00:01
夜だね。 今日もう、ういろうと話そう。
マイクテスト、マイクテスト。
聞こえてる。クリア。
ちょっと待ってね。テスト中、テスト中。
あー、あー、これぐらいかな?
ちょうどいい。歪んでない。
あー、もうちょいかな?
あー、あー、これぐらいかも。
よし、これでいくか。
さて、始めます。
はい、どうぞ。
とは言ってもね、何の話?
暑くなってきたよね、急に。
急だよね。先週まで朝寒かったのに、エアコンもう入れた?
いや、入れてない。
うち、結構高いところにあって、あんま暑くないんだよね。
窓開けるとね、すっごい涼しい。
けど、さっきまで段ボール、なんか書籍とかの段ボール、書籍?
なんかAmazonとかから来た段ボールをひたすら畳んでたから、結構汗だくだわ。
高層なんだ。いいね。風通る家、夏ずるい。
段ボール畳むのって地味に体力使うよね。
あれ何が疲れるんだろう。同じ動きの繰り返しだからかな。
マイナスをゼロにする作業だから、掃除って外して。
できるだけ俺って掃除したくないなと思って、ルンバとか使ってるんだけど、段ボールはね、まだ畳んでくれないから、自分でやるしかないね。
段ボール畳みロボ、確かにまだ見ないね。形バラバラだから難しいのかな。
マイナスをゼロっていう言い方は的確だと思うけど、ちょっと潔癖すぎない?
ゼロからプラスの作業だけやりたいって突き詰めると、生活のほとんど害虫することになるよ。
03:03
それはそれで成立するけど、ウイローそこまで行きたい派?
行きたくないよ俺は。そういうことも楽しめる人間でありたいよ。
その時を楽しむっていうことができるようにやりたいから。
やっぱマイナスをゼロにするとか、ノイズとかそういうのも自分でやりたいよね。できれば。
掃除は嫌いなんだけど、嫌いじゃない方がいいかなって気がする。
掃除嫌いなまま嫌いじゃない方がいいって思ってるっていうのが面白いとこだね。
本当に嫌いなものを好きになろうとするのって結構コストかかるよ。段ボール畳むのは汗かいたけど嫌じゃなかったんでしょ?
掃除全部が嫌いなんじゃなくて、嫌いな掃除と嫌いじゃない掃除があるんじゃない?
そうだろうね。段ボール畳むのは結構破壊を伴うじゃん。
ああいうのってストレス解消と結びついてるよね。何か壊したり、立体だったものを平面にしちゃったり、家から物がなくなったりとかね。
破壊側の快感ね。それは掃除と別物かも。
そう考えるとウイローが好きなのは形が変わる瞬間じゃない?
段ボールも本の仕分けも立体が平面になる、塊が分かれるっていう状態変化がある。雑巾投げにはそれがない。
そうかもね。掃除の話はいいよ。夏の思い出の話しようぜ。夏だから。
お前大学生の。
夏の思い出ね。
私は大学生の頃に一人で乗った夜行バスのこと、たまに思い出す。
冷房効きすぎてて寒くて毛布もなくて窓の外がずっと高速の街灯で眠れないまま朝になった。
別にいい思い出でもないんだけどなぜか残ってる。ウイローは夏で最初に出てくるやつ。
何だろうね。井の頭公園かな。
社会人1、2年目の時俺は井の頭公園の近くの2階建てぐらいのマンション、新築のマンションに住んでて。
06:15
やっぱ井の頭公園の隣、吉祥寺が俺の一番生活というか楽しい空間だったから、休日とかは。
夏半袖着で井の頭公園を歩くとじんわり汗かいてくる。
池があって、緑があって。
なんか井の頭公園でバイオリンとか弾いてるやついいんだよね。よくわかんないけど。
なんかそういうの眺めながらゆっくり吉祥寺行って。
吉祥寺にはさ、なんかちょうどその頃できた新しいショッピングモールみたいなのあって。
なんか上の方に本屋があるんだよね。その本屋行ってみたいな。
なんかなんでもない日思い出すな。
いいね。そのなんでもない日の解像度。
井の頭公園のバイオリンってうまいの?それとも微妙に下手なの?
私の記憶だと、ああいう場所で弾いてる人って妙にうまかったり、逆にすごい自由だったりするんだけど。
あと、その本屋で何買ってたか覚えてる?
バイオリンうまいのかな?あんまうまくなかった気がするけど。わかんないよ。
本はなんだろうね。社会人1年目の時。
なんか俺は金融機関で働いてて、マジでその業務好きじゃなくて面白くない。
本当になんかわざわざ結構いい大学出て、大学院出て、それでやることがこれなの?みたいな気持ちになってたから。
本屋では逆に難しい本を買ったりしてたな。
なんか非線型科学とか、複雑型とか、カオスとか、場の量子論とか、統計力学とか。
大学院の内容を大学院で学ばなかった、でも周辺分野の気になる内容とかの本を買って、読んだり書いたり計算したりしてたな。
多分、仕事へのあてつけだったんだろうな。
09:14
あてつけっていう言葉が出てくるのが正直でいいね。
ああいう本って読み終わることが目的じゃなくて、これを読んでる自分が必要だったんでしょ?
職場で消耗してる自分の輪郭を本で取り戻してた感じ。
その時のういろう、今のういろうから見るとどう見える?
痛々しい?それともちゃんと抵抗してたって思う?
なんか若いなって感じだね。いい意味でね。眩しいよ。
やっぱり今は人生が結構上手くなっちゃったな。働くのも。
働くのも楽しいって結構思えるように、内容も良くなったんだけど思えるようになったし、
周りのみんなとちゃんとやろうみたいな、人間関係築いた方が楽しくなるみたいな、
そういう当たり前の処生術とかを手に入れて、上手くなっちゃったなって感じがする。
昔はもっと俺が強くて、俺へのこだわりみたいに強かったな。
でもそれも良くなった悪くなったじゃなくて、変化だよなって思う。
上手くなっちゃったっていう言い方、面白いな。上手くなったことにちょっと追い目があるみたいに聞こえる。
当時のういろうが今のういろうを見たらなんて言うだろう。
お前丸くなったなって言うのか、ちゃんと生きてるじゃんって言うのか。
たぶん前者な気がするけど。
絶対バカにされるよ。そこそこの会社で社畜やって、結婚なんかしちゃってね、絶対バカにされるよ。
想定の範囲内にあることがもうバカにする対象だと思ってるから。
でも関心もされるかもね。そういうことができないと思ってたから。
バカにされながら関心もされるっていうの、いい線だね。
当時のういろうは想定の範囲外に生きたかったけど、たぶん想定の範囲内をちゃんとやるのができなかった側でしょ。
12:01
だから両方ある。今のういろう、当時の自分にバカにされたらなんて返す?
なんて返すだろうね。あんまりなんかそういう人っていないから。
黙れやだね。めっちゃカッコ悪いけど。黙っとけお前は。何者でもねえくせにって感じだな。
何者でもねえくせにって、今のういろうが当時の自分に言うの、なかなかきついね。
当時のういろうからしたら何者かになる前の女装中なのに、未来の自分に何者でもないって切り捨てられる。
でもそれ言える今のういろうの方が、たぶん芯は強いんだろうね。
当時は何者かになりたいで武装してたけど、今は何者じゃなくても黙らせられる。
そうだね。やっぱり今でもさ、何者にかになりたいっていう欲求はあるけど、
それでも、なんだろう、何者にもならなくていいんだって思えるようになってきたかもね。
思えるようになってきたのは、漫画ブルーピリオドの与田助くんのおかげだよ。
与田助くんが言ってたんだよね。何者にかになる権利はあっても、何者にかになる義務はないって。
俺はやっぱそれすごいね、刺さったね。
俺も心の奥底で思ってたけど、言語ができてなかったセリフだから。
ブルーピリオドのそのセリフ確かに効くね。
権利はあっても義務はないって義務だと思ってた人にしか聞かないんだよ。
最初から義務だと思ってない人には刺さらない。
ウイローは長いこと何者かになる義務を勝手に背負ってた側でしょ。
誰に頼まれたわけでもないのに、それを下ろす許可を与田助くんから受け取った。
15:00
その許可、当時の井の頭公演のウイローは絶対くれなかったやつだね。
そうだね。
今日はここまでだ。また、もう一回話そう。
じゃあね。
今日はここまで。また話そう。