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2024-08-22 11:16

#16 WCAG2.0への適合とは?:後編

前回に引き続き、ウェブアクセシビリティの国際基準であるWCAG2.0への適合要件について解説します。今回は、「ウェブページ全体」「プロセス全体」「技術のアクセシビリティサポーテッドな使用方法だけ」に焦点を当てています。

前回解説した「適合レベル」「非干渉」を含めた5つの要件を満たすことで、ウェブサイトはWCAG2.0に適合し、あらゆるユーザーがアクセスしやすいコンテンツを提供することが可能になります。

WCAG 2.0 への適合を理解する

https://waic.jp/translations/UNDERSTANDING-WCAG20/conformance.html

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00:05
ゆみこ:こんにちは。チャコウェブラジオは、株式会社Cyber Catsが運営するチャコウェブのスタッフが、
ウェブアクセシビリティやSNS運用など、ウェブに関するテーマについて楽しくお話しするポッドキャストです。
進行を担当するゆみこです。よろしくお願いします。
みあ:みあです。よろしくお願いします。
ゆみこ:本日のテーマは「WCAG2.0への適合とは 後編」です。
みあ:前編では、WCAG2.0に適合するために、5つの適合要件を満たすことが必要だとお話ししました。
そのうちの2つ、「適合レベル」と「非干渉」は前回解説しましたので、今回は残りの3つについて詳しくお話ししていきたいと思います。
ゆみこ:はい。5つの適合要件のうち、前編で詳しく触れなかった3つが、
「ウェブページ全体」、「プロセス全体」、そして「技術のアクセシビリティサポーテッドな使用方法だけ」でしたよね。
みあ:はい。そうですね。
ゆみこ:それでは早速ですが、この3つについて教えてください。
みあ:はい。まず、適合要件2「ウェブページ全体」についてやっていきましょう。
ゆみこ:はい。ウェブページ全体ですね。この適合要件は一体どういう内容なんでしょうか。
みあ:WCAG2.0解説書では、「適合および適合レベルはウェブページ全体に対するもののみであり、ウェブページの一部が除外されている場合には適合にならない」と書かれています。
簡単に言うと、ページの一部分だけではなく、ページ全体が適合要件や適合レベルを満たす必要があるということです。
ゆみこ:うーん、なるほど。一部分だけではなくて、そのページ全体がウェブアクセシビリティに対応している必要があるんですね。
みあ:はい。ページの上部だけがウェブアクセシビリティに対応しており、下部は対応していないといった状態は認められないということですね。
さらに、同じページ内にある代替コンテンツや別ページにある補足情報などもそのページの一部とみなされます。
画像の詳細な説明を別ページで提供している場合、その説明ページも含めて単一のウェブページとして扱われるんですね。
ゆみこ:ああ、なるほど。画像の内容を説明する代替テキストやキャプションなどもそのページの一部とみなされるんですね。
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ゆみこ:そして、それが別ページにある場合でも単一のウェブページとして扱われるということですね。
みあ:はい、そうなります。
ゆみこ:ここで一つ質問があります。
ウェブコンテンツには、WordPressのようなCMSで更新されているブログやその記事についたコメントとか、制作者側で制御できない部分がありますよね。
そういった部分を適合させるのは難しいと思うんですが、これはどうしたらいいのでしょうか。
みあ:はい、そうですね。
そういった制御不能なコンテンツがある場合、部分適合に関する記述を行うという対応方法があります。
これは、制御可能な部分は適合しているものの、一部制御不能な部分は適合できず、ウェブページ全体としては完全な適合が達成できていないという状態を説明するものです。
ゆみこ:うーん、なるほど。つまり、制作者によって制御できない部分があるために、全てを適合させることができないと明言しておくんですね。
みあ:はい、その通りです。重要なのは、制御できない部分がどこなのかを明確にする必要があるという点です。
「制御できない部分すべて」といった曖昧な書き方ではいけません。
ディレクトリやURLなどを示し、ユーザーがその部分を特定できるようにしておく必要があります。
ゆみこ:どの部分が制御できない箇所なのかを明確に表示して、ユーザーから見て一目瞭然な状態にしておく必要があるということなんですね。
みあ:はい、そうなんです。
それでは次に行きましょう。
ゆみこ:次の適合要件は何でしょうか。
みあ:次は適合要件3「プロセス全体」です。
WCAG2.0解説書では、
「ウェブページがプロセスを提示する一連の流れのウェブページ群、つまり、ある目的を達成するために完了させる必要のある一連の手順に含まれている場合、
そのプロセス中の全てのウェブページが指定したレベルまたはそれ以上のレベルで適合している。
もし、プロセス中のウェブページが一つでも特定のレベルまたはそれ以上のレベルに適合していない場合、そのレベルに適合できない」と書かれています。
簡単に言うと、一連の流れ、つまり、あるプロセスを持つウェブページ群の場合、そのプロセス全体が適合レベルに適合している必要があるということです。
ゆみこ:プロセスというのは、具体的にはどういったものを指しているのでしょうか。
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みあ:例えば、通販サイトにおける商品選択から決済までの一連の流れがプロセスにあたります。
この場合、商品一覧ページから始まり、商品詳細ページ、カートページ、個人情報入力ページ、決済ページなどの全てのページが一連の流れを持つウェブページ群となるため、
すべてのページで指定された適合レベルに適合している必要があるんですね。
ゆみこ:なるほど。通販サイトで買い物をしたり、ウェブページで何らかの申し込みや登録をしたりする一連の流れがプロセス全体ということなんですね。
では、この中の1ページだけが適合していない場合には、一体どうなるのでしょうか。
みあ:その場合、プロセス全体が不適合とみなされます。
つまり、決済ページだけがウェブアクセシビリティに対応していなかったとしても、その通販サイト全体が適合していないことになるんです。
ゆみこ:1ページ適合できていないだけで、サイト全体が不適合になってしまうんですね。
でも、このプロセスの一部が不適合の場合は、人によっては商品購入が完了できない可能性がありますもんね。
そう考えると、プロセスごとに適合・不適合を考えるのはとても重要だと感じます。
みあ:そうなんです。一貫性のあるアクセシブルなウェブサイトにするためには大切な考え方なんですよね。
さて、それでは最後の適合要件に行きましょう。
最後は適合要件4「技術のアクセシビリティサポーテッドな使用方法だけ」です。
WCAG2.0解説書では「達成基準を満たすために、用いる技術のアクセシビリティサポーテッドな使用方法だけに依存している。
アクセシビリティサポーテッドではない方法で提供されている情報または機能は、アクセシビリティサポーテッドな方法でも利用できる」と書かれています。
ゆみこ:アクセシビリティサポーテッドという言葉は、今までに何回か登場していますよね。
ブラウザなどのユーザーエージェントとスクリーンリーダーなどの支援技術、この両方でサポートされていて、ユーザーが実際に利用可能な状態を指している言葉だったと思います。
みあ:はい、その通りです。
この適合要件では2つのことが言われています。
1つ目は、達成基準を満たすために使用する技術は、アクセシビリティサポーテッドな方法でのみ実装するということです。
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みあ:そして2つ目は、アクセシビリティサポーテッドではない技術を使用して情報や機能を提供する場合は、アクセシビリティサポーテッドな方法でも提供する必要があるということです。
ゆみこ:なるほど。
基本はアクセシビリティサポーテッドな方法で実装する必要があるんですね。
ただ、新しい技術などはアクセシビリティサポーテッドじゃないこともあると思います。
そういった場合は、その新しい技術などと並行して、同じ情報や機能をアクセシビリティサポーテッドな方法でも提供する必要があるということですね。
みあ:はい、そうなります。
前回と今回で紹介した適合要件は、「適合レベル」、「ウェブページ全体」、「プロセス全体」、「技術のアクセシビリティサポーテッドな使用方法だけ」、「非干渉」の5つでした。
この5つ全てを満たすことで、そのウェブページやウェブサイトは、WCAG2.0に適合していると言えるようになるんですね。
ゆみこ:はい。WCAG2.0に適合するために何が必要なのか、前回と今回の2回で詳しく知ることができました。
本日のテーマは「WCAG2.0への適合とは 後編」でした。
お聞きいただきありがとうございました。
感想をいただけるととっても嬉しいです。
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