1. 自己理解を深める心理学ラジオ
  2. #7 自己理解の解像度を上下さ..
2025-02-21 13:11

#7 自己理解の解像度を上下させてみよう「プレグナンツの法則」「洞察学習」(③ゲシュタルト心理学)

ヴェルトハイマーの「プレグナンツの法則」、ケーラーの「洞察学習」(大分類③ゲシュタルト心理学)について、自己理解を深める視点から紹介します。


(参考書籍)

齊藤勇 監修・田中正人 編著『図解 心理学用語大全』(誠文堂新光社、2020)


【大分類】①心理学の誕生 ②行動主義 ③ゲシュタルト心理学 ④精神分析 ⑤臨床心理学 ⑥認知心理学 ⑦発達心理学 ⑧人間関係の心理学 ⑨社会心理学 ⑩性格の心理学


(配信者紹介)

兵庫県出身、京都府在住。一児の父。ひふみコーチ株式会社認定 プロフェッショナルコーチ。大学卒業後に大手ビール会社へ入社、現在はクラフトビールを始めとした酒類全般の営業に加え、2023年より自己理解コーチとして活動開始。プロコーチとしては通算100名以上のクライアントに対して、累計500時間以上の有料セッションを提供。複業家の友人との共同Podcast『パラレルワーカーの本音』も配信中。ストレングスファインダー®の1位は最上志向。自己理解コーチとしての自己紹介やnote・Instagram等のSNSについてはこちら


(番組詳細)

このPodcastは、株式会社ジコリカイで“自己理解コーチ”として活動する配信者が、自身やクライアントの「自己理解」を深めるために探究し始めた「心理学」をテーマにお話しする番組です。毎月ひと桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りします。テーマに興味のある方や同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。「自己理解プログラム」に興味をお持ちの方はこちら


※株式会社ジコリカイが運営する番組ではございません

サマリー

このエピソードでは、自己理解を深めるために、ゲシュタルト心理学やプレグナンツの法則、洞察学習を探求しています。特に、自己理解における全体を捉える意義や、個々の要素を超えた認識の重要性が強調されています。また、自己理解を高めるための方法やアハ体験の概念についても探求されており、洞察学習やゲシュタルト心理学の視点から過去の行動を具体的に分析することの重要性が強調されています。

自己理解の探求
ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた、心理学をテーマにお話をする番組です。
毎月一桁目に1がつく日に朝に配信してまして、月末はゲストをお迎えして心理学に関する雑談をお送りしています。
テーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと感じている方の参考になれば嬉しいです。
今日もお聞きいただいてありがとうございます。
今日のテーマはですね、自己理解の解像度を上下させてみようということで、ゲスタルト心理学という大テーマからプレグナンツの法則、そして洞察学習というこの2つのテーマを一緒に扱っていき、最終的には自己理解につなげていきたいなというふうに思っています。
皆さんゲスタルトという言葉は聞き覚えがありますか。
なんか聞いたことあるなって方いらっしゃると思うんですけども、ゲスタルト崩壊って言葉が、なんかネットかな。
私が多分中学とか高校の頃だったと思うんですけども、なんかね、流行ったまでいかないですけど、よく聞いたなっていう朧げな記憶がありますね。
ゲスタルト崩壊って何かというと、全体を認識する能力が低下して個々の構成部品が切り離されて認識されてしまう、元々の認識が崩壊してしまうっていう現象のことをゲスタルト崩壊っていうみたいです。
例えばね、ある文字、ひらがなとかをずっと見続けている、何度も書いていたりすると、パーツごとにそのひらがながばらけちゃって文字としてなかなか認識できなくなってしまう。
2秒前までオーって認識してたのに、いくつかのパーツに分かれて見えてしまって、オーに見えなくなってくるみたいな、そういう話ですよね。
じゃあこのゲスタルト崩壊のゲスタルトってどういう意味かというと、ドイツ語で全体っていう意味らしいんですね。
なのでゲスタルト心理学っていうのは全体心理学みたいなふうに考えていいんじゃないかなと思います。
このゲスタルト心理学っていうのは、ドイツで1880年から1943年まで活躍されたベルトハイマーさんっていう心理学者さんが中心になって創始した心理学の体系だと言われています。
このゲスタルト心理学は対比されるものとして、たしかシャープさんぐらいで配信している構成主義という文人さんが提唱された主義と対比されて考えることがこの参考図書によるとあるみたいです。
構成主義っていうのはおさらいすると、その全体のパーツですね。
例えばリンゴで言うと赤いとか丸いとかツルツルしているとか硬い食べたいみたいないろんな近くの一つ一つの要素をクローズアップして部分を具体的に見ていくっていう考え方なのに対して、
ゲスタルト心理学は全体を抽象的に見て、それらの要素を持つものが何であるかっていうことを引いてみたときにやっとリンゴだってわかってくる。
例えば赤いとかツルツルとか硬いだけを見ててもリンゴっていうものが連想しないよね。
赤いツルツル硬いいい香りがする食べたいみたいなものを引いてみたときにこれってリンゴなんじゃないかっていうふうな見え方をしていく。
個別具体の解像度を下げてあえて遠目から見てみると全体像が見えてくるっていうそんな考え方として対比されることが多いようですね。
私たちは一つ一つの要素をつなぎ合わせて何かを知覚するのではなくて、全体を一つのまとまりとして知覚するんだっていうふうにウェルタハイマーさんは主張しています。
具体例がこの本には書いてありまして、例えば4本の線の捉え方なんですけど、3つのパターンが示されています。
同じ4本の線っていう要素なんですけども、並べ方によっていろんな近くの仕方があるよということですね。
例えばこの4本の線を縦に並べます。
そして2本2本で少し間を空けて、間を空けた左右の2本同士は少し近接させて、完全にくっつかないですけど近いところに並べるとどういうふうに見えるかというと、
2本の棒に見えますよね。4本の線が少し太みのある2本の棒に見えたりする。
その4本の線の並び方を四角形みたいな形で直角にそれぞれ並べていくと、たとえその角が空いていたとしても四角形のような形に見えてくる。
あとはアルファベットのEっていう形を4本の線で作ると、それは同じ4本の線なんだけどもEっていう英語のアルファベットに見えてくる。
同じ要素としては4本の線なんですけども、まとめてみるとその線以上のものに近くできるということだったり、
ゲスタルト要因の理解
音楽を聴くときですね。これはもう皆さんが当たり前にやっていることなんですけど、
一個一個の音階をそれぞれ個別に捉えている人って誰もいませんよね。
それを繋がりとして流れていくメロディーとして一つのまとまりとして捉えたときに、
ああ明るい曲だなとか悲しい曲だなっていうふうに近くをしていく。
こういった近くの仕方のことを全体ゲスタルト的な捉え方、題例としてこの本では語られています。
じゃあベルトハイマーさんはどんな研究からそのことを編み出したのかというと、
映画のコマ送りがありますよね。異なる図形を順々に点灯させていくと、
それらの図形が連続して動いているように見える。これ加減現象っていうらしいんですけども、
この現象を研究していくことでゲスタルト心理学に繋がっていったというふうに言われています。
確かに一つ一つのコマを繋げて再生していくことで動画になるっていう画期的な発見ですよね。
ベルトハイマーさんはどんな時にこの加減現象が起こるのか、まとまって見えてくるのか、
バラバラのものがということも調べていて、これがプレグナンツの法則として整理されています。
プレグナンツの法則というのは、バラバラな全体を単純な形として認識しようとする人間の心理のことを表していて、
この作用があることでゲスタルト要因というのが発生するというふうにされています。
確かに人間って近いものをまとめて見がちというか、単純化して理解しやすいように脳が勝手に解釈をしてしまうみたいなことってよく言われますけども、
受け取った刺激をなるべく単純明快な方向で認識しようとする傾向が人にはあるとされています。
このゲスタルト要因の例が4つ書いてあって、近接の要因、近くの要素がまとまっていく。
さっきの4本の線が2本2本になると2本の棒に見えるみたいな話ですね。
あとは平行の要因。四角形型に並ぶと囲われた要素がまとまる。4本の間が空いてても四角に見えるみたいなことですね。
あとは連続性の要因。口で説明するの難しいので省きますけども、連続性っていうのがあると一つの要素にまとまっていく。
あとは類同の要因。これ一番イメージしやすいかなと思うんですけど、
例えば丸が縦に4つ並んでいて、その隣の列に星が4つ並んでいて、またその隣の列に丸が4つ並んで、また隣の列に星が4つ並ぶみたいな、
計16個の模様が並べられていて、縦に丸が並んでいる、星が並んでいるとそれを横で切り取る人はいないですよね。
縦列で丸の列が2列、星の列が2列だよねっていう風に、その図形を一般的には解釈すると思うんですけども、
似たものとか同じ要素がまとまって知覚されるっていうことを類同の要因と言います。
この法則、名前がついてるのは初めて知りましたけど、確かにそうだなっていうふうに思いますよね。
これを自己理解につなげるとどうかなっていうところなんですけども、
自己理解の解像度を上げる
人は何でも単純化して考えたがるので、何か気を抜くと解像度が下がっちゃうのかなと思うんですね。
今日の昼ご飯、例えばカレーを食べたとして、そのカレーにはローズマリーとかタイムとかターメリックとかいろんなハーブスパイスの香り味わいが感じられて、
こういう風な香りがして、こんな気分だったから、こういう風に美味しかったっていう風にその時は思っていたとしても、
1時間後、今日お昼何食べたの?っていう風に妻に聞かれたとしたら、
カレー食べて美味しかったよっていう風に、すごい解像度荒く回答してしまうことって誰しもあると思うんですよね。
自分の過去やってきた行動みたいなことも、本当はもっと細かいことを考えて、もっといろんな要素があったはずなのに、
それをまるっとして、人とうまくやって成功しましたみたいな浅い自己理解になってしまうことは多々あるんじゃないかなと思っています。
だからこそ具体的に解像度高く、構成主義的に一つ一つの要素をまずは見ていって、
これとこれは似てるよねっていうものがピースとして集まってきたときに、それを抽象的にちょっと引いて俯瞰してみると、
これとこれってすごくまとまるじゃんっていう風に気づく。
これはアハ体験っていう言葉を聞いたことある方いらっしゃるかもしれませんが、
このアハ体験の元になっているのが実は洞察学習っていう考え方になります。
アハ体験を起こすためにも解像度高くまずは具体を見ていって、
そこから一回その具体から離れて抽象的に物事を見ると、
新しい知覚の仕方ができるっていう意味では自己理解に活かせるんじゃないかなと思いました。
洞察学習の理解
この洞察学習についても少し触れておくと、ケイラさんという方が提唱された類人猿の知恵試験という実験をされて、
このアハ体験に気づかれたというところなんですけども、
お猿さんがですね、チンパンジーが檻に入れられていて、
まずその場には短い棒と長い棒とバナナがあるということで、
チンパンジーはその状況を眺めて、
パッと瞬間的に短い棒で長い棒を引き寄せて、
その引き寄せた長い棒でバナナを手繰り寄せてゲットした、みたいな。
そんなことが何か考えて試行錯誤してやったというよりも、
パッと全体を見たときに、こうすればいいんじゃないっていう瞬間的に見えてきた。
そういった結果が出たことからアハ体験っていうのが起こるんじゃないか。
全体をゲッシャルト的に俯瞰したときに瞬間的な洞察が起こるんじゃないか。
これが洞察学習っていう考え方になります。
だから我々も自己理解を大事得意好きっていう自己理解メソッドにのっとって、
自己理解プログラムではやっていきますけれども、
大事得意好きを解像度高く明らかにした後に、
やっぱり俯瞰する時間、ゲッシャルト的に全体を見る瞬間をしっかりとるとアハ体験が起こる。
論理的に考えてないんだけど繋がって見えてくるみたいなことが、
きっと解像度高くそれぞれの要素を理解していればしているほどまとまって見えるんじゃないかなというふうに思いました。
どうでしょうか。
皆さんの今の自己理解のフェーズによりけりだと思うんですけれども、
もし各パーツが解像度高く見えてるよ、でも全体が繋がってこないなっていうふうに思っている方は、
一旦繋げよう繋げようとせずに、各パーツをとにかく整理してその場に置いてみる。
そしてそれをゲッシャルト的に俯瞰的に見てみることで、
アハ体験的なものがやってくるのを待ってみるというか、
そういうものの見方をしてみると、新たな自分が見えてくるんじゃないかなというふうに思います。
今日はこんなところで終わりにしたいと思います。
ここまで聞いていただいてありがとうございました。
また次回お会いしましょう。さよなら。
13:11

コメント

スクロール