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2024-10-10 11:46

#22 WCAG 2.0 解説シリーズPart4「『ガイドライン1.2 時間依存メディア』とその達成基準 後編」

前回に続いて、WCAG 2.0の「ガイドライン1.2 時間依存メディア」に関連する達成基準を詳しく解説。

レベルAとAAの5つの達成基準を順に紹介し、それぞれの要件と対応方法を説明しました。

具体的には、収録済みの音声・映像コンテンツに対する代替コンテンツの提供、キャプションの追加、音声解説の提供などが求められます。ライブ配信のキャプションは難易度が高くAAとなっています。

これらの基準を満たすことで、ウェブアクセシビリティが向上し、より多くの人がコンテンツを利用できるようになります。

まずは対応可能な範囲から徐々に進めていくことが大切です。

参考:

達成基準 1.2.1: 音声のみ及び映像のみ (収録済) を理解する

https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/audio-only-and-video-only-prerecorded.html

達成基準 1.2.2: キャプション (収録済) を理解する

https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/captions-prerecorded.html

達成基準 1.2.3: 音声解説、又はメディアに対する代替 (収録済) を理解する

https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/audio-description-or-media-alternative-prerecorded.html

達成基準 1.2.4: キャプション (ライブ) を理解する

https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/captions-live.html

達成基準 1.2.5: 音声解説 (収録済) を理解する

https://waic.jp/translations/WCAG21/Understanding/audio-description-prerecorded.html

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サマリー

今回のエピソードでは、WCAG 2.0のガイドライン1.2「時間依存メディア」とその達成基準について解説されています。特に、録音された音声や映像に対するキャプションや音声解説の提供が詳しく説明され、ウェブアクセシビリティの重要性が強調されています。

00:04
ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポッドキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ガイドライン1.2の基本
ゆみこ:本日のテーマは、WCAG2.0 解説シリーズPart4「『ガイドライン1.2 時間依存メディア』とその達成基準 後編」です。
みあ:前編では、「ガイドライン1.2 時間依存メディア」について解説しました。
後編では、このガイドラインに関連する達成基準について見ていきたいと思います。
ゆみこ:「ガイドライン1.2 時間依存メディア」は、動画や音声のように、時間とともに変化するメディアに関するガイドラインでしたよね?
みあ:はい、そうです。ガイドライン1.2 は、「時間依存メディアには代替コンテンツを提供することが求められる」という内容でした。
時間依存メディアというのは、新しく登場した用語でしたが、これについては覚えていますか?
ゆみこ:はい、覚えています。 時間依存メディアとは、時間の経過に伴って変化するメディアのことで、音声のみのコンテンツ、映像のみのコンテンツ、音声と映像を含むコンテンツなどを指しているんでしたよね。
みあ:はい、その通りです。 それでは早速、関連する達成基準を確認していきましょう。
ガイドライン1.2には、レベルAとAAに絞ると、5つの達成基準があります。
まず1つ目「達成基準1.2.1 音声のみ及び映像のみ(収録済)」
この達成基準のレベルはAです。
収録済みの音声のみ、または映像のみのコンテンツに対して、同等の情報を提供する代替コンテンツを用意することを求めています。
具体的には、収録済みかつ音声のみのコンテンツには、同等の情報を含むテキストトランスクリプトなどを提供する必要があります。
収録済みかつ映像のみのコンテンツには、同等の情報を含む音声トラックかテキストによる説明を提供する必要があります。
ゆみこ:なるほど。例えば、会社の製品を紹介する無音の動画がある場合、その動画の内容を説明するテキストを提供するといった感じでしょうか。
みあ:はい、それで良いと思います。
次に、「達成基準1.2.2 キャプション(収録済)」
こちらもAの達成基準です。
同期したメディアに含まれる収録済みの音声コンテンツに対して、キャプションを提供することが求められています。
ゆみこ:このまた新しい言葉が出てきましたね。
同期したメディアとは何でしょうか。
みあ:同期とは、作動する時間を一致させるという意味があります。
つまり、何かと何かのタイミングが一致しているメディアのことを、同期したメディアと言います。
ここでは、音声と映像が一致したメディア、つまり音声付きの動画と捉えて問題ないと思います。
さて、ここでのポイントは2つです。
1つ目は、同期したメディアに含まれる収録済み音声コンテンツが対象ということです。
つまり、ライブ配信などではなく、事前に用意されたコンテンツの音声が対象ということですね。
2つ目は、キャプション、
簡単に言うと、動画につける字幕の提供が求められていることです。
テキストトランスクリプトではなくキャプションですから、音声と合わせたタイミングでの表示が必要です。
また、誰が話しているのかや、重要な効果音が含まれる必要もあります。
ゆみこ:なるほど。既に収録済みの製品紹介動画がある場合、その動画内の重要な効果音や紹介する際の音声による説明をキャプションにして表示するといった感じでしょうか。
みあ:はい、そうなります。
次は、「達成基準1.2.3 音声解説、又はメディアに対する代替(収録済)」です。
こちらもレベルはAです。
同期したメディアに含まれる収録済みの映像コンテンツに対して、テキストトランスクリプトなどテキスト形式の代替や音声解説を提供することが求められています。
この達成基準のポイントも2つあります。
1つ目は、同期したメディアに含まれる収録済み映像コンテンツが対象ということです。
つまり、ライブ配信などではなく、事前に用意されたコンテンツの映像が対象ということです。
2つ目は、テキストトランスクリプトなどテキスト形式の代替または音声解説が求められていることです。
テキスト形式の代替を提供する場合は、登場人物の動きや表情、その他のあらゆる視覚的な情報、会話以外の音声や誰が話しているのかなどもわかるように書く必要があります。
音声解説の場合は、会話などと被らないように合間を利用して、会話の中では説明されていない動きやシーンの変化、画面上に表示されている文字情報などを提供します。
ゆみこ:うーん、なるほど。視覚情報が得られない状況でも内容が伝わるようにするということですね。
例えば、収録済みの製品紹介動画で、製品の特徴を視覚的に示している場合、その視覚情報を音声で解説するか、動画全体の内容を詳細に説明したテキストを提供するといった感じでしょうか。
みあ:はい、そういった対応で良いと思います。
4つ目が、「達成基準1.2.4 キャプション(ライブ)」 です。
この達成基準はレベルAAです。
同期したメディアに含まれるライブの音声コンテンツに対して、キャプションを提供することが求められています。
ゆみこ:同期したメディアの音声コンテンツに対して、キャプションの提供が求められるのは、「達成基準 1.2.2 キャプション(収録済)」と同じですね。
ただ、こちらは収録済みではなく、ライブとなっているんですね。
みあ:はい、そうなんです。
今のお話通り、ライブの音声コンテンツが対象となります。
例えば、ライブ配信で会社の製品発表を行う場合、その配信動画にリアルタイムでキャプションをつける必要があります。
ゆみこ:んー、ライブでのキャプション提供は、これまでの3つと比べると対応が難しそうです。
レベルも少し上がって、AAなんですね。
みあ:確かに、ライブだと収録済みよりも難しい部分があると思います。
ただ、最近は話した内容をリアルタイムで文字起こししてくれるアプリなどの精度もとても上がっているので、そういったものを活用していくと良いと思います。
最後は、「達成基準1.2.5 音声解説(収録済)」です。
こちらもAAの達成基準です。
同期したメディアに含まれる収録済みの映像コンテンツに対して、音声解説を提供することが求められています。
ゆみこ:あれ?「達成基準1.2.3 音声解説、又はメディアに対する代替(収録済)」と内容が似ていますね。
みあ:そうなんです。ただ、1点異なるところがあります。
それは、達成基準1.2.3では音声解説かテキスト形式の代替の提供という二択だったのが、この基準では音声解説の提供一択になっているところです。
ゆみこ:ああ、なるほど。より厳格に音声解説を提供することが求められている基準ということですね。
みあ:はい、その通りです。
対応の進め方
ゆみこ:ここまで5つの達成基準を解説してもらいましたが、慣れないうちは対応に手間取ったり、難しく感じそうな気がします。
みあ:んー、そうですね。全ての基準を一度に満たすのは難しいかもしれません。
こういった場合は、まず可能なところから始めて、徐々に対応を進めていくことが大切です。
例えば、新しく投稿する動画にはキャプションをつけるようにするなど、段階的に対応していくのが良いのではないでしょうか。
ゆみこ:はい。本日のテーマは、WCAG2.0 解説シリーズPart4「『ガイドライン1.2 時間依存メディア』とその達成基準 後編」でした。
お聞きいただきありがとうございました。感想をいただけるととっても嬉しいです。
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次回もお楽しみに。
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