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2025-02-02 10:00

heldio #197. repair 「修理する」には「行く」の意味もあった!

#英語史 #英語学習 #英語教育 #短縮 #同音異義
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おはようございます。英語の歴史を研究しています。慶応技術大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、repair 「修理する」には
「行く」の意味もあったという、これまた驚きの話題です。
repair ですね。re-p-a-i-r
修理するを意味する基本語と言っていいと思うんですよね。 ところがこれに実はですね、行く、つまりgoの意味もあるっていうのは、あまり知られてないことなんですね。
辞書で引くと、これはrepair1とrepair2というふうに、だいたい分かれていると思うんですね。
語源が全く別だからです。形上、そして発音上もですね、同じre-p-a-i-rということで、圧倒的に多く修理するという意味で出てくるんですけれども、
これには別の動音意義語、動綴り意義語がありまして、これはgoの意味、行くの意味があるっていう、意外と知られていない、驚きの話題なんですね。
いずれも、もともとラテン語に由来する単語なんですけれども、たまたま形がですね、一緒になってしまったということなんです。
つまりもともとは別の単語、だけど形は一緒になってしまったということで、昨日の放送も含めてですね、今までこの番組では二重語っていうのをやってきたんですね。
これは逆なんです。二重語というのは、もともとは一緒、同じ語源、だけれどもちょっと意味とか形がずれてですね、異なる単語になってしまった。だから大元は一緒だよっていうこと、これ二重語なんですが、今回のre-p-a-i-rは逆バージョンですね。
語源は違うんだ。ところが形状ですね、融合してしまった、一緒になってしまったということで、もともとは違う語だったんだよという、そういう例になるわけですね。
それではまずこのre-p-a-i-rの、よく知られている方の意味、修理するの方から語源を探っていきたいと思うんですね。
この修理するのre-pairっていうのは、ラテン語のre-pa-ra-reに由来します。かなり近いですね。その英語のre-pairっていうのにかなり近い。re-pa-ra-reという形で、これはreという再びという意味の接頭字にpa-ra-reという動詞の形がついたものですね。
これが古フランス語でre-pareという形になって、これが英語に入ってきて、中英語記に入ってきました。re-pairとして今まで続いているということなんですが、このre-p-a-ra-reに由来するんですが、ラテン語のこのpa-ra-reとは何かというと、これ自体がですね、そもそも準備するって言いますかね。to make readyというぐらいの意味なんですね。
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ここからたくさんの単語がですね、ラテン語あるいはフランス語を経由して英語にたくさんこのpa-ra-reという部分が少し変化した形で、それから接頭日とか接尾時みたいなのがついて、いろんな形で実は入ってきています。
これもともとの準備する、修理するぐらいの意味ですけれどもね、ここに関連するものとしていくつか挙げてみたいと思うんですね。知っている単語もあれば知らない単語もあると思いますので、これ知らない単語についてはぜひ語源を確認してですね、ボキャブラリーを増やしてもらいたいと思うんですが、例えば
imperial, parachute, parade, parasol, pair, parent, parry, parturient, rampart, repertory, separate, several, viperといった単語群ですね。まあかなり多くあると思うんですね。
さあ、次にですね、今日の本題である、行く、to goを意味するrepairというのがあるんですね。まずいくつか例文から示したいと思うんですね。少し古風な響き、それから形式ばった響きを持つことがあって、大勢で行くとか足しげく行くというのが基本的な意味だと思うんですね。
例えば、after dinner, the guests repair to the drawing room for coffeeのような文ですね。the guests repair to the drawing roomという文が、go、過去形のwentの意味を表しているわけですね。それから似たような文ですが、shall we repair to the coffee shopという風にrepair to、goですから意味は、toが後ろにつくことって当然多いわけですよね。
他に、he repaired in haste to Washingtonというような文ですね。それから少し古いですが、シェイクスピアからの例も出したいと思うんですね。may all to Athens back again repair。このrepairは、goという風に解釈すればいいわけですね。
これはですね、形こそrepair、修理すると同じ形になってしまっていますけれども、もともとはですね、後期ラテン語のrepatriareという単語、動詞ですね。これに遡るんです。reは一緒なんですが、patriareという形、これがついたものですね。repatriare。
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これが古フランス語でrepellierという風に、patriareのtあたりが消えてしまってですね、最終的に英語に入ってきた時にはですね、repair、修理すると同じような形になってしまった。なので、もともとはこの語根部分がですね、修理するのものはparareということでしたけれども、この行くの場合はpatriareというだいぶ違う形だったんですね。
さあ、このラテン語のpatriareというところで、ピンとくる人はいるかもしれませんが、ラテン語のpater、父親を意味するfatherですね。これを意味する単語と語源的には関係あります。
このラテン語のrepatriareというのは、縮まった形で、古フランス語を経てrepair、行くという意味になって英語に入ってきたというのは今日の話題なわけですが、実はこのrepatriareがほぼそのままラテン語から直接英語に入ってきた単語というのもありまして、これはrepatriateという単語なんです。
これ本国へ送還するって意味です。これどういうことかというと、pater、父ですよね。父ってことはこれ、父なる国、祖国ってことです。祖国に返す、送り返す、reですね。で、patriateということでrepatriateという長い単語があります。
これは元々のrepatriareが元になって、このラテン語が直接英語に入ってきた、直接とは言っても語尾の部分ちょっと変わってますけどもrepatriateという単語ですね。これのある意味、短いバージョンが行くを意味するrepairということです。
もともと本国へ送還するという意味だったんですが、それが意味的にも簡略化してただ行くっていうふうになってしまったということで、このrepairとrepatriate、この2つを比べるとこれは25とダブレットということになるわけではあります。
さあ、このラテン語の語根に入っているですね、patereという部分、patriareのpatriという部分なんですが、これ父親、fatherの意味なんですね。そこから祖国、故国、父なる国という意味で、故国という意味が出てきますね。
そうすると色々と広がりが出てきてですね、ラテン語でこれを元にできた発声語であるとか関連語、これが英語にもたくさん入ってきていますので、このpatriという部分を含む英単語ですね、ラテン語由来の英単語をいくつか挙げてみたいと思います。
もちろんrepatriateっていうのは先ほど述べた通りなんですが、他にexpatriate、impetrate, padre, paternal, patrician, patrimony, patron, perpetrate。
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それからラテン語のみならず、さらに遡ってというか言い方ですかね、ギリシャ語でもこのpatriっていう部分はですね、父親を表すのでupatriate, patriarch, patriot, sympatricというような単語が英語に入っています。
つまりすべて父親絡みということなんですね。今回の話題であるrepair、to go、行くという意味のrepairも全く意味的にはですね、現在の観点から見ると行くですから父親なんて関係なさそうなところなんですが、もともとは祖国に帰還するというような意味から単に行くという一般的な意味になり下がったというんですかね。
そのような英単語が今でも現役に使われているということです。それではまた。
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