1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
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2024-05-21 18:21

#11 自己肯定感と、心の基本ポジション

今回は、「自己肯定感と、心の基本ポジション」のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、意識されている方も多いかと思うのですが、自己肯定感について。土台となる心の基本ポジションの考え方を知ることで、自己肯定感について深く理解し、効果的に取り組めるようになります。


第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」

第9回目「お互いを必要としている、できない人とできる人」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

心理学を通じて、自己肯定感と心の基本ポジションについて考えます。その心の基本ポジションは、I+、U+、私もあなたもOK、I'm OK、YoU are OKであり、一緒にやっていくという動き方を積み重ねることで自己肯定感が上がります。

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こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。
この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマはこちら。
自己肯定感と心の基本ポジション
自己肯定感と心の基本ポジション
今回は、自己肯定感と心の基本ポジションのお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも自然とつながっています。その見方、活かし方をご紹介します。
今回は、意識されている方も多いかと思うんですけれども、自己肯定感についてです。
土台となる心の基本ポジションの考え方を知ることで、自己肯定感について深く理解し、効果的に取り組めるようになります。
第3回目「子どもの自分が書き、今も従っている人生脚本」。第9回目「お互いを必要としている、できない人とできる人」ともリンクするお話です。
皆様、道を歩いていて、ドーンとこう人とぶつかった時、とっさにどう思いますか。
「随分混んでるなぁ。お互い様だね。」とか。
「人にぶつかってきてなんだろう。前を向いて歩いてないからだよ。」とか。
「申し訳ない。私がしっかり注意して歩いてないから。」とか。
「うわぁ。」とか。
とっさにこういろいろな考え方、感じ方あるかと思います。皆様いかがでしょうか。
今ですね、ちょっとこうデフォルメした感じで4パターンを言ってみました。
どれか自分にこう思い当たる節のある感じ方ってありましたでしょうか。
実は心の中には4つの基本ポジションがあります。
どういうふうに表すかと言いますと、4つの言葉の組み合わせなんですが、まず1つ目は、I、私。
そして、YoU(U)、あなた。そして、ok、not ok。
この4つなんですけれども、特にokとnot okにつきましては、
軽い了承のokというような一般的な意味合いではなくて、もっとこう深くて広い、
存在そのものであったり、能力であったり、環境であったり、いろいろなものをすべてトータルで含めた意味合いとして使っております。
この辺りちょっとご注意いただければと思います。
ちなみにこのokとnot okは、+と-で言い換えたりします。
この4つの言葉の組み合わせによって表す基本ポジションです。
それぞれのポジションで取られるオペレーション、動き方というものがありますので、
先ほどのですね、どんとぶつかられた時のちょっとデフォルメしたセリフと合わせてお伝えしていきたいと思います。
一つ目は、I'm ok, you're ok, 私もあなたもok、つまり、I+、you+というもので、
これはですね、一緒にやっていくというオペレーション、動き方を取るというふうに言われています。
先ほどのどんとぶつかられた例でいきますと、一つ目のセリフ、
「ずいぶん混んでるなぁ、お互い様だね」、というセリフ、覚えてますでしょうか。
これ、とっさにぶつかられても、やはりですね、I+、U+の立場の人だと、
自分自身も肯定しつつ、相手も肯定しつつということで、その考え方自体、やはりですね、お互い様だな、
お互い一緒にやっていこうというような、そういうですね、動きになりやすいということです。
そして二つ目、I am ok, You're not ok,
私はok、あなたはokじゃない、I+、U-ということなんですけれども、
このポジションにいる人は、排除するというオペレーション、動き方になると言われています。
先ほどのぶつかってきた時の、ぶつかってきたと言いますか、人とぶつかった時の例でいきますと、
「人にぶつかってきて何だろう、前を向いて歩いてないからだよ。」
これですね、とっさに自分はokなんだ、でも相手が悪いんだ、相手がnot okなんだということで、
こういう考え方、そして動き方をするというような流れになります。
三つ目、I am not ok, You're ok,
私はokじゃない、あなたはok。
ここではですね、逃げるというオペレーション、動き方をとると言われています。
どんと人とぶつかった時、「申し訳ない、すいません、もう私がしっかり注意して歩いてないから。」
これですね、一見するとすごくいい人という感じはするんですけれども、
どんとぶつかった時、これどっちがいいか悪いかなんてとっさにわからないわけなんですけれども、
とにかく自分がとにかく悪い悪い謝ればいいというような、それはですね、
I am not ok, You're ok。
つまり他の人はokなんだけど、自分はokじゃないというような考え方の現れじゃないかということです。
そして最後、I am not ok, You're not ok,
私もあなたもokじゃない。
これはですね、引きこもるというオペレーション、そして動き方をとるというふうに言われています。
ちなみに私はここで引きこもるというオペレーションですというふうに言い方をしましたが、
英語の原文はget nowhere withということで、行き止まりという訳し方をする方もいらっしゃいます。
ただ私はですね、やっぱりここは引きこもるというように訳したいなと思います。
先ほどのドンとぶつかってこられた時の例、「うわー」という表現を使いましたが、
I-U-の場合は、私もあなたもokではないということなので、
基本的には非常にネガティブな受け止め方、オペレーション、動き方をするようになります。
この心の基本ポジションですが、一体いつからですね、そのポジションをとっているのかと言いますと、
生まれてすぐ、生まれてから何ヶ月か経って、あるいは生まれる前からそれはとっているんじゃないのかというような色々な説があります。
いずれにしろ、土台となるポジションを一つか二つ、どうやら私たち選んでいるらしいんです。
ただ、子どもの自分が書いて今も従っていると言われている人生脚本について言えば、その前提となるのがこの心の基本ポジションなんじゃないかということです。
これをベースにですね、私たちの人生脚本は作られていくということなので、
i + U +の基本ポジションなのか、あるいは i + U -なのか、
i - U +なのか、あるいは i - U -なのか、この基本ポジションによって書いていく人生脚本が分かれていくというふうに言われています。
基本的にはどれか一つか二つがベースになっていると言われているんですが、日常生活では場合によって、状況によってこのポジションというのは自由に動いていったりします。
I'm OK、You're not OK
とはいえ、やはりストレスがすごくかかった時、すごく負荷がかかっている時というのは、どうしてもこのもともとの基本ポジションのところに戻りやすいというか、そこに固定しやすいというようなことが言えるかと思います。
自己肯定感という意味では、どのポジションが該当するでしょうか。少なくとも、I'm OK、I+であることが必要なようには思えます。
そう考えると、四つの基本ポジションのうちの二つ、I'm OK、You're OK、私もあなたもOK、I+、U+、これが一つ目、そして二つ目がI'm OK、You're not OK、私はOK、あなたはOKじゃない、I+、U-。
この二つの基本ポジションは、I+なので、自己肯定感に関係しているかと思います。ただ、I'm OK、You're not OK、私はOK、あなたはnot OK、I+、U-ですね。
これについては、本当の意味での自己肯定感というものとは違うんじゃないでしょうか。これ皆さんも薄々そうだなと思ってくださっているんじゃないかと思うんですが、私のこの番組の第9回目、お互いを必要としているできない人とできる人、これをですね、ちょっと思い出していただけたらなと思うんですが、
ここではできる人は、I+、U-、私はOKだけれども、あなたはOKじゃない。そしてできない人は、I-、U+、私はOKじゃないんだけれども、あなたはOKということで、この二つがこう噛み合って関係性ができているんじゃないかなというふうに思います。
ここで言うですね、私はOKだけど、あなたはOKじゃない。つまり、できる人ができない人に対してというところでいくと、このできないって思っている人の能力を値引きしている、これディスカウントっていう言い方をしますけれども、ディスカウント、値引きしていると言えるんではないかと思います。
そしてできない人自身も、I-、U+、私はOKじゃないけれども、あなたはOKというところで、自分自身の能力をディスカウント、値引きしているということなんではないかと思います。
この二つの関係性が絡み合って、できる人とできない人、お互いがお互いを必要としているできる人とできない人という関係性が出来上がっているんじゃないかということです。
このですね、相手を下げなければ自分がI+、私は大丈夫なんだということが維持できない肯定感っていうのは、これはちょっと不健康と言いますか不安定と言いますか、あるべき姿ではないんじゃないかなと思います。
だからこそ本当の意味での肯定感とは違うのかなと思います。
いかがでしょうか。このI+、U-のそのポジションの人というのは、何となくですね、見てますと実際のところは相手を下げないと、I-、U+とか、I-、U-っていうところに行ってしまいやすい。
それを恐れて相手を下げることで、自分自身のI+、相手の例えばこうなんて言うんでしょうね、困っている人を助けるとか、そういうのはもともとすごい素晴らしいことではあるんですけれども、それをもし行き過ぎている人は、このですね、相手が下にいないとこの+という肯定感を得られないというところで、ちょっとですね、ここ課題があるんじゃないのかなというふうに思います。
ではどうしたらというところで、対策としてのポイントをお伝えしたいと思います。ポイントは2つ。行動・思考・感情はつながっているということと、もう一つは、私たちは承認要求を得る刺激、ストローク、これ求めてるんだという話を今までずっと講してますけれども、そのストロークを受けた行動が強化される、こういった特質、特性があります。
ということで、この2つをぜひ活かしてみてください。じゃあ、ということなんですが、基本ポジションが持つ特徴的なオペレーションがありますというお話を今回お伝えしてますけれども、真の自己肯定感という意味では、ぜひですね、このI+、U+、私もあなたもOK、I'm OK、You're OK、このポジションをぜひ強化したいところです。
ということは、このポジションでは一緒にやっていくというオペレーションをとるんだというお話をお伝えしてますけれども、あえてこの一緒にやっていくという動き方を積み重ねていく、そうすることで、逆にですね、このI+、U+のポジションになっていく、そこが強化されていくというような流れがあります。
これ本当の意味での自己肯定感が上がっていくかと思います。これが非常におすすめのポイントです。
心の基本ポジションの柔軟な活用
とはいえなんですが、ここでですね、合わせて注意点もお伝えしていきたいと思います。
相手や状況によっては、どう考えても一緒にやっていかない方が良い場合というのも、現実的にはもちろんあるかと思います。
ということで、この心の基本ポジションの大切な考え方をもう一つお伝えさせてください。
ここで紹介した特徴的な4つのオペレーション、動き方なんですが、これは相手や状況によって、場合によって、どれも柔軟に活用できるというのが実は一番大切なことになってきます。
自分に害を及ぼすような相手や状況で無理に一緒にやっていくのでは、これは<今、ここ>での対処として適切とは言えないですよね。
ということで、そんな場合でも無理に一緒にやっていこうとするのは、それは実際のところ他の3つのポジションなんじゃないかなと思います。
つまり、現実を排除しているか、逃げているか、引きこもっているか、その裏返しとも言えるんじゃないかなと思います。
必要な時、柔軟に最適のオペレーションをとる、それが一番のおすすめです。
そういう意味では、解決策を検討する際に、この4つのオペレーションのそれぞれでできることは何かなということで、案を次々考えてみるのもいいかもしれません。
自分のですね、Bプラン、Cプラン、Dプランということで選択肢を増やしていく、これは解決策を見つけるのに最適じゃないかなと思います。
ブラックな職場環境のありえない状況、ここは自分の居ていい場所じゃない、その職場を自分の生活から排除する必要、そういうものもあるんじゃないかなと思います。
日本では、まとめたらちょっと抵抗を感じる方もいるかもしれませんけれども、どうもこの他責より自責ということで、この自責をすごく美化する傾向があるように思います。
確かに謙虚さはある程度必要なのかもしれませんけれども、自分の中にある親・成人・子ども、それを総動員して客観的に判断、そしてこれはI'm OK、You're not OK、
I+、U-だというふうにはっきり割り切ることも時には必要ではないでしょうか。そしてI+、U+というふうに感じられる、そういうところに移っていくというのも、これも一つの客観的な成人による判断での選択肢だと思います。
心の中には4つの基本ポジションがあって、とりやすいオペレーション、動き方がある。それを知った上で、目の前の現実は実際どうなのか、それを客観的に判断をして柔軟にこのオペレーション、動き方を活用できる。それが本当の意味での自己肯定感につながるのではないかなというふうに思います。
では今回覚えていただきたいポイントは、自己肯定感と心の基本ポジション。まずは気づくこと、そしていつもと違う変化を味わってみませんか。ここまで聞いていただきありがとうございます。最後に番組からのお知らせです。
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