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おやおや、お前さんひょっとして、妖怪古伝をお探しかな? あそこは、なかなかわかりにくい場所にあるんじゃ。
よかったら、わしが案内してやろう。 妖怪古伝。
このポッドキャストは、たーくさんの妖怪の中から、毎回一つの妖怪を取り上げて、
どんな妖怪か紹介し、 誰も聞いたことのないオリジナルストーリーが聞ける。
そんな番組、それがこの妖怪古伝なんじゃ。
さあ、着いたわい。 この扉の向こうじゃ。
気をつけてな。
倉ぼっこ。
倉ぼっこは、 蔵の守り神として伝えられている妖怪。
岩手県、東の地方に伝承されている。 子供ほどの背丈、全身煙くじゃらか、
頭髪が体全体を覆うほど長い姿で描かれることが多い。 危害を加えず、人を助ける、
座敷晴らしに類する妖怪であり、 倉ぼっこが蔵から離れると、
その家の運が徐々に傾くという。 蔵の中で、
糸車やお林などの物音を立てることはあるが、 姿を現すことは非常に少ないと言われる。
民俗学者、柳田邦夫の著書、 「塔の物語周囲」では、
倉ぼっこの名で述べられており、 塔のある家で、
蔵にもみがらを撒いておくと、 足跡が残るので存在がわかるとある。
千代は、明日のキャンプのため、 自宅の古い蔵に、
色々な道具を探しに入っていた。
いやー、この蔵は江戸時代の初めから、 代々受け継いだ物がたくさん入っているからな。
ところで、去年しまったテントやバーベキューセット、 どこ置いたかな?
町夫はなかなか見つからず、大きな薄暗い蔵の中を、 奥へ奥へと進んでいった。
あれ?どこ行っちゃったんだろう?
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これか?
あ、ありがとう。そうそうこれこれ、 このテント探してたんだよーって誰?
うわ、お前なんだ?
おいらは倉ぼっこ。 この蔵にはもう280年住んでいる。
だからこの蔵の中は、 隅から隅まで全部わかっているよ。
見ると子供くらいの背丈の、 髪の毛なのか体から生えているのか、
全身毛だらけの物が、 バーベキューセットを町夫に差し出していた。
うわ、なんだよ妖怪かよ。
でも悪い奴じゃなさそうだし、 ずっとここにいたことを考えると、
色々助けてもらえるかもな。
そうそう、キャンプだろ?
それならこれこれ、ガスバーナーにナイフ、 そうそう、チェーンソーなんてのもあるよ。
チェーンソーなんて、 アメリカのホラー映画じゃないんだから。
なになに、もっと武装な物もあるんじゃないの? 例えばライフル銃とか。
さすがにライフル銃はないな。
江戸時代のひなわじゅうなら、 5丁ほどあるけどね。
あるんかい!
これじゃ呪われた日本刀とか、 甲冑とかありそうだな。
それに国宝級の壺とか?
ああ、呪いの刀は明治の頃、 オイラがうまく売っ払ったからないな。
高い壺や皿はないけど、
1等に当選している宝くじならあったかな?
え、本当か?
3億、1億、 いやいや、昔だからそんなに高額じゃないか。
でも、5000万とかなら。
えーと、間違いなく当選はしてるけど、 昭和の頃だから、機嫌切れだな。
そうそう、もっと面白い物もあるよ。
この箱、この箱、 この箱、今で言うタイムマシーンなんだ。
使ってみる?どの時代がいい?
えー、嘘だ。
もし本当なら、試しにどこの時代でもいいから、 言ってみてよ。
そう言うと、町夫はこの箱の中に入った。
信じないんだな。
よーし、じゃあ、 一番オイラの知っている激動の時代に行ってやる。
いいか?
Here we go!
いいか?ここは江戸時代末期というか、 いわゆる幕末ってやつだ。
もうすぐここに一人の男が駆け込んでくる。 見ていろ。
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くらぼっこが言ったように、 若い侍が飛び込んで来た。
すまん、チックとかくまってくれんか。
と言うと、男は蔵の中に隠れた。
続いて、誠の字が書いてある、 羽織を着た男たちが、なだれ込んで来た。
おい、お前、ここに頭がもじゃもじゃの、 とさの侍が来なかったか。
なんだ、お前、不思議な格好しているな。
どうなんだ、来なかったのか。
そう言って、蔵の中を調べ始めた。
バンバン、刀の鞘や大木槌で、 蔵の中のものを叩いている。
隠していると、ためにならんぞ。
うーん、どうやらここにはいないようだ。 行くぞ。
そう言うと、町男が入って来た箱を、 大木槌で叩き割って出て行った。
すまん、助かったぜよ。
あちゃ、壊れてしまおうだな。
ほんとにすまんかったぜよ。
わしは坂本を行き、 次に会った時は必ず礼をするき。
待っちゃってくれえの。
そう言うと、侍は走って出て行った。
どうだ、すごいだろう。 坂本龍馬に新鮮組だぞ。
ん、お前、どうした。
町男は、箱が壊れてもう 現代に変えなくなったと思った瞬間、
ショックで気絶して倒れてしまった。
あちゃ、倒れてしまった。 悪いことしたな。
タイムマシーンはこの壊れた箱じゃなくて、 本当はこの蔵自体なんだ。
まあいい、現代に戻ろう。
夕方、町男は蔵の中で目を覚ました。
全部夢だったのかと思って蔵の中を見回すと、
大きな壊れた箱の横に、 誠と書いてある蜂巻が落ちていた。
どうじゃった、今日の妖怪話は。
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そうそう、ノートの妖怪古伝では、
昔のオリジナルストーリーのシナリオが読めるらしいぞ。
ポッドキャスト、妖怪古伝の新しい話は、
毎週土曜日午後5時に公開になるらしいから、
よかったらまたここに聞きに来ておくれよ。
それじゃあまた、待っておるぞ。