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2026-02-23 11:25

快食ボイス734・山菜は天ぷらだけじゃない——僕と山菜の向き合い方

春は、産直市から始まる

三連休の最終日。
こんな季節のいい連休に、わざわざ僕の話を聞く人は少ないだろうと思いつつ、明日から仕事という人も多いはず。
ついに山菜が出始めたので、今日はその話をしてみたい。
産直市で天然のフキノトウを見つけ「ああ、春が来た」と感じたのだ。

僕は栽培物は買わない。
買うのは地元産の天然物だけだ。
香りも、アクも、力強さもまるで違うからだ。
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僕のフキノトウ味噌の作り方

この作り方は、もう20-30年変わっていない。
誰かのレシピだったのか、自分のオリジナルなのかも、今となってはわからない。
ただ、ずっとこのやり方で作ってきた。


① 下処理

天然物なので、汚れや虫食いがある。
紫がかった外側のガクは、もったいないが外す。
香りが弱いし、汚れも多い。
サッと洗い、水を切る。


② 刻んですぐ炒める

テフロンのフライパンに、やや多めのオリーブオイルをひく。
油が少ないと、アクが溶けない感覚がある。

フキノトウは刻んだ瞬間からアクが出る。
だから、刻んだそばからフライパンへ入れていく。

大きさは厳密に揃えなくていい。
むしろ不揃いなほうが、食べたときのアクセントになる。
全体がしんなりし、油が回るまで炒める。


③ 味噌を練る

火を止め、麦味噌を加える。
少量の日本酒を加え、シリコンヘラでしっかり練る。
再び弱火にかけ、砂糖を加える。

僕はグラニュー糖を使う。
料理で砂糖をほとんど使わないので、いっそ雑味のないすっきりした甘みを選ぶ。
きび糖や黒糖も試したが、雑味が多くてキレが弱い。

ここは分量指定ができない。
味噌の塩分も種類も違うので、味見をしながら調整してもらうしかない。


④ 卵黄で仕上げる

フキノトウ、麦味噌、グラニュー糖。
すべて主張が強い。
塩気も立ち、コクが足りない。

そこで卵黄を加える。
これは日本料理でいう「玉味噌」の技法である。
卵黄が塩角を丸め、コクを出す。

一個か二個かは、全体量次第。
よく練り、しっかり加熱すれば完成だ。

僕のやり方は、アクも香りも強い。
その強さを卵黄でまとめる。
パンチはあるが、荒々しさは整える。
そんな味噌である。
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山菜は、アクを抜きすぎない

山菜は、アクこそが個性だと僕は思っている。
フキノトウを下茹でしてアクを抜く方法もあるが、それでは春の力が薄れてしまう。


タラの芽は天ぷらだけではない

タラの芽は「山菜の王様」と言われる。
天ぷらは確かに美味しい。
しかしぶっちゃけ、面倒だ。

おすすめはソテーだ。
バターで軽く焼くだけでよい。
少し開いた芽でも問題なく、むしろ香りが立つ。
天ぷらより簡単で、十分に旨い。


コゴミは優等生


コゴミは、茹でるだけで食べられる。
ぬめりとシャキシャキ感。
値段も手頃で、調理も簡単。
産直市で見かけたら、まず買って損はない山菜だ。


ワラビは上級者向け


ワラビは重曹でアク抜きが必要。
量を間違えると溶ける。
手間もかかる。
これは少し慣れてから挑戦すればいい。


コシアブラという女王


コシアブラは、タラの芽と同じウコギ科。
「山菜の女王」と呼ばれる。
広島ではまだ知名度が低く、比較的安い。

天ぷらもよいが、僕は断然「コシアブラご飯」だ。
さっと茹で、刻み、炊き立てご飯に混ぜ込む。
鰹節や少量のめんつゆを加えてもよい。

このご飯を食べると、胸が清々とする。
山菜料理の中でもトップレベルだと思う。
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産直市は朝一で行け

山菜はスピード勝負だ。
総じてスーパーに良い山菜は並ばない。
狙うなら産直市だ。

そして、行くなら朝。
昼では売り切れている。
みな、この季節を待っているからだ。
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春は短い

山菜の季節は、あっという間に終わる。

アクを怖れず、香りを楽しむ。
強さを、そのまま受け止める。
それが春の味だと、僕は思っている。
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