は高くて買えないと。
そのときに、あれはこうこういう理由で私には似合わないからといって納得させようとする。
そんな言動をしたり行動するというのが合理化になります。
続いて、逃避です。
空想、仕事、ギャンブル、病気などによって、現実と向き合うことから逃げようとする心の動きですね。
例えば、ボロボロの汚い花瓶とか茶碗とか、いろいろ壊れた家の中で一人でいるんだけども、
目をつぶればディズニーランドで王子様に抱っこされているような、
そんなキラキラした絵が浮かんで、その間は現実逃避して幸せを感じられるみたいな、
目の前の現実を見ないという心の動きとか行動のことですかね。
そして6つ目は対抗です。
現在の自我の状態ではうまく問題解決ができないので、
子供の頃の自我の状態に逆戻りして問題解決しようとする心の動きを対抗というみたいです。
例えばですね、仕事で何か課題を解決しなきゃいけないのに、
うまく問題解決できなくなって、何かを泣き叫んでしまうとか、
誰かにすごい、その仕事に関係ない人にすがりついてしまうみたいな、
そのやり方だと問題解決できないにもかかわらず、
子供の頃にうまくいった泣き叫ぶっていうやり方で問題を解決しようとしている、
それが対抗という防疫性みたいです。
7個目ですね、置き換え。
抑圧された感情を別の対象に置き換えて発散させようとする心の動き。
例えば上司とかに何やってんだっていうふうにミスを指摘されて怒られたとしたときに、
でもそのときに上司に反発するってことじゃなくて、
それを一回抑え込んでるんだけども、全然この感情は消化されてないので、
部下に対して些細なことでも何やってんだっていうふうに置き換えて、
イライラとか怒りを発散させようとする、こんな状態を置き換えというみたいですね。
そして8番目、投射。
自分の中にある受け入れがたい欲動と同じ欲動を相手が持っていると考えて、
それを非難することで不安を解消する心の動きです。
例えばアル中の方がですね、お酒を飲んでる人を見て、
お酒をやめなさいっていうふうに非難する。
これは実は相手が自分と同じものを持っているんじゃないかというふうに考えて、
それを非難する。
自分じゃなくて相手が持っているその特性、それを非難することで
自分が不安を解消された気になるという、そんな貿易性だそうです。
9つ目、補償。
これはちょっと今までの例と比べてポジティブな表現がされてるんですけども、
劣等感を他の方法で補うとする心の動きです。
例えば勉強はできないけども、絵は上手に描けるから、
勉強に対する劣等感があるのはあるけども、
絵がうまく描けることでその劣等感を補うという、そんな心の動きだそうです。
10個目が消化ですね。
これが一番ポジティブに大々的に捉えられてるんですけども、
欲圧された欲動を社会的に認められる行動に置き換えること。
例えばSの攻撃的な欲求があるとします。
他人を攻撃したいという、そんな本能的な欲求があったときに、
それをそのまま社会に出すと暴力的な人になってしまうので、
スポーツという形で野球とかはバットでボールを打ちますよね。
サッカーもボールを蹴ったりしますけども、
この攻撃的な本能的な欲動を無意識にスポーツに置き換えて消化させているということだったり、
性的な欲動を芸術に置き換えて消化させている、みたいな事例もよくあるようです。
こういった保障とか消化みたいなポジティブに転換する形の貿易性も
無意識的に働いているというところがあるようですね。