現役のレーシングドライバーは、冬場にどんなトレーニングをしているのでしょうか?
本日は、レーシングドライバーが運転技術を向上させるために行っているという秘密の練習、雪上トレーニングについてお聞きいたします。
また、雪上でより安全に走行するコツや、スタッドレスタイヤのお話もさせていただきたいと思っています。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
それでは本日のゲストをご紹介いたします。前回に引き続き、レーシングドライバー山下健太さんと、そして、エビスサーキット支配人兼レーシングドライバーの熊久保信重さんです。よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
これ、支配人は支配人じゃないんですね、今。
エビスサーキットの代表なんですけど、以前支配人だった時代の友達が仲間がね、もう支配人という呼び名になってたので、それが今でも代表になっても支配人があだ名になってるので、支配人でいいです。
そうですね、あだ名支配人ですからね。役職は皆さん社長ですからね。
はい、そうなんです。変な話ですけどね。
僕だって支配人に会ったのもう何年?20年?
もう20年以上前。
エビスサーキットさんざん通いましたね。
20年じゃ聞かないね、25年とか。
そうですそうです。ちなみにエビスサーキットはどこにあるサーキットとか、ちょっとエビスサーキットのご説明でいいですか。
エビスサーキットは福島県の日本松市にあります。ちょっと特殊なサーキットで、動物園の中にあるという。
サーキットに来るとライオンやキリンやラクダも見れますよ。
確かに。
ライオンやキリンやラクダを見たついでにサーキットに来る人はあんまりいないですからね。
いないですね。サーキットに来たついでにライオンやキリンやラクダを見ると。
僕ね、営業妨害かもしれないけど、普段エビスに行くとホワイトライオンがすごい有名で、ホワイトライオンがいるんですけど、ホワイトライオンが寝転がったりして茶色いんですよ。
やる気がないですね。
そう、だけどゴールデンウィークになると真っ白になるんですよ。
本当に真っ白なのですぐ汚れちゃうんですよね。
たぶん飼育係が水かけて。
そう、そんな有名なエビスサーキットの今回は社長、新しい会員にお越しいただいてますのでよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
そして前回に引き続き山下さん、リースターの皆さんに一言ご挨拶お願いします。
はい。1995年8月3日生まれです。よろしくお願いします。
3回目だね。ありがとうございます。
というわけで山下さんは前回もご出演いただいておりますが、国内モータースポーツの最高峰であるスーパーGT、そしてスーパーフォーミュラーの両カテゴリに参戦をしている山下さん。
それぞれのレースの見どころや魅力について前の番組ではお話をいただきました。
というわけでリスナーの皆さん、ぜひ前回の放送もお聞きいただきたいと思います。
さて、熊久保さんはですね。
ここにレーシングドライバーって書いてあるんですけど、レーシングドライバーではないかもしれないですよね。
レーシングドライバーってラリーやったり、ドリフトやったり。
ドリフトやったり、ダートラーやったりっていう。今でもね、もちろんダートトライアルの方に出たりはしてるんですけど。
でもレーシングドライバーと言われるほどのもんではないですね。
でも支配人がモータースポーツを始めるきっかけは何だったんですか?
実は小学生の頃にモトクロスを始めまして。
バイクから?
実はこの横浜タイヤさんとのお付き合いというかサポートを受けてるのが、16歳から受けてるんですよ。
モトクロス時代から?
モトクロス時代に、全日本モトクロスに出てる頃にサポートを受けまして。
今、現時点もダートトライアルなんかでは横浜タイヤさんにサポートしていただいて。
もちろんD1グランプリ途中のドリフトの時代では、2回のチャンピオンともバンネオバでチャンピオンを取らせていただきまして。
トータルで今54歳なので、実は38年間横浜タイヤのサポートを受け続けて。
今現役の中では最長なんじゃないかなって思うんですよね。
絶対最長ですね。
多分山犬知らないと思うんですけど、横浜タイヤって昔二輪のタイヤをやってて。
全然知らないですよ。
めちゃくちゃ有名で。
二輪のロードレースだったりオンロードだったりオフロード、モトクロスのオフロードタイヤだったりっていうのがあって。
今MTタイヤでジオランダっていうものがあるじゃないですか。
実はモトクロスタイヤ以前は、モトクロスタイヤがジオランダっていう名前だったんです。
そうなんですか?
ロードレースのタイヤはゲッターじゃないですか。
ゲッターあった?
ゲッターとジオランダっていう二輪のモータースポーツタイヤがあって、その時代のジオランダを使ってたオフロードのサポートライダーだったんですよね。
すごい、38年。
でもレーシングって、ドライバーというか最初ライダーですけど、モータースポーツを始めてもずっと横浜さんなんですね。
ずっと横浜なんですよ。
実際自分が競技で使うのは、もちろんチームはいろいろ変わったりしてるんですけど、実は私個人が競技で使ってるタイヤっていうのは全部横浜さんで。
実は二輪時代、ドリフト時代、ダートラー含めて、全部横浜の帽子を被って表彰台に上がったことがあるっていう。
すごい。意外に支配人すごいんですね。
そんなことはないですけど。
エビスの社長とか支配人かと思ったら。
一途なんですよ。
浮気をしないタイプですね。
浮気をしないタイプなんですよ。
でもどうですか?38年横浜さんとお付き合いして、横浜さんのイメージってどういうタイヤメーカーですか?
いややっぱり、高校生の頃から使ってるタイヤですし、やっぱりもともと憧れてたタイヤなんですよね。
モータースポーツのイメージがすごく強いじゃないですか。
その中で私たちも本当にそのスポーツタイヤを使ってチャンピオンを獲らさせていただいたりとか、その後ダートラーでも良い成績を上げさせてもらった。
やっぱりモータースポーツタイヤのイメージがすごく強いです。
ただ、私たちがチームオレンジというチームで活動してるんですけど、とすれば実はモータースポーツタイヤのイメージよりもスタッドレスタイヤのイメージの方が強いんですよ。
そうなんですね。
そうなんですよ。
チームオレンジのイメージが?
スタッドレスタイヤの方が強いの?
はい。実はこのチームオレンジがいろいろ高成績を収めるきっかけというのは、スタッドレスタイヤのイベントだったりで、
冬の間にたくさん試乗会などでドライバーをやらさせていただいたことがきっかけで、そのドライバーがすごく上手になったっていうものがあるので。
でも、スタッドレスタイヤの進化に伴って自分たちもタイヤの方を勉強させてもらったっていうのがすごく大きいですよね。
だからスタッドレスに携わらなかったら、もしかしたらあんまりタイヤの詳しいことがわからなかったかもしれないんですけど、スタッドレスタイヤで滑る路面をたくさん走ったことによって技術も上がったし、知識も上がったっていうのが。
なので、本当に横浜さんに育ててもらったっていう感じが一番強いですよね。
すごい繋がりました。
はい。
北海道に横浜さんの雪上のテストコースがありますよね。
なるほど。
あとは自動車メーカーさんのテストドライバーの方々のトレーニングにも使われてます。
これ言っていい範囲の中で、その支配人の用意している雪上トレーニングを受けてるドライバーって他にどんな選手はいるんですか?
そうですね。すごく私たちの氷上だったり雪上トレーニングって昔から15年くらい前からやってて、10年くらい前から氷上、凍った湖を使ってトレーニングもやってたり、楽しんでもらったりすることやってるんですけど、
一番最初から来てるのは平峰選手、あと千代選手、高星選手がもう一番長いですよね。
なるほど。もう全員日産勢ですね。
日産勢ですね。
日産勢ですね。GTR乗りたち、今Zか。
そうなんですね。
これがやっぱり一番古いですかね。この3人は冬だけじゃなくて、夏場のドリフトトレーニングというのも以前から取り入れてたので。
ですって。
僕らはじゃあもっと行かないとダメですね。
でもトヨタ勢だってあんまり言えないけど行ってるでしょ。
トヨタ勢あんまりいなくないですか。
トヨタ勢はちょっと企画もあってね、いろいろトレーニング、こういうトレーニングをもっとちゃんとエビデンスを持ったトレーニングにしようということで、ちょっと検証をさせていただくことができたんですよね。
その検証のモルモットとして山賢と坪井くんに来てもらって。
モルモットなんだ。
本人は楽しんでましたよ。本人めちゃくちゃ楽しんでましたけど、そういう走ってるデータを回収して、それを分析して、スーパーフォーミュラーとかの走りと比較して、エビデンスを探したという。
でもスーパーフォーミュラーもスーパーGTもタイヤ交換をした後って、新品タイヤだからすごく滑るじゃないですか。
タイヤが温まってる状態だったら、みんなプロの一流ドライバーだから大体同じようなタイムが出ますと。
だけど滑るタイヤを履いてる状態で、大体1周から1周半走んなきゃいけないでしょ。
そこでどれだけタイムを縮めるかって、滑るタイヤに対して慣れてないとダメじゃないですか。
その辺は山県としてもそのトレーニングが生きたなって思う瞬間ってあるの?
僕は去年からずっとやらせてもらってて、今年の開幕戦スーパーフォーミュラーの気温がめちゃめちゃ低かったんですよ。
いつもより開催時期が早くて。
3月の最初にやったんですけど、ローンが10度ぐらいしかったんで。
で、アウトラップが本当にこれでやっちゃいけないでしょうぐらいグリップしなかったんですけど、
本当にそこで結構早かったんですよ、自分のアウトラップのタイムが。
それでアンダーカットできたんですけど、そのタイヤの冷えてる氷カチカチの上走ってますみたいな状態を冬にトレーニングで走らせてもらってたんで、
頭の中ではどうなってるかちょっとわかんないですけど、体でちょっと覚えてて、早く走れた部分っていうのはすごいあると思うので、
いけてよかったなって今思ってます。
司会人としては逆に雪上トレーニングが、そのトレーニングによってレースに影響する部分ってどういうところにあると思いますか。
まさに今山賢が言ったように、実際そのタイヤが発動して、いい状態のところってやっぱりみんな早いと思うんですよね。
でもそこでどんなに頑張ったら頑張らなくても、コンマ1秒とかコンマ2秒とか、もっと小さい単位の差しか生まれないですよね。
でもやっぱりアウトラップだったりすると、もうそこで秒で変わってくるので、じゃあその秒って詰めることはもうタイヤが発動してからはできないですよね。
なのでやっぱりその路面状況だったりタイヤ状況が悪い時に差がつきやすい。
やっぱり悪状況のところでタイムを出せる、安定して走らせるっていう部分がやっぱりレーシングドライバーってすごい大事だと思うので、
そのためのトレーニングかなと思っていただいてもいいと思うんですよね。
もちろんレースの長い間にいろいろタイヤの状況も変わってくるので、その時に同じ運転しかできなければもうタイヤに依存してしまうので、
そこをやっぱりドライバーが臨機応変に走り方を変えていくっていう部分が、やっぱりそういうトレーニングが効いてくるんじゃないかなっていうのが私はあります。
近藤レーシングとしてね、近藤監督が本当に今シーズンのケンタには全てを渡すんだって言ったのもそうだけども、でも山犬としてもやっぱりその雪上トレーニングっていうのは本当に効いてると思うでしょう。
思います。
もうね、雪上トレーニングを山犬受けたんだよってたまたまD1のね、解説終わった後のたまたま何気ない雑談の中で出てきたの。山犬も受けてるんだよ。
その時に、今年の良い調子ってやっぱりそれ関係あるんだろうなーと思って聞きたかったの。
あると思います。それよりもめっちゃ楽しかったです。
待て待て待て待て。
本当にね、たくさんいろいろ山犬も来てもらったし、坪井くんも来てもらったし、他のスーパーフォーミュラントライバーもいっぱい来てもらったんですけど、とにかくひたすら走っても常に笑顔なんですよ。延々笑顔で。
いろいろこう、カリキュラムはあるんですけど、カリキュラム完全無視で、全部ドリフトして楽しそうに走ってました。
馬鹿者。
その恵比寿南コースを一周繋げるっていうのが、結構昔からオプションビデオ見てて、熊窪さんがD1で勝ってるやつとかずっと見てたんですよ、実は。
で、あのコース、なんか飛びながらストレート出てきてドリフト繋ぐみたいなのがあるから、それにずっと密かに憧れてて、これは今やるしかねぇなと思ってやった。
めちゃめちゃ楽しくて、車をいろいろ滑りながら前に転がすとかいろいろあったんですけど、それよりも楽しすぎちゃって。
楽しすぎちゃってね。
やってました、そういうの。
でも恵比寿南を一周全部繋いだ瞬間で確かに楽しいですよね。
そうですね、やっぱり以前の補走のコースだと500馬力とか600馬力ないと繋がんなかったんですけど、実際今のトレーニング、ジャリになってからはノーマルの200馬力の86で繋がるので、多分すごく楽しいと思いますよね。
でも15年前にそれを始めて、これは使えるって言ったらあれですけど、これはレースとかいろんなことに活用できると思って、そういうカリキュラムを作って、今ではさっきTGRさんもそうやってドライバーの走りを分析するための情報を取りに来たりとか、他にもだっていろいろ言っていい範囲ですよ。
僕は全部知ってるからですけど、言っていい範囲で、いろいろ他のメーカーさんたちも、その滑る技術に対して興味を持ってるじゃないですか。
もちろん車の開発だったりとかもあるんですけど、実はこの部分って交通安全にもすごく繋がってて、そこのタイヤの使い方。レーシングドライバーってもちろんタイヤの使い方ってすごい知ってるじゃないですか。