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2024-08-08 10:29

#14 適合レベルに適合する:後編

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前回に引き続き、WCAG(ウェブコンテンツアクセシビリティガイドライン)の適合レベルについて詳しく解説しています。

「目標とする適合レベルに対応した達成基準」について

Aに適合するにはAの達成基準、AAに適合するにはAとAAの達成基準すべてを、AAAに適合するにはA、AA、AAAすべての達成基準を満たす必要があります。

「適合している代替版を提供する」について

適合している代替版とは、元のウェブページがアクセシビリティの基準を満たしていない場合に、その代わりとして用意される、基準を満たしているページのことです。例えば、視覚障害のある人が利用しやすいように工夫されたページを用意することです。この代替版は、同じ内容や機能を持ち、常に最新の情報に更新される必要があります。また、代替版に簡単にアクセスできるリンクが元のページにあることも重要です。

参考:

WCAG 2.0 への適合を理解する

https://waic.jp/translations/UNDERSTANDING-WCAG20/conformance.html

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ポッドキャストの書き起こし「LISTEN」はこちら

https://listen.style/p/chacoweb?k2xLjX2w

00:05
ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、
ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポッドキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ゆみこ:本日のテーマは「適合レベルに適合する 後編」です。
みあ:前編では、適合レベルの概要をお話ししました。
ゆみこ:適合レベルとは、世界的なウェブアクセシビリティのガイドラインである、
WCAGで定められたウェブアクセシビリティの対応度を示す基準で、
A、AA、AAAの3つに分かれているんですよね。
A適合は、どんな人でも最低限のアクセスが可能になるレベル。
AA適合は、あらゆる人にとって使いやすいコンテンツを提供できるレベル。
AAA適合は、非常に厳格なウェブアクセシビリティ対応であるが、
技術的に実現が難しい達成基準もあるレベルというお話でしたね。
みあ:はい、そうです。AAAに適合させるのはあまり現実的ではないため、
基本的にはAかAAを目標としてウェブ制作を進めるというのもご紹介しました。
ゆみこ:はい、そうでしたね。
それから、WCAGで定められている各達成基準も、適合レベルと同様に、
A、AA、AAAの3つに分かれているんですよね。
そして、適合レベルに適合するには、目標とする適合レベルに対応した達成基準を全て満たすことが必要とのことでした。
みあ:はい、そのようになっています。
ゆみこ:一つ質問なのですが、この目標とする適合レベルに対応した達成基準とは、
どの達成基準のことを指しているんでしょうか。
みあ:はい、それはWCAGの中の適合レベルについて
書かれている部分を見るとわかります。
それぞれの適合レベルに適合するための条件は、次のようになっています。
Aに適合する場合、
ウェブページがAの達成基準全てを満たすか、適合している代替版を提供する。
AAに適合する場合、
03:03
ウェブページがAとAAの達成基準全てを満たすか、AAに適合している代替版を提供する。
AAAに適合する場合、
ウェブページがA、AA、AAAの達成基準全てを満たすか、
AAA適合している代替版を提供する。
この3つが適合レベルに適合するための条件なんですね。
ゆみこ:うーん、なるほど。Aに適合するには、Aの達成基準を全て満たす必要があるんですね。
そして、AAに適合するには、AとAAの達成基準全てを、
AAAに適合するには、A、AA、AAA全ての達成基準を満たす必要があるということですね。
みあ:はい、そうです。
どの達成基準がどのレベルに設定されているのかは、WCAGの解説書を確認するとわかります。
ゆみこ:そうなんですね。
ところで、先ほど出てきた条件の中で、「適合している代替版を提供する」という部分がありましたよね。
これはどういった意味なんでしょうか。
みあ:適合している代替版は、WCAGの達成基準に適合していないコンテンツがウェブページ上にある場合、
そのコンテンツの代わりとして用意する一定の条件をクリアした代替コンテンツのことを指します。
この一定の条件をクリアした代替コンテンツを提供することが、適合している代替版を提供するということです。
ゆみこ:うーん、なるほど。一定の条件とはどんなものでしょうか。
みあ:はい、これはいくつかあるので解説していきますね。
まず、適合している代替版は、指定されたレベルに適合している必要があります。
指定されたレベルというのは、先ほどの条件の中に書かれているレベルのことです。
Aに適合する場合ならA、
AAに適合する場合ならAA、
AAAに適合する場合ならAAAに適合している代替版を用意する必要があるということですね。
ゆみこ:なるほど。条件に書いてあるレベルに適合している必要があるんですね。
みあ:はい、そうなんです。
次に、同じ情報及び機能のすべてを、同一の自然言語で提供している必要があります。
代替版が、元のコンテンツと同じだけの情報や機能を持っていて、
それが同じ言語で提供されているということですね。
06:00
ゆみこ:どちらかの情報や機能に
多い、少ないというのがあってはいけないということですね。
そして、言語も統一するんですね。
みあ:はい、そうです。
続いて、元のコンテンツと同時に更新されている必要があります。
代替版だけ情報が古いというようなことは認められません。
ゆみこ:うん、なるほど。
確かに同じ情報、同じ機能を提供するのであれば、
更新のタイミングも同じである必要がありますね。
みあ:はい。そして最後に、これから挙げる3つのうちの1つ以上を満たしている必要があります。
1.アクセシビリティサポーテッドな方法で、不適合ページから適合版へ到達できること。
2.不適合版に到達できるのは、適合版からのみであること。
3.不適合版に到達できるのは、適合版に到達する方法も提供している、適合ページからのみであること。
ゆみこ:うーん、ちょっとややこしいですね。
みあ:そうですね。少し噛み砕いて考えてみましょう。
1つ目の、アクセシビリティサポーテッドな方法で、不適合ページから適合版へ到達できること。
これは、不適合ページ、つまり、達成基準に適合していないコンテンツが存在するページに、適合版へのリンクなどがあり、
それを使用して、不適合ページから適合版へ移動ができれば良いということです。
ゆみこ:うーん、不適合ページからリンクのようなアクセシビリティ的にサポートされた技術を使って、適合版に移動できれば良いということですね。
みあ:はい、そうです。
2つ目の、不適合版に到達できるのは、適合版からのみであることは、適合版からのみ不適合版に移動できる状態なら良いということです。
ゆみこ:適合版からのみ不適合版に移動できる、つまり、適合版以外からは不適合版には移動できない状態ということですね。
みあ:はい。3つ目の、不適合版に到達できるのは、適合版に到達する方法も提供している適合ページからのみであること。
これは、適合版に移動することができる適合ページがあり、そのページからのみ不適合版に移動できる状態なら良いということです。
ゆみこ:なるほど、適合版へのリンクなどがある適合ページからのみ、不適合版に移動できる状態なら良いんですね。
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みあ:はい、そうなります。
今までお話ししたこれらの条件を満たすと、適合している代替版と認められます。
基本的には達成基準を満たすようにしますが、技術的な問題などで達成基準が満たせない場合は、このような適合している代替版を提供することで、適合レベルに適合することができるということです。
ゆみこ:なるほど、前回と合わせて詳しく聞くことができたので、適合レベルに適合するための条件がよくわかりました。
本日のテーマは「適合レベルに適合する 後編」でした。
お聞きいただきありがとうございました。
感想をいただけるととっても嬉しいです。
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