2022-03-25 10:02

#8 和歌

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キーワード:和歌、万葉集、勅撰和歌集、古今和歌集、新古今和歌集、私家集、歌論、歌合、鴨長明、方丈記、無名抄、発心集
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それでは、今回も講義を始めてまいります。今回はですね、和歌についてでございます。
和歌というのは何かというと、いわゆる形式としては、現代の単歌と同じようなもの。
5・7・5・7・7で読まれるようなものを基本的には和歌といったらイメージしていただければいいんですが、
厳密には古文に含まれるような、そういった単歌の形式のようなもののことを和歌といっていますね。
こちらには実際には長歌と呼ばれるものだとか、単歌の形式ではないようなものも含めて、
だいたい古文の中で含まれているこういった形式のもののことを和歌と総称しております。
なので和歌といったときには5・7・5・7・7のものもあれば、もっと長いものなんかもあると思っていただければいいと思います。
ただ、ここで出てくる和歌というのは基本的には5・7・5・7・7の和歌が基本だと思っていいと思います。
この和歌というものを集めた書物というものがいろいろありまして、大きく分けると一つには直線和歌集というもの。
こちらは国歌プロジェクトとして、例えば天皇とか、あとは基本的には天皇が命令はするんですけれども、
その実態としては当時権力を握っていた人たちとか、そういう方々が選んだりしたもの、そうやって作られたものを直線和歌集といっております。
それとは別に、それぞれの個人で作ったプライベートな和歌集なんかもございます。
こちらは詩歌集とか詩歌和歌集というふうに言ったりいたします。
あとは選ぶという字を使って詩詮集というものもあったりしますね。
あとはですね、関連する書物としては、そういった和歌について論文を書いたりしてるんですね。
これを歌論と言ったりいたします。歌の論文と書いて歌論ですね、というものがあったり、
あとは当時というか、これはかなり古い時代からあるようなんですが、歌合わせというものがあるんですね。
もともとは歌書きと呼ばれるような恋愛イベントがあったんですけれども、
そういったものの影響もあるのかないのか、直接はもしかしたら関係ないのかもしれませんけれども、
歌合わせというものが貴族の間でやられるようになったんですね。
で、この歌合わせって何なのかっていうと、右のチームと左のチームに分かれて、それぞれが代表者による和歌で競うというイベントなんですね。
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まあ、紅白歌合戦みたいなもんです。
それぞれが交互に歌を読んで、どちらがいいのかっていうことをその都度勝負していくっていうイベント、歌合わせっていうものがございます。
で、こういったまあいろんなものが和歌に関わってあるんですけれども、
その直線和歌集やしか和歌集、あとはカロンですね。カロンとか歌合わせを集めたものとか、まあそういったものは今現在も残っているわけであります。
で、実はここまで述べたものの中に入っていないんだけれども、有名なものに万葉集っていうものがあるんですね。
これはまあ言ってみれば、現存する最古の和歌集になってまいります。
ですのでね、これはね、いわゆる直線和歌集ではないんですね。
その天皇の命令によって作られたっていうわけではどうやらなさそうなんですよ。
まあ、どうやって作られたかっていうのは、ちゃんとしたところはちょっと定かではないところはあるんですけれども、
ただ、成立は奈良時代くらいなんですね。
で、奈良時代までに作られた本当に様々な時代の様々な人たち。
ポイントとしては貴族だけではなくて、非常に庶民の人たち、読み人知らずと言われるような、もう誰が読んだかわからないような和歌まで含めて、
また、この万葉集の中には方言が使われている。
先森の歌とかですね、あとは東歌と呼ばれるような、当時の地方の人たちの和歌も入っていたりするんですね。
そういった点も含めて非常に個性的な和歌集で、現代でも愛されている作品があります。
そういう万葉集というのはちょっと特殊というか、ここまで言ったジャンルとはまた違う内容になってまいりますね。
次に有名なのはやっぱりですね、直線和歌集ですね。
直線和歌集っていうのもいろいろあるんですよ。
全部で21大集とも呼ばれているので、21あるんですね。
その中で最初の3つを3大集、最初の8つを8大集、残りを13大集なんていう言い方をすることもあります。
特に最初の8大集なんかはですね、一応なんかよく出てきたりしやすいというか、いろんな話題にも出やすいものということになってまいります。
なんですが、実際に中学校や高校の教科書で出てくるものって何かっていうと、
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その中でも一番最初の直線和歌集である古今和歌集、そして8大集の最後、つまり8つ目の直線和歌集である新古今和歌集、これらがですね、よく出てまいりますね。
先ほど申し上げた万葉集と古今和歌集と新古今和歌集、この3つがよく比べられて、比較されて論じられることが多いんですね。
時代としてもそれぞれ奈良時代、平安時代、鎌倉時代の代表作というイメージでございます。
これらが特に有名な直線和歌集になります。
あとはですね、詩歌集もいろいろあるんですけれども、
例えばその作家の名前がついているもの、柿の元の人丸という人の詩歌集として、柿の元の人丸集、人丸歌集か、というものとかですね。
あとは泉敷部の歌を集めた泉敷部集、なんていうふうにですね、人の名前を冠しているものだとか、
あとは有名なところで言うと西行という人の書いたものが集められた山歌集とか、まあそういったものがございますね。
あとは家論書で言うとですね、特に有名なのは鴨の長名、こちら随筆でも出てまいりましたね。
鴨の長名の書いた家論書として無名章というものがございます。
非常にですね、鴨の長名という人もいろんなものを作っていらっしゃるんですよね。
家論書として残されているのが無名章だということでございますね。
やっぱりですね、歌、これもジャンルというものを現代の感覚で分類しているので、
実際には何かちょっとそこまで分けられないというんですかね。
実際にはこれは随筆だ、包条記は随筆だとかですね、無名章は家論書だとか、
実際にはいろいろ特徴があるにせよ、それを分けたのは後世の人なわけですよね。
おそらく鴨の長名自身がそうやって分けたわけではないと思うんですよ。
なんですけれども、一応現代ではそのようにジャンル分けされたりしておりますね。
ちなみに鴨の長名という方は包条記が随筆でしたね。
無名章が家論書で、あとは節話集も書いているんですよ。
仏教節話集として保身集というのも書いているんですね。
何となくジャンル分けしてみると非常にマルチな感じはいたしますけれどね。
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それぞれはやっぱり通廷するものはあるんだと思います。
あとは歌合わせというのは、なんとかかんとか歌合わせという名前で残っている。
例えば600番歌合わせとか、1500番歌合わせなんていう名前で残ったりしております。
その他にもいろいろこれは詩歌集かな、これは家論書かなとか、
そういうふうに分類されるものもあるんですけれども、
それは結局後世の人がそうジャンル分けしたという感じだとは思うんですけれどね。
いずれにせよこの歌、和歌というのはいろんな文学に出てきます。
物語にだって出てきますしね、随筆にだって出てきます。
いろんなところにこの和歌の要因というのは当然出てくるわけですね。
ですから和歌を理解するということは非常にいろんな古文を理解するでも大切になってくるわけであります。
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