村上春樹のエッセイとそのテーマ
絶望カフカの何者かになりたいラジオ、この番組はモータースリーとのカフカが、日々の絶望と、些細なヒントをお送りするラジオです。
さて今回はですね、言語化についてお話をしていきたいと思います。 まず一冊の本を取り上げていきたいと思うんですけれども、
それが村上春樹さんが書かれたエッセイ、 やがて悲しき外国語、というエッセイになります。
こちらの本は、1994年に発表された本ですね。 村上春樹さんが1991年から93年まで、アメリカのブリンストン大学で客員研究員をされていた時のことがエッセイとして描かれています。
タイトルの通り、外国語との格闘を中心に、 アメリカでの生活とか内政したり、言語の壁にぶち当たっていたり、
それに伴って孤独について考えたこと、そんなことが綴られていますね。 そして今回お話したい内容が言語化なんですけれども、
なぜこのエッセイと結びつくかというとですね、 村上さんはですね、外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツ、
そんなことを紹介しているんですが、それが そっくりそのまま文章の書き方にもなっているっていうふうに言っているんです。
それは引いては言語化能力ということなのかなと僕は解釈をしました。 ではまずその村上さんが言っている外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツ、
全部で3つあるんですけれども、それを3つ紹介していきたいと思います。 一つ目が自分が何を言いたいかということをまず自分がはっきりと把握すること、
そしてそのポイントをなるべく早い段階でまず短い言葉で明確にすること とおっしゃっています。
続けていきますね。2つ目、自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語ること。 難しい言葉、かっこいい言葉、思わせぶりな言葉は不必要である。
そして最後3つ目。 大事な部分はできるだけパラフレーズする。
かっこ言い換える。 ゆっくりとしゃべること。できるだけ簡単な比喩を入れること。
これが村上さんが言う外国人に外国語で自分の気持ちを正確に伝えるコツであり、 文章の書き方のコツ、そんなふうに言ってるんですよね。
実は僕は外国人に外国語でお話をする場面って今までの人生でほぼなかったんですけれども、
でも自分なりに文章を書くこと、そして自分がこれはすごい良かった、
自分のこれがすごく好きというものをちゃんと自分なりの文章にしようと思った時には、まさにこの3つ。
なるべく早い段階で短い言葉で自分が言いたいことを明確にする。 シンプルな言葉で語る。
大事な部分はパラフレーズする。言い換える。
自分が何か文章を書くとき、 それも何かすごい体験をした、すごい感動をしたという時に、
文章を書くとき、確かにこの3つ、 少しはやっているなぁというふうに思ったし、ものすごく僕はこの3つに共感をしたんですよね。
最近ランニングの話をしているので、 今回はランニングの話で自分の気持ちを正確に伝えるということをやってみたいなと思います。
まず一つ目、自分が何を言いたいかということをはっきりさせる。 そのポイントを早い段階で短い言葉で明確にする。
僕はやっぱりランニングが好きなんですよね。 なんで好きかっていうと、早く走れるとか
誰かに勝てるとかっていうよりも、 うまく走れた時、その瞬間の
自分の体の躍動みたいなものを感じることがすごく好きなんです。 なんでかっていうと、
やっぱり人間の体って複雑で、 僕自身も体が強い方ではない中で、
その瞬間に立ち会えて、 この体が熱くなるけど頭はどこか
冷静でいて、 かつグライダーのように
空中を滑走している気持ちというか、 特に
強い力を込めていなくても軽やかに足が回転して、 心地よい負荷を足に感じて、
言語化のコツ
景色がただ通り過ぎていくだけで、 自分の感覚が研ぎ澄まされていくような感覚。
そして何か考えているようで考えていないような思考が巡っていく感覚。
気づいたら、 ああこんなに走っていたなって思う。
その 一瞬の感覚っていうのがとてつもなく好きなんですよね。
今、2番目と3番目。 自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語る。
そして大事な部分はパラフレーズする。 反復するということと言い換えるということ。
僕の拙い伝え方だったんですけれども、 どうですかね?伝わりましたかね?
なんか うまく伝わったかはわからないんですけれども、
自分の中でちゃんと自分の言葉にしたなっていう感覚は、 僕の中では今ありました。
でもなかなか 自分の好きを言語化できない気持ちって確かにあるよなーってこの本を読んでいても思うんですよね。
だから 自分が考えていたことを感じたことをちゃんと言葉にする前に
他人の感想が気になってしまう。 これは例えば映画を見た後に考察系ユーチューバーの動画を見てしまうと
いうことあるんじゃないかなと思います。僕もあります。
でもその 何かすごくいいんだけど何が良かったんだろうかって
言葉にすることがどうにもできないっていう気持ち。 それを村上さんは
この本の中でですね、こんなふうにも言ってるんですよね。 これは僕の個人的な意見に過ぎないのだけれど
自分が一度何か圧倒的な経験をしてしまうと それが圧倒的であればあるほど
それを文章化する過程において 人は何か激しい無力感のようなものに絡め取られてしまうのではないだろうか
どれだけ努力してもその時に自分がありありと感じたことを 他者に向けて再現することができないというストレスは
その当事者にとってかなり切ないものであるに違いない そんなふうに村上さんはおっしゃっているんですよね
自分が感じた圧倒的な何かは何だったのか それは言語化する必要がないものかもしれない
言語化できないものかもしれない。でも少しだけ自分で文章化しようと思った時に
全く何も出てこないすごいやばいしか出てこないっていうのは やっぱりその人にとってはすごくストレスになるんだろうなって思いますし
僕自身もものすごいストレスだなってこの文章を読んで 思ったんですよね
じゃあどうしたらいいのかって言ったら さっきの3つのポイント
自分が何が言いたいかということをまず明確にする そしてそのポイントをなるべく早い段階で短い言葉で明確にする
2つ目が自分がきちんと理解しているシンプルな言葉で語る 3つ目が大事な部分はできるだけパラフレーズ反復する
そして言い換え もし何か圧倒されたものがあってそれを文章化したいと思った方は
参考にされてみてください というわけで今回は以上になります最後までお聞きくださりありがとうございました
ではまた