影山智明の著書紹介
絶望カフカの何者かになりたいラジオ、この番組は元アスリートのカフカが、日々の絶望と些細なヒントをお送りするラジオです。
さて今回はですね、大きなシステムと小さなファンタジーという本についてお話をしていきたいと思います。
著者は影山智明さんですね。今度フライヤーブックラボのイベントがあって、
著者の影山さんと荒木隆さんが対談をするということで、僕はこの本前から知っていたんですが、改めて読んでみて、そのイベントに臨みたいなと思っているところです。
ちなみにそのイベントが10月30日木曜日にあって、これ竹橋のフライヤーのオフィスで行われていくので、
ちょっとリアルに参加したいなぁと思っております。 その感想などもね、このスタイフでお話できたらと思っているんですが、
今回は影山さんが書かれた大きなシステムと小さなファンタジー、
どんな本なのかというのを紹介しながら、僕が面白いなって思った点を話していきたいと思っております。
まず、著者の影山さんは大手コンサルファーム出身で、確か10年ぐらいコンサルティングのお仕事をされていたそうです。
そこからカフェの経営者として、くるみどコーヒーというコーヒー店をオープンされています。
場所は西国分寺だったと記憶してますが、 彼が言っている大きなシステムというのが
結果重視の世界でありチームなんですよね。 で、それがいわゆる大企業的なシステムであり、
自動車業界というふうに彼は比喩を言っていますね。 まあまさしく僕は自動車部品業界に勤めているので、この言わんとしていることがとてもよくわかります。
つまり、年間のスケジュールで目標、筆達という目標が立てられて、それにかたつか、みたつか、みたいなことをクォーターごとにそれを管理しているとか、
安全、品質、環境などの巨大なマネジメントシステムがあって、 そのシステムの中でそれぞれがそれぞれの仕事をしているような感じですよね。
で、影山さんが言っているのは、その大きなシステムを完全に否定しているわけではなく、 大きなシステムにとらわれることで失っているものがあるのではないかっていうのがメインメッセージになります。
その代替であり両立が可能なのではないかって言っているのが、 彼が言っている小さなファンタジーなんですよね。
その小さなファンタジーっていうのは、 リザルトパラダイム、つまり結果重視ではなくプロセスパラダイム、方法、過程を重視するものになります。
そこで比喩として挙げられているのが、植物的であり生命論的っていうふうに言っているんですよね。
つまり何か目標があり逆算思考で動くのではなく、 木が根を張るようにじっくり育てていく、
そういう世界観のチームであり、小さなシステムもあるんじゃないのかっていう提案がされています。
ここまで聞くと、何というか、抽象論というか理想論にも近いようなものがありそうだと思われるかもしれないんですが、
彼はですね、これを実際のカフェ、喫茶店で実装しようとしているというか、
まあ、コロナ前からそのクルミドコーヒーという喫茶店があるんですけど、コロナ前から現在に続いて実装し続けているって言った方が正しいですかね。
本の中では実際にそのプロセスパラダイムを実装するためにいろんな具体的なことが書かれているんですが、
僕が一番驚いたのは、事業計画を作るのをやめたというところなんですよね。
普通に考えたらですよ。 まずはクルジカをするにはどうしたらいいか。
そして会社の資産を増やしていくにはどうしたらいいかっていうことを長期のスパンで考えていくのが普通だと思うんですが、
クルミドコーヒーはそれをあえてしないっていうふうに決断をされているんですよね。
例えばその事業計画を立てない代わりに何を重視しているかというと、お金以外の価値を重視する。
そのために従業員同士でもそうだし、目の前のお客さんに対してのまずは義務から始める。
だからなんていうかな、必ずしも売り上げをメインイシューとしていない。
まずは目の前のお客さんが気持ちよく帰ってもらうためにはどうしたらいいかという思考でドライブしていっているんだろうなというところですね。
ちょっと僕クルミドコーヒーに行ったことがないので、この辺のリアルな感じっていうのがわからないんですが、
そうやってクルミドコーヒーは逆に成長していったっていうふうにこの本では書かれています。
ちょっと面白いなぁと思いますよね。理想論的なものを掲げていながら、それでも成長をしているっていう。
影山さんはこの大きなシステムと小さなファンタジー、どちらかが正しいのではなくて両立すること、
それができるんじゃないかっていうふうに言っているんですよね。むしろそうした方が最終的なパフォーマンスは上がるんじゃないか
みたいなお話をされていました。それを彼は第三の道というふうに表現をしていたんですよね。
小さなファンタジーの実践
個人的には逆算思考ではなく目の前の人と、もしくは目の前の状況と
互換で向き合う、みたいな思考にとても興味があります。
っていうのも、荒木隆一さんがですね、
書かれたラガン思考という本の中にもこの重要性が書かれていたんですよね。
僕はそこの共通点があるなぁというふうに思いました。
つまり荒木さんはですね、現代人は目的意識が強かったり、
大量の知識があることによって現実を歪めてしまうことがあると。
だから逆算というレンズを外してラガンで見ることが重要なのではないか。
そのためにはまず物事を知覚して、その知覚した状態を保留して、
それを覚えておく、留めておく、記憶するっていうことが大事。
そんなお話をされていたんですよね。
まさしく影山さんが小さなファンタジーとして実装しようとしている世界観に近しいものを僕は感じました。
なんかね、あの影山さんも荒木さんもそうなんですが、
逆算思考で数年間ドライブしまくった人たちが最終的にその目の前のものを互換で感じることが大事って言っている。
なんかそのムーブメントを僕の中では感じていて。
しかも僕がこの人いいなって思う人に限ってそんな風に言っていたりするんですよね。
この前ランニングオフ会でお手伝いさせていただいた中井信子さんにも何か似たような部分を僕は感じているんですよね。
でも彼らに共通して言えるのは、結局その逆算思考ができる前提で、
あえてそうではないレンズを外して裸眼で見るっていうことをしているっていう、
なんかその一周回ってみたいなところを共通している部分だと僕は認識をしているんですよね。
それは何かシステムの力強さであり、システムによって人間が駆動する力みたいなものを
きっちりと把握して、そこが肌感覚として理解した上で、
そこには頼らないというか、その世界観が少し苦手っていう風に感じて、
そっちではない世界に行こうとしているみたいな。
まあすごく抽象的な話をしていますが、僕自身は自動車部品業界で働いているので、
このマネジメントシステムの力強さみたいなものは肌感覚として感じております。
このシステムに呪縛というか、効率的なんだけどどこか呪縛があるみたいな部分っていうのは同時によくわかります。
でもそこから逃れるっていうのは、会社を辞めるとか、そういうことでもありつつ、
でもこの場所でどう裸眼であり植物論的な戦い方ができるのかなというところなのかなと思っていたりするんですよね。
どちらか極端によるのではなく、その中央を行くというか。
そう考えると、裸眼思考にも小さなファンタジーにも共通して言える実践というか、ソリューションとしては、
今目の前にいる人との対話であり、今目の前にいる人といかに気持ちよく仕事ができるか、みたいなことなのかなってちょっと一周回って思ったりしましたね。
何だか抽象的な話をしてしまいましたが、10月30日かな。
フライヤーのオフィスでリアルイベントがあるので、そちらを楽しみにしていきたいなっていうふうに思っております。
というわけで今回は以上になります。最後までお聞きくださりありがとうございました。
ではまた。