みあ:早速ですが、 適合レベルとはどういったものだったか覚えていますか?
ゆみこ:はい、WCAGで定められた ウェブアクセシビリティへの対応度の基準ですよね。
確か、A、AA、 AAAの3段階に分かれていたと思います。
みあ:はい、その通りです。
各レベルの特徴も簡単にお話ししましたが、覚えていますか?
ゆみこ:はい。Aは最低限のアクセシビリティ対応。
AAは多くの人にとって使いやすくなり、 行政機関の目標にもなっているレベル。
AAAは最も厳格で、 現時点では達成困難な基準も含まれるレベルといった感じでした。
みあ:はい、そうですね。
現時点ではAAA適合が現実的ではないため、 通常はAかAAを目標とするというお話もしました。
ゆみこ:そうでしたね。
みあ:適合レベルに適合するには何が必要だったか覚えていますか?
ゆみこ:目標とするレベルの達成基準を全て満たす必要があるんでしたよね。
で、適用対象がない場合は自動的に適合とみなされるというお話だったと思います。
みあ:はい、その通りです。
また、技術的な問題などで達成基準を満たせない場合は、「適合している代替版」を用意して適合レベルに適合することもできるというお話もしました。
ゆみこ:はい。適合している代替版とは、達成基準に適合していないコンテンツの代わりに提供する一定の条件を満たした代替コンテンツのことですよね。
みあ:はい、そうです。
それでは、その一定の条件が何だったかは覚えているでしょうか?
ゆみこ:えーっと、まずは、指定されたレベルに適合している必要がありましたよね。
それから、不適合版と同じ情報・機能を同じ言語で提供していること、不適合版と同時に更新されていること。
あとは、ページへ到達するための方法に関する条件があったと思います。
みあ:はい、そうです。
指定されたレベルに適合していること、不適合版と同じ情報・機能を同じ言語で提供していること、不適合版と同時に更新されていること。
そして、ページへ到達するための方法が指定された条件のうち1つ以上に当てはまっていることという条件がありました。
ページへ到達するための方法に関する条件は、
1.アクセシビリティサポーテッドな方法で、不適合ページから適合版へ移動できること。
2.不適合版に到達できるのは、適合版からのみであること。
3.不適合版に到達できるのは、適合版に到達する方法も提供している適合ページからのみであること。
この3つでしたね。
ゆみこ:はい、そうでしたね。これらの条件をすべて満たすと、その適合レベルに適合していると言えるんですよね。
みあ:はい。そして、WCAG2.0の適合要件1「適合レベル」では、3つの適合レベルのうち、どれか1つを完全に満たしていることが求められています。
つまり、A、AA、AAAのどれか1つの適合レベルに適合することで、WCAG2.0の適合要件1を満たすことができます。
ゆみこ:3つの適合レベルのうち、どれかに適合することが、WCAG2.0の適合要件1を満たすことになるんですね。
みあ:はい、そうなんです。
それでは次に、非干渉について振り返ってみましょう。非干渉とはどんな状態だったか覚えていますか?
ゆみこ:えーと、確か、アクセシビリティサポーテッドではない技術や、適合しない技術が使われていても、他のコンテンツへのアクセスを妨げない状態のことでしたよね。
みあ:お、その通りです。ちなみに、アクセシビリティサポーテッドは、ユーザーエージェントと支援技術の両方でサポートされていて、実際に利用可能な状態を指しているんでしたよね。
ゆみこ:はい、そうですね。ユーザーエージェントというのは、ブラウザとか検索エンジンのことで、支援技術というのはスクリーンリーダーとか拡大鏡のことだったと思います。
みあ:はい、その通りです。
ゆみこ:「アクセシビリティサポーテッドではないコンテンツが他のコンテンツに影響を及ぼすと、たとえアクセシビリティに対応しているコンテンツがあっても、人によってはそれが利用できなくなる可能性がある。だから、非干渉の考え方が重要だ。」という解説があったと思います。
みあ:はい、そうです。非干渉は少し難しい概念ですが、とても重要なんですね。それでは、非干渉を実現するには、具体的にどうすればよかったでしょうか。
ゆみこ:まずは、アクセシビリティサポーテッドではない技術や、適合しない技術が使われていても、他のコンテンツへのアクセスを妨げないことが必要です。
で、次に適合の根拠になっていない技術、つまり依存していない技術がブラウザなどのユーザーエージェントで有効か無効か、またはサポートされているかどうかに関係なく、ページ自体は適合要件を満たしている必要があったと思います。
みあ:はい、そうです。それから、依存していないコンテンツも含めて、ページ上のすべてのコンテンツが4つの達成基準をクリアしている必要がありました。この4つは覚えていますか?
ゆみこ:「音声制御」、「キーボードトラップなし」、「3回の閃光、または閾値以下」、「一時停止、停止、非表示」でしたっけ?
みあ:はい、正解です。これらをすべてクリアすることで、非干渉の状態を実現することができます。
そして、非干渉を実現することで、WCAG2.0の適合要件5「非干渉」を満たすことができるんですね。
ゆみこ:うーん、やっぱり非干渉の考え方は複雑ですね。
みあ:はい、そうですね。非干渉について詳しく知りたい、振り返りたいという場合は、ぜひ「第12回 WCAGにおける非干渉の考え方」を聞き直してみてください。
また、適合レベルについては、「第13回 適合レベルに適合する 前編」、「第14回 適合レベルに適合する 後編」で詳しく説明しています。
ゆみこ:はい、以前の回では、具体例を挙げての解説もあったので、もう一度聞き直してみようと思います。
みあ:ぜひお願いします。適合要件はあと3つあるのですが、長くなってしまうので、今回はここまでにしておきます。
次回、残りの3つを紹介しますので、後編もお聞きいただければと思います。
ゆみこ:はい。本日のテーマは「WCAG2.0への適合とは 前編」でした。
お聞きいただきありがとうございました。
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