スケーターとして挫折した青年、つかさが出会ったのは、フィギュアスケートの世界に憧れを抱く少女、いのり。
リンクへの執念を秘めたいのりに突き動かされ、つかさは自らコーチを引き受ける。
才能を開花させていくいのりと、指導者として成長していくつかさ。
タッグを組んだ2人は栄光のメダリストを目指す。
という内容です。
はいはい。スポーツモンですね。
そうですね。メダリストってつまり金メダルですよね。オリンピックの。
これを獲るために頑張るぞっていう。
なるほどね。いやいやいや、カラススポーツ苦手なんですけど大丈夫ですか?
ああ、そうか。スポーツ苦手でしたっけ?なんかやってませんでしたっけ?
カラスはね、剣道とテニスやってたんですけど。
はいはいはいはい。
そちらも全然耐性しなかったですね。
ああ、そうなの。でも年齢とかって早く始めた方がそれだけ強いみたいな部分ありません?
そうそう。テニス、高校になっていきなり始めて辛かったですね。
ああ、ね。中学、なんだろう小学校からやってる組はもう最初から上手いのが当たり前みたいなところありますもんね。
そうそうそうそう。全然追いつけなかった。
それで言うと、今日本作の主人公の唯一家、いのりちゃん。いのりちゃんって呼びますね。
いのりちゃんは作品始まった時点で小学5年生、つまり11歳なんですよね。
小5の主人公ってこと?
そうなんですよ。なんか小5、11歳って言うとまだまだ若いじゃんとか思いません?
まあそうですね。もう小学生ですもんね。
いやそうなんですけれども、でもことをこの作品で描けるフィギュアスケート、アイススケートっていう世界はね、5歳とかそれぐらいから始める子たちがたくさんいるんですよね。
5歳!?
もう閉塞教育なんだよ。
幼稚園だよ?
ああ、そんなんなっちゃってんの?もう。
フィギュアスケートって羽乳譲る選手みたいなね。
ああ。
ああいうのを見てるといやすごいなと思いつつも。
カラさんはそういう経験とかあります?
ありますあります。スケートリンクまで娘連れて行ったりとかもしてましたよ。
じゃあもうそうなると、周りの子供とか見てもちっちゃい子で上手い子とか結構いたでしょ?
いたいたいたいた。5歳ぐらいの子で綺麗な服着てくるくる踊ってましたよ。
この漫画アニメの中で紹介されるんですけども、日本っていうのはこのスケート大国なんですってね。
え、そうなの?
らしいですよ。
全然氷ないんですけど。
いろんな国の世界大会とかがあるんですけども、その上位に入ってくるのがほぼ日本の選手だったりして、なので世界大会に出る前に日本大会のがレベルが高かったりするんですって。
え、知らなかったそれ。そうなんだ。
それだけレベルの高い日本っていう国で体制するためには、5歳から始めても上手くいくかどうかみたいな、そんな世界なんだって。
そうなんだ。
めちゃめちゃシビアってことだよね。
え、じゃあこの主人公は11歳だっけ?
そうなんですよ。遅い。もう既に6年間のビハインドがあるわけですよ。
厳しい世界ですね。
厳しい世界だよね。
それでどうやって始められるのかっていうのが描かれていくのがこの1話の部分なんですけどね。
もう1話がガッと掴まれますよ。
イノリちゃんとコーチの塚田先生っていうのが出会うところなんですけれども、そもそもコーチの塚田先生っていうのも彼は26歳。
まだ若いんだよね。
僕もそう思うんですけど、彼はもう競技者としてのキャリアを諦めている、そんな年齢なんですよね。
彼の中でも、ティアスケートではなくてアイスダンスっていう、ジャンプとかはしないけれども、2人で息を合わせて踊りながら滑るみたいな、そういう競技。
アイスダンスですね。
っていう競技でかなりいいところまで行ったんですけれども、大事なところで失敗をして挫折してしまったっていう最終競技。
それで?
彼も実はスケートを始めたのが中学生から始めたんですよ。
塚田先生も中学生から?
つまりこのイノリちゃんよりも遅いわけですよね。
そうだよね、そうだよね。
だから彼なんかもスケート始めたいって言った時、周りからもう無理だよ、みたいなことを言われたことがあるわけですよ。
もうそれだけで結構イノリちゃんに対する親近感すごい強いんですよ。
コーチもね、日向男は歩いて来れなかった人が見つけ出しちゃった感じ?
そうなんですよ。このコーチの塚田先生も結構才能あるんだよ。結構才能あるんだけども、上手くいかなかったっていうタイプの。
遅かったからってことね。
遅かったもあるし、僕すごいこの塚田先生好きで、すごく前向きでポジティブに見えるんだけど、自分に対しての自信があまり強くないタイプっていうんですかね。
自己肯定感が低い。
すごいね、スキルも上手いし、すごいね、がたいがいい感じね。筋肉リュウリュウな感じでね。
金髪だけど目はパッチリしてて、すごい良い人そうですね。
そうそう、誠実な人間なんだよ。
でもそんなね、塚田先生が先週アイスダンスの競技者としてのキャリアを下りて、でもここで先生にコーチになるっていうキャリアを積み始めるんですよね。
で、たまたまであったスケート場で、この女の子に出会って、それがイノリちゃんだったんですけども。
この11歳のイノリちゃんっていうのはね、普通だったらお金を払って、それこそお母さんとかに行ってらっしゃいみたいな形でね、サポートされた上で、小学校の子は来ると思うんですけども。
このイノリちゃんはとある事情から、もう裏ルートでこの競技場に来て、こっそり捨ててるんですよね。
そうかそうか、なんか正面からお金払うんじゃなくて、裏からこっそり入れてもらった小学生みたいな感じで入ってきてるってことね。
そうなんですよ。それもなんかお金じゃなくて、スケート場の管理人のおじさんが釣りをするから、その釣りに必要な生き栄のミミズをたくさん取ってきて、ミミズを渡して、裏取引して毎回入ってくるっていう。
小学生だからお金は払わないけど、ミミズは集められるから。
それを見た司先生が、君お金払ったって。それ聞いてイノリちゃんがもう焦って逃げ出してっていうところを見るんですけども。
逃げるところもね、すごいアクロバティックな動きで、恐れを知らないようなジャンケンと繰り返して逃げるとこ見て、この子ただもんじゃないぞって司先生は思う。
すごいとこ逃げてますね。これ見て、この子すごいみたいなことか。
そうなんですよ。そうなんですよ。でね、そのイノリちゃんと話していくんですよね。どうしてちゃんとしたルートでスケートやんないのって。
で、このイノリちゃんにはすごく熱意もあるわけですよ。スケートに対する。スケートのノウハウが書かれた本とかにもびっちり書き込みをするようなね。
好きでやりたい子なのね。そうなんですよ。でもできないっていうのはなぜかというと、親のサポートが受けられないからなんですよね。
親のサポート。母さんだったらわかってくれるかもしれないんですけども、お母さん的にはすごく心配で心配でたまらないんですよ。
娘がスケートにするっていうのが。そもそもこのイノリちゃんというのは危ないのもあるし、それに対してイノリちゃんは結構打ち気な感じで自分から何かするタイプの子ではないんですよね。
内向的な子なのね。
そうそう。とはいえイノリちゃんに初めて出会った司先生は、もう早く始めた方がいいし、本気で選手を目指すなら今ぐらいがギリギリの年齢だよって言うんだよね。
うん。さっきの話ですよね。
それをイノリちゃんも受け止めつつも、お母さんのプレッシャーに家では勝てないんですよね。このイノリちゃんには姉がいるんですよね。
お姉ちゃんも小さい頃にスケートをしていて、なんならイノリちゃんはそれを見てきて私もお姉ちゃんになりたいみたいな気持ちがあってね。
下の子は上の子やってるのをやりたがりますよね。
ただね、このお姉ちゃんも結構上手かったんだけど、とある挫折から辞めてしまったんですよ。
お姉ちゃんは結構しっかりもので何でもできるタイプのお姉ちゃんなんだけど、そんなお姉ちゃんが失敗したのを見てるんですよ、お母さんも。
で、どれだけ大変ですごくプレッシャーもかかるスポーツなんですよ。
氷のリングの上で一人だけで頑張らなきゃいけない。
そんなことが妹のイノリにやらせるなんて私にはできないっていう。
知らなくて言ってんじゃないですか。やってみてつかけたんですってことね。
だからね、塚田先生ともお母さんと会って、上の子もやってたのを見てたからわかるんですよ。
この子には無理だし、この子にも上の子と同じような思いをさせたくないって言うんですよね。
つらそうだったと、お姉ちゃんも。
そうそう、もうそれを思う気でイノリちゃんもすごく申し訳なさそうな感じで。
それ見てるからね、イノリちゃん。お姉ちゃんのやつを全部見てるからか。
そうなんですよ。このお母さんにそれだけ目の前でボコボコにされてても悔しいんですよね。
もうやりたくてやりたくてたまらないっていう。
うちの子には無理ですよ。全然無理です。お母さんが断ってんのね。
そう、言われてる時にイノリちゃんもグーって唇噛み締めて、もう泣きそうになってるのを見て。
やりたいんだけど。
塚田先生きっと頭の中でフラッシュバックしてるんでしょうね。
自分が昔やりたかったけどやらせてもらえなかった時のことが。
いい、ああいいよ、今グーっときた。そっかそっか。そうだよね、やらせてもらえなかったんだもんね。
そこでもう一年を復帰して塚田先生、とりあえずお母さん滑らせてみましょうって。
本当に無駄かどうか僕が判断しますよって。
でね、滑らすんですけどね。すごいんですよ。めちゃめちゃ上手いんですよ。
イノリちゃんが上手い。
上手い。やっぱ隠れて練習したのもあるし、すごく勉強してたのもあるから。
普段はすごくシャイで内向的なんだけどこれの上ではまるで別人じゃないかってすごく自分を表現するんですよね。
ニコーってね。それでもね、やらせたくないってこの子にやらせたくないんです。
なぜかというとイノリっていう娘は普通の子よりもシャイだし、そういうことできるタイプじゃないから無理なんだと思うんですって言うんですよ。
でもそれを聞いてもうね、イノリちゃんはね、私は今のままだと嫌なの。変わりたいのって言うんですよね。
小学5年生。
絶対にスケートやりたかったのって言うんですよね。
お母さんには無理させたのも知ってるし、いつも申し訳ないと思ってたと。
だからこそ、わがままとか本当は言いたくないんだけれども、このままだと私には何もないからと。
泣いちゃったですね。小学5年生が。
でもそんな自分にも上手にできることがあるって恥ずかしくないって思いたいのって、お母さんとか思わず言い出するんですよ。
泣きながら言ってますね。
司先生方なんかすごい顔してるじゃないですか。
そうなんですよ。これはもう当時司先生が言いたくても言えなかったことを大変しているわけですよね。
なるほどね。
そこにいてね、司先生は。もうさっさとやらせましょうって言うんですよ。
雑ですね、先生。
もうこれだけ心動かされたら、もうやらせない理由はないよねと。
で、そこで付け足すのはね、司先生的にも、確かにもちろん今から始めても、何々5歳から始めても形にならないものにならないものなんてザラにあるし、
才能なんて山ほど必要なものがたくさんあるけれども、でも彼女には、いのりちゃんには一番大切な能力があると。
それがリンクにかける執念です。
はいはいはい。心のことね。
そうそうそうなんですよ。
それを知ってるから、司先生がいのりちゃんをこの子のコーチとしてスケートを教えますって。
僕が教えますみたいなことね。
そうそう、この子を絶対に高みまで連れて行きます。それだけの戦士にします。