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ひょっとして、妖怪古伝をお探しですか? いやね、私もこれからそこへ行くところなんですよ。
よかったら、ご一緒しましょう。 江戸の時代から庶民に怖がられながらも、愛され続けてきた妖怪。
このポッドキャストは、そんな妖怪を毎回一つ取り上げて紹介し、
ここのオーナー自らが勝手に作ったバカバカしい妖怪の物語が聞ける。
それがこの妖怪古伝なんです。
さあ、着きました。私が扉をお開けしましょう。
おいてけぼり
江戸時代の頃、東京都住宅付近には水路が多く、魚がよく釣れた。
ある日、仲のいい町人たちが、錦糸町あたりの堀で釣り糸を垂れたところ、非常によく釣れた。
夕暮れになり、気をよくして帰ろうとすると、堀の中から
おいていけ、という恐ろしい声がしたので、恐怖に駆られて逃げ帰った。
家に着いて恐る恐るビクを覗くと、あれほど釣れていた魚が一匹も入っていなかった。
この話には他にも、
現場にビクを捨てて逃げ帰り、しばらくして仲間と一緒に現場に戻ったら、ビクの中は空っぽだった。
自分はすぐビクを堀に投げ捨てて逃げたが、
友人はビクを持ったまま逃げようとしたところ、
水の中から手が伸びてきて、友人を堀に引きずり込んで殺してしまった。
逃げた先でのっぺら棒などさらなる怪異に遭遇した、などの派生した物語が存在する。
東京の堀切駅近くの地にも、かつておいてけぼりと呼ばれる池があり、
ここで魚を釣った際には、3匹逃がすと無事に帰ることができるが、
魚を逃がさないと道に迷って帰れなくなったり、
釣った魚をすべて取り返されるといい、千十七不思議の一つとされた。
そろそろ夕刻の時間、江戸の町外の池で三平は釣りをしていた。
もともと釣りは上手な三平であったが、この日は尋常ではないほど魚が釣れていた。
いやー、俺は魚釣りは得意だし、競争したら誰にも負けねえと思ってるけど、
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これほど釣れたのは初めてかもしれねえ。
そろそろ持ってきた樽もいっぱいだし、帰ろうか。
こうして三平が竿をあげ帰り自宅をしていると、
どこからか生ぬるい風が吹いてきた。
そして池の方から何やら三平に向けて声が聞こえてきた。
置いていけ。
命が欲しくば、置いていけ。
怖がりな三平は腰をぬかさんばかりに驚いて、こう答えた。
わわわ、わかりました。
樽ごと置いていきますから、命ばかりは助けてくれ。
そう言うと三平は、樽はそのまま必死で逃げ出した。
なんとか息を切らしながら長屋に帰った三平は、
いつも兄貴と慕っている銀次に事の次第を話した。
三平、おめえはほんと馬鹿だな。
そんなな、狐か狸が人間様を馬鹿にしているだけじゃねえか。
よし、わかった。任せろ。
明日は俺も一緒にその池に行ってやるから。
こうして次の日、三平はいつものように釣り自宅で、
銀次は竿を持たず酒瓶を持って昨日の池に出かけていった。
またいつものように三平はたくさんの魚を釣り上げた。
そして夕刻。
昨日と同じように生ぬるい風が吹き、霊の声が聞こえてきた。
置いていけ。お祝判。置いていけ。
よし、この時を待っていた。この化け物の正体を見破ってやる。見てろ。
と言って銀次は持っていた酒瓶を池に転がした。
ゴロゴロ転がっていった酒瓶は急にふっと消えた。
少し沈黙が続いた。
どうやら声の銀次は酒を飲んでいるらしい。
そして今度は酒瓶がこちらに飛んできた。
いよいよこの化け物の正体がわかるぞ。何だったらとっ捕まえてやる。
そう身構えている二人の前に何かが飛んできた。
それは鯛だった。
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置いていけ。置いていけ。
気前がいいな。よし、もっとお立ててもっといいものもらおうぜ。
いやーありがたいありがたい。もっともらえないかな。
今度は期待して二人は身構えているところにまた何かが飛んできた。
今度は鰹だ。
持っていけ。
やったぞ。この化け物完全に酔っ払ってるよ。
よし、今度はもっとでかいやつだ。
すごいな。でももっと大きいのは無理だよね。
今度はさらに二人は身構えて待っていた。
ん?どうした?
おい。
よーし、そのが最後だぞ。持っていけ。
今度はさらにすごく大きなものが飛んできた。
よし、鯛行くぞ。きっと今度はマグロだ。さあ行くぞ。
ん?マグロじゃないな。なんだ?
おお、これは鮫だ。食われるぞ、鯛。逃げろ。
兄貴、待ってくれよ。
二人は全力で逃げていった。
夜が明かり、夕闇の霧が晴れてきた。
鮫が落ちていたと思ったところには、大きな丸太が落ちていた。
いかがでしたか?今日の妖怪話は。
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新しいお話は、毎週土曜日午後5時に公開になるらしいですよ。
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それではまた。