ようこそ、自己理解を深める心理学ラジオへ。このポッドキャストは、株式会社自己理解で自己理解コーチとして活動する配信者が、自身やクライアントの自己理解を深めるために探求し始めた心理学をテーマにお話をする番組です。
毎月一桁目に1がつく日の朝に配信、月末はゲストを迎えして心理学に関する雑談もお送りしています。
心理学というテーマに興味のある方や、同じく対人支援をされている方、自己理解を深めたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。
はい、今日も聞いていただいてありがとうございます。
今日のテーマは、自分の行動を客観的に観察してみようということで、
ワトソンさんというアメリカの心理学者さんが提唱されたSR理論だったり、パブロフさんという、パブロフの犬という実験で有名ですけれども、古典的条件付け。
この辺りをご紹介しながら、心理学、自己理解のつながりを探っていきたいなというふうに思います。
はい、今日からですね、大分類が行動主義というところに変わっております。
この大分類、何を基にしているかというと、参考図書にさせていただいている、図解心理学用語体制という本の分類に則って、このポッドキャストのテーマもお送りしております。
前回まではね、心理学の誕生といって、哲学から派生した心理学がどういう系譜をたどってきたのかというところだったり、哲学と心理学の間みたいな領域のお話が多かったですけれども、
今日からは行動主義ということで、より意識の領域から行動の領域に入っていくというところになっていきます。
そもそも、行動主義って何であるかという方が多いと思いますので、そのお話からしていきたいと思います。
行動主義はですね、心理学は観察できない主観的な意識を扱うのではなくて、客観的に観察できる行動を扱うべきだとする立場のことを言います。
この行動主義をアメリカで1878年から1958年活躍されたワトソンさんが打ち立てたというところになります。
ワトソンさんはですね、意識は客観的に観察することができないので、科学の研究のテーマにはなり得ないと主張して、
外部からの刺激に対する反応、つまり行動を観察することで心理学は科学になり得るというふうな立場を取ったと言われています。
そして行動を観察することで、行動を予測したりコントロールする方法を知ることが心理学の使命だというふうにワトソンさんは考えたんですね。
確かにね、現実も考えているだけでは変わらないけれども、考えを行動に移すことで現実が変わっていくという意味では、
よりこう実際の人の生活に影響を与えるところは、このワトソンさんの行動主義考え方の方が大きいんじゃないかというふうに思います。
はい、そんなワトソンさんがですね、提唱された理論がSR理論というものになります。
SとRそれぞれ何の頭文字かというと、スティムレス、刺激と反応、レスポンス、この頭文字を取ってSR、イコール刺激と反応の関係性を研究すると人間の行動が理解できるという理論がSR理論になります。
刺激ってね、例えば人の前にネズミとかモロモロとパッて出した時に、ワッとびっくりしたり、ギャーって声が出たり、こういう動きとか声のことを反応というわけですよね。
ワトソンさんは全ての行動は刺激に対する反応だという立場を取ったので、その刺激と反応イコール行動の関係を研究すれば人のことを理解できるというふうに考えました。
さらにですね、このSR理論を応用して教育とか訓練を行うと遺伝とは関係なくて能力を身につけることができると主張したんですね。
例えばワトソンさんが行った有名な実験があります。アルバート坊やの実験という、生後11ヶ月のアルバートという坊やがですね、モルモットを前に置かれた時に最初は怖がらなかったんですね。
ただしアルバートがモルモットを触るたびにジャーンとシンバルで大きな音を鳴らしてアルバートをびっくりさせた。
それを続けたところアルバート坊やはモルモットを見るだけで恐れるようになったというなかなか酷い実験ですね。
ただこの実験を通してワトソンさんは人間は教育や訓練次第でどうにでもなりますと言っていますね。
他にもこういった刺激と反応を用いた理論というのはパブロフの犬で有名なパブロフさんが提唱された理論も該当します。
古典的条件付けという言葉があるんですけれども、食欲など自律神経の反射反応と他の刺激を意図的に結びつけることが古典的条件付けとされていて、
例えばパブロフの犬の実験では犬に餌を与えると同時にベルをリンリンと鳴らすことを繰り返すと犬はベルが鳴れば餌がもらえるということを学習するので、
最後にはベルを鳴らすだけで犬は餌がもらえると思って唾液を出すようになるというこういった刺激と反応のモデルですよね。
これも大きな意味ではSR理論の一つというふうにされています。
しかしですね、後にSとRイコール刺激と反応の間にOという認知判断の因子があるということがわかったんですね。
これ何でわかったかというと、当たり前ですけど刺激に対する反応は人によって違ったからです。
何で違うのかというところにその人固有の認知判断があったからSに対するRが変わるんじゃないかみたいなことを研究された方がいて、
ASOR理論というものが主流になっていき、さらに発展してそれが認知心理学だったり認知行動療法という聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、
そういった発想に転換していったということになります。
さてこの刺激に対する反応のことを自己理解に生かしていくとどうなるのかというところですけれども、
例えば自分がどんなS、どんな刺激にどんなR、どんな反応をとっているかみたいなことを見ていくのはどうかなと思います。
例えば僕の場合でいうと、4歳の息子がおもちゃのピアノを弾いているときに必ずガンガンガンと強く叩いて大きな音を鳴らすんですね。
そうするとやっぱり近くにいるとピアノを出してきただけでうっと身構えたりするんですよね。
まさに刺激に対する反応が繰り返された結果じゃないかなというふうに思いますね。
一方で認知判断が入るケースで考えてみると、同じく息子の例でいくと、
例えばリビングからキッチンの方に走って近づいてきたときに認知を僕自身がしているとしたら、
例えば走ってくる息子の顔を見てニヤニヤしながら走ってきたら、耳元で大声を出そうとしているんじゃないかとか、
例えば泣き顔だったら嫌なことがあって抱っこしてほしいみたいなことの可能性があるなと。
同じ走って近づいてくるという刺激に対しても、表情を見て認知判断が入ることで親の行動って変わるかなと思うんですね。
例えばすごいニヤニヤ笑ってたらちょっと逃げてみたり、
泣いて走ってきているのに逃げてしまったらそれは息子に対してかわいそうなので迎えに行くというか、
抱っこしに行くという形で行動が変わると思うんですよね。
自分が日頃どんなSにどんなRを取っているのか、
改めて考えてみると、確かに反射的にやってしまっている行動もあるし、
認知判断がしっかり入って行動が変わっているケースもあるなということを自分自身の例に置き換えて考えてみるとあったので、
ぜひ皆さんも自己理解を深めるという観点で刺激に対する反応を考えてみていただけたらなと思います。
今日はここまで聞いていただいてありがとうございました。また次回の放送でお会いしましょう。さよなら。